マーケット市況情報

2026年09月08日 17時00分

2026年8月の貴金属市況2026年09月08日 17時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$建:市価、 円建:参考小売価格(税抜・月内の営業日における全価格)
為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
4,070ドル近辺でスタートした8月のドル建て金相場は、前月までの流れを引き継ぎ、ドル高を背景に4,000ドル近辺まで下落した。しかし、6月下旬から8月上旬にかけて繰り返された4,000ドル割れの場面でも明確には下抜けず、改めて下値の堅さが確認された。そうした中、ホルムズ海峡の航行正常化への期待や弱い米経済指標を背景にドルが軟化すると、投機筋の買い戻しが強まった。5日に上値の節目となっていた4,200ドルを上抜けると、7日に発表された米雇用統計の弱い結果を受けて米利上げ期待が後退し、金相場は4,400ドル台まで上値を伸ばした。
月央にかけては、月初からの急激な上昇に対する利益確定売りや、着地点の見えない中東情勢を巡る不透明感から、一時4,300ドル近辺まで反落する場面も見られたが、上昇基調そのものが崩れることはなかった。12日の米CPIや13日の米PPIがともに弱い結果となったことで、金利先高観が後退し、相場を下支えした。さらに、19日に米財務省が長期国債の買い戻し枠を拡大する方針を示すと、米長期金利の低下とドル安が一段と進行。20日には中旬のレンジであった4,300~4,450ドルを上抜けて4,500ドルの大台を突破し、25日には4,700ドル近辺まで上値を伸ばした。
月末にかけては、高値警戒感から利益確定売りが先行したことに加え、長期国債買い戻し枠拡大報道の影響が徐々に薄れる中で、ドルが緩やかに買い戻される展開となり、金相場も4,600ドル近辺へと軟化した。その後、28日のFRB議長講演では、具体的な政策見通しは示されないとの見方が大勢だったものの、市場予想以上にインフレ抑制と利上げに前向きな姿勢が示された。これを受けて米金利上昇とドル高が進行し、金相場は4,400ドル台まで反落して越月した。

■円建て金相場
月間最安値となる20,568円でスタートした8月の円建て金相場は、複数の経済指標を受けて米利上げ観測が後退する中、上昇基調で推移した。20日に米財務省による長期国債買い戻し拡大計画が報じられると、ドル建て金相場は一段高となり、円建て相場も上昇した。25日には月間最高値となる24,114円を付けた。その後は、ドル高の進行や直近の高値を意識した利益確定売りを背景に反落し、月末は23,107円で月を終えた。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
1,650ドル近辺でスタートした8月のドル建てプラチナ相場は、4日、ホルムズ海峡の航行正常化への期待を背景としたドル安を受けて買いが強まり、一気に1,750ドル近辺まで上昇した。
月央にかけては1,700~1,800ドルのレンジ内で推移した。特に米物価関連指標が発表される13日頃までは1,750ドルを挟んだ小動きが続いたが、その後は徐々に値幅を広げる展開となった。19日に米財務省が長期国債の買い戻し枠拡大方針を示すと、ドル安の進行を背景に上げ幅を拡大。それまで上値として意識されていた1,800ドルを上抜けると一段高となり、1,900ドル近辺まで上昇した。
他の貴金属と比較すると、この水準での利益確定売りは限定的にとどまり、相場は1,850ドル近辺まで小幅に水準を切り下げるにとどまった。その後、月末にかけては強めの米物価指標やFRB議長のタカ派的な発言を受けてドル高が進んだものの、相場への影響は限定的で、1,800~1,900ドルの高値圏を維持したまま越月した。

■円建てプラチナ相場
8,514円でスタートした8月の円建てプラチナ相場は、4日に月間最安値8,466円を付けたものの、米株式市場の好調を背景に9,000円付近まで上昇した。その後は、中東情勢の緊迫化を背景としたドル高に下押しされる局面も見られたが、月後半にかけては金価格の上昇にも支えられ堅調に推移。24日には月間最高値となる9,940円を付けた。月末にかけても底堅い推移が続き9,532円で月を終えた。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
58.00ドル近辺でスタートした8月のドル建て銀相場は、一時57.00ドルを割り込む場面が見られたものの、この水準では実需の買いが入り、ほどなく月初水準まで値を戻した。下値の堅さが意識される中、下落を見込んでいた短期的な投機筋によるショートポジションの買い戻しが進み、米雇用統計の弱い結果やそれに伴う利上げ期待の後退にも後押しされて、中旬には66.00ドル台まで続伸した。
月央にかけては、月初からの上昇に対する利益確定売りなどから66.00ドル近辺で上値を抑えられる場面も見られた。しかし、19日に米財務省が長期国債の買い戻し枠拡大方針を示すと、金相場の大幅上昇に追随する形で銀にも買いが強まり、66.00ドルを上抜ける展開となった。21日には70.00ドル近辺まで上値を伸ばした。
月末にかけては70.00ドルの大台が意識されたことで上値の重い展開となったものの、利益確定売りは限定的で、68.00ドル近辺では買い支えが入り、大きく下落する展開とはならなかった。しかし、28日にFRB議長が追加利上げの可能性を示唆するとドル高が進行し、銀相場も反落。66.00ドル台まで水準を切り下げて越月した。

■円建て銀相場
月間最安値となる302.40円でスタートした8月の円建て銀相場は、金市場の上昇基調に追随する形で堅調に推移し、21日には月間最高値となる372.70円を付けた。その後も底堅い動きが続いたものの、月末にかけては利益確定売りなどから軟化し、359.00円で月を終えた。


■為替
157円台後半でスタートした8月のドル円相場は、月初に日米協調による円買い介入の実施が公表されたことに加え、本邦政府高官からさらなる協調介入に前向きな姿勢が示されたことで、ドル売り・円買いが加速し、3日には155.20円まで急落した。しかし、その後は買い戻しが入り157円台後半まで値を戻すと、中東情勢を巡る不透明感や米国での利上げ観測を背景に再びドル買いが優勢となった。7日には158.57円まで上昇したものの、同日発表された米7月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回る結果となると、米利上げ観測の後退から156.68円まで急落した。
月央にかけては、月初の円高進行に対する反動から値を戻す展開となった。米CPIや米PPIがインフレ鈍化を示す内容となり、米国の年内利上げ観測は後退したことで、一時的に円高方向へ振れる場面も見られた。しかし、依然として大きい日米金利差がドルの下値を支え、ドル円は158円近辺から159円台半ばまで上昇した。
19日に米財務省が長期国債の買い戻し枠拡大針を示すと、米金利の低下を受けてドル円は再び158円近辺まで円高が進行した。その後、月末にかけては緩やかな円安基調が続き、28日のジャクソンホール会議で、FRB議長がインフレの高止まりへの警戒感を示すとともに、利上げに前向きな姿勢を示したことでドル買いが加速。ドル円は月初以来の160円台を回復し、160.20円近辺で越月した。


略語注釈
CPI:消費者物価指数
PPI:生産者物価指数
FRB:米連邦準備制度理事会
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