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マーケット市況情報
2009年03月09日 10時04分
2009年2月の貴金属市況2009年03月09日 10時04分
価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
913.75ドル近辺でスタートした金相場は、前月のインドの金輸入量が前年同期比90%の減少となったとの報道から軟調に推移し、900ドル割れを試す場面も見られました。その後、米国の景気対策法案の議会合意が遅れるとの懸念をきっかけに、欧米を中心に安全資産としての需要が旺盛となり反発。5日には920ドル近辺をつけました。米金融安定化策の期待感が強まる中、株式市場に資金が流入した動きから金は下落に転じ、9日には900ドルを割り込み月間最安値となる895ドルをつけましたが、10日に発表された米金融安定化策は具体性に欠けることなどから米株式が急落すると、再び金に安全資産としての買い集まり反発に転じました。金ETFは連日史上最高の残高を更新し、ついに1,500トンを突破。相場も12日には944ドル近辺まで上昇しました。
16日に米市場の休場を控え、利益確定の売りから緩む場面も見られましたが、世界的に株価が軟調に推移したことや、各国経済指標の弱さなどから金は安全資産としての逃避買いが続き、中旬以降も上昇基調で推移しました。引き続きも欧米を中心にETFへ買いが入り、金相場は980ドルを突破。一時的に1,000ドルをつける高値となりました。
その後、これまで相場上昇のけん引役であった欧米でのETFの買いが落ち着きを見せたことや、投機筋が買い持ちポジションを手仕舞ったことなどから反落。加えて対主要通貨でドルが続伸したことも価格の下押し要因となり、節目となっていた950ドルを割り込むと7,000ドル割れを目前とする米株式を背景とした換金売りも巻き込んで930ドル台まで下落。調整からやや戻し、952ドル近辺で越月しました。
■為替相場
89円台中半でスタートした2月のドル円為替相場は、米株式が8,000ドル割れを試す中、一時月間最高値圏となる88円後半をつける場面もありましたが、89円台でもみ合いながら比較的小動きに推移しました。5日のECB理事会では政策金利を据え置き2%としましたが、英BOEは0.5%下げ、過去最低となる1.0%に決定。追加利下げの余地がなくなったと判断された英ポンドが急騰したことをきっかけとし、米株価が200ドルを超える上昇を見せたことなどから円は91円中半まで下落。さらに、6日発表の米雇用統計では失業率が16年ぶりの高水準を示しましたが、そのことで景気対策の早期実現の思惑が強まり92円台半ばまで下落しました。その後10日に発表された金融安定化策は具体性に欠けることなどから米株式は380ドルを超えて下落し、円は89円台まで上昇しました。
東京市場が休場となる11日を挟んで90円台で底堅く推移しましたが、13日に開催されるG7財務相・中央銀行総裁会議や米国の景気対策への期待感からドルが反発。15日に円は92.00円近辺まで下落しました。また、16日に発表された本邦10~12月期GDPは市場予想を大きく下回り、1974年以来の低水準(年率12.7%の下落)となったことや、中川財務・金融相の辞任を受けた政治面での不安から円安が加速。さらに、米国で最大900万世帯を対象とする住宅ローンの返済支援策が発表されると、ドルは93.95 円近辺まで上昇。米株式が連日の下落を見せたにもかかわらず、欧州での景気悪化を背景としたユーロの下落から不人気投票でドルが買われ、円は一時94円中半まで下落しました。
20日には米大手銀シティバンクが国有化されるとの噂から、米株式は金融業を中心に200ドル以上下落。ドルも一時93.00近辺まで下落しましたが、本邦の景気、政局に対する不安は米国のそれを上回り、円安基調を変えることはできませんでした。相次いで発表される米大手企業の大幅な赤字決算や、09年度の財政赤字が17,500億ドルを超えたこと、GDPが27年ぶりの落ち込みを見せたことなど、悪化する経済指標の発表の中でもドルは買われ続けました。また、24日にはバーナンキFRB議長の「金融市場を安定させることで、2年後(2010年)に景気は回復する」との発言からドル買いが加速し、月末には3か月ぶりとなる98円台まで上昇し、98.50円近辺で越月しました。
■国内金相場
