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マーケット市況情報
2008年12月05日 16時51分
2008年11月の貴金属市況2008年12月05日 16時51分
価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
734ドル近辺でスタートした11月の金相場は、OPEC加盟国の減産をきっかけに原油価格が70ドルを越える水準まで上昇したことやドルの下落などから、753ドル台まで上昇しました。その後、原油価格が下落に転じたことやドルの反発が材料となり、7日には735ドル台まで下落しましたが、9日に発表された中国の景気刺激策を好感した原油の上昇を受けて、10日には750ドル台を回復しました。
米政府が保険最大手AIGグループへ公的資金を使った援助拡大を発表したことによるドルの反発を嫌気して、13日には月間最安値となる713.50ドルまで下落しました。しかし、この水準ではアジア圏での現物需要に下値を支えられ、740ドル台に値を戻すと、月後半にかけては小幅な値動きでの推移となりました。
その後は株価や原油の下落を背景にリスク回避の資金が流入したことなどから上昇する展開となり、21日には770ドル台へ上昇。米大手金融機関のシティグループの経営悪化をきっかけとした金融市場の環境悪化の再燃や、市場予想を上回る高水準となった10月の米失業率の発表などから安全資産としての金に買いが集まり、24日には月間最高値となる822.50ドルをつけました。月末にかけては、上昇局面に対する調整から802ドル近辺まで下落する場面も見られましたが、米国市場の感謝祭による休場もあって動意の薄い展開の中810ドル台を維持しつつ、814.50ドル近辺での越月となりました。
■為替相場
98円台半ばでスタートした11月のドル円為替相場は、欧州での利下げ観測の高まりによるドルの上昇から、円は100.50円近辺まで下落しました。しかし、米株式市場の続落でドルが反落する中、6日に英中央銀行(1.50%利下げ現行3.0%)、欧州中央銀行(0.5%利下げ現行3.25%)をはじめ、欧州各国で利下げが発表されると、円は97円近辺まで上昇しました。その後、9日に中国政府が大型景気刺激策を発表、10日に米政府が米保険最大手のAIGグループへの資金援助拡大を明らかにすると、円は99円半ばまで下落しましたが、連日の米株価の下落により95円近辺まで値を上げました。
12日に米株式市場が500ドルを超える上げ幅を見せたことで円は97円台後半まで下落しましたが、14、15日に行なわれた金融サミット(G20)で具体的な対策が出なかったことから基軸通貨としてのドルに対する不信感が集まると円買いが優勢となり、また、過去最大の下げ率となる10月の米小売売上高など予想以上に悪化する経済指標を受けて18日に米株式が8,000ドルを割れる水準まで落ち込むと、20日には11月の最高水準となる93.60円近辺まで上昇しました。
その後、米政府が24日に米大手金融機関のシティグループへの公的資金を使った追加支援策を、25日に最大8,000億ドルの個人向けを中心とした金融対策を発表し、円は97円近辺まで下落しましたが、10月の米個人支出が前月比で1%の大幅減となったことなどからドルは下落。月末にかけては米感謝祭休暇を挟んで95円前後での小幅な値動きとなり、95.55円近辺での越月となりました。
■国内金相場
国内円建て金相場は、ドル円為替相場よりも比較的大きな値動きとなった金ドル建て相場の動向に左右されました。2,379円でスタートした後、13日には710ドル台まで下げた金ドル建て相場に伴い、月間最安値となる2,240円をつけました。その後は金ドル建て相場が上昇するに伴い25日に月間最高値となる2,576円をつけ、月末にかけてドル円為替相場が95円台で推移する中2,500円台を維持し、2,534円で越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
