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マーケット市況情報
2010年11月05日 09時12分
2010年10月の貴金属市況2010年11月05日 09時12分
価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
1,313ドルでスタートした10月の金相場は、5日に日銀が追加金融緩和策を決定したことを受けて、米国の追加金融緩和観測が一段と強まりドルがユーロに対して約8ヶ月ぶりの安値に下落するなど主要通貨に対してドル安が進行すると、金は代替資産としての買いが旺盛となり7日には1,359.50ドルに上昇しました。しかしこれまで高値更新が続いていたことで相場過熱感が台頭する中、ドルが対ユーロで上昇したことをきっかけに投機筋の利食い売りが活発化し8日には1,330.50ドルに急落しました。
8日に発表された9月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が95,000人減少と市場予想以上に減少したことから米雇用情勢の低迷が意識され、再びドルが売られる展開となり金相場は反発。11日に1,350ドル台を回復すると、米連邦準備理事会(FRB)が12日に公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、追加金融緩和観測が一段と高まったことから金相場は急騰し史上最高値を更新すると、14日には月間最高値となる1,380.75ドルに上昇しました。
その後は投機筋の利益確定の売りに上値の重い展開となる中、19日には中国人民銀行が2年10ヶ月ぶりに利上げを発表。利上げにより中国経済が伸び悩めば世界景気の鈍化につながるとの連想から高金利通貨や資源国通貨を売ってドルを買い戻す動きが優勢となると、これまでドルの代替資産として買われていた金は売られる展開となり1,339ドルに下落しました。また20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の声明を前に、追加の米金融緩和観測を背景に下落基調にあったドルの買い戻しの動きが強まると、投機筋の売りが加速し22日には1,319ドルに下落しました。しかし追加金融緩和観測は引き続き強く、ドルが主要通貨に対して軟調な展開となると金相場は反発し25日には1,345ドルに上昇しました。その後は一時1,320ドル台に下落する場面もありましたが、月末にかけては低調な米経済指標を受けて米追加金融緩和観測が再び強まったことから、金相場は堅調地合いを維持し29日には1,346.75ドルに上昇して越月しました。
■為替相場
83.54円でスタートした10月のドル円相場は、5日に月間最安値となる83.55円をつけた後、米連邦準備理事会(FRB)による追加的な金融緩和観測に加え、7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を前に日本の金融当局が円売り介入に動きにくいとの見方から円買い・ドル売りが優勢となり6日には82円台に上昇しました。また8日に発表された9月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数は前月比95,000人減と市場予より悪化したことで米国の追加金融緩和観測が高まり、円買いが加速すると8日には1995年以来おおよそ15年ぶりの高値水準となる81.75円近辺に上昇しました。注目されていたG7財務相会議では中国などに一段と柔軟な相場形成を求めることで一致。中国に人民元安を促すことで日本も為替介入に動きにくくなるという連想が働いた一方で、「過度な為替変動は望ましくない」と日本の立場にも配慮した合意も盛り込まれたことからドル円相場に対する影響は限定的でした。
