- ホーム
- 貴金属価格情報
- マーケット市況情報一覧
- 2009年9月の貴金属市況
マーケット市況情報
2009年10月08日 09時04分
2009年9月の貴金属市況2009年10月08日 09時04分
価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
9月の金相場は949.75ドルでスタートした後、米株式市場が急落する中で安全資産とされている米長期国債などの利回りが低下。金相場も質への逃避に絡む買いが入り、堅調な推移となりました。この流れは3日に発表される米雇用統計を前に強まりを見せて、急騰する展開となるとその後は投機筋の損失確定の買いなども巻き込んで上昇し、一気に990ドル近辺へ上昇しました。しかし、990ドル台では1000ドルを意識した高値警戒感が強く、加えて本邦を含むアジア圏からは現物投資筋の売りが多く見られたことから、上値を抑えられることとなりました。
しかし、その後は中国株式の上昇などがきっかけとなり各国株式市場が持ち直し、また米貿易赤字の拡大などを受けてドルへの不信感は根強い中で、対主要国・資源国通貨などでドルが急速に売られる展開となると、金相場にも同様の資金が流れ込む展開となり8日には1000ドルの大台を超えることとなりました。その後は為替市場の動きをにらみつつの展開となりましたが、ドル売りの流れは止まらず金相場も追随して上昇。加えて16日に発表された米消費者物価指数が市場予想を上回り現在の金融環境における金あまりが意識されたことが上昇を後押ししました。17日には月間最高値となる1020.50ドルを付けました。
この間、工業需要は高値を嫌気して低調となる中で、先物市場における投機筋のロングポジションは過去最高水準まで上昇し、また金ETFの残高も増加傾向となり全体では1275トンと過去最高を記録しました。これらの状況から今回の上昇は投機筋の買いが先導したものであったといえます。その後は24日ごろまではドルユーロの動向などを意識した投機筋の思惑売買が中心となり、1000ドル-1020ドルのレンジでの往来相場を形成しましたが、月末にかけては9月決算に絡んでのポジション調整の動きなどもあり、ドルが徐々に買い戻される展開となり、24日に米中古住宅販売件数の予想を下回る結果をきっかけとしてその流れに拍車がかかると、金相場も投機筋の手じまい売りがでることとなり、1000ドルを割り込む水準まで下落しました。しかし、一度1000ドル越えを確認したことを受けて、それを下回る水準ではそれまで買いそびれていた工業需要などが買いを入れたことから、985ドル近辺でサポートされると、下値を確認した安心感などから再び買い戻されることとなり1000ドルを挟む水準まで値を戻し995.75ドルにて越月しました。
■為替相場
93.00円近辺でスタートした9月のドル円為替相場は、月初、米国株式が180ドルを越える下落を見せたことをきっかけに円買いが進み、一時92.00円近辺まで上昇しました。4日に発表された米国8月の雇用統計では、失業率が9.7%と高い水準をしめしたものの、市場予想程の悪化とはならなかったことが好感され米株式が反発。これを受けてドルは再び93円台前半まで値を戻しましたが、米国がレイバーデイで連休となる中、本邦の政権交代による期待感や、欧州やアジア株が堅調に推移したこと、また、米国において景気回復が見られつつも、経済対策は長期化するとの市場観測を背景に、対主要通貨でドル売りが進んだことから円は上昇。米国の貿易収支で赤字の拡大が確認されたことも材料視され、90円台前半をつけました。
その後、本邦株式が200円を越える急落を見せたことをきっかけに円は反落。藤井財務相による為替相場への政府介入の可能性を否定する発言を受けて上昇する場面も見られましたが、目立った材料もない中で緩やかにドル買いが進行し、91円近辺を中心とした小動きに終始しました。
本邦が5連休となり、週末に米FOMCを控えて市場に思惑が交錯する中(FOMCでは政策金利も0.00%~0.25%に据え置かれ特段の政策決定もなく市場への影響は限定的だった)、月初から対ドルで堅調に推移してきたユーロが上げ幅を拡大するとつられて円も上昇。さらに、藤井財務相による円高容認ともとれる発言や、榊原元財務官の「本邦通貨当局による円高に対する市場介入の可能性は低い」との発言が円の上昇を加速させ、円は09年2月以来となる90円抜けとなり、27日には月間最高値圏となる88.20円近辺をつけました。その後、急速に進んだ円高に一服感が出ると、トリシェECB総裁のドル高を支持する発言などからドルが買われ、90.00近辺で越月しました。
■国内金相場
