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マーケット市況情報
2010年03月08日 16時08分
2010年2月の貴金属市況2010年03月08日 16時08分
価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
1,086.50ドル近辺でスタートした2月の金相場は、米国ISM製造業景況感指数が2ヶ月連続で改善を示した事などからリスク選好の動きが強まり、原油をはじめとする商品相場や株式の上昇にともなって値を上げ、3日には1,118.50ドルをつけました。しかし、南欧を中心とした財政悪化懸念や、米国の雇用統計が比較的良好だったことを受けてドルが急伸すると金は反落。5日には1,052.25ドルまで下落しました。その後、この急落を受けて実需の買いが入ったことや、これまでのユーロ売り一辺倒の展開から翻ってドルが下落に転じると、金相場は反発。中旬にかけて1,070ドル近辺から1,080ドル近辺へ下値を切り上げる推移となりました。
中旬に米国が連休を迎え、中国勢が旧正月に入り市場流動性が低下する中、ギリシャ財政問題に対しEUが救済に乗り出すとの見方からユーロ買いが優勢となる展開を背景として、金相場も上値を伸ばし1,100ドル台を突破。17日には1,119ドルまで上昇しました。しかし、18日にIMFが昨年から売却予定を発表していた403.3トンのうち、インド、モーリシャス、スリランカ中銀に売却して残った191.3トンを市場で売却すると発表したことで、東京時間には20ドル近い急落を見せました。この水準ではアジア勢が買いを入れたことや、IMFが残りの重量を一度に売却するわけではないとしていたことで、売り一巡後は買い戻される展開となり、再び1,110ドル台に値を戻しました。翌19日にはFRBが米公定歩合の0.25%引き上げを決定し、米国が具体的な出口戦略に向けた動きを見せたとの市場認識からドルが反発し、金が売られる場面も見られましたが、その後に発表された米国1月の消費者物価指数が市場予想を下回ったことなどからドルが軟化すると、金は再び1,120ドル目前まで値を上げ、22日には月間最高値となる1,119.75ドルをつけました。
その後、EUによるギリシャへの資金支援について否定的な報道が伝わると、ユーロ売りドル買いが強まり金は1,110ドル近辺に下落。また、23日に発表されたドイツの企業景況感指数が市場予想を下回りユーロが一段安となると金売りも加速し、24日には1,100ドルを割り込むまで下落しました。しかしこの水準では値ごろ感から実需家の買いが入ると反発し、また、ドイツ政府がギリシャ救済を検討しているとの報道からユーロが買いに転じたことで金は上値を伸ばし1,108.25ドルでの越月となりました。
■為替相場
90円台半ばでスタートした2月のドル円為替相場は、2日にオーストラリア準備銀行(中央銀行)が0.25%利上げの市場予想に反して政策金利の据え置き(3.75%)を発表したことや、欧州株式が堅調に推移したことを背景に、豪ドル、ユーロを挟んで90円半ばでもみ合う展開となりました。4日に米国株式が200ドルを超える下落を見せ、また商品市場でも大きく値を崩す展開となると、ドル、ユーロが売り込まれ、円は急伸。一時88円台をつける上昇となりました。5日に発表された米国1月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比約2万人減少となったものの、失業率は9.7%に低下し、労働情勢の改善が意識されると、前日の反動もありドルは反発。89円台後半をつけるまでの上昇となりました。
その後、EUによるギリシャ救済の報道で先月から続く財政問題がやや緩和されるとユーロや米国株式が上昇を見せ、さらにバーナンキFRB議長の議会証言で公定歩合を引き上げる可能性が示唆されると、ドルは90円台を突破して上昇。その後、米国の連休、中国圏の旧正月休暇を控え、動意の薄い中90円台近辺でもみ合う展開となりました。17日発表のFOMC議事録では、FRBが出口戦略の準備をしていると見られ、またFRBが保有する資産の売却が議論されたことなどが好感され、急速にドル高が進み、91円台をつけました。19日にFEBが公定歩合の引き上げ(0.5%)を公表すると、ドル買いは一気に加速。一時92.10円近辺まで上昇しました。
しかし、この急騰を受けた利益確定の売りや、米国1月の消費者物価指数が市場予想を下回ったことからドルは下落に転じ、23日には90.00円付近まで売り戻されました。24日に発表された米国2月の消費者信頼感指数や新築住宅販売数が予想以上の悪化を見せたことや、バーナンキFRB議長が改めて超低金利の長期化を示唆する議会証言を行ったことなどからドル売りは加速し、一時88円台半ばまで値を下げました。月末にかけて、ドイツ政府によるギリシャ救済をめぐる報道や、雇用情勢や住宅販売などの市場予想を下回る米国の経済指標発表でドル円はもみ合いとなり、89.00円近辺での越月となりました。
■国内金相場