838ドル近辺でスタートした11月のプラチナ相場は、月初南アのアングロ・プラチナム社の精錬所稼動停止の報を受けて堅調に推移し、70ドルを超える原油高も追い風となって10日には月間最高値となる880ドル近辺まで値を上げました。しかし、世界的な景気後退、特に自動車販売不振に上値を抑えられる展開となり、原油価格が60ドルを割り込んだことをきっかけに反落し、中旬は820ドルから840ドルのレンジでの軟調な推移となりました。
その後、米大手自動車会社(ビッグスリー)の経営難から、公的資金を使った救済をめぐる公聴会にて理解を得られなかったことで軟調な展開となる中、原油価格が50ドルを割り込むと、20日にはプラチナも800ドルを下回り、月間最安値となる797ドル近辺つけました。しかしこの水準では、日本を中心とするアジア圏の投資、宝飾需要が旺盛となり、25日には860ドル台を回復。月末にかけては、米国市場が感謝祭で休場であったことから、860ドル台での値動きの少ない展開となり、876ドル近辺にて超月しました。
以下、11月19日に発表された英国ジョンソン・マッセイ社の「白金族中間年次報告」でのプラチナに関する要旨です。
①08年プラチナ需要は、自動車触媒需要が欧州や中国、その他新興国での生産台数増加に
より若干の増加となるものの、宝飾需要におけるリサイクルの増大に相殺されて減少。
前年比2.30%減の202.8トンとなる見込み。
②08年プラチナ供給は、前年比4.20%減の195.3トンとなるであろう。電力供給問題、精錬所の
操業停止、熟練工の不足などにより、南アからの供給が減少し、需給は7.5トンの供給不足
となる見込み。
③価格に関しては向う6ヶ月間700ドル~1,400ドルのレンジで推移する見通し。
■国内プラチナ相場
国内円建てプラチナ相場は、初旬に為替相場が円安傾向にあったことから、5日に月間の最高値となる2,907円となりました。その後、為替市場で米国経済に対する先行きの不透明感を背景にドル売り円高が進む中、ドル建てプラチナ相場も下落に転じたことから急落し、21日には月間最安値となる2,454円をつけました。月末にかけてはドル建て相場の反発から再び2,800円台まで上昇しましたが、為替相場の円高によりこの水準を維持できず、2,748円で越月しました。
以上
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
734ドル近辺でスタートした11月の金相場は、OPEC加盟国の減産をきっかけに原油価格が70ドルを越える水準まで上昇したことやドルの下落などから、753ドル台まで上昇しました。その後、原油価格が下落に転じたことやドルの反発が材料となり、7日には735ドル台まで下落しましたが、9日に発表された中国の景気刺激策を好感した原油の上昇を受けて、10日には750ドル台を回復しました。
米政府が保険最大手AIGグループへ公的資金を使った援助拡大を発表したことによるドルの反発を嫌気して、13日には月間最安値となる713.50ドルまで下落しました。しかし、この水準ではアジア圏での現物需要に下値を支えられ、740ドル台に値を戻すと、月後半にかけては小幅な値動きでの推移となりました。
その後は株価や原油の下落を背景にリスク回避の資金が流入したことなどから上昇する展開となり、21日には770ドル台へ上昇。米大手金融機関のシティグループの経営悪化をきっかけとした金融市場の環境悪化の再燃や、市場予想を上回る高水準となった10月の米失業率の発表などから安全資産としての金に買いが集まり、24日には月間最高値となる822.50ドルをつけました。月末にかけては、上昇局面に対する調整から802ドル近辺まで下落する場面も見られましたが、米国市場の感謝祭による休場もあって動意の薄い展開の中810ドル台を維持しつつ、814.50ドル近辺での越月となりました。
■為替相場
98円台半ばでスタートした11月のドル円為替相場は、欧州での利下げ観測の高まりによるドルの上昇から、円は100.50円近辺まで下落しました。しかし、米株式市場の続落でドルが反落する中、6日に英中央銀行(1.50%利下げ現行3.0%)、欧州中央銀行(0.5%利下げ現行3.25%)をはじめ、欧州各国で利下げが発表されると、円は97円近辺まで上昇しました。その後、9日に中国政府が大型景気刺激策を発表、10日に米政府が米保険最大手のAIGグループへの資金援助拡大を明らかにすると、円は99円半ばまで下落しましたが、連日の米株価の下落により95円近辺まで値を上げました。