12日には米連邦準備理事会(FRB)が9月に開催したFOMCの議事要旨を公表。その内容を受けて追加金融緩和観測が一段と強まったことを背景に円買い・ドル売りが優勢となると14日には81.59円に上昇しました。その後19日には中国人民銀行が2年10ヶ月ぶりに利上げを発表。利上げにより中国経済が伸び悩めば世界景気の鈍化につながるとの連想から、高金利通貨や資源国通貨を売ってドルを買い戻す動きが見られ一時81.90円近辺まで下落しましたが、中国の利上げをきっかけとしたドルの買戻しが一巡すると、再び円高基調に転換し21日には81.11円に上昇しました。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は「通貨安競争の回避」を盛り込んだ声明を採択。市場の予想通りだったものの円売り介入を実施しにくくなるとの見方が円相場の下支え要因となりました。また発表された9月の米中古住宅販売件数は前月比で予想以上に増加したものの、米金融政策の見通しを変えるほどの内容ではないとして、次回11月のFOMCでFRBが追加の金融緩和に踏み切るとの見方が改めて意識され、ドルが対主要通貨で売られる展開が継続し26日には月間最高値となる80.73円に上昇しました。月末にかけてはFRBによる追加金融緩和の規模が予想より小規模になるとの観測が台頭したことで一時81.70円近辺まで下落する場面もありましたが、29日には再び円買いドル売りが優勢となり80.91円に上昇して越月しました。
■国内金相場
3,538円でスタートした国内円建て相場は、堅調なドル建て金価格に歩調を合わせるかたちで6日には3,621円に上昇しました。その後は円高の進行にやや上値を押えられる展開となったものの、ドル建て金価格の堅調な推移に徐々に下値を切り上げ、15日には月間最高値となる3,645円に上昇しました。月中旬以降はドル建て金価格が軟調な展開となったことに加え、円高の進行も影響し下落基調となると、22日には月間最安値となる3,494円に下落しました。月末にかけては米追加金融緩和観測が強まったことでドル建て金価格が回復したことから国内円建て価格も底堅く推移し、月末29日には3,522円にて越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,669ドルでスタートした10月のプラチナ相場は、日銀による追加金融緩和決定や米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和観測など、主要国の追加緩和が景気を下支えするとの期待から米株式相場が上昇したことを好感した買いに堅調な推移となると、金相場の上昇にも後押しされ投機筋の買いが活発化し7日には月間最高値となる1,723ドルに上昇しました。しかし1,700ドルの大台を大きく突破したことで相場過熱感が台頭。実需の追随も見られず上値の重い展開となると、米雇用統計の発表を前に投機筋の手仕舞い売りが加速し8日には1,683ドルに急落しました。9月の雇用統計では非農業部門の雇用者数が95,000人減少と市場予想以上に減少。米景気の回復鈍化が意識され、FRBが追加の金融緩和を実施する可能性が一段と高まると、再び投機資金の流入が顕著となり11日には1,700ドル近辺に値を戻しました。1,700ドル近辺では投機筋の利食い売りに一時1,675ドル近辺まで下落しましたが、中国の9月国内新車販売台数が好調であったことや米株式相場の上昇を材料に下値を支えられると、投機筋の買いが旺盛となり1,700ドルを突破し14日には1,713ドルに上昇しました。
1,700ドルを越える水準では上値の重い展開となる中、19日には中国人民銀行が利上げを発表。利上げにより中国経済が伸び悩めば世界景気の鈍化につながるとの連想から米株式市場が大幅に下落したことを受けて、プラチナ相場においても投機筋の売りが活発化。22日には月間最安値となる1,661ドルに下落しました。この価格水準では実需の買いも散見され下値をサポートされると、25日には米株式相場が4月末以来おおよそ半年振りの高値に上昇したことや米国で大型トラックの排ガス規制案が発表されたことで需要の増加が意識され、27日には一時1,710ドル近辺まで上昇しました。しかし1,700ドルを越える水準では再び上値を押えられる展開となり29日には1,698ドルにて越月しました。
■国内プラチナ相場
4,548円でスタートした国内円建て相場は、ドル建てプラチナ相場の上昇に歩調を合わせる形で堅調に推移し7日には月間最高値となる4,661円に上昇しました。その後はドル建て価格が下落に転じたことや、円高の進行から徐々に下値を切り下げ13日には4,526円に下落しました。月中旬にかけてドル建て価格が急上昇したことを受けて円建て価格も4,500円台を回復しました。月後半にかけてはドル建て価格が軟調な展開となったことに加え、円高の継続から再び4,500円を割り込み22日には月間最安値となる4,449円に下落しました。月末にかけてはドル建て価格が堅調に推移したことから国内円建て価格も底堅く推移し4,490円にて越月しました。
