マーケット市況情報

2005年11月09日 21時17分

2005年10月の貴金属市況2005年11月09日 21時17分

価格ベース
金 US$ London Fixing 円建 税抜参考小売価格
プラチナ US$ N.Y.F.M 円建   〃

金(Gold)

■海外金相場
10月の金相場は、米国におけるハリケーン被害の掌握に一応の目処が立った事、原油価格も高値圏での取引ではあるものの目先更なる上昇には懐疑的な見通しが強まった事、更にはCOMEXにおける投機家の買持ち玉数が500トンを上回るレベルに達したこと等から、目先の利益確定の為の売りを誘発し、470ドルを下回る価格帯での取引でスタートしました。 しかし、中国や中東諸国からの現物需要も根強く、押し目では確実に買が入る展開となり、6日には470ドル台を回復。その後は、中東諸国がラマダン祭(断食期間)に入った事による需要減、7日に発表された米国9月の雇用統計でハリケーンの被害があったにも関わらず、非農業部門での就業者数は前月比僅か35,000人の減少(市場予測15万人の減少)に留まった事による米国経済に対する強気予測等、金相場に対する弱気が出る一方で、根強いインフレ懸念、NYのターミナル駅における不審物の発見等を背景とした地政学的リスク回避の面からの金需要等、金相場に対する強気要因も幾つか取上げられる展開が継続。売り買いが交錯する形となり中旬にかけて470ドル台での持合い相場に終始しました。しかし、その後は既に18年振りの高値圏に達している事から高値感の台頭、COMEXの投機家の買持ち玉数が600トンを超えた事、更には原油相場が目先の調整局面に入ったこと等から買持ち筋の手仕舞い売りを誘発。加えて、FRB(連邦準備制度理事会)の米ドル政策金利引上げ維持の予測が顕著となった21日には、金価格は月間の最安値となる460ドル台前半まで下落しました。しかしこの価格帯ではインド等現物需要国の買が活発化し、更には次期FRB議長に指名されたバーナンキ氏は現議長のグリーンスパン氏ほどインフレに対する警戒感はない等とする観測が台頭。加えて一部に欧州中央銀行によるユーロ金利引上観測なども手伝い月末にかけて470ドル台を回復し越月しました。月を通じて短期の調整局面により470ドル台を割り込む場面は垣間見られたものの、基本的には強気地合での相場に終始し、前月末とほぼ同等の高値圏での越月となりました。


■ 為替相場
ドル・円為替相場は、114円近辺でのスタートとなりましたが、本邦の株価が13,600円と年初来の高値を更新し、福井日銀総裁が年度内にも金融緩和政策解除の可能性がある事を示唆したにも関わらず ドル・円為替相場は円安傾向での取引となり13日には一時115円までドル高・円安が進行しました。市場は本邦経済の回復より、引き続き引上げが予測される米ドル金利と円金利のギャップ拡大をより大きな材料として受け止めた形となりました。 6日には7日に発表される米国の9月の雇用統計発表でハリケーンの影響から雇用情勢の悪化が懸念されるとして、一部ドル売りが先行しましたが、結果予想に比して好調な雇用統計(金相場の項を参照)となった事から、その後かえってドル高・円安を増徴させる結果となりました。その後、14日には一応115円で目先の円安・ドル高のターゲットを達成したと言う認識から一時的に113円台までドル安・円高傾向となりましたが、その後反転。17日のNY時間に115円台を回復すると、19日には116円台に達する等円安傾向を強め、概ね115.50~116円の安値レンジでの持合いに終始して越月しました。 月を通じて、米国の経常赤字など潜在的ドル売り材料はあるものの、インフレ懸念を背景としたドル利上げ継続観測が影を潜める気配はなく、金利面でメリットを得ることの出来るドル買持ちリスクは小さいとの思惑が働きました。




■国内金相場
国内円建て相場は、ドル建て価格の上昇に加えて、為替相場も相対的にドル高・円安の商状となった事から概ね右肩上がりの相場を形成しました。月初1,754円でスタートした後、6日に月間の最安値となる1,739円を記録。その後、18日に月間の最高値となる1,794円まで押並べて緩やかな上昇基調を保ちました。本年8月まで顕著であったドル建て金価格上昇時に為替が円高商状であり、逆にドル建て金価格下落時に為替が円安商状と言う具合に、ドル建て金価格とドル/円為替相場の逆相関関係により、円建て金価格の値動きは限定されると言う構造は完全に崩れました。


プラチナ(Platinum)

■ 海外プラチナ相場
10月のプラチナ相場は、920ドル台と9月の堅調地合を引き継いで始まりました。しかし、その後高値感から一部投機家の手仕舞い売りを誘い5日にかけては一時920ドル台を割り込むレベルまで下落しました。その後は再度TOCOMを中心とした投機家の思惑買いに上昇基調となると、12日に940ドル台に至るまでほぼ調整局面を向かえる事無く右肩上がりの相場を形成しました。 その後一時もみ合った後、950ドルを目前に目先の高値感が台頭し、下落基調となりましたが920ドル台では買が入る傾向が継続。月後半は920ドル台後半から940ドル台前半での往来相場に終始しました。月を通じて現物需要面でのサポートは自動車触媒用等限定的な用途以外はありませんでしたが、金相場の堅調が投機家の買意欲を維持させる方向に働きました。

■国内プラチナ相場
国内円建て相場は、ドル建て価格が920ドル台後半から940ドル台中盤での高値持合となった事から、比較的ドル・円為替市場の影響(ドル高・円安)を受け易い状況となりました。 結果、月初3,450円と比較的安値圏でスタートすると、若干のドル建て価格の下落を受けて6日に月間の最安値となる3,415円まで下落しました。しかし、その後は急激に反発して12日には3,516円と3,500円台を突破。目先の高値をつけたとの認識からその後は、3,500円を上値として、下値3,440円台程度でのレンジ相場を形成しましたが、円安の影響を受け26日には3,542円と完全に上離れしました。更に翌27日には月間の最高値となる3,559円に達するなど、高値圏での越月となりました。
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