12日に米株式市場が500ドルを超える上げ幅を見せたことで円は97円台後半まで下落しましたが、14、15日に行なわれた金融サミット(G20)で具体的な対策が出なかったことから基軸通貨としてのドルに対する不信感が集まると円買いが優勢となり、また、過去最大の下げ率となる10月の米小売売上高など予想以上に悪化する経済指標を受けて18日に米株式が8,000ドルを割れる水準まで落ち込むと、20日には11月の最高水準となる93.60円近辺まで上昇しました。
その後、米政府が24日に米大手金融機関のシティグループへの公的資金を使った追加支援策を、25日に最大8,000億ドルの個人向けを中心とした金融対策を発表し、円は97円近辺まで下落しましたが、10月の米個人支出が前月比で1%の大幅減となったことなどからドルは下落。月末にかけては米感謝祭休暇を挟んで95円前後での小幅な値動きとなり、95.55円近辺での越月となりました。
■国内金相場
国内円建て金相場は、ドル円為替相場よりも比較的大きな値動きとなった金ドル建て相場の動向に左右されました。2,379円でスタートした後、13日には710ドル台まで下げた金ドル建て相場に伴い、月間最安値となる2,240円をつけました。その後は金ドル建て相場が上昇するに伴い25日に月間最高値となる2,576円をつけ、月末にかけてドル円為替相場が95円台で推移する中2,500円台を維持し、2,534円で越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
838ドル近辺でスタートした11月のプラチナ相場は、月初南アのアングロ・プラチナム社の精錬所稼動停止の報を受けて堅調に推移し、70ドルを超える原油高も追い風となって10日には月間最高値となる880ドル近辺まで値を上げました。しかし、世界的な景気後退、特に自動車販売不振に上値を抑えられる展開となり、原油価格が60ドルを割り込んだことをきっかけに反落し、中旬は820ドルから840ドルのレンジでの軟調な推移となりました。
その後、米大手自動車会社(ビッグスリー)の経営難から、公的資金を使った救済をめぐる公聴会にて理解を得られなかったことで軟調な展開となる中、原油価格が50ドルを割り込むと、20日にはプラチナも800ドルを下回り、月間最安値となる797ドル近辺つけました。しかしこの水準では、日本を中心とするアジア圏の投資、宝飾需要が旺盛となり、25日には860ドル台を回復。月末にかけては、米国市場が感謝祭で休場であったことから、860ドル台での値動きの少ない展開となり、876ドル近辺にて超月しました。
以下、11月19日に発表された英国ジョンソン・マッセイ社の「白金族中間年次報告」でのプラチナに関する要旨です。
①08年プラチナ需要は、自動車触媒需要が欧州や中国、その他新興国での生産台数増加に
より若干の増加となるものの、宝飾需要におけるリサイクルの増大に相殺されて減少。
前年比2.30%減の202.8トンとなる見込み。
②08年プラチナ供給は、前年比4.20%減の195.3トンとなるであろう。電力供給問題、精錬所の
操業停止、熟練工の不足などにより、南アからの供給が減少し、需給は7.5トンの供給不足
となる見込み。
③価格に関しては向う6ヶ月間700ドル~1,400ドルのレンジで推移する見通し。
■国内プラチナ相場
国内円建てプラチナ相場は、初旬に為替相場が円安傾向にあったことから、5日に月間の最高値となる2,907円となりました。その後、為替市場で米国経済に対する先行きの不透明感を背景にドル売り円高が進む中、ドル建てプラチナ相場も下落に転じたことから急落し、21日には月間最安値となる2,454円をつけました。月末にかけてはドル建て相場の反発から再び2,800円台まで上昇しましたが、為替相場の円高によりこの水準を維持できず、2,748円で越月しました。
以上