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マーケット市況情報
2011年06月09日 13時18分
2011年5月の貴金属市況2011年06月09日 13時18分
価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
1,546.50ドルでスタートした5月の金相場は、4月末にかけて史上最高値を更新したことに対する高値警戒感から上値の重い展開となる中、銀相場がNY先物市場での証拠金引き上げをきっかけに急落すると、金相場においても投機筋の手仕舞い売りが加速し、6日には1,486.50ドルに下落しました。また発表された4月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比24万4,000人増と市場予想を上回ったことに加え、2、3月分の雇用者数の増加幅も上方修正されたことで米雇用情勢に対する懸念がやや後退。ドル買いが優勢となる中、金相場は軟調な展開となり一時1,480ドル割れに下落しました。しかし1,500ドル割れの水準では値頃感から下値をサポートされ9日には1,500ドル台を回復しました。また米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)がギリシャ国債の信用格付けの引下げを発表したことで欧州財政懸念が拡大すると、安全資産としての買いが旺盛となり11日には1,524.50ドルに上昇しました。
その後もギリシャの債務問題が懸念される中ユーロ売りドル買いの流れが優勢となり、金相場は上値の重い展開となりました。その後米エネルギー省が週間の石油在庫統計で原油やガソリンの在庫が増加したことを受けて原油相場が下落。金相場は原油価格の下落に追随するかたち下値を切り下げ12日には1,488.25ドルに下落しました。1,490ドル近辺で一旦は下値をサポートされ、翌13日には1,500ドル台に値を戻したものの、その後発表された4月の消費者物価指数(CPI)が事前の市場予想と一致したこともインフレ懸念の後退を意識させ、投機筋の手仕舞い売りに軟調な展開となり17日には月間最安値となる1,478.50ドルに下落しました。しかし格付け会社フィッチ・レーティングスがギリシャの長期国債をシングルBプラスへと3段階格下げ、また引き下げ方向での見直しを継続すると発表したことを受けて欧州財政に対する警戒感が強まると、安全資産の買いから金相場は反発し、20日には1,500ドル台に値を戻しました。その後もイタリアの格付け見通し引下げやスペインの財政赤字をめぐる懸念が再燃するなど欧州圏のソブリンリスクの高まりを背景に安全資産としての買いが旺盛となり24日には1,527ドルに上昇しました。
月後半にかけては欧州財政問題への不安に加え、中東・北アフリカ情勢をめぐる地政学的リスクへの根強い警戒感から逃避資金の流入が継続し堅調地合いを維持しました。また月末に発表された米住宅市場や個人消費に関する経済指標が悪化したことで米景気の先行き不透明感が台頭すると、米国の金融緩和政策の正常化が想定より遅くなるとの観測からドルが軟調な展開となる中、ドルの代替資産としての買いに上昇基調を維持し、月末31日には1,536.50ドルに上昇して越月しました。
■為替相場
81.19円でスタートした5月のドル円相場は、月初に発表された4月の米サプライマネジメント協会(ISM)の非製造業景況感指数が大幅に低下したことなどを受けて米景気回復のペースが鈍化しているとの見方からドル売り円買いが優勢となる中、景気期待などを背景に上昇基調にあった原油や銀など商品相場が大幅に下落。投資家がリスク回避の動きを強めるとの思惑から低金利の円が買われる展開となり、5日の欧州市場では一時、3月の円売り協調介入以来となる約1ヶ月半ぶりとなる79.60円近辺に上昇しました。その後6日に発表された雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比24万4,000人増と市場予想以上に増加したことに加え、2、3月の雇用者数も上方修正されたことで米雇用環境の回復鈍化に対する懸念が後退。加えて欧州中央銀行(ECB)が理事会で市場予想通り政策金利の据え置きを決めたことなどからドルが対ユーロで上昇するとその流れがドル円相場にも波及し、ドル買い円売りが優勢となる中9日には80.71円に下落しました。その後9日に米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリシャの債務格付けの引き下げを発表したことをきっかけに欧州の財政不安が再燃しドルが対ユーロで上昇すると、対円でもドル買いが優勢となり12日には81.14円に下落しました。
