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マーケット市況情報
2005年12月08日 15時33分
2005年11月の貴金属市況2005年12月08日 15時33分
価格ベース
金 US$ London Fixing 円建 税抜参考小売価格
プラチナ US$ N.Y.F.M 円建 〃
金(Gold)
■海外金相場
11月の金相場は460ドル台中盤でスタートした後、米ドル金利の先高感、それに伴うドル為替高、更には高騰を続けていた原油相場に一服感が出た事による一時的なインフレ懸念の後退などを受けて当初軟調地合の取引となり、7日にかけて450ドル台中盤と約10ドル程価格を切り下げました。7日に発表された米国10月の雇用統計では景気浮沈の指標となる非農業部就業者数の増加幅が5.6万人と11万人増の予測値を大きく下回ったものの、金市場への影響は限定的でした。しかしその後為替市場において米ドル高が一段落した事から、金価格は底打ちすると8日には460ドル台を回復。続く10日の東京時間には、TOCOMにおいてプラチナが約定最高値を更新した事を材料に、金市場にも買いが波及し上昇基調を強めました。更には15日に発表された米国卸売物価指数が上昇した事を受けてインフレ懸念は再燃し、同日に470ドル台を回復。加えて、「各国中央銀行が保有金を増加させる事に積極的になる」との見通しや、世界的な金の販促・啓蒙機関であるワールド・ゴールド・カウンシルが本年第3四半期の金需給に関して、「投資用需要の高まりを受けて前年比7%増加した」とのレポートを発表するなど金市場に対する支援材料が重なる形となり、金相場は独歩高の展開となりました。結果17日に480ドルを回復すると22日には490ドルまで上昇。24日から米国市場が感謝祭の為に休場に入ったにも関わらずポジション調整の為の売りは、極僅かで、感謝祭明けの28日には一時500ドルに到達し、当面の上値目標値まで上昇しました。さすがに500ドルを記録したことによる「達成感」から月末にやや値を下げましたが490ドル台と月初の価格を大幅に上回る形での越月となりました。月を通じて概ね上昇基調が継続しましたが、その間COMEXにおける投機家の買持ち玉数は月初の約450トンから月末には550トン程度まで増加したものと見られます。この数字は本年の最高値とほぼ同等(10月中旬)ですが、10月中旬の価格が470ドル近辺であった事を考慮すれば、
「思ったほど増加していない」と言うのが率直な印象です。11月の価格上昇は、投機家の思惑買いもさることながら現物の購入も相当量あった事と推定されます。
■為替相場
ドル・円為替相場は、10月のドル高・円安基調の流れをそのまま受け継いだ形でのスタートとなりました。前月末に発表された日銀の展望レポートでは、量的緩和解除に向けての地均し的な見通しとなり、11月に入っての為替市場への影響が注目されましたが、内容が予想の範囲内であり、本邦のゼロ金利解除は来年夏以降との見方が大勢を占めた事から、ドル高・円安の流れに歯止めをかけるには至りませんでした。加えて4日に発表された米国第3四半期のGDPは前期比年率3.8%の成長と、ハリケーンの被害を感じさせない結果となり米国経済の底堅さを示す結果となった事から更にドル高・円安が進行。7日には118円台中盤まで円は弱含みました。 急激なドル高・円安を受けやや行き過ぎ感が台頭した事から、その後中旬にかけて117円台~118円台での揉み合いとなりました。しかし、小泉首相を初めとする本邦の政治サイドから「早期の金融緩和政策解除」に難色を示す発言が相次いだ事から再度円安歩調となり16日には119円台を回復。その後、22日に発表された連邦準備制度理事会(FOMC)の議事録では「声明文の内容に近い将来変更が必要」或いは「米ドルの行過ぎた上昇には注意が必要」等と言った文言が躍った事から、一時的にドルが弱含む場面も見受けられましたが、大局的な意味でのドル高・円安傾向に歯止めをかけるには至りませんでした。結果、28日には一時120円に到達するなど円安圏を維持しての越月となりました。
■国内金相場
国内円建て相場は、ドル建て価格の上昇に加えて、為替相場も相対的にドル高・円安の商状となった事から概ね右肩上がりの相場を形成しました。月初1,760円でスタートした後、2日に月間の最安値となる1,746円を記録。その後、30日に月間の最高値となる1,936円まで押並べて上昇基調を保ちました。 10月・11月は本年夏場まで顕著であったドル建て金価格上昇時に為替が円高商状であり、逆にドル建て金価格下落時に為替が円安商状と言う具合に、ドル建て金価格とドル/円為替相場の逆相関関係により、円建て金価格の値動きは限定されると言う構造は完全に崩壊。2ヶ月で実に250円近い上昇となりました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