2,875円でスタートした国内円建て相場は、初旬にドル建て相場が急騰する動きにあわせて上昇し、8日には月間最高値となる3,009円をつけました。その後もドル建て相場は堅調に推移しましたが、為替相場で円高が急速に進んだことで相殺され、2,900円台後半でのレンジ相場を形成。ドル建て相場が1,000ドルを超え、円建て相場も再び3,000円を試す場面も見られましたが、本邦財務相の発言を背景としたさらなる円高に勢いをそがれ、2,913円にて越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,249ドル近辺でスタートした9月のプラチナ相場は、株式市場の軟調な動きを受けて実需の減退を連想した売りなどから下落基調となり、2日には月間最安値となる1,210ドルをつけました。しかし、この下落の中で中国圏での現物投資需要が増大し、比較的旺盛な買いを入れたことから反発に転じると、中旬にかけては中国株式の上昇などをきっかけに米欧の株式市場が持ち直したことから、投機筋の動きが活発化し断続的な買いが入ることとなりました。加えて為替市場でドル安が進行する中、金相場は1,000ドル越えを見せたことからプラチナ相場も徐々に下値を切り上げる展開となり、14日には上値の節目と見られていた1,300ドルを抜け、17日には月間最高値となる1,343ドルをつけました。この上昇局面の中では先の下落場面で旺盛な買いを見せた中国圏からの現物投資需要などは急速に冷え込む一方で、先物市場での投機家のロングポジションが過去最大の積み上がりを見せたことなどから、投機主導の値動きとなりました。プラチナETFもこの上昇の中で残高が17トン近くまで増加し、過去最高を更新しました。
しかし、17日以降は株式市場が頭打ちとなったことや、金相場が1,000ドルを越える水準で上値重く推移したことを受けて、プラチナ相場でも買い手であった投機筋が徐々に利益確定の動きを強め、1,300ドルを越える水準で上値の重い推移となりました。
その後、調整売りなどから株式市場が急落すると、商品市場全般でも手仕舞い売りが進み、プラチナ相場も1,300ドルを割り込みました。損失確定の売りなども巻き込んだ下落基調は月末まで続き、1,270ドル近辺まで下落しましたが、30日に金相場が押し目買いなどから1,000ドル台に戻す動きとなったことを好感して買い戻され、1,287ドルで越月しました。
■国内プラチナ相場
3,807円近辺でスタートした9月の円建てプラチナ相場は、初旬にドル建て相場が軟調に推移したこともあり、3日に月間最安値となる3,739円をつけました。しかし、その後のドル建て相場の急激な戻りを受けて翌日には100円の急騰を見せ、3,800円台に乗せました。この水準では本邦などの実需は減退しましたが、その後もドル建て価格の上昇に追随する形で上値を伸ばし、17日には月間最高値となる4,029円をつけました。中旬以降は本邦財務相の発言などに起因する円高ドル安の進行が円建て価格を下押しし、3,700円台後半に下落しての越月となりました。
以上
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
9月の金相場は949.75ドルでスタートした後、米株式市場が急落する中で安全資産とされている米長期国債などの利回りが低下。金相場も質への逃避に絡む買いが入り、堅調な推移となりました。この流れは3日に発表される米雇用統計を前に強まりを見せて、急騰する展開となるとその後は投機筋の損失確定の買いなども巻き込んで上昇し、一気に990ドル近辺へ上昇しました。しかし、990ドル台では1000ドルを意識した高値警戒感が強く、加えて本邦を含むアジア圏からは現物投資筋の売りが多く見られたことから、上値を抑えられることとなりました。
しかし、その後は中国株式の上昇などがきっかけとなり各国株式市場が持ち直し、また米貿易赤字の拡大などを受けてドルへの不信感は根強い中で、対主要国・資源国通貨などでドルが急速に売られる展開となると、金相場にも同様の資金が流れ込む展開となり8日には1000ドルの大台を超えることとなりました。その後は為替市場の動きをにらみつつの展開となりましたが、ドル売りの流れは止まらず金相場も追随して上昇。加えて16日に発表された米消費者物価指数が市場予想を上回り現在の金融環境における金あまりが意識されたことが上昇を後押ししました。17日には月間最高値となる1020.50ドルを付けました。
この間、工業需要は高値を嫌気して低調となる中で、先物市場における投機筋のロングポジションは過去最高水準まで上昇し、また金ETFの残高も増加傾向となり全体では1275トンと過去最高を記録しました。これらの状況から今回の上昇は投機筋の買いが先導したものであったといえます。その後は24日ごろまではドルユーロの動向などを意識した投機筋の思惑売買が中心となり、1000ドル-1020ドルのレンジでの往来相場を形成しましたが、月末にかけては9月決算に絡んでのポジション調整の動きなどもあり、ドルが徐々に買い戻される展開となり、24日に米中古住宅販売件数の予想を下回る結果をきっかけとしてその流れに拍車がかかると、金相場も投機筋の手じまい売りがでることとなり、1000ドルを割り込む水準まで下落しました。しかし、一度1000ドル越えを確認したことを受けて、それを下回る水準ではそれまで買いそびれていた工業需要などが買いを入れたことから、985ドル近辺でサポートされると、下値を確認した安心感などから再び買い戻されることとなり1000ドルを挟む水準まで値を戻し995.75ドルにて越月しました。