国内円建て相場は、ドル建て相場、上旬はドル円為替相場ともに小動きに推移したことから、2,600円台での狭いレンジで推移しました。中旬にドル建て相場が安全資産として買われ上昇するに伴い円建て相場も2,700円台をつけ、またドル円為替相場も円安に転じたことから急速に値を上げ、23日には3,000円台を突破し、26日には月間最高値となる3,031円をつけました。ドル建て相場は月末にかけて反落しましたが、大幅な円安で推移した為替相場にけん引され、円建て相場は高値圏を維持し、3,003円で越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
975ドル近辺でスタートした2月のプラチナ相場は、金相場が下落した動きを嫌気して投機筋の売りを誘い、軟調なスタートとなりました。4日には、米新車販売台数が市場予想以上の落ち込みを見せたことで触媒需要のさらなる後退を連想させ、月間最安値となる962ドルをつけました。しかし、安値からアジア圏を中心とした現物投資需要が買いを入れたことや、米景気対策法への期待などから投機筋が買い戻しを入れたことで急反発。10日には1,000ドルの大台に乗りました。
その後、米株式の急落を受けた質への逃避の動きから金相場が急騰、同様の資金がプラチナ市場にも流入したことから上昇基調となり、18日には月間最高値となる1,113ドルをつけるまで上昇しました。しかし、この水準ではこれまで相場を支えてきたアジア圏での現物需要が下火となり、また米自動車大手の経営不安と再建計画調整の難航が投機筋の利食い売りを誘う形となったことから反落し、25日には1,040ドルまで下落しました。売り一巡後は月末にかけてのポジション調整の動きからやや値を戻し、1,059ドルにて越月しました。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は2,926円でスタートすると、月初に資金逃避に伴う円高水準を維持したことや、ドル建て相場が軟調となったことから、4日に月間最安値となる2,851円をつけました。しかし、中旬にかけてはドル建て相場が1,000ドルを超える展開となったことから、円建て相場も上昇し、12日には3,000円を超える展開となりました。月末にかけて、ドル建て相場が上昇一服したものの、円安が加速したことで円建て相場は上昇を継続。19日に月間最高値となる3,414円をつけた後も、底堅く推移し3,401円で越月しました。
以上
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
913.75ドル近辺でスタートした金相場は、前月のインドの金輸入量が前年同期比90%の減少となったとの報道から軟調に推移し、900ドル割れを試す場面も見られました。その後、米国の景気対策法案の議会合意が遅れるとの懸念をきっかけに、欧米を中心に安全資産としての需要が旺盛となり反発。5日には920ドル近辺をつけました。米金融安定化策の期待感が強まる中、株式市場に資金が流入した動きから金は下落に転じ、9日には900ドルを割り込み月間最安値となる895ドルをつけましたが、10日に発表された米金融安定化策は具体性に欠けることなどから米株式が急落すると、再び金に安全資産としての買い集まり反発に転じました。金ETFは連日史上最高の残高を更新し、ついに1,500トンを突破。相場も12日には944ドル近辺まで上昇しました。
16日に米市場の休場を控え、利益確定の売りから緩む場面も見られましたが、世界的に株価が軟調に推移したことや、各国経済指標の弱さなどから金は安全資産としての逃避買いが続き、中旬以降も上昇基調で推移しました。引き続きも欧米を中心にETFへ買いが入り、金相場は980ドルを突破。一時的に1,000ドルをつける高値となりました。
その後、これまで相場上昇のけん引役であった欧米でのETFの買いが落ち着きを見せたことや、投機筋が買い持ちポジションを手仕舞ったことなどから反落。加えて対主要通貨でドルが続伸したことも価格の下押し要因となり、節目となっていた950ドルを割り込むと7,000ドル割れを目前とする米株式を背景とした換金売りも巻き込んで930ドル台まで下落。調整からやや戻し、952ドル近辺で越月しました。
■為替相場