以上
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
1,313ドルでスタートした10月の金相場は、5日に日銀が追加金融緩和策を決定したことを受けて、米国の追加金融緩和観測が一段と強まりドルがユーロに対して約8ヶ月ぶりの安値に下落するなど主要通貨に対してドル安が進行すると、金は代替資産としての買いが旺盛となり7日には1,359.50ドルに上昇しました。しかしこれまで高値更新が続いていたことで相場過熱感が台頭する中、ドルが対ユーロで上昇したことをきっかけに投機筋の利食い売りが活発化し8日には1,330.50ドルに急落しました。
8日に発表された9月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が95,000人減少と市場予想以上に減少したことから米雇用情勢の低迷が意識され、再びドルが売られる展開となり金相場は反発。11日に1,350ドル台を回復すると、米連邦準備理事会(FRB)が12日に公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、追加金融緩和観測が一段と高まったことから金相場は急騰し史上最高値を更新すると、14日には月間最高値となる1,380.75ドルに上昇しました。
その後は投機筋の利益確定の売りに上値の重い展開となる中、19日には中国人民銀行が2年10ヶ月ぶりに利上げを発表。利上げにより中国経済が伸び悩めば世界景気の鈍化につながるとの連想から高金利通貨や資源国通貨を売ってドルを買い戻す動きが優勢となると、これまでドルの代替資産として買われていた金は売られる展開となり1,339ドルに下落しました。また20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の声明を前に、追加の米金融緩和観測を背景に下落基調にあったドルの買い戻しの動きが強まると、投機筋の売りが加速し22日には1,319ドルに下落しました。しかし追加金融緩和観測は引き続き強く、ドルが主要通貨に対して軟調な展開となると金相場は反発し25日には1,345ドルに上昇しました。その後は一時1,320ドル台に下落する場面もありましたが、月末にかけては低調な米経済指標を受けて米追加金融緩和観測が再び強まったことから、金相場は堅調地合いを維持し29日には1,346.75ドルに上昇して越月しました。
■為替相場
83.54円でスタートした10月のドル円相場は、5日に月間最安値となる83.55円をつけた後、米連邦準備理事会(FRB)による追加的な金融緩和観測に加え、7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を前に日本の金融当局が円売り介入に動きにくいとの見方から円買い・ドル売りが優勢となり6日には82円台に上昇しました。また8日に発表された9月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数は前月比95,000人減と市場予より悪化したことで米国の追加金融緩和観測が高まり、円買いが加速すると8日には1995年以来おおよそ15年ぶりの高値水準となる81.75円近辺に上昇しました。注目されていたG7財務相会議では中国などに一段と柔軟な相場形成を求めることで一致。中国に人民元安を促すことで日本も為替介入に動きにくくなるという連想が働いた一方で、「過度な為替変動は望ましくない」と日本の立場にも配慮した合意も盛り込まれたことからドル円相場に対する影響は限定的でした。
12日には米連邦準備理事会(FRB)が9月に開催したFOMCの議事要旨を公表。その内容を受けて追加金融緩和観測が一段と強まったことを背景に円買い・ドル売りが優勢となると14日には81.59円に上昇しました。その後19日には中国人民銀行が2年10ヶ月ぶりに利上げを発表。利上げにより中国経済が伸び悩めば世界景気の鈍化につながるとの連想から、高金利通貨や資源国通貨を売ってドルを買い戻す動きが見られ一時81.90円近辺まで下落しましたが、中国の利上げをきっかけとしたドルの買戻しが一巡すると、再び円高基調に転換し21日には81.11円に上昇しました。