国内円建て相場は、先月末の下落から3,200円台を回復して推移しましたが、ドル建て相場が1,100ドルを割り込んで軟化すると、急速に値を崩し9日には月間最安値となる3,096円をつけました。その後、ドル建て相場が1,120ドル目前まで回復し、ドル円為替相場が円安方向で推移すると円建て相場も上値を切り上げ、22日には3,300円台を突破し、月間最高値となる3,358円をつけました。しかし、為替相場が急速に円高に進むと、円建て相場は3,300円台を維持できず、3,210円で越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
2月のプラチナ相場は1,516ドル近辺でスタートした後、前月からの軟調な展開で投機筋が短期的な売り持ちポジションを拡大させている中、発表された米ISM製造業景況指数の結果が市場予想を上回りそれまで市場に広がっていた景気先行きに対する悲観的な見方が後退。投機筋が売り持ちポジションを閉じる動きを加速させたことから上昇基調となると、3日には月間最高値となる1,586ドルをつけました。しかし、4日に発表された米新規失業保険申請件数が予想以上に悪化。米雇用統計の発表を翌5日に控え、市場にあったやや楽観的なムードが一転して悲観的に流れると、株式市場が下げ幅を拡大。その流れは換金売りの形で商品市場にも波及することとなり、プラチナ相場も急落し、節目となる1,500ドルを割り込むと損失確定の売りも巻き込んで下げ幅を拡大。月間最高値から2日後の5日には一転して月間最安値となる1,475ドルをつけることとなりました。
この水準ではアジア圏の実需筋が積極的な買いを入れて相場が下支えされると、その後は戻りを売る投機筋と実需筋の買いが交錯する中で、上値が重いながらも値を戻す展開となり、10日には1,500ドルを回復しました。その後、中旬にかけて中国圏が旧正月入りで休暇となると、アジアでの参加者が減り閑散な市場で方向感無く推移しました。月末にかけても、ユーロ圏の財政不安や米経済指標を受けた景況感の交錯などを手がかりにもみ合う展開となり、1,500-1,550ドルの中でのレンジ相場に終始し、1,533ドルで越月しました。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は、月初にドル建て相場が上昇する中で、為替相場でも景気見通しに楽観的なムードが広がったことから進んだ円安を受けて3日に月間最高値となる4,678円をつけました。その後急速に株式市場、商品市場で下落が進行すると、為替市場も円高に振れ、円建て価格は急落。9日には月間最安値となる4,344円をつけました。月末にかけてはドル建て相場が方向感を欠いて推移したことから、円建て相場も4,500円を挟んで方向感を失い、4,477円での越月となりました。
以上
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
1,086.50ドル近辺でスタートした2月の金相場は、米国ISM製造業景況感指数が2ヶ月連続で改善を示した事などからリスク選好の動きが強まり、原油をはじめとする商品相場や株式の上昇にともなって値を上げ、3日には1,118.50ドルをつけました。しかし、南欧を中心とした財政悪化懸念や、米国の雇用統計が比較的良好だったことを受けてドルが急伸すると金は反落。5日には1,052.25ドルまで下落しました。その後、この急落を受けて実需の買いが入ったことや、これまでのユーロ売り一辺倒の展開から翻ってドルが下落に転じると、金相場は反発。中旬にかけて1,070ドル近辺から1,080ドル近辺へ下値を切り上げる推移となりました。
中旬に米国が連休を迎え、中国勢が旧正月に入り市場流動性が低下する中、ギリシャ財政問題に対しEUが救済に乗り出すとの見方からユーロ買いが優勢となる展開を背景として、金相場も上値を伸ばし1,100ドル台を突破。17日には1,119ドルまで上昇しました。しかし、18日にIMFが昨年から売却予定を発表していた403.3トンのうち、インド、モーリシャス、スリランカ中銀に売却して残った191.3トンを市場で売却すると発表したことで、東京時間には20ドル近い急落を見せました。この水準ではアジア勢が買いを入れたことや、IMFが残りの重量を一度に売却するわけではないとしていたことで、売り一巡後は買い戻される展開となり、再び1,110ドル台に値を戻しました。翌19日にはFRBが米公定歩合の0.25%引き上げを決定し、米国が具体的な出口戦略に向けた動きを見せたとの市場認識からドルが反発し、金が売られる場面も見られましたが、その後に発表された米国1月の消費者物価指数が市場予想を下回ったことなどからドルが軟化すると、金は再び1,120ドル目前まで値を上げ、22日には月間最高値となる1,119.75ドルをつけました。
その後、EUによるギリシャへの資金支援について否定的な報道が伝わると、ユーロ売りドル買いが強まり金は1,110ドル近辺に下落。また、23日に発表されたドイツの企業景況感指数が市場予想を下回りユーロが一段安となると金売りも加速し、24日には1,100ドルを割り込むまで下落しました。しかしこの水準では値ごろ感から実需家の買いが入ると反発し、また、ドイツ政府がギリシャ救済を検討しているとの報道からユーロが買いに転じたことで金は上値を伸ばし1,108.25ドルでの越月となりました。