月半ばにかけては81円を挟んでの小動きとなりましたが、その後格付け会社フィッチ・レーティングスがギリシャの長期国債をシングルBプラスへと3段階格下げし、さらに引き下げ方向での見直しを継続すると発表。加えて米S&Pがイタリアの格付け見通し引き下げを発表したことなどから欧州の財政不安が拡大しているとの警戒感からユーロが対ドルで下落すると、対円でもドル買いが優勢となり24日には81.95円に下落しました。また日本の4月の貿易収支では東日本大震災の影響で4637億円の赤字となり、輸出の大幅減少が示されたことで日本経済の先行き不透明感が広がると円売りの動きが加速し25日には月間最安値となる82.13円に下落しました。
月末にかけては、発表された1~3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が市場予想を下回ったことや、週間の米新規失業保険申請件数が予想以上に増加するなど米経済指標の悪化を受けて米景気の減速観測が強まると、円買いドル売りが優勢となり31日には80.82円に上昇して越月しました。
■国内金相場
4,082円でスタートした国内円建て相場は、月初ドル建て金価格が軟調な展開となる中、円高の進行に6日には月間最安値となる3,895円に下落しました。その後はドル建て金価格が反転したことから徐々に下値を切り上げる展開となり11日には3,983円に値を戻しました。月半ばにかけてはドル建て金価格がやや動意に欠ける展開となったことから、国内円建て相場も3,900円を挟んでの小動きとなりましたが、月後半にかけてドル建て金相場が上昇基調に転換したことに加え、円安が進行したことから堅調な推移を示し26日には4,056円に上昇しました。月末にかけては再び円高傾向となったことでやや上値を抑えられる展開となったものの、堅調な推移を示すドル建て金価格を背景に4,000円台を維持し31日は4,030円にて越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,858ドルでスタートした5月のプラチナ相場は、銀相場がNY先物市場での証拠金引き上げをきっかけに急落したことで商品市場全般が軟調な展開となる中、4月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が低下するなど低調な米経済指標を眺めて米株式市場が下落基調となると、プラチナ相場においても投機筋の手仕舞い売りが加速し5日には1,800ドルを割り込み一時1,765ドル近辺に下落しました。その後6日に発表された4月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比24万4,000人増と市場予想以上に増加。米景気の先行きに対する悲観的な見方が後退したことで米株式相場が反発すると、米株式相場の反発を好感した買いに11日には1,803ドルに値を戻しました。しかしその後米エネルギー省が発表した週間の石油在庫統計で原油やガソリンの在庫が増加したことや、シカゴ・マーカンタイル取引所でガソリン先物の取引証拠金引き上げなどを受けて原油相場が下落。原油相場の下落を背景に商品市場全般が軟調な展開となると、プラチナ相場でも投機筋の手仕舞い売りが旺盛となり12日には1,755ドルに下落しました。
その後月半ばにかけてはやや動意に欠ける展開の中、1,770ドルを挟んでの小動きとなりました。16日には英ジョンソン・マッセイ社によるPGM需給レポートが発表されました。同レポートでは需要が前年比15.9%増の245.1トン、供給は同6.3%増の245.7トン、2010年のプラチナ市場は0.6トンの供給過多となりました。また今後6ヶ月の価格見通しを1,750ドル~2,000ドルと強気の内容を示しましたが相場への影響は限定的でした。その後ギリシャ長期国債の格下げ発表や、イタリアの格付け見通し引き下げ発表をきっかけに欧州の財政問題を巡る先行き不透明感が強まると、リスク回避の動きから欧米市場で株式相場が下落。株式相場の下落を嫌気した売りに23日には月間最安値となる1,750ドルに下落しました。月末にかけては米景気の先行き不透明感を示唆する経済指標が発表されたものの、緩和的な金融政策が継続するとの観測が強まったことで米株式相場が上昇。また1,750ドル近辺では値頃感から実需の買いも散見され下値をサポートされると、金や原油相場の上昇や米先物市場でのプラチナ取引証拠金の引下げに投機筋の買いが旺盛となり上昇基調となると、31日には1,828ドルに上昇して越月しました。
■国内プラチナ相場
4,932円でスタートした国内円建て相場は、月前半にかけてドル建てプラチナ価格が軟調な展開となったことに加え、為替相場が円高傾向となったことで徐々に下値を切り下げる展開となり16日には月間最安値となる4,651円に下落しました。月半ばにかけてドル建てプラチナ価格は動意に欠ける展開となったものの、円高が進行したことで国内円建て価格は徐々に下値を切り上げる展開となり19日には4,768円に上昇しました。月後半にかけては上昇基調となったドル建てプラチナ価格に歩調を合わせるかたちで堅調に推移し26日には4,780円に上昇。月末にかけても底堅く推移し31日は4,764円にて越月しました。
