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マーケット市況情報
2007年08月06日 18時10分
2007年7月の貴金属市況2007年08月06日 18時10分
価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:N.Y.F.M. 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
7月の金相場は650ドル近辺でスタートしましたが、前月末(6月末)にロンドン中心部で爆発物を積んだ2台の車両が発見されたのに続き、スコットランドのグラスゴーでは空港ターミナルに自動車が突入するテロが発生。これを受けて、英国政府がテロ警戒レベルを最高度に引き上げた他、米国でも空港などの公共機関の警備が強化されるなど、世界的な地政学的リスクの高まりを背景に「安全な資産」としての金が再認識される展開となり、一時660ドル近辺まで上昇しました。しかし、今回も「テロを材料とした相場は長続きしない」と言う過去の経験を踏襲する形となり、4日の米国独立記念日を挟み市場参加者が減少する中、市場は徐々に下落基調となり6日には650ドルを割り込みました。その後は、原油価格が、石油輸出国機構(OPEC)が当面供給量を据え置くとの観測を背景に続伸、当面の上値の節目とされた1バレル=75ドルを上回った事や、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米国経済の成長率見通しを下方修正したこと、加えて米国高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦付きが深刻化している事などから米ドルが売られる展開になると、金は安全な資産としての価値が再評価される形となり、上昇相場に移行。中旬にかけてレンジを660ドル台に切り上げると、20日には一気に680ドル台まで買い進まれました。 しかしその後、サブプライム・ローン問題が更に深刻化すると、米国株式の急落に波及し、「投資」そのものに対するリスク回避の動きが台頭。低金利の円を借りて高金利通貨で運用する「円キャリートレード」などで得た資金を金買いに充てていた向き等が利食いの売りを行った事から、金相場は軟調地合となり27日には一時660ドル近辺まで下落。結局 本格的回復を見せないまま660ドル台中盤での越月となりました。
■為替相場
ドル円為替相場は、前月の円安歩調を維持し123円近辺でのスタートとなりました。2日に発表された6月の日銀短観は、概ね事前予想通りの内容で、日銀の追加利上げは8、9月と見る市場予測を覆す内容とはならなかった事からドル円相場は円安圏を維持。その後は米国のサブプライム住宅ローン問題が再燃すると、ややドル安円高の基調に移行し、中旬にかけては121円台後半から122円台での揉みあい相場を展開しました。 但し 米国経済そのものに対する楽観論から、サブプライム住宅ローンと言う悪材料があったものの、当初 米国株式は堅調地合を維持したことから極端なドル安円高に発展する事はありませんでした。しかし サブプライム住宅ローンの問題が更に深刻化すると、リスクのある資産からの資金逃避が活発となり米国の株価が急落。ドル円為替市場でもリスク回避志向から円の買い戻しが旺盛となり、月末には一時118円台まで円高が進みました。
■国内金相場
国内円建て相場は2,603円で寄り付いた後、ドル建て金価格の上昇を受け、右肩上がりの状況を展開。23日には月間の最高値となる2,687円まで上昇しました。しかし、その後は為替相場における円高、加えてドル建て金価格も下落基調となった事から、円建て金価格も一転反落傾向となり、30日には月間の最安値となる2,555円まで下落して越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,272ドルでスタートした7月のプラチナ相場は、原油価格の上昇などを受けた、堅調な金価格に追随する形で、9日には1,300ドル台を回復しました。加えて南ア・鉱山会社での労使間賃金交渉が難航しているとの報から、将来的な供給不安を連想させるとして、思惑買いを誘発。中旬から下旬にかけて買い進まれると24日には月間の最高値となる1,333ドルまで上昇しました。しかしその後、米国サブプライム住宅ローン問題が深刻化すると、米国株式の急落に波及し、「投資」そのものに対するリスク回避の動きが台頭。プラチナも例外ではなく、投機筋を中心に手仕舞いの売りが主流となり、価格は下落基調に転換。加えて、27日には日産自動車が「白金族地金の使用量を大幅にカットしたガソリン車用自動車触媒の開発に成功し、2008年度に投入されるモデルから順次同触媒を装着する」とのニュースをリリースした事から、市場は将来的に需給環境が緩むと認識。一気に1,300ドル台を割り込むと、20日には月間の最安値となる1,270ドルまで下落しました。 その後は急落後の押し目買いが入り31日には1,292ドルまで上昇しましたが1,300ドルを回復することなく越月しました。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は、5,114円でスタートした後、原油価格の上昇や南ア鉱山会社の賃金交渉難航などを材料とした買いに上伸し、ドル建てプラチナ相場は右肩上がりの相場を展開。中旬まではドル円為替相場も比較的円安圏での取引となった事から20日に月間の最高値となる5,264円まで上昇しました。しかし、その後はドル建てプラチナ相場が反落した事に加え、為替相場も120円を割り込むレベルまで円高が進行した事から、円建てプラチナ相場も下落基調となり、30日には月間の最安値となる4,949円まで下落して越月しました。
