マーケット市況情報

2009年04月07日 10時46分

2009年3月の貴金属市況2009年04月07日 10時46分

価格ベース
金 US$:London Fixing  円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
  949.50ドルでスタートした3月の金相場は、米株式の下落を背景とした換金売りと見られる売りから軟調に推移し、4日には910ドルを割り込むまで下落しました。しかし、各国中央銀行が政策金利の利下げ余地を縮小し(5日にBOE,ECBともに0.5%の利下げ発表)、英国でも次の政策として量的緩和が採られると資産保全の動きから金に買いが集まり、また、米失業率が25年ぶりの水準となる悪化となったことから安全資産としての買いに急伸し、6日には937ドル近辺まで回復しました。その後、シティグループの経営改善報道をきっかけとして米株式が連日上昇したことを嫌気して反落し、900ドルを割り込む場面も見られましたが、中国が外貨準備を金に振り分けるとの報道や、金ETF残高が再び増加したことなどから反発。13日に928.00ドルをつけました。
  中旬に入ると、米国を始めとした世界的な株価上昇基調から金は安全資産としての魅力が薄れることとなり、FOMCを控えた様子見の中軟調に推移。18日には月間最安値となる893.25ドルをつけました。FOMCにて最大3,000億ドルとなる長期国債の買い取りや、住宅ローン担保証券の購入拡大が発表されるとドルが急落。金は急騰を見せ、欧米からのETFを通じた買いも加速し(3月末時点では在庫が1,600トン超)、20日には月間最高値となる957.00ドルをつけました。    23日に米財務省が官民による金融機関の不良資産買い取り構想を発表すると、米株式は前日比500ドル近い上昇を見せ、これをきっかけとして金は急落。ガイトナー財務長官の基軸通貨見直しともとれる発言を背景としたドルの下落や、原油相場の下落から上昇する場面も見られ、また、G20首脳会合においてIMFの途上国支援の財源として保有する金の売却が協議される見通しとの報道で上昇の期待も持たれましたが、月末にかけては軟調に推移し916.50ドルで越月しました。

■為替相場
  97円台前半でスタートした3月のドル円為替相場は、米大手保険会社AIGの赤字決算をきっかけとして市場に金融システム不安が再燃すると、他主要通貨よりは安全性が高いと見られたドルが上昇。また、中国の4兆元に及ぶ景気対策の早期実施報道を好感し、5日には99.50円近辺をつけました。その後、米2月の失業率が25年ぶりの水準となる悪化を示したことや、金融株を中心に米株価が大幅に下落したことなどからドルは売りに転じ、一時96.90ドル近辺をつけました。
  10日にシティグループCEOによる1-2月期決算が黒字になるとの発言から再び99円台までドルが買われましたが、本邦10-12月期GDPが比較的良かったことから円買いに転じ、また、米政府による国債の買い取り観測が浮上したことなどでドルが売られると、一時95.00円を超える円高となりました。しかし、12日にスイス中央銀行によるスイスフランの売り介入と、政策金利を0.25%引き下げたことでドル高基調となり、また、米株式が連日の上昇を見せ、7,000ドルを回復したことも追い風となってドルは上昇。バーナンキFRB議長の「米国の景気後退は年内に終わる見通し」との発言や、2月の住宅着工件数が8ヶ月ぶりに前月比でプラスになったことなども好感され98.70円台まで上昇しました。
  しかし、18日のFOMCで最大3,000億ドルにのぼる長期国債の買い取りを含む金融緩和策が発表され長期金利が急落すると、ドルも一気に93円台にせまるまで下落。調整から戻り基調に転じた後、23日に米財務省が官民共同による金融機関の不良資産買い取り構想を発表すると、これを好感して米株式は前日比500ドルに近い上昇を見せ、為替相場もドル買い円売りが優勢となりました。月末にかけては、ガイトナー財務長官の米ドルを基軸通貨として支持しつつもIMFの特別引き出し権については排除しないという内容の発言や、欧州の景気悪化を示す経済指標の発表、米自動車大手の経営再建をめぐる報道などから乱高下し、99.00円近辺での越月となりました。

■国内金相場
  国内円建て相場は、月間最高値となる3,000円でスタートしました。月間を通してドル建て相場とドル円為替相場がともに荒い値動きで推移したものの、ほぼ逆相関に推移したことから円建て相場では比較的おとなしい値動きに終始しました。11日に月間最安値となる2,869円をつけた後、本邦で徐々に需要が回復したこともあり、月末にかけて緩やかに上昇しながら推移しました。27日には2,980円まで戻しましたが、31日に為替相場が大幅に円高に振れたことから2,903円に下落し越月しました。


プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
  1,094ドルでスタートした3月のプラチナ相場は、米大手保険会社AIGの赤字決算や米経済への不安感から米株式が7,000ドルを割り込む水準に下落したことで実需減退への懸念が強まり、月間最安値となる1,039ドルに下落しました。しかしこの水準ではアジア圏での現物投資の動きが活発となったことから反発。またETFの買いを受けて金相場が20ドル近く急騰した動きを好感してプラチナにも資金が流入したことから1,050ドル台近辺まで値を戻しました。その後も株式が続落する動きなどを嫌気して値を崩す場面が見られたものの、1,030ドル近辺でのアジア勢の買い意欲は強く、加えて10日以降は米株式が戻り基調となったことから、中旬にかけては1,045ドル近辺を下値として底固く推移する動きとなりました。
  その後、18日のFOMCにて最大3,000億ドルとなる長期国債の買い取り方針が示されたことをうけてドルが急落したことや、19日に米政府が自動車部品産業に対する支援計画を発表したことで、これまで潜在的に意識されてきた米自動車大手の破綻への警戒感が和らぎ投機筋の買いが入り、また、ショートカバーの買いなども巻き込んで、70ドル近い急騰となり、1,130ドル近辺まで上昇しました。この急騰以降も世界的な株式市場の堅調を好感した買いが入ったことから、堅調に推移。26日には月間最高値となる1,152ドルをつけました。月末にかけては利益確定と見られるポジション調整の動きも出て、1,130ドルにて越月しました。月末近くの、米政府の米自動車大手に対する破産法活用示唆する動きや、本邦における低コスト燃料電池開発等の報道は、目先は注目されず大きな影響もなく終えました。

■国内プラチナ相場
  3,470円近辺でスタートした国内円建て相場は、各国経済政策等の発表を受けて瞬間的に円高の影響を受ける場面もありましたが、総じて底堅く推移したドル建て相場の動きに連動し、円建て相場も3,370円近辺を下値とした底堅い動きとなりました。しかし、19日から本邦が休日となる20日にかけてドル建て相場がそれまでのレンジを抜けて上昇すると、円建て相場も急騰。27日に月間最高値となる3,710円をつけ、3,610円で越月しました。


以上
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