以上
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
1,546.50ドルでスタートした5月の金相場は、4月末にかけて史上最高値を更新したことに対する高値警戒感から上値の重い展開となる中、銀相場がNY先物市場での証拠金引き上げをきっかけに急落すると、金相場においても投機筋の手仕舞い売りが加速し、6日には1,486.50ドルに下落しました。また発表された4月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比24万4,000人増と市場予想を上回ったことに加え、2、3月分の雇用者数の増加幅も上方修正されたことで米雇用情勢に対する懸念がやや後退。ドル買いが優勢となる中、金相場は軟調な展開となり一時1,480ドル割れに下落しました。しかし1,500ドル割れの水準では値頃感から下値をサポートされ9日には1,500ドル台を回復しました。また米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)がギリシャ国債の信用格付けの引下げを発表したことで欧州財政懸念が拡大すると、安全資産としての買いが旺盛となり11日には1,524.50ドルに上昇しました。
その後もギリシャの債務問題が懸念される中ユーロ売りドル買いの流れが優勢となり、金相場は上値の重い展開となりました。その後米エネルギー省が週間の石油在庫統計で原油やガソリンの在庫が増加したことを受けて原油相場が下落。金相場は原油価格の下落に追随するかたち下値を切り下げ12日には1,488.25ドルに下落しました。1,490ドル近辺で一旦は下値をサポートされ、翌13日には1,500ドル台に値を戻したものの、その後発表された4月の消費者物価指数(CPI)が事前の市場予想と一致したこともインフレ懸念の後退を意識させ、投機筋の手仕舞い売りに軟調な展開となり17日には月間最安値となる1,478.50ドルに下落しました。しかし格付け会社フィッチ・レーティングスがギリシャの長期国債をシングルBプラスへと3段階格下げ、また引き下げ方向での見直しを継続すると発表したことを受けて欧州財政に対する警戒感が強まると、安全資産の買いから金相場は反発し、20日には1,500ドル台に値を戻しました。その後もイタリアの格付け見通し引下げやスペインの財政赤字をめぐる懸念が再燃するなど欧州圏のソブリンリスクの高まりを背景に安全資産としての買いが旺盛となり24日には1,527ドルに上昇しました。
月後半にかけては欧州財政問題への不安に加え、中東・北アフリカ情勢をめぐる地政学的リスクへの根強い警戒感から逃避資金の流入が継続し堅調地合いを維持しました。また月末に発表された米住宅市場や個人消費に関する経済指標が悪化したことで米景気の先行き不透明感が台頭すると、米国の金融緩和政策の正常化が想定より遅くなるとの観測からドルが軟調な展開となる中、ドルの代替資産としての買いに上昇基調を維持し、月末31日には1,536.50ドルに上昇して越月しました。
■為替相場
81.19円でスタートした5月のドル円相場は、月初に発表された4月の米サプライマネジメント協会(ISM)の非製造業景況感指数が大幅に低下したことなどを受けて米景気回復のペースが鈍化しているとの見方からドル売り円買いが優勢となる中、景気期待などを背景に上昇基調にあった原油や銀など商品相場が大幅に下落。投資家がリスク回避の動きを強めるとの思惑から低金利の円が買われる展開となり、5日の欧州市場では一時、3月の円売り協調介入以来となる約1ヶ月半ぶりとなる79.60円近辺に上昇しました。その後6日に発表された雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比24万4,000人増と市場予想以上に増加したことに加え、2、3月の雇用者数も上方修正されたことで米雇用環境の回復鈍化に対する懸念が後退。加えて欧州中央銀行(ECB)が理事会で市場予想通り政策金利の据え置きを決めたことなどからドルが対ユーロで上昇するとその流れがドル円相場にも波及し、ドル買い円売りが優勢となる中9日には80.71円に下落しました。その後9日に米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリシャの債務格付けの引き下げを発表したことをきっかけに欧州の財政不安が再燃しドルが対ユーロで上昇すると、対円でもドル買いが優勢となり12日には81.14円に下落しました。
