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マーケット市況情報
2007年12月10日 19時05分
2007年11月の貴金属市況2007年12月10日 19時05分
価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:N.Y.F.M. 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
11月の金相場は、790ドル台で寄り付き、10月31日の米連邦公開市場委員会が、0.25%の追加利下げを発表したことを受けたドル安や、100ドルに迫る原油高などから、堅調に推移しました。原油高騰の中での利下げはインフレを加速するという連想から、実物資産としての金の需要が高まり、7日には、過去最高値の850ドルに迫る841.75ドルまで上昇しました。しかし、850の上値は重く、この水準を維持することはできませんでした。11月で決算期を迎えるファンド筋による、下落した株式の損失穴埋めのための売りや、対ユーロでのドル安が一服したことから下降をはじめました。その後、原油価格やドルユーロ相場を眺めて一時上昇する場面も見られましたが、2週間ほどで800ドルを割る水準まで落ち込みました。しかし、米国サブプライム住宅ローン問題の損失拡大が報じられる中、再び100ドルに迫る原油価格の上昇や、ドルに対して1.48を超えるユーロ高に伴い再び上昇し、22日には800ドルを超える水準へ回復しました。26日には830ドルを超え、再度850ドルを試す展開かと見られましたが、同日、米大手銀シティグループがアラブ首長国連邦の政府系投資機関、アブダビ投資庁から75億ドルの出資受け入れを発表すると、ドルが上昇。また、石油輸出機構の増産観測による原油価格の下落などから下降をはじめ、月初の水準を割り込む780ドル台での越月となりました。
■為替相場
ドル円為替相場は、10月末に米連邦公開市場委員会が追加利下げを発表したことを受けたドル安地合の下、114円台でスタートしました。10月の米雇用統計が、前月比16万人増の予想を上回る数字となりましたが、金融機関の米サブプライムローンによる損失拡大、追加利下げ観測や中国高官による外貨準備としてユーロに分散投資発言などでドル売り圧力は強まり、連日ユーロに対して最安値を更新する展開となりました。その後、米国からアジアに広がった世界的株安から、円キャリー取引解消のため円買戻しが加速し、12日には109円まで円が上昇し、111円から110台の円高水準を維持。終わりの見えないサブプライムローン問題から米国の追加利下げ観測が拡大し、26日には107円台前半まで円高ドル安が進行しました。その後、米大手銀シティグループがアラブ首長国連邦の政府系投資機関、アブダビ投資庁から75億ドルの出資受け入れを発表すると、米国経済の立ち直り期待からドルが買われ、緩やかに円安に向かう流れで越月しました。
■国内金相場
国内円建て相場は、比較的動きの穏やかであったドル円為替相場よりも、大きな値動きとなった金ドル建て相場の動向に大きく左右されました。月初に2,984円で寄り付いた後、堅調な推移で9日には月間最高値となる3,063円まで上昇しました。その後は金ドル建て相場が下落するにつれて20日に月間最安値となる2,776円まで下落。金ドル建て相場が再度上昇すると、26日に2,911円まで回復しましたが、金ドル建て相場同様、高水準を維持できず下降し、月末に2,834円で越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,448ドルでスタートした11月のプラチナ相場は、上昇を続ける原油相場・金相場を好感した投機筋の買いに上昇基調となると、南ア鉱山会社での死亡事故を受けたスト懸念も手伝い7日には1,475ドル近辺まで上昇しました。しかし、13日のJM社の中間市場レポートを前に利益確定の動きが活発化したことから軟調となると、12日に月中最安値となる1,389ドルまで下落しました。その後、同水準では実需筋の買いが入ったことから反発すると、上記レポートで示された供給不足、また南アの増産が安全問題等を理由に進んでいないとの見方を材料に値を戻し、上記レポートを裏付ける形で16日に南ア大手鉱山会社のアングロプラチナ社で生産目標引き下げが報じられ、また、23日には南ア最大の鉱山労働組合が安全問題を理由にストを計画していることが報じられると、プラチナ相場は堅調に推移し、26日には月間最高値となる1,484ドルに上昇しました。月末にかけては、期末のファンド筋の利益確定の売りで軟調となりましたが、供給不足などの需給要因に支えられ大きく売り込まれることは無く、1,440ドルで越月しました。
尚、13日に発表された英国JM社のプラチナ中間年次報告の要旨は以下の通り。
①07年プラチナ需要は、欧州のディーゼル車排ガス浄化システムを主因とする自動車触媒の使用量増大により、前年比2.90%増の215.4トンとなる見込み。
②07年プラチナ供給は、前年比2.00%減の207.2トンとなるであろう。世界最大の供給国である南アフリカの鉱山で、安全性を考慮した操業停止、労働争議などが原因となる生産量の減少が理由。
③価格に関しては向う6ヶ月間1,350ドル~1,575ドルレンジの見通し。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は円為替相場も比較的安定した値動きとなったことから、上伸するドル建てプラチナ相場を反映し7日には月間の最高値となる5,489円となりました。その後、為替市場で米国経済の先行き不透明を背景に急速にドル売り、円高が進んだことや、ドル建てプラチナ相場も下落に転じたことから急落し、13日には月間最安値となる4,992円まで下落しました。しかし、ドル建て相場の反発から再び5,200円近辺まで上昇すると、その後はドル建て相場の上昇と為替市場の円高進行が相殺する形となり5,100円~5,250円近辺での狭いレンジでの値動きとなり5,136円で越月しました。