■為替相場
93.00円近辺でスタートした9月のドル円為替相場は、月初、米国株式が180ドルを越える下落を見せたことをきっかけに円買いが進み、一時92.00円近辺まで上昇しました。4日に発表された米国8月の雇用統計では、失業率が9.7%と高い水準をしめしたものの、市場予想程の悪化とはならなかったことが好感され米株式が反発。これを受けてドルは再び93円台前半まで値を戻しましたが、米国がレイバーデイで連休となる中、本邦の政権交代による期待感や、欧州やアジア株が堅調に推移したこと、また、米国において景気回復が見られつつも、経済対策は長期化するとの市場観測を背景に、対主要通貨でドル売りが進んだことから円は上昇。米国の貿易収支で赤字の拡大が確認されたことも材料視され、90円台前半をつけました。
その後、本邦株式が200円を越える急落を見せたことをきっかけに円は反落。藤井財務相による為替相場への政府介入の可能性を否定する発言を受けて上昇する場面も見られましたが、目立った材料もない中で緩やかにドル買いが進行し、91円近辺を中心とした小動きに終始しました。
本邦が5連休となり、週末に米FOMCを控えて市場に思惑が交錯する中(FOMCでは政策金利も0.00%~0.25%に据え置かれ特段の政策決定もなく市場への影響は限定的だった)、月初から対ドルで堅調に推移してきたユーロが上げ幅を拡大するとつられて円も上昇。さらに、藤井財務相による円高容認ともとれる発言や、榊原元財務官の「本邦通貨当局による円高に対する市場介入の可能性は低い」との発言が円の上昇を加速させ、円は09年2月以来となる90円抜けとなり、27日には月間最高値圏となる88.20円近辺をつけました。その後、急速に進んだ円高に一服感が出ると、トリシェECB総裁のドル高を支持する発言などからドルが買われ、90.00近辺で越月しました。
■国内金相場
2,875円でスタートした国内円建て相場は、初旬にドル建て相場が急騰する動きにあわせて上昇し、8日には月間最高値となる3,009円をつけました。その後もドル建て相場は堅調に推移しましたが、為替相場で円高が急速に進んだことで相殺され、2,900円台後半でのレンジ相場を形成。ドル建て相場が1,000ドルを超え、円建て相場も再び3,000円を試す場面も見られましたが、本邦財務相の発言を背景としたさらなる円高に勢いをそがれ、2,913円にて越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,249ドル近辺でスタートした9月のプラチナ相場は、株式市場の軟調な動きを受けて実需の減退を連想した売りなどから下落基調となり、2日には月間最安値となる1,210ドルをつけました。しかし、この下落の中で中国圏での現物投資需要が増大し、比較的旺盛な買いを入れたことから反発に転じると、中旬にかけては中国株式の上昇などをきっかけに米欧の株式市場が持ち直したことから、投機筋の動きが活発化し断続的な買いが入ることとなりました。加えて為替市場でドル安が進行する中、金相場は1,000ドル越えを見せたことからプラチナ相場も徐々に下値を切り上げる展開となり、14日には上値の節目と見られていた1,300ドルを抜け、17日には月間最高値となる1,343ドルをつけました。この上昇局面の中では先の下落場面で旺盛な買いを見せた中国圏からの現物投資需要などは急速に冷え込む一方で、先物市場での投機家のロングポジションが過去最大の積み上がりを見せたことなどから、投機主導の値動きとなりました。プラチナETFもこの上昇の中で残高が17トン近くまで増加し、過去最高を更新しました。
しかし、17日以降は株式市場が頭打ちとなったことや、金相場が1,000ドルを越える水準で上値重く推移したことを受けて、プラチナ相場でも買い手であった投機筋が徐々に利益確定の動きを強め、1,300ドルを越える水準で上値の重い推移となりました。
その後、調整売りなどから株式市場が急落すると、商品市場全般でも手仕舞い売りが進み、プラチナ相場も1,300ドルを割り込みました。損失確定の売りなども巻き込んだ下落基調は月末まで続き、1,270ドル近辺まで下落しましたが、30日に金相場が押し目買いなどから1,000ドル台に戻す動きとなったことを好感して買い戻され、1,287ドルで越月しました。
■国内プラチナ相場
3,807円近辺でスタートした9月の円建てプラチナ相場は、初旬にドル建て相場が軟調に推移したこともあり、3日に月間最安値となる3,739円をつけました。しかし、その後のドル建て相場の急激な戻りを受けて翌日には100円の急騰を見せ、3,800円台に乗せました。この水準では本邦などの実需は減退しましたが、その後もドル建て価格の上昇に追随する形で上値を伸ばし、17日には月間最高値となる4,029円をつけました。中旬以降は本邦財務相の発言などに起因する円高ドル安の進行が円建て価格を下押しし、3,700円台後半に下落しての越月となりました。
以上