■為替相場
90円台半ばでスタートした2月のドル円為替相場は、2日にオーストラリア準備銀行(中央銀行)が0.25%利上げの市場予想に反して政策金利の据え置き(3.75%)を発表したことや、欧州株式が堅調に推移したことを背景に、豪ドル、ユーロを挟んで90円半ばでもみ合う展開となりました。4日に米国株式が200ドルを超える下落を見せ、また商品市場でも大きく値を崩す展開となると、ドル、ユーロが売り込まれ、円は急伸。一時88円台をつける上昇となりました。5日に発表された米国1月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比約2万人減少となったものの、失業率は9.7%に低下し、労働情勢の改善が意識されると、前日の反動もありドルは反発。89円台後半をつけるまでの上昇となりました。
その後、EUによるギリシャ救済の報道で先月から続く財政問題がやや緩和されるとユーロや米国株式が上昇を見せ、さらにバーナンキFRB議長の議会証言で公定歩合を引き上げる可能性が示唆されると、ドルは90円台を突破して上昇。その後、米国の連休、中国圏の旧正月休暇を控え、動意の薄い中90円台近辺でもみ合う展開となりました。17日発表のFOMC議事録では、FRBが出口戦略の準備をしていると見られ、またFRBが保有する資産の売却が議論されたことなどが好感され、急速にドル高が進み、91円台をつけました。19日にFEBが公定歩合の引き上げ(0.5%)を公表すると、ドル買いは一気に加速。一時92.10円近辺まで上昇しました。
しかし、この急騰を受けた利益確定の売りや、米国1月の消費者物価指数が市場予想を下回ったことからドルは下落に転じ、23日には90.00円付近まで売り戻されました。24日に発表された米国2月の消費者信頼感指数や新築住宅販売数が予想以上の悪化を見せたことや、バーナンキFRB議長が改めて超低金利の長期化を示唆する議会証言を行ったことなどからドル売りは加速し、一時88円台半ばまで値を下げました。月末にかけて、ドイツ政府によるギリシャ救済をめぐる報道や、雇用情勢や住宅販売などの市場予想を下回る米国の経済指標発表でドル円はもみ合いとなり、89.00円近辺での越月となりました。
■国内金相場
国内円建て相場は、先月末の下落から3,200円台を回復して推移しましたが、ドル建て相場が1,100ドルを割り込んで軟化すると、急速に値を崩し9日には月間最安値となる3,096円をつけました。その後、ドル建て相場が1,120ドル目前まで回復し、ドル円為替相場が円安方向で推移すると円建て相場も上値を切り上げ、22日には3,300円台を突破し、月間最高値となる3,358円をつけました。しかし、為替相場が急速に円高に進むと、円建て相場は3,300円台を維持できず、3,210円で越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
2月のプラチナ相場は1,516ドル近辺でスタートした後、前月からの軟調な展開で投機筋が短期的な売り持ちポジションを拡大させている中、発表された米ISM製造業景況指数の結果が市場予想を上回りそれまで市場に広がっていた景気先行きに対する悲観的な見方が後退。投機筋が売り持ちポジションを閉じる動きを加速させたことから上昇基調となると、3日には月間最高値となる1,586ドルをつけました。しかし、4日に発表された米新規失業保険申請件数が予想以上に悪化。米雇用統計の発表を翌5日に控え、市場にあったやや楽観的なムードが一転して悲観的に流れると、株式市場が下げ幅を拡大。その流れは換金売りの形で商品市場にも波及することとなり、プラチナ相場も急落し、節目となる1,500ドルを割り込むと損失確定の売りも巻き込んで下げ幅を拡大。月間最高値から2日後の5日には一転して月間最安値となる1,475ドルをつけることとなりました。
この水準ではアジア圏の実需筋が積極的な買いを入れて相場が下支えされると、その後は戻りを売る投機筋と実需筋の買いが交錯する中で、上値が重いながらも値を戻す展開となり、10日には1,500ドルを回復しました。その後、中旬にかけて中国圏が旧正月入りで休暇となると、アジアでの参加者が減り閑散な市場で方向感無く推移しました。月末にかけても、ユーロ圏の財政不安や米経済指標を受けた景況感の交錯などを手がかりにもみ合う展開となり、1,500-1,550ドルの中でのレンジ相場に終始し、1,533ドルで越月しました。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は、月初にドル建て相場が上昇する中で、為替相場でも景気見通しに楽観的なムードが広がったことから進んだ円安を受けて3日に月間最高値となる4,678円をつけました。その後急速に株式市場、商品市場で下落が進行すると、為替市場も円高に振れ、円建て価格は急落。9日には月間最安値となる4,344円をつけました。月末にかけてはドル建て相場が方向感を欠いて推移したことから、円建て相場も4,500円を挟んで方向感を失い、4,477円での越月となりました。
以上