マーケット市況情報

2011年03月07日 14時33分

2011年2月の貴金属市況2011年03月07日 14時33分

価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
1,337.50ドルでスタートした2月の金相場は、1月の米IMS非製造業景況感指数が市場予想を上回ったことなどから米景気が順調に回復しているとの見方台頭すると、資金逃避的に買われていた金相場は軟調な展開となり3日には月間最安値となる1,328ドルに下落しました。しかしその後バーナンキFRB議長が米景気の先行きに関して慎重な見方を示し金融緩和の継続が示唆されたことから金相場は反発。加えて1月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に下回ったことをきっかけに米雇用環境改善の遅れが意識されると逃避資金の流入が加速し、4日には1,355ドルに急騰しました。3日から4日にかけて1日で25ドル強上昇したことを受けて投機筋の利益確定の売りが優勢となり、その後一時は1,350ドル近辺で上値を抑えられました。しかし8日に中国が追加利上げを決定したことをきっかけにインフレ懸念が意識される展開となると、金相場は反発し1,360ドルを突破しました。その後は発表された週間の米新規失業保険申請件数が市場予想以上に改善したことなどを受けて上値を抑えられる展開となると、月半ばにかけては1,360ドルを挟んでの往来相場を形成しました。
 15日には発表された1月の英消費者物価指数が前年同月比4.0%上昇と、英中央銀行の政策目標の2倍となったことを受けて同国の利上げ観測が台頭。また中国の消費者物価指数の上昇もインフレ懸念を連想させ金相場は上昇基調に転換。加えて北アフリカや中東周辺諸国の情勢不安も金相場への資金流入を加速させ、21日には1月初旬以来となる1,400ドルの大台を突破し1,403ドルに上昇しました。リビアを中心に不安定な北アフリカ・中東情勢や原油価格の高騰を背景に世界的に株式相場が軟調な展開となると、景気先行き不安から安全資産の買いが活発化し24日には月間最高値となる1,414.50ドルに上昇しました。しかし月後半にかけてほぼ右肩上がりの相場を形成していたことから高値警戒感も台頭し1,415ドル近辺では上値を抑えられると、原油の供給混乱に対応するためサウジアラビアが増産に動くとの報道をきっかけに原油価格の高騰に一服感が台頭。世界的なインフレ懸念がやや緩和したことで投機筋の利益確定の売りが誘われ25日には1,402.50ドルに下落しました。月末28日には中東・北アフリカ情勢に対する根強い不安を材料に値を戻し1,411ドルにて越月しました。

 
■為替相場
82.04円でスタートした2月のドル円相場は、英国やユーロ圏の景況感を示す経済指標が改善したのに加え、インフレ懸念が高まっていることを背景に利上げ観測が高まったことで、対欧州通貨を中心にドル売りが優勢となると、その流れは対円にも波及し2日には月間最高値となる81.47円に上昇しました。その後は1月の米ISM非製造業景況感指数が市場予想を上回ったことで上値の重い展開となると、米景気が順調に回復しているとの見方から円売り・ドル買いが優勢となり7日には82.28円に下落しました。また10日に発表された週間の米新規失業保険申請件数が市場予想以上に改善し、2008年7月以来ほぼ2年半ぶりの低水準となったことで米雇用が順調に回復しているとの見方が台頭。米景気の回復期待に円売り・ドル買いが優勢となり83円台へ下落すると、日本の輸入企業による円売り・ドル買いの動きも見られ16日には月間最安値となる83.73円に下落しました。
その後イラン軍艦がスエズ運河を経由してシリアに向かうとのイスラエル外相の発言をきっかけにイスラエルを巡る情勢が緊迫化するとの懸念が台頭しドル売りの動きが優勢となりました。またユーロ圏の消費者物価指数の上昇率がECBの政策目標を上回ったことから欧州圏の早期利上げ観測が台頭しユーロが対ドルで上昇。ドルが幅広い通貨に対して軟調な展開となると、円も対ドルで買いが優勢となり22日に82.95円に上昇しました。
月末にかけては中東・北アフリカの政情不安からリスク回避の動きが続き「安全資産」とされる米国債が買われる展開となり米長期金利が低下。日米の金利差が縮小するとの見方から円買いドル売りが優勢となり82円の大台を割り込みました。また25日に発表された2010年10~12月期の米実質国内総生産(GDP)が市場予想に反して下方修正されたこともドル売りを加速させ、月末28日には81.70円に上昇して越月しました。