11月のプラチナ相場は、930ドル近辺でのスタートとなり、当初は取り立てて材料のない中930ドル台での往来相場を形成しました。しかし 10月中旬より上昇基調に転じ230ドル台に達したパラジウムと比較した場合の出遅れ感が台頭すると、プラチナ相場も上離れの展開となり、9日には950ドル台まで上昇しました。中旬にかけて950ドル台での揉み合い相場となりましたが、15日にリリースされた英国ジョンソン・マッセイ社の「2005年プラチナ年次報告(中間報告)」では、「欧州・日本に加え米国でのディーゼルエンジン車やトラックの販売台数の増加や、排ガス規制強化を受け自動車触媒用の需要が大幅増。高値から宝飾用需要は減少するものの、全体では前年比1.80%増の208.7トンと過去最高。つれて向こう6ヶ月間の価格レンジは890ドル-1,030ドルを予想。」と強気な見通しとなった事から、投機筋の思惑買いが活発化し、プラチナ価格は一気に980ドル台まで急伸しました。その後も、大台代わりである1,000ドルを目標として、TOCOMを中心に投機的思惑買いが入りやすい状況が継続し28日には一時1,005ドル近辺まで買い進まれました。その後「達成感」から一部手仕舞いの売りも散見されましたが、980ドル台後半と月初価格を大幅に上回るレンジを維持しての越月となりました。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は、金相場と同様、ドル建て価格が930ドル台から概ね1,000ドルまで買い進まれた事に加え、為替相場においてはドル高・円安傾向が続きましたので、2重の効果により上昇を続けました。 結果、月初3,531円と11月中としては安値圏でのスタートとなりましたが、その後はほぼ調整局面を向かえる事無く上昇を維持し、月末には3,868円と月間の最高値を記録しての越月となりました。 1ヶ月間の上昇幅は300円を超えており、元来 金やその他の貴金属に比して値動きの荒いメタルであることを考慮しても、稀に見る値動き幅となりました。
金 US$ London Fixing 円建 税抜参考小売価格
プラチナ US$ N.Y.F.M 円建 〃
金(Gold)
■海外金相場
11月の金相場は460ドル台中盤でスタートした後、米ドル金利の先高感、それに伴うドル為替高、更には高騰を続けていた原油相場に一服感が出た事による一時的なインフレ懸念の後退などを受けて当初軟調地合の取引となり、7日にかけて450ドル台中盤と約10ドル程価格を切り下げました。7日に発表された米国10月の雇用統計では景気浮沈の指標となる非農業部就業者数の増加幅が5.6万人と11万人増の予測値を大きく下回ったものの、金市場への影響は限定的でした。しかしその後為替市場において米ドル高が一段落した事から、金価格は底打ちすると8日には460ドル台を回復。続く10日の東京時間には、TOCOMにおいてプラチナが約定最高値を更新した事を材料に、金市場にも買いが波及し上昇基調を強めました。更には15日に発表された米国卸売物価指数が上昇した事を受けてインフレ懸念は再燃し、同日に470ドル台を回復。加えて、「各国中央銀行が保有金を増加させる事に積極的になる」との見通しや、世界的な金の販促・啓蒙機関であるワールド・ゴールド・カウンシルが本年第3四半期の金需給に関して、「投資用需要の高まりを受けて前年比7%増加した」とのレポートを発表するなど金市場に対する支援材料が重なる形となり、金相場は独歩高の展開となりました。結果17日に480ドルを回復すると22日には490ドルまで上昇。24日から米国市場が感謝祭の為に休場に入ったにも関わらずポジション調整の為の売りは、極僅かで、感謝祭明けの28日には一時500ドルに到達し、当面の上値目標値まで上昇しました。さすがに500ドルを記録したことによる「達成感」から月末にやや値を下げましたが490ドル台と月初の価格を大幅に上回る形での越月となりました。月を通じて概ね上昇基調が継続しましたが、その間COMEXにおける投機家の買持ち玉数は月初の約450トンから月末には550トン程度まで増加したものと見られます。この数字は本年の最高値とほぼ同等(10月中旬)ですが、10月中旬の価格が470ドル近辺であった事を考慮すれば、
