マーケット市況情報

2009年01月09日 19時34分

2008年12月の貴金属市況2009年01月09日 19時34分

価格ベース
金 US$:London Fixing  円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
  795ドル近辺でスタートした12月の金相場は、欧州での景気減速や、欧州中銀、英中銀の利下げを背景とした欧州通貨安、また需要減退から原油相場が下落したことなどが売り材料となり、軟調な推移となりました。5日、米雇用統計では非農業部門雇用者数が34年ぶりの下落幅を記録する悪化となり、原油をはじめとした商品相場は軒並み下落。金相場も売りが加速し、月間最安値となる749ドルを付けました。しかし米自動車大手3社(ビッグスリー)救済策の議会での調整難航が報じられるに従い米国を中心とする経済不安が台頭し、金相場は安全資産への逃避買いを呼び込んで値を戻す展開となりました。11日に米上院で救済法案が廃案となるとドル相場は急落。これを受けて金相場は820ドルを越える水準まで急騰しましたが、翌日には米政府が金融安定化法を拡大しての救済を示唆したことが上値を重くし、825ドル近辺でもみ合う展開となりました。
 その後、17日のFOMCを控え16日に発表された米消費者物価指数は市場予想を大幅に下回り、金利先安感からドルが下落、金相場は再度上値を試す展開となりました。FOMCでは0.75%の利下げが実施され、実質ゼロ金利となったことでドル安が加速、金相場は一気に870ドル近辺まで急騰しました。しかし、1週間後にクリスマスや年末年始の休暇を控えての上昇であっただけに、投機筋による手仕舞売りが活発化して反落に転じると、24日には836ドル台まで下落しました。
 クリスマス休暇明けから月末にかけては、市場が閑散となる中、イスラエル軍がパレスチナに空爆を行ったことから中東地域での地政学的リスクが増大。金相場は流動性が低下する中で買いが入ったことから急騰し、29日に月間最高値となる881ドルを付け865ドルにて越月しました。

■為替相場
  93 円台半ばでスタートした12月のドル円為替相場は、ビッグスリーの再建計画の行方を睨みながらもみ合う中、4 日に英中銀が1.0%、欧州中銀が0.75%の利下げを発表したことや、5日に発表された米雇用統計で非農業部門雇用者数が34年ぶりの大幅悪化となったことから、円は92円近辺まで上昇しました。しかし、破綻の危機にあるビッグスリー救済策への期待感からドルが買い戻される動きとなり、中旬にかけては92円~93円でのレンジ相場となりました。
 その後、同救済策の議会での調整難航が報じられる中、ドルは売りに転じ円は92円を突破、12日にビッグスリー救済法案が米上院で否決されたとの報道からドル売りが加速し、円は88円近辺まで急騰しました。しかし、翌日に米政府が金融安定化法の拡大による救済の意向を示したことから一気に91円台中盤に下落しました。
 16日に発表された米消費者物価指数は市場予想を大幅に下回る悪化となり、米経済の不透明感が台頭。翌日にFOMCを控えていることもあり、金利先安感からドル売りの展開となりました。FOMCでは0.75%の利下げが実施され米経済はゼロ金利政策(ゼロ~0.25%)に移行。急速にドル安が進み18日には月間最高値の水準となる87円半ばまで上昇しました。しかし、ブッシュ大統領がビッグスリーに対し総額174億ドルのつなぎ融資を発表したことから、ビッグスリーの年内破綻は回避されたと見られ、ドルは値を戻す展開となり再び90円台となりました。その後は欧米市場がクリスマス休暇、本邦が年末年始休暇に入ることから売買は消極的となり、91円近辺にて越月しました。

■国内金相場
  国内円建て相場は、1日に月間最高値となる2,528円をつけて始まった後、ドル建て相場が急落したことを受け8日には最安値となる2,314円をつけました。その後、ドル建て相場が上昇するに伴い2,400円台を回復しましたが、急速に進む円高に相殺され、また月末にかけては休暇を控え取引が低調となる中2,460~2,480円でのレンジ相場を形成し、2,505円で越月しました。


プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
  820ドル近辺でスタートしたプラチナ相場は、販売台数の大幅な減少により、米自動車大手3社が経営危機に直面していることを受けて月初から上値の重い展開となりました。5日に発表された米雇用統計が大幅な悪化を示すと、原油をはじめとする商品相場全般が下落、プラチナも月間最安値となる788ドルまで急落しました。しかし、本邦を含むアジア圏で現物投資需要が堅調であったことや、米株式が堅調に推移したことから買いが入り反発。翌日には再び840ドル近辺まで上昇しました。その後、米自動車業界の救済法案が上院で否決された場面では800ドル近辺に下落しましたが、FOMCがゼロ金利政策を発表したことによるドル安を好感して830ドル台を回復しました。欧米市場が休暇に入るクリスマス期間を控え、市場流動性が低下する中でも本邦を中心に現物投資需要は比較的好調だったことから堅調に推移し、加えて月末には中東情勢の緊張が高まり原油価格が上昇したことなどを好感してプラチナにも投機資金が流入、29日に月間最高値となる920ドルをつけ、899ドルにて越月しました。

■国内プラチナ相場
  国内円建て相場は1日に月間の最高値となる2,743円で始まったのち、ドル建て相場が軟調に推移したことから2,500円近辺まで下落、12日には月間最安値となる2,516円をつけました。その後、米経済に対する不透明感からドルが急落する展開となりましたが、この水準ではアジア圏での現物需要が旺盛となり、2,500円台を維持。月末にかけてはドル建て相場が850ドル台を回復し、また為替市場でもドルも買い戻される動きに転じたことから下値を切り上げ、2,636円で越月しました。


以上
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