 
■国内金相場
3,560円でスタートした国内円建て相場は、月初にドル建て価格が軟調な展開となったことで3日に月間最安値となる3,538円に下落しました。その後はドル建て価格が上昇基調となったことに加え、円安の進行に堅調な推移を示すと9日には3,647円に上昇しました。月中盤にかけてもドル建て価格が堅調に推移する中、円安がもう一段進行したことで国内円建て相場は3,700円を突破。ドル建て価格が1,400ドル近辺に上昇した22日には月間最高値となる3,792円に上昇しました。月末にかけてはドル建て価格は堅調な推移を示したものの、国内円建て相場は円高の進行に上値の重い展開となり28日に3,742円をつけて越月しました。


プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,808ドルでスタートした2月のプラチナ相場は、月初に好調な企業決算内容や米経済指標の改善を受け、米株式相場がおおよそ2年7ヶ月ぶりに12,000ドルを上回ったことで需要拡大の期待感が高まり2日には1,830ドルに上昇しました。その後も米株式相場が堅調な推移を示す中、雇用統計の発表を前に一時1,860ドル近辺まで上昇する場面が見受けられましたが、発表された1月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に下回ったことをきっかけに、投機筋の利益確定売りが優勢となり一時1,830ドル近辺に下落しました。しかしその後1月の米小売売上に関する指標に改善が見られたことで個人消費の回復期待が強まったことに加え、失業率も前月から改善したことで米株式相場が堅調地合いを維持すると、プラチナ相場も下値をサポートされ上昇基調に転換。また中国の追加利上げをきっかけにインフレ懸念から金相場が上昇したことも支援材料となると、投機筋の買いが旺盛となり9日には月間最高値となる1,863ドルに上昇しました。しかし1,860ドル近辺では高値警戒感が台頭。また米先物市場での投機家の買い持ちポジションが史上最高を記録するなど相場過熱感も意識され上値の重い展開となると、投機筋の利益確定の売りに軟調な展開となり14日には一時1,805ドル近辺に下落しました。しかし1,800ドル台前半に下落した局面ではこれまでの上昇に対する反動もあり買いが優勢となり反発。15日には1,842ドルに値を戻しました。
1,850ドル近辺では引き続き投機筋の利益確定の売りに上値の重い展開となる中、月半ばにかけてはやや動意に欠け1,830ドル近辺でのレンジ相場を形成しました。その後は米製造業関連指標の改善から米株式相場が上昇したことを材料に21日には再び1,850ドル近辺に上昇する場面がありましたが、反政府デモを弾圧するなど緊迫するリビアをはじめ混迷する中東情勢を背景に米株式相場が大幅下落。プラチナ相場においても投機筋の手仕舞い売りが加速し、24日には月間最安値となる1,772ドルに下落しました。1,800ドル割れの水準は1月後半以来おおよそ1ヶ月ぶりの安値であったことから実需の買いに下値を支えられると、米株式相場の回復にもサポートされ28日には1,804ドルに値を戻して越月しました。
 

■国内プラチナ相場
4,828円でスタートした国内円建て相場は、ドル建て価格が堅調な推移を示す中で円安の進行が重なり上昇基調となり4,900円を突破すると、ドル建て価格が月間最高値をつけた9日には5,015円に上昇しました。その後ドル建て価格は上値の重い展開となったものの、円安基調が継続したことから国内円建て相場は堅調に推移し、22日には月間最高値となる5,033円に上昇しました。月後半にかけてはドル建て価格が下落したことに加え円高基調となったことから軟調に推移し、25日には月間最安値となる4,798円に下落しました。月末28日にはドル建て価格が1,800ドル台に回復したことで若干値を戻し4,853円にて越月しました。


以上
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