以上
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:N.Y.F.M. 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
11月の金相場は、790ドル台で寄り付き、10月31日の米連邦公開市場委員会が、0.25%の追加利下げを発表したことを受けたドル安や、100ドルに迫る原油高などから、堅調に推移しました。原油高騰の中での利下げはインフレを加速するという連想から、実物資産としての金の需要が高まり、7日には、過去最高値の850ドルに迫る841.75ドルまで上昇しました。しかし、850の上値は重く、この水準を維持することはできませんでした。11月で決算期を迎えるファンド筋による、下落した株式の損失穴埋めのための売りや、対ユーロでのドル安が一服したことから下降をはじめました。その後、原油価格やドルユーロ相場を眺めて一時上昇する場面も見られましたが、2週間ほどで800ドルを割る水準まで落ち込みました。しかし、米国サブプライム住宅ローン問題の損失拡大が報じられる中、再び100ドルに迫る原油価格の上昇や、ドルに対して1.48を超えるユーロ高に伴い再び上昇し、22日には800ドルを超える水準へ回復しました。26日には830ドルを超え、再度850ドルを試す展開かと見られましたが、同日、米大手銀シティグループがアラブ首長国連邦の政府系投資機関、アブダビ投資庁から75億ドルの出資受け入れを発表すると、ドルが上昇。また、石油輸出機構の増産観測による原油価格の下落などから下降をはじめ、月初の水準を割り込む780ドル台での越月となりました。
■為替相場
ドル円為替相場は、10月末に米連邦公開市場委員会が追加利下げを発表したことを受けたドル安地合の下、114円台でスタートしました。10月の米雇用統計が、前月比16万人増の予想を上回る数字となりましたが、金融機関の米サブプライムローンによる損失拡大、追加利下げ観測や中国高官による外貨準備としてユーロに分散投資発言などでドル売り圧力は強まり、連日ユーロに対して最安値を更新する展開となりました。その後、米国からアジアに広がった世界的株安から、円キャリー取引解消のため円買戻しが加速し、12日には109円まで円が上昇し、111円から110台の円高水準を維持。終わりの見えないサブプライムローン問題から米国の追加利下げ観測が拡大し、26日には107円台前半まで円高ドル安が進行しました。その後、米大手銀シティグループがアラブ首長国連邦の政府系投資機関、アブダビ投資庁から75億ドルの出資受け入れを発表すると、米国経済の立ち直り期待からドルが買われ、緩やかに円安に向かう流れで越月しました。
■国内金相場
国内円建て相場は、比較的動きの穏やかであったドル円為替相場よりも、大きな値動きとなった金ドル建て相場の動向に大きく左右されました。月初に2,984円で寄り付いた後、堅調な推移で9日には月間最高値となる3,063円まで上昇しました。その後は金ドル建て相場が下落するにつれて20日に月間最安値となる2,776円まで下落。金ドル建て相場が再度上昇すると、26日に2,911円まで回復しましたが、金ドル建て相場同様、高水準を維持できず下降し、月末に2,834円で越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,448ドルでスタートした11月のプラチナ相場は、上昇を続ける原油相場・金相場を好感した投機筋の買いに上昇基調となると、南ア鉱山会社での死亡事故を受けたスト懸念も手伝い7日には1,475ドル近辺まで上昇しました。しかし、13日のJM社の中間市場レポートを前に利益確定の動きが活発化したことから軟調となると、12日に月中最安値となる1,389ドルまで下落しました。その後、同水準では実需筋の買いが入ったことから反発すると、上記レポートで示された供給不足、また南アの増産が安全問題等を理由に進んでいないとの見方を材料に値を戻し、上記レポートを裏付ける形で16日に南ア大手鉱山会社のアングロプラチナ社で生産目標引き下げが報じられ、また、23日には南ア最大の鉱山労働組合が安全問題を理由にストを計画していることが報じられると、プラチナ相場は堅調に推移し、26日には月間最高値となる1,484ドルに上昇しました。月末にかけては、期末のファンド筋の利益確定の売りで軟調となりましたが、供給不足などの需給要因に支えられ大きく売り込まれることは無く、1,440ドルで越月しました。
尚、13日に発表された英国JM社のプラチナ中間年次報告の要旨は以下の通り。
①07年プラチナ需要は、欧州のディーゼル車排ガス浄化システムを主因とする自動車触媒の使用量増大により、前年比2.90%増の215.4トンとなる見込み。
②07年プラチナ供給は、前年比2.00%減の207.2トンとなるであろう。世界最大の供給国である南アフリカの鉱山で、安全性を考慮した操業停止、労働争議などが原因となる生産量の減少が理由。
③価格に関しては向う6ヶ月間1,350ドル~1,575ドルレンジの見通し。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は円為替相場も比較的安定した値動きとなったことから、上伸するドル建てプラチナ相場を反映し7日には月間の最高値となる5,489円となりました。その後、為替市場で米国経済の先行き不透明を背景に急速にドル売り、円高が進んだことや、ドル建てプラチナ相場も下落に転じたことから急落し、13日には月間最安値となる4,992円まで下落しました。しかし、ドル建て相場の反発から再び5,200円近辺まで上昇すると、その後はドル建て相場の上昇と為替市場の円高進行が相殺する形となり5,100円~5,250円近辺での狭いレンジでの値動きとなり5,136円で越月しました。
以上