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は「通貨安競争の回避」を盛り込んだ声明を採択。市場の予想通りだったものの円売り介入を実施しにくくなるとの見方が円相場の下支え要因となりました。また発表された9月の米中古住宅販売件数は前月比で予想以上に増加したものの、米金融政策の見通しを変えるほどの内容ではないとして、次回11月のFOMCでFRBが追加の金融緩和に踏み切るとの見方が改めて意識され、ドルが対主要通貨で売られる展開が継続し26日には月間最高値となる80.73円に上昇しました。月末にかけてはFRBによる追加金融緩和の規模が予想より小規模になるとの観測が台頭したことで一時81.70円近辺まで下落する場面もありましたが、29日には再び円買いドル売りが優勢となり80.91円に上昇して越月しました。
■国内金相場
3,538円でスタートした国内円建て相場は、堅調なドル建て金価格に歩調を合わせるかたちで6日には3,621円に上昇しました。その後は円高の進行にやや上値を押えられる展開となったものの、ドル建て金価格の堅調な推移に徐々に下値を切り上げ、15日には月間最高値となる3,645円に上昇しました。月中旬以降はドル建て金価格が軟調な展開となったことに加え、円高の進行も影響し下落基調となると、22日には月間最安値となる3,494円に下落しました。月末にかけては米追加金融緩和観測が強まったことでドル建て金価格が回復したことから国内円建て価格も底堅く推移し、月末29日には3,522円にて越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,669ドルでスタートした10月のプラチナ相場は、日銀による追加金融緩和決定や米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和観測など、主要国の追加緩和が景気を下支えするとの期待から米株式相場が上昇したことを好感した買いに堅調な推移となると、金相場の上昇にも後押しされ投機筋の買いが活発化し7日には月間最高値となる1,723ドルに上昇しました。しかし1,700ドルの大台を大きく突破したことで相場過熱感が台頭。実需の追随も見られず上値の重い展開となると、米雇用統計の発表を前に投機筋の手仕舞い売りが加速し8日には1,683ドルに急落しました。9月の雇用統計では非農業部門の雇用者数が95,000人減少と市場予想以上に減少。米景気の回復鈍化が意識され、FRBが追加の金融緩和を実施する可能性が一段と高まると、再び投機資金の流入が顕著となり11日には1,700ドル近辺に値を戻しました。1,700ドル近辺では投機筋の利食い売りに一時1,675ドル近辺まで下落しましたが、中国の9月国内新車販売台数が好調であったことや米株式相場の上昇を材料に下値を支えられると、投機筋の買いが旺盛となり1,700ドルを突破し14日には1,713ドルに上昇しました。
1,700ドルを越える水準では上値の重い展開となる中、19日には中国人民銀行が利上げを発表。利上げにより中国経済が伸び悩めば世界景気の鈍化につながるとの連想から米株式市場が大幅に下落したことを受けて、プラチナ相場においても投機筋の売りが活発化。22日には月間最安値となる1,661ドルに下落しました。この価格水準では実需の買いも散見され下値をサポートされると、25日には米株式相場が4月末以来おおよそ半年振りの高値に上昇したことや米国で大型トラックの排ガス規制案が発表されたことで需要の増加が意識され、27日には一時1,710ドル近辺まで上昇しました。しかし1,700ドルを越える水準では再び上値を押えられる展開となり29日には1,698ドルにて越月しました。
■国内プラチナ相場
4,548円でスタートした国内円建て相場は、ドル建てプラチナ相場の上昇に歩調を合わせる形で堅調に推移し7日には月間最高値となる4,661円に上昇しました。その後はドル建て価格が下落に転じたことや、円高の進行から徐々に下値を切り下げ13日には4,526円に下落しました。月中旬にかけてドル建て価格が急上昇したことを受けて円建て価格も4,500円台を回復しました。月後半にかけてはドル建て価格が軟調な展開となったことに加え、円高の継続から再び4,500円を割り込み22日には月間最安値となる4,449円に下落しました。月末にかけてはドル建て価格が堅調に推移したことから国内円建て価格も底堅く推移し4,490円にて越月しました。
以上