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マーケット市況情報
2005年06月02日 11時45分
2005年4月の貴金属市況2005年06月02日 11時45分
価格ベース
金 US$ London Fixing 円建 税抜参考小売価格
プラチナ US$ N.Y.F.M 円建 〃
金(Gold)
■海外金相場
4月の金相場は420ドル台後半でのスタートとなりましたが、1日に発表された米国3月の雇用統計で景気浮沈の指標となる非農業部門での就業者数の増加が11万人と前月の24.3万人を大幅に下回った事から為替市場において米ドルが弱含み基調となると、つれて金相場は一時430ドルを回復しました。しかし潜在的な米ドル金利の先高感を背景に、その後米ドルが再度強含みとなると、金相場は上値を抑えられる形となり11日にかけて425ドル~430ドル程度での極めて狭いレンジでの持合い相場を形成しました。12日に発表された米国2月の貿易収支では、610億ドルと過去最高の赤字となった事や、米国連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録では、インフレのリスクを指摘する部分もあったものの、基本的には米ドル利上げペースの加速は不要との見方が示された事などから米ドルが一時的に弱含み基調となると、金相場は430ドルを回復しました。しかしその後は、米国を中心に産金会社株が弱含み基調となったが事が嫌気され18日にかけて425ドル近辺まで下落しました。又この間15日には先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が行われましたが、金相場への影響は限定的でした。その後、「冷静に雇用統計・貿易収支等主要指標を評価した場合、米国経済の先行き不安が懸念される」との見方から、金市場が再評価され20日に430ドル台を回復。27日にかけて437ドル程度まで買い進まれましたが、米国株価の上昇等が足かせとなり440ドルを回復することはありませんでした。 28日には「米国連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ回避を目的として利上げペースを加速する」との思惑から金相場は一時的に430ドル台前半まで下落。 しかし基本的には5月3日の米国連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、取引が手控えられる傾向となり、金相場に対する興味が離散する中、概ね430ドル台中盤を維持して越月しました。
■ 為替相場
ドル・円為替相場は、107円台中盤でのスタートとなりましたが、グリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長の米国経済に対する強気の姿勢と、それに伴う米ドル金利先高感を背景として、ドル高・円安傾向が強まり4日に108円台を回復すると、5日には108円台後半に達するなど11日にかけて108円台での相場を形成しました。しかし12日に発表された米国2月の貿易収支では、610億ドルと過去最高の赤字となった事が嫌気されドル安・円高基調に転換すると14日にかけて107円台での往来相場に回帰しました。その後、ポジション調整によるドル買い・円売りから一時的に108円台を回復する場面も見受けられましたが、「米国の実質経済の先行きは政府見解ほど強くない。」との観測から円高基調が強まり、20日には107円を割り込みました。その後も寒暖なくドル安・円高基調が維持され25日には一時105円を割り込みました。その後は106円台前半での取引が続きましたが、米国政府関係者の人民元切り上げに対する強い要望が相次いだ事等から、市場は潜在的米ドル需要の減少を示唆。結果米ドル相場は弱含み基調となり、月末にかけては一時104円台までドル安・円高が進みました。
■国内金相場
国内相場に関しては、金ドル建て相場が基本的構図として月初に安く日数の経過に伴い底値を切り上げる傾向となったのに対し、為替相場は月前半が円安圏であり、後半円高傾向となった事から、今までの傾向を踏襲し円建て価格の値動きは乏しくなりました。結果、月初1,525円でスタートした後、月末1,528円とほぼ月初と同等の価格帯で越月するまで、月間の最高値が21日の1,538円、最安値が18日の1,514円と僅か24円余りの値幅に限定されました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
4月のプラチナ相場は860ドル台前半でスタートしましたが、当初米ドル金利の先高期待を受けてファンド筋が資金をTOCOMから撤退する動きに出た事から軟調な地合となり、4日には850ドル台中盤まで下落しました。その後一部買戻しが入った事から19日にかけて860ドル台での方向感に乏しい相場展開に終始しました。しかし、米国の実質経済に対する先行き懸念の増大に伴い、再びTOCOM中心に米系ファンド筋と見られる買いが活発化。20日に870ドル台を回復すると26日には880ドルを超えるレベルまで買い進まれました。この間の価格上昇は完全に先物市場での思惑買いに先導された感があり、実需の追随は極めて乏しい状況となりました。又14日にはロンドンの貴金属市場調査会社ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシス社(GFMS)が白金族市場に関する需給年鑑を発表し、05年の世界プラチナ需給に関して、供給超過を予測しましたが、市場価格への影響はありませんでした。その後月末にかけては、罫線要因(ここ数ヶ月間850ドル台では底堅く、880ドル台では上値が重い展開が続いている)を背景とした手仕舞い売りが見られ軟調地合に転換。870ドルを若干下回るレベルと、ほぼ月初の価格と同等まで下落して越月しました。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は、ドル建てプラチナ相場が月初安→月中高→月末に月初のレベルまで反落と言う経緯を辿ったのに対し、為替相場は月前半が円安圏→後半円高圏となった事からドル建て価格が高く、為替も円安圏となった月前半に概ね高値をつける傾向となり、8日に月間の最高値となる3,075円まで上昇しました。又、ドル建て価格が下落傾向に転じ、加えて為替相場においても円高が急となった月末28日に月間の最安値となる3,028円まで下落しました。しかし月初1日の価格が3,041円であり、月末の価格と僅か13円の差異であった事を考慮すると、プラチナとしては比較的値動きに乏しい月であったと言えます。