月半ばにかけては81円を挟んでの小動きとなりましたが、その後格付け会社フィッチ・レーティングスがギリシャの長期国債をシングルBプラスへと3段階格下げし、さらに引き下げ方向での見直しを継続すると発表。加えて米S&Pがイタリアの格付け見通し引き下げを発表したことなどから欧州の財政不安が拡大しているとの警戒感からユーロが対ドルで下落すると、対円でもドル買いが優勢となり24日には81.95円に下落しました。また日本の4月の貿易収支では東日本大震災の影響で4637億円の赤字となり、輸出の大幅減少が示されたことで日本経済の先行き不透明感が広がると円売りの動きが加速し25日には月間最安値となる82.13円に下落しました。
月末にかけては、発表された1~3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が市場予想を下回ったことや、週間の米新規失業保険申請件数が予想以上に増加するなど米経済指標の悪化を受けて米景気の減速観測が強まると、円買いドル売りが優勢となり31日には80.82円に上昇して越月しました。
■国内金相場
4,082円でスタートした国内円建て相場は、月初ドル建て金価格が軟調な展開となる中、円高の進行に6日には月間最安値となる3,895円に下落しました。その後はドル建て金価格が反転したことから徐々に下値を切り上げる展開となり11日には3,983円に値を戻しました。月半ばにかけてはドル建て金価格がやや動意に欠ける展開となったことから、国内円建て相場も3,900円を挟んでの小動きとなりましたが、月後半にかけてドル建て金相場が上昇基調に転換したことに加え、円安が進行したことから堅調な推移を示し26日には4,056円に上昇しました。月末にかけては再び円高傾向となったことでやや上値を抑えられる展開となったものの、堅調な推移を示すドル建て金価格を背景に4,000円台を維持し31日は4,030円にて越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,858ドルでスタートした5月のプラチナ相場は、銀相場がNY先物市場での証拠金引き上げをきっかけに急落したことで商品市場全般が軟調な展開となる中、4月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が低下するなど低調な米経済指標を眺めて米株式市場が下落基調となると、プラチナ相場においても投機筋の手仕舞い売りが加速し5日には1,800ドルを割り込み一時1,765ドル近辺に下落しました。その後6日に発表された4月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比24万4,000人増と市場予想以上に増加。米景気の先行きに対する悲観的な見方が後退したことで米株式相場が反発すると、米株式相場の反発を好感した買いに11日には1,803ドルに値を戻しました。しかしその後米エネルギー省が発表した週間の石油在庫統計で原油やガソリンの在庫が増加したことや、シカゴ・マーカンタイル取引所でガソリン先物の取引証拠金引き上げなどを受けて原油相場が下落。原油相場の下落を背景に商品市場全般が軟調な展開となると、プラチナ相場でも投機筋の手仕舞い売りが旺盛となり12日には1,755ドルに下落しました。
その後月半ばにかけてはやや動意に欠ける展開の中、1,770ドルを挟んでの小動きとなりました。16日には英ジョンソン・マッセイ社によるPGM需給レポートが発表されました。同レポートでは需要が前年比15.9%増の245.1トン、供給は同6.3%増の245.7トン、2010年のプラチナ市場は0.6トンの供給過多となりました。また今後6ヶ月の価格見通しを1,750ドル~2,000ドルと強気の内容を示しましたが相場への影響は限定的でした。その後ギリシャ長期国債の格下げ発表や、イタリアの格付け見通し引き下げ発表をきっかけに欧州の財政問題を巡る先行き不透明感が強まると、リスク回避の動きから欧米市場で株式相場が下落。株式相場の下落を嫌気した売りに23日には月間最安値となる1,750ドルに下落しました。月末にかけては米景気の先行き不透明感を示唆する経済指標が発表されたものの、緩和的な金融政策が継続するとの観測が強まったことで米株式相場が上昇。また1,750ドル近辺では値頃感から実需の買いも散見され下値をサポートされると、金や原油相場の上昇や米先物市場でのプラチナ取引証拠金の引下げに投機筋の買いが旺盛となり上昇基調となると、31日には1,828ドルに上昇して越月しました。
■国内プラチナ相場
4,932円でスタートした国内円建て相場は、月前半にかけてドル建てプラチナ価格が軟調な展開となったことに加え、為替相場が円高傾向となったことで徐々に下値を切り下げる展開となり16日には月間最安値となる4,651円に下落しました。月半ばにかけてドル建てプラチナ価格は動意に欠ける展開となったものの、円高が進行したことで国内円建て価格は徐々に下値を切り上げる展開となり19日には4,768円に上昇しました。月後半にかけては上昇基調となったドル建てプラチナ価格に歩調を合わせるかたちで堅調に推移し26日には4,780円に上昇。月末にかけても底堅く推移し31日は4,764円にて越月しました。
以上