マーケット市況情報

2005年08月05日 11時21分

2005年6月の貴金属市況2005年08月05日 11時21分

価格ベース
金 US$ London Fixing 円建 税抜参考小売価格
プラチナ US$ N.Y.F.M 円建   〃


金(Gold)

■海外金相場

6月の金相場は、フランスの国民投票で欧州憲法条約の批准が否決され、ユーロ安が進む中、410ドル台後半での軟調なスタートとなりました。しかしその後3日に発表された米国5月の雇用統計では、景気浮沈の指標となる非農業部門での雇用者数が7.8万人増と1年9ケ月振りの低水準の伸びとなった事から、米国経済に対する楽観的観測にブレーキが掛かり、金価格は420ドル台を回復しました。その後もNYの先物市場であるCOMEXにおける投機家の買持ち玉が100トン台まで減少していた事が新規の買に安心感を与える結果となり、420ドル台後半まで値を伸ばしました。しかし9日に行われたグリーンスパン米連邦準備制度議会(FRB)議長の議会証言で米ドル金利引き上げの継続が示唆された事や10日に発表された米国4月の貿易収支で市場予測を下回る赤字レベル(569.6億ドル)に留まったこと等を背景に、その後伸び足を欠き15日にかけて420ドル台での往来相場に終始しました。その後 高値追いを続ける原油相場(NY先物で56ドル超)が、金相場に追い風となり16日には430ドル台を回復。加えて欧州中央銀行の利下げ観測の台頭によりユーロ安・米ドル高が進むと、金相場は概ね右肩上がりの傾向を維持し24日には440ドル台まで上昇しました。
この時点でCOMEXにおける投機家の買持ち玉は330トン程度まで増加しており、やや過熱感が台頭したことから、その後は手仕舞いの売りが散見される展開となりました。結果、430ドル台後半での越月となりましたが、月初の価格が410ドル台であった事を考えれば、概ね上昇基調を保った事となります。


■ 為替相場

ドル・円為替相場は107円台中盤でスタートしましたが、前述の通り米国5月の雇用統計が予測より低調であった事から、米国経済に対する先行き不透明感が台頭し8日にかけて106円台中盤まで緩やかな円高基調が続きました。しかし9日のグリーンスパンFRB議長の議会証言で米ドル金利引き上げの継続が確認された事から円高傾向に歯止めが掛かる事となりました。加えて、フランスの国民投票で欧州憲法条約の批准が否決された事や欧州中央銀行によるユーロ金利引下げ観測等を背景とするユーロ人気の離散からユーロ安・ドル高(1ユーロ=1.21ドル台)が進むと、つれてドル・円為替相場もドル高/円安の傾向となりました。結果、10日に107円台を回復するとほぼ寒暖なく円安基調となり13日には108円台、14日には109円台に達しました。109円台後半では技術的要因からドル売り・円買いの需要も多く、その後28日にかけて109円台前半での比較的狭いレンジでの往来相場を形成しました。しかし 29日・30日に行われた、米国連邦公開市場委員会(FOMC)で予測通りではあるものの、0.25%の利上げが実施された事からついに110円台後半までドル高/円安が進行して越月しました。


■国内金相場

前月まで顕著であった、「ドル建て金価格堅調時」→「為替円高」/「ドル建て金価格軟調時」→「為替相場円安」で金円建て価格の値動きは限定的と言う相関関係が崩壊。ドル建て金価格の上昇と共に為替相場も円安が進行する展開となり円建て金価格は概ね右肩上がりの値動きに終始しました。結果、月初に1,499円と月間の最安値でスタートした後、14日には1,540円台を回復、月末月間の最高値である1,587円に至るまで、ほぼ寒暖なく上昇基調を続けました。


プラチナ(Platinum)

■海外プラチナ相場

6月のプラチナ相場は860ドル台中盤でスタートしましたが、昨今のプラチナ相場の傾向を踏襲し、TOCOMを中心とした先物市場におけるファンド筋の投機買に右肩上がりの相場を形成したため、2日には870ドル台を回復。現物需要は一部ガラス装置用需要を除き極めて低調でしたが、根強いファンド筋の買にその後も右肩上がりの相場を続け7日には880ドル台まで上昇しました。 「880ドル台が一応の高値」とする市場認識は強く、その後は手仕舞いの売りも見られる展開となり16日にかけては870ドル台~880ドル台前半での相場展開に終始しました。しかし、その後 6月のTOCOM納会を27日に控え、空売り玉を持つ一般大衆が買い戻しに走った為、既存のレンジを超えて上昇。17日に890ドルを超えると20日には一時900ドルを超えるレベルまで買い進まれました。さすがに大台代わりのインパクトは大きくその後手仕舞いの売りに軟化しましたが、月末時点で880ドル台後半と、月初のレベルを20ドル以上上回り越月しました。

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