89円台中半でスタートした2月のドル円為替相場は、米株式が8,000ドル割れを試す中、一時月間最高値圏となる88円後半をつける場面もありましたが、89円台でもみ合いながら比較的小動きに推移しました。5日のECB理事会では政策金利を据え置き2%としましたが、英BOEは0.5%下げ、過去最低となる1.0%に決定。追加利下げの余地がなくなったと判断された英ポンドが急騰したことをきっかけとし、米株価が200ドルを超える上昇を見せたことなどから円は91円中半まで下落。さらに、6日発表の米雇用統計では失業率が16年ぶりの高水準を示しましたが、そのことで景気対策の早期実現の思惑が強まり92円台半ばまで下落しました。その後10日に発表された金融安定化策は具体性に欠けることなどから米株式は380ドルを超えて下落し、円は89円台まで上昇しました。
東京市場が休場となる11日を挟んで90円台で底堅く推移しましたが、13日に開催されるG7財務相・中央銀行総裁会議や米国の景気対策への期待感からドルが反発。15日に円は92.00円近辺まで下落しました。また、16日に発表された本邦10~12月期GDPは市場予想を大きく下回り、1974年以来の低水準(年率12.7%の下落)となったことや、中川財務・金融相の辞任を受けた政治面での不安から円安が加速。さらに、米国で最大900万世帯を対象とする住宅ローンの返済支援策が発表されると、ドルは93.95 円近辺まで上昇。米株式が連日の下落を見せたにもかかわらず、欧州での景気悪化を背景としたユーロの下落から不人気投票でドルが買われ、円は一時94円中半まで下落しました。
20日には米大手銀シティバンクが国有化されるとの噂から、米株式は金融業を中心に200ドル以上下落。ドルも一時93.00近辺まで下落しましたが、本邦の景気、政局に対する不安は米国のそれを上回り、円安基調を変えることはできませんでした。相次いで発表される米大手企業の大幅な赤字決算や、09年度の財政赤字が17,500億ドルを超えたこと、GDPが27年ぶりの落ち込みを見せたことなど、悪化する経済指標の発表の中でもドルは買われ続けました。また、24日にはバーナンキFRB議長の「金融市場を安定させることで、2年後(2010年)に景気は回復する」との発言からドル買いが加速し、月末には3か月ぶりとなる98円台まで上昇し、98.50円近辺で越月しました。
■国内金相場
国内円建て相場は、ドル建て相場、上旬はドル円為替相場ともに小動きに推移したことから、2,600円台での狭いレンジで推移しました。中旬にドル建て相場が安全資産として買われ上昇するに伴い円建て相場も2,700円台をつけ、またドル円為替相場も円安に転じたことから急速に値を上げ、23日には3,000円台を突破し、26日には月間最高値となる3,031円をつけました。ドル建て相場は月末にかけて反落しましたが、大幅な円安で推移した為替相場にけん引され、円建て相場は高値圏を維持し、3,003円で越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
975ドル近辺でスタートした2月のプラチナ相場は、金相場が下落した動きを嫌気して投機筋の売りを誘い、軟調なスタートとなりました。4日には、米新車販売台数が市場予想以上の落ち込みを見せたことで触媒需要のさらなる後退を連想させ、月間最安値となる962ドルをつけました。しかし、安値からアジア圏を中心とした現物投資需要が買いを入れたことや、米景気対策法への期待などから投機筋が買い戻しを入れたことで急反発。10日には1,000ドルの大台に乗りました。
その後、米株式の急落を受けた質への逃避の動きから金相場が急騰、同様の資金がプラチナ市場にも流入したことから上昇基調となり、18日には月間最高値となる1,113ドルをつけるまで上昇しました。しかし、この水準ではこれまで相場を支えてきたアジア圏での現物需要が下火となり、また米自動車大手の経営不安と再建計画調整の難航が投機筋の利食い売りを誘う形となったことから反落し、25日には1,040ドルまで下落しました。売り一巡後は月末にかけてのポジション調整の動きからやや値を戻し、1,059ドルにて越月しました。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は2,926円でスタートすると、月初に資金逃避に伴う円高水準を維持したことや、ドル建て相場が軟調となったことから、4日に月間最安値となる2,851円をつけました。しかし、中旬にかけてはドル建て相場が1,000ドルを超える展開となったことから、円建て相場も上昇し、12日には3,000円を超える展開となりました。月末にかけて、ドル建て相場が上昇一服したものの、円安が加速したことで円建て相場は上昇を継続。19日に月間最高値となる3,414円をつけた後も、底堅く推移し3,401円で越月しました。
以上