以上
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:N.Y.F.M. 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
7月の金相場は650ドル近辺でスタートしましたが、前月末(6月末)にロンドン中心部で爆発物を積んだ2台の車両が発見されたのに続き、スコットランドのグラスゴーでは空港ターミナルに自動車が突入するテロが発生。これを受けて、英国政府がテロ警戒レベルを最高度に引き上げた他、米国でも空港などの公共機関の警備が強化されるなど、世界的な地政学的リスクの高まりを背景に「安全な資産」としての金が再認識される展開となり、一時660ドル近辺まで上昇しました。しかし、今回も「テロを材料とした相場は長続きしない」と言う過去の経験を踏襲する形となり、4日の米国独立記念日を挟み市場参加者が減少する中、市場は徐々に下落基調となり6日には650ドルを割り込みました。その後は、原油価格が、石油輸出国機構(OPEC)が当面供給量を据え置くとの観測を背景に続伸、当面の上値の節目とされた1バレル=75ドルを上回った事や、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米国経済の成長率見通しを下方修正したこと、加えて米国高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦付きが深刻化している事などから米ドルが売られる展開になると、金は安全な資産としての価値が再評価される形となり、上昇相場に移行。中旬にかけてレンジを660ドル台に切り上げると、20日には一気に680ドル台まで買い進まれました。 しかしその後、サブプライム・ローン問題が更に深刻化すると、米国株式の急落に波及し、「投資」そのものに対するリスク回避の動きが台頭。低金利の円を借りて高金利通貨で運用する「円キャリートレード」などで得た資金を金買いに充てていた向き等が利食いの売りを行った事から、金相場は軟調地合となり27日には一時660ドル近辺まで下落。結局 本格的回復を見せないまま660ドル台中盤での越月となりました。
■為替相場
ドル円為替相場は、前月の円安歩調を維持し123円近辺でのスタートとなりました。2日に発表された6月の日銀短観は、概ね事前予想通りの内容で、日銀の追加利上げは8、9月と見る市場予測を覆す内容とはならなかった事からドル円相場は円安圏を維持。その後は米国のサブプライム住宅ローン問題が再燃すると、ややドル安円高の基調に移行し、中旬にかけては121円台後半から122円台での揉みあい相場を展開しました。 但し 米国経済そのものに対する楽観論から、サブプライム住宅ローンと言う悪材料があったものの、当初 米国株式は堅調地合を維持したことから極端なドル安円高に発展する事はありませんでした。しかし サブプライム住宅ローンの問題が更に深刻化すると、リスクのある資産からの資金逃避が活発となり米国の株価が急落。ドル円為替市場でもリスク回避志向から円の買い戻しが旺盛となり、月末には一時118円台まで円高が進みました。
■国内金相場
国内円建て相場は2,603円で寄り付いた後、ドル建て金価格の上昇を受け、右肩上がりの状況を展開。23日には月間の最高値となる2,687円まで上昇しました。しかし、その後は為替相場における円高、加えてドル建て金価格も下落基調となった事から、円建て金価格も一転反落傾向となり、30日には月間の最安値となる2,555円まで下落して越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,272ドルでスタートした7月のプラチナ相場は、原油価格の上昇などを受けた、堅調な金価格に追随する形で、9日には1,300ドル台を回復しました。加えて南ア・鉱山会社での労使間賃金交渉が難航しているとの報から、将来的な供給不安を連想させるとして、思惑買いを誘発。中旬から下旬にかけて買い進まれると24日には月間の最高値となる1,333ドルまで上昇しました。しかしその後、米国サブプライム住宅ローン問題が深刻化すると、米国株式の急落に波及し、「投資」そのものに対するリスク回避の動きが台頭。プラチナも例外ではなく、投機筋を中心に手仕舞いの売りが主流となり、価格は下落基調に転換。加えて、27日には日産自動車が「白金族地金の使用量を大幅にカットしたガソリン車用自動車触媒の開発に成功し、2008年度に投入されるモデルから順次同触媒を装着する」とのニュースをリリースした事から、市場は将来的に需給環境が緩むと認識。一気に1,300ドル台を割り込むと、20日には月間の最安値となる1,270ドルまで下落しました。 その後は急落後の押し目買いが入り31日には1,292ドルまで上昇しましたが1,300ドルを回復することなく越月しました。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は、5,114円でスタートした後、原油価格の上昇や南ア鉱山会社の賃金交渉難航などを材料とした買いに上伸し、ドル建てプラチナ相場は右肩上がりの相場を展開。中旬まではドル円為替相場も比較的円安圏での取引となった事から20日に月間の最高値となる5,264円まで上昇しました。しかし、その後はドル建てプラチナ相場が反落した事に加え、為替相場も120円を割り込むレベルまで円高が進行した事から、円建てプラチナ相場も下落基調となり、30日には月間の最安値となる4,949円まで下落して越月しました。
以上