金 US$ London Fixing 円建 税抜参考小売価格
プラチナ US$ N.Y.F.M 円建 〃
金(Gold)
■海外金相場
4月の金相場は420ドル台後半でのスタートとなりましたが、1日に発表された米国3月の雇用統計で景気浮沈の指標となる非農業部門での就業者数の増加が11万人と前月の24.3万人を大幅に下回った事から為替市場において米ドルが弱含み基調となると、つれて金相場は一時430ドルを回復しました。しかし潜在的な米ドル金利の先高感を背景に、その後米ドルが再度強含みとなると、金相場は上値を抑えられる形となり11日にかけて425ドル~430ドル程度での極めて狭いレンジでの持合い相場を形成しました。12日に発表された米国2月の貿易収支では、610億ドルと過去最高の赤字となった事や、米国連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録では、インフレのリスクを指摘する部分もあったものの、基本的には米ドル利上げペースの加速は不要との見方が示された事などから米ドルが一時的に弱含み基調となると、金相場は430ドルを回復しました。しかしその後は、米国を中心に産金会社株が弱含み基調となったが事が嫌気され18日にかけて425ドル近辺まで下落しました。又この間15日には先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が行われましたが、金相場への影響は限定的でした。その後、「冷静に雇用統計・貿易収支等主要指標を評価した場合、米国経済の先行き不安が懸念される」との見方から、金市場が再評価され20日に430ドル台を回復。27日にかけて437ドル程度まで買い進まれましたが、米国株価の上昇等が足かせとなり440ドルを回復することはありませんでした。 28日には「米国連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ回避を目的として利上げペースを加速する」との思惑から金相場は一時的に430ドル台前半まで下落。 しかし基本的には5月3日の米国連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、取引が手控えられる傾向となり、金相場に対する興味が離散する中、概ね430ドル台中盤を維持して越月しました。
■ 為替相場
ドル・円為替相場は、107円台中盤でのスタートとなりましたが、グリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長の米国経済に対する強気の姿勢と、それに伴う米ドル金利先高感を背景として、ドル高・円安傾向が強まり4日に108円台を回復すると、5日には108円台後半に達するなど11日にかけて108円台での相場を形成しました。しかし12日に発表された米国2月の貿易収支では、610億ドルと過去最高の赤字となった事が嫌気されドル安・円高基調に転換すると14日にかけて107円台での往来相場に回帰しました。その後、ポジション調整によるドル買い・円売りから一時的に108円台を回復する場面も見受けられましたが、「米国の実質経済の先行きは政府見解ほど強くない。」との観測から円高基調が強まり、20日には107円を割り込みました。その後も寒暖なくドル安・円高基調が維持され25日には一時105円を割り込みました。その後は106円台前半での取引が続きましたが、米国政府関係者の人民元切り上げに対する強い要望が相次いだ事等から、市場は潜在的米ドル需要の減少を示唆。結果米ドル相場は弱含み基調となり、月末にかけては一時104円台までドル安・円高が進みました。
■国内金相場
国内相場に関しては、金ドル建て相場が基本的構図として月初に安く日数の経過に伴い底値を切り上げる傾向となったのに対し、為替相場は月前半が円安圏であり、後半円高傾向となった事から、今までの傾向を踏襲し円建て価格の値動きは乏しくなりました。結果、月初1,525円でスタートした後、月末1,528円とほぼ月初と同等の価格帯で越月するまで、月間の最高値が21日の1,538円、最安値が18日の1,514円と僅か24円余りの値幅に限定されました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
4月のプラチナ相場は860ドル台前半でスタートしましたが、当初米ドル金利の先高期待を受けてファンド筋が資金をTOCOMから撤退する動きに出た事から軟調な地合となり、4日には850ドル台中盤まで下落しました。その後一部買戻しが入った事から19日にかけて860ドル台での方向感に乏しい相場展開に終始しました。しかし、米国の実質経済に対する先行き懸念の増大に伴い、再びTOCOM中心に米系ファンド筋と見られる買いが活発化。20日に870ドル台を回復すると26日には880ドルを超えるレベルまで買い進まれました。この間の価格上昇は完全に先物市場での思惑買いに先導された感があり、実需の追随は極めて乏しい状況となりました。又14日にはロンドンの貴金属市場調査会社ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシス社(GFMS)が白金族市場に関する需給年鑑を発表し、05年の世界プラチナ需給に関して、供給超過を予測しましたが、市場価格への影響はありませんでした。その後月末にかけては、罫線要因(ここ数ヶ月間850ドル台では底堅く、880ドル台では上値が重い展開が続いている)を背景とした手仕舞い売りが見られ軟調地合に転換。870ドルを若干下回るレベルと、ほぼ月初の価格と同等まで下落して越月しました。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は、ドル建てプラチナ相場が月初安→月中高→月末に月初のレベルまで反落と言う経緯を辿ったのに対し、為替相場は月前半が円安圏→後半円高圏となった事からドル建て価格が高く、為替も円安圏となった月前半に概ね高値をつける傾向となり、8日に月間の最高値となる3,075円まで上昇しました。又、ドル建て価格が下落傾向に転じ、加えて為替相場においても円高が急となった月末28日に月間の最安値となる3,028円まで下落しました。しかし月初1日の価格が3,041円であり、月末の価格と僅か13円の差異であった事を考慮すると、プラチナとしては比較的値動きに乏しい月であったと言えます。