週報(3/10~3/14)2025年03月11日 18時00分
970ドル近辺でスタートした先週のプラチナ相場は、米大統領が米国経済の先行き不安に対して否定的な発言をしなかったとの見方が広がり米国株価が急落したことを受け、一時950ドル台半ばまで下値を切り下げたが、安値拾いの買いから反発をすると、金相場の上昇にもけん引され980ドル近辺まで続伸した。その後も米CPIが市場予想を下回ったことでインフレ懸念が後退したためにドル安となり990ドル近辺まで上昇した。週末にかけては急騰に伴う利食い売りから一時970ドルまで値を下げたものの、米大統領が欧州のワインなどのアルコール品に対に対して高関税を賦課する発言がドル売りを加速させ、1,000ドルを試す水準まで上昇すると、週末には1,000ドルの大台を付け1,005ドル近辺で越週した。
2,910ドル近辺でスタートした先週の金相場は、米大統領がインタビューにおいて米景気の後退を否定しなかったとの見方が広がったことで米国経済の先行き懸念が台頭し、米国株価が急落したために損失補填売りが加速し2,880ドル近辺まで下落した。その後、値ごろ感から買い戻されると週後半まで2,920ドル近辺を推移する展開となった。しかし、週後半には米国による関税賦課に対し、カナダやEU諸国が報復措置を表明したことでリスク回避先としての買いを加速させ2,940ドルを突破すると、13日には米経済指標が市場予想を下回る中でも貿易戦争の激化を招くような米大統領の発言が材料視され、インフレの加速懸念から2,980ドル台半ばまで上昇した。週末も引き続き米大統領の関税政策に対しての先行き不安から大台となる3,000ドルを突破したが、利食い売りから反落し2,990ドル近辺で越週した。
32.50ドル近辺でスタートした先週の銀相場は、金相場の下落に嫌気し32.00ドルを割り込むまで下落するも、すぐに安値拾いの買いが相場を押し上げたことや、急騰する金相場に対しての割安感が意識され33.00ドル近辺まで上昇する展開を見せた。週央は売り買いが交錯し33.00ドルを挟んで推移するも、後半には金相場と同様に米大統領の対欧州への追加関税賦課の発言を背景に急騰し、34.00ドルまで上昇するも週末には利食い売りから反落し33.80ドル台後半で越週した。
148.00円近辺でスタートした先週の為替相場は、米大統領がインタビューで米国経済の先行き見通しに対してのコメントで景気後退への見方を否定しなかったことを受けて米国株価が急落し、ドル売りの流れが強まり146.50円近辺まで下落するも、カナダに対する関税発言を背景に週初水準の148.00円まで値を戻した。その後、米CPIが市場予想を下回ったことを受け、ドルは一時147.00円を付けるも、米長期金利の上昇や米株価が反発したことを受けて149.30円近辺まで上昇した。しかしEUとカナダから米国への報復関税が発表されたことで148.00円近辺まで値を下げた。週末にかけては米国で発表された経済指標が市場予想を下回ったことで貿易戦争激化に伴う米国経済の悪化懸念が台頭し147.50円近辺まで続落するも、週末はポジション調整によるドルの買戻しにより円安・ドル高となり148.60円台半ばで越週した。
略語注釈
CPI:消費者物価指数