「思ったほど増加していない」と言うのが率直な印象です。11月の価格上昇は、投機家の思惑買いもさることながら現物の購入も相当量あった事と推定されます。
■為替相場
ドル・円為替相場は、10月のドル高・円安基調の流れをそのまま受け継いだ形でのスタートとなりました。前月末に発表された日銀の展望レポートでは、量的緩和解除に向けての地均し的な見通しとなり、11月に入っての為替市場への影響が注目されましたが、内容が予想の範囲内であり、本邦のゼロ金利解除は来年夏以降との見方が大勢を占めた事から、ドル高・円安の流れに歯止めをかけるには至りませんでした。加えて4日に発表された米国第3四半期のGDPは前期比年率3.8%の成長と、ハリケーンの被害を感じさせない結果となり米国経済の底堅さを示す結果となった事から更にドル高・円安が進行。7日には118円台中盤まで円は弱含みました。 急激なドル高・円安を受けやや行き過ぎ感が台頭した事から、その後中旬にかけて117円台~118円台での揉み合いとなりました。しかし、小泉首相を初めとする本邦の政治サイドから「早期の金融緩和政策解除」に難色を示す発言が相次いだ事から再度円安歩調となり16日には119円台を回復。その後、22日に発表された連邦準備制度理事会(FOMC)の議事録では「声明文の内容に近い将来変更が必要」或いは「米ドルの行過ぎた上昇には注意が必要」等と言った文言が躍った事から、一時的にドルが弱含む場面も見受けられましたが、大局的な意味でのドル高・円安傾向に歯止めをかけるには至りませんでした。結果、28日には一時120円に到達するなど円安圏を維持しての越月となりました。
■国内金相場
国内円建て相場は、ドル建て価格の上昇に加えて、為替相場も相対的にドル高・円安の商状となった事から概ね右肩上がりの相場を形成しました。月初1,760円でスタートした後、2日に月間の最安値となる1,746円を記録。その後、30日に月間の最高値となる1,936円まで押並べて上昇基調を保ちました。 10月・11月は本年夏場まで顕著であったドル建て金価格上昇時に為替が円高商状であり、逆にドル建て金価格下落時に為替が円安商状と言う具合に、ドル建て金価格とドル/円為替相場の逆相関関係により、円建て金価格の値動きは限定されると言う構造は完全に崩壊。2ヶ月で実に250円近い上昇となりました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
11月のプラチナ相場は、930ドル近辺でのスタートとなり、当初は取り立てて材料のない中930ドル台での往来相場を形成しました。しかし 10月中旬より上昇基調に転じ230ドル台に達したパラジウムと比較した場合の出遅れ感が台頭すると、プラチナ相場も上離れの展開となり、9日には950ドル台まで上昇しました。中旬にかけて950ドル台での揉み合い相場となりましたが、15日にリリースされた英国ジョンソン・マッセイ社の「2005年プラチナ年次報告(中間報告)」では、「欧州・日本に加え米国でのディーゼルエンジン車やトラックの販売台数の増加や、排ガス規制強化を受け自動車触媒用の需要が大幅増。高値から宝飾用需要は減少するものの、全体では前年比1.80%増の208.7トンと過去最高。つれて向こう6ヶ月間の価格レンジは890ドル-1,030ドルを予想。」と強気な見通しとなった事から、投機筋の思惑買いが活発化し、プラチナ価格は一気に980ドル台まで急伸しました。その後も、大台代わりである1,000ドルを目標として、TOCOMを中心に投機的思惑買いが入りやすい状況が継続し28日には一時1,005ドル近辺まで買い進まれました。その後「達成感」から一部手仕舞いの売りも散見されましたが、980ドル台後半と月初価格を大幅に上回るレンジを維持しての越月となりました。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は、金相場と同様、ドル建て価格が930ドル台から概ね1,000ドルまで買い進まれた事に加え、為替相場においてはドル高・円安傾向が続きましたので、2重の効果により上昇を続けました。 結果、月初3,531円と11月中としては安値圏でのスタートとなりましたが、その後はほぼ調整局面を向かえる事無く上昇を維持し、月末には3,868円と月間の最高値を記録しての越月となりました。 1ヶ月間の上昇幅は300円を超えており、元来 金やその他の貴金属に比して値動きの荒いメタルであることを考慮しても、稀に見る値動き幅となりました。