マーケット市況情報

2008年10月06日 19時26分

2008年9月の貴金属市況2008年10月06日 19時26分

価格ベース
金 US$:London Fixing  円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
  832ドル近辺でスタートした金相場は、対主要通貨でドルが堅調となったことや、ハリケーンの影響が限定的であるとの見方から原油相場が軟調となったことを受けて、800ドル近辺に下落してスタートしました。4日にトリシェECB総裁が景気の下振れリスクが高まっていると言及したことや、ユンケル議長のユーロ安容認発言にユーロが下落。欧州景気の先行き不安を背景としたドル高により、金は月初から徐々に下値を切り下げる展開となりました。5日に発表された米雇用統計の悪化を材料としたドル安に一時808ドル近辺まで上昇する場面も見られましたが、米財務省が米住宅金融公社2社に対し公的資金を投入する救済策を示したことを受けてのドル高から再度下落基調となると、11日には月間最安値となる740.75ドルをつけました。750ドルを割る水準では中国やインドといったアジア圏からの安値拾いの買いも入り、また、金融市場の混乱から安全資産としての金に資金が流入し反発、中旬にかけて780ドル近辺に値を戻して推移しました。
  15日に米証券大手リーマンブラザースの経営破綻、米保険最大手AIGの資本不足などからドルが急落すると、質への逃避から現物資産である金が買われる展開に急騰し、864ドル近辺をつけました。19日には米政府が最大7千億ドル規模の金融安定化対策を発表したことを受けて一時的に金融不安が和らいだことや、前日の急騰に対する利益確定の売りに837ドル近辺まで下落する場面も見られましたが、依然としてくすぶる金融不安に金ETFなどで安全資産としての買いが入ったことから反発。900ドル目前まで上昇しました。その後、金融市場の混乱終息への期待感と更なる金融市場における信用収縮への不安感が入り混じり方向感の定まらない展開が継続し890ドル近辺で推移しましたが、29日に米金融安定化法案が下院で否決されると、月間最高値となる905.00ドルをつけ、高値圏を維持したまま884ドル近辺での越月となりました。

■為替相場
  108 円台半ばでスタートした9月のドル円為替相場は、月初、原油価格が下落したことや、株式市場の上昇などによりドル買いが強まり、一時109.00円近辺まで下落しました。しかし、4 日の欧州中央銀行理事会での政策金利(4.25%)据え置き決定後に、トリシェECB総裁が景気の下振れリスクが高まっていると言及したことや、ユンケル議長のユーロ安容認発言にユーロが下落。また、5日に発表された米雇用統計で失業率が急上昇(0.4ポイント上昇の6.1%)したことによりドルが下落し、悪材料の少ない円に資金が流入、105円台半ばまで急騰しました。その後、米財務省が米住宅金融公社2社に対し公的資金を投入する救済策を示したことを受けて再び109円台まで下落したものの、支援策は限定的との見方が強く、ドル売り圧力に押され、106円近辺に値を戻しました。
  中旬に入り、世界的な景気減速懸念、金融市場の混乱からドル売り圧力が強まり、ドルの下落基調が加速。15日に米証券大手リーマンブラザースの経営破綻、米保険最大手AIGの資本不足などが明らかになるとドルが売り込まれ、103円半ばまで上昇しました。その後、AIGに対する公的支援が発表されたことや、主要国中央銀行によるドル資金協調供給報道に一時的にドルが買われる場面も見受けられましたが、 市場は米国金融市場の混乱を沈静化させる為には不十分と認識。18日にかけて104円近辺から108円近辺にかけての非常に振れ幅の大きな乱高下で推移しました。
  19日に、米政府が最大7千億ドルに上る金融安定化法案を発表すると一時急速にドルが買われたものの、一部に同法案の議会通過を危ぶむ予測も台頭。結局、議会通過の可否をにらんでもみあう展開となり、下旬にかけて105円台前半から106円台後半と比較的狭いレンジでの取引となりました。 29日に同法案が下院で否決されたとの報道により、米株価が700ドルを超える幅で下落すると一気にドルも売られ、103円台後半へ上昇して越月となりました。

■国内金相場
  2,944円でスタートした国内円建て相場は、欧米の景気減速懸念を背景としたドル円為替相場が荒い値動きで推移する中、ドル建て相場に追随して緩やかに値を崩し、12日には月間最安値となる2,627円をつけました。その後、急反発したドル建て相場に合わせて上昇基調に転じ、2,900円台を回復するとすぐに3,000円を突破。月末まで3,000円台を割ることなく、月間最高値となる3,067円にて越月しました。


プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
  9月のプラチナ相場は、前月に引き続いて自動車販売の低迷を背景とした触媒需要の減退、また、世界的な景気減速懸念からの工業用需要の減退を材料に、軟調に推移しました。
  1,450ドル近辺でスタートした後、下落基調の中、金融不安拡大からの投資家の換金売りに下げ幅を広げ、また、今まで拡大を続けてきた中国やインドなど新興国の自動車販売も軟化に転じているとの報道から手仕舞い売りが加速し11日には1,200ドルを割り込みました。この水準では実需の買いに一時反発する場面も見られましたが、下落基調は変わらず、16日には1,100ドル台を割り込む1,081ドルにまで下落しました。
  中旬に入り、米証券大手リーマンブラザースの経営破綻、米保険最大手AIGの資本不足などが明らかになると金の急騰に追随する形で反発し、23日には一時1,200ドル台を回復しました。 しかし、金に比べて金融商品としての認識の低いプラチナは、自動車産業等実経済の景気後退を背景とする需要減退を嫌気。 投機家は勿論のこと、実需家からも手持ち在庫を売却する動きが見られプラチナ相場は底値の見えない下落相場に移行し、月末1004ドルまで売り込まれて越月しました。

■国内プラチナ相場
  ドル建て相場と同じく、9月の初日を月間最高値の5,231円近辺でスタートした国内円建て相場は、ドル建て相場の下値を切り下げる展開に順じて下落し、16日には4,000円台を割り込みました。その後、やや回復の兆しを見せたドル建て相場に合わせて4,000円台に戻しましたが、月末にかけて下落基調に転じ、円高も要因となって月間最安値の3,676円で越月しました。

以上
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