マーケット市況情報

2026年02月09日 17時00分

2026年1月の貴金属市況2026年02月09日 17時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$建:市価 円建:参考小売価格(税抜・月内の営業日における全価格) 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
4,320ドルでスタートした1月のドル建て金相場は、年始3日に米国によるベネズエラ攻撃および同国大統領拘束との報道が伝わると、地政学的リスクへの警戒感から4,400ドル台へと上昇した。ただし、事態が短期的に収束すると見なされたことで影響は早期に一巡した。一方、同日に発表された米ISM製造業景況指数が市場予想を大幅に下回ったことを受け、ドルの弱含みを意識した投機筋の買いが流入し、4,500ドル台へと水準を切り上げた。その後、9日の米雇用統計を控えては4,400ドル台後半で上値の重い展開が続いた。9日に発表された米雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を下回った一方、失業率は予想に反して低下し、弱いながらも労働市場の底堅さが示された。これにより過度な利下げ期待の拡大には至らなかったものの、先行して上値を抑えられていた金相場にとっては支援材料となり、再び4,500ドル台へ値を戻す展開となった。その後、11日に米司法局がFRB議長を訴追する可能性があるとの報道が流れると、FRBの独立性に対する不安が意識され、週明けの市場ではドルが下落。金相場は一段高となり4,600ドル台へと上昇した。以降17日までは4,600ドルを挟んだ水準での膠着相場が続いたが、17日に米大統領が、グリーンランドの領有を巡る米国の姿勢に反対する欧州諸国に対して関税を引き上げる可能性に言及したことが報じられると、米欧間の政治的軋轢が意識され、米国市場が休日で休場となっていた週明け20日には4,700ドル台へ上昇した。ただし、この発言は後日大統領自身によって撤回され、グリーンランドへの武力行使も否定されたことで事態は沈静化へ向かった。しかし、この一連の動きをきっかけに主要通貨に対してドルが売られ、加えて円安進行に対して日米協調による為替介入が行われるのではないかとの観測も重なったことで、ドル安は急速に進行する展開となった。このドル安を背景に投機筋の買いが一段と勢いを増すと、金相場は歯止めのかからない上昇相場を形成。4,900ドルを突破した後もほとんど調整局面を迎えることなく上昇が続き、27日には米大統領がドル下落を特段問題視しないとの発言を行ったことも材料視され、30日には月間高値となる5,580ドル台半ばまで一本調子で上昇した。この間、27日から28日にかけて開催されたFOMCでは、市場の想定通り政策金利は据え置かれ、内容も概ね市場予想の範囲内にとどまった。しかし、30日に次期FRB議長としてウォーシュ氏の指名を固めたとの報道が流れると、緩和的な人選を想定していた市場の見方が覆される形となり、24日以降進行していたドル安は急速に巻き戻された。この動きに押される形で金相場は急落し、加えて米先物市場での30日引け後からの証拠金引き上げの発表なども追い風となり5,600ドル近辺から一時4,400ドル台まで大幅に下落した状態で月をまたぐ展開となった。

■円建て金相場
月間最安値となる22,265円でスタートした1月の円建て金相場は、FRB人事問題やグリーンランドを巡る米欧間の対立などを背景にしたドル建て価格の急騰に伴い25,000円の水準を超えて高値を更新する中、29日には月間最高値となる27,499円を付けた。その後は急激な上昇に対する反動でドル建て相場に売りが膨らみ、月末は25,789円に下落して月を終えた。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
前年末、先物市場における証拠金引き上げなどをきっかけに大きく売り込まれる展開となる中、2,100ドル近辺でスタートした1月のドル建てプラチナ相場は、前年末の急落に対する安値拾いの買いを背景に値を戻す展開となった。この戻りは7日頃まで続き、前年の高値水準にあたる2,500ドル近辺を回復した。その後は、短期間での水準回復に対する達成感から投機筋の利益確定売りに押される形で軟化し、9日に発表された米雇用統計も大きな波乱なく通過したことから、プラチナ相場は2,200ドル近辺まで下落した。11日に米司法局がFRB議長を訴追する可能性があるとの報道が伝わると、中央銀行の独立性に対する不安が意識されドルが下落。これを受けてプラチナ相場は大きく反発し、2,400ドル近辺まで値を戻した。ただし、この上昇は持続せず、上値の重い展開となったプラチナ相場は2,400ドルを挟んだ小動きが月中旬まで続いた。こうした中、19日から23日にかけてスイス・ダボスで開催された世界経済フォーラムの期間中、グリーンランドの領有を巡り米大統領が欧州各国に対して関税賦課を示唆し、その後撤回するなどの発言を行ったことで、米欧間の政治的軋轢が意識される展開となった。この動きを受けてドル安基調が強まり、金相場や銀相場が上昇基調となると、同じ貴金属としてプラチナにも投機筋の買いが急速に集まり、相場は急騰。27日には一時2,900ドル台前半まで上昇する場面が見られた。しかし、金や銀を上回る急ピッチでの上昇となったことから過熱感に対する警戒が強まり、加えて米先物市場では28日からの証拠金引き上げが発表されたことで、プラチナ相場は他の貴金属に先行して下落に転じ、2500ドル台まで値を下げた。翌営業日には小幅な買い戻しが見られたものの、30日に再度米先物市場での証拠金引き上げが示されると投機筋の心理は急速に冷え込み、さらに次期FRB議長人事を受けたドル高の動きも重なり、相場は大きく下落。最終的には2,100ドル近辺で月をまたぐ展開となった。

■円建てプラチナ相場
11,513円でスタートした1月の円建てプラチナ相場は、5日に月間最安値となる11,308円を付けて以降は売り買い交錯しつつ一段高となった。26日には月間最高値となる14,406円を付けたものの、高値を維持できず反落した。月末にかけては13,500円近辺で推移したが、ドル建て価格の急落を受けて12,404円で月を終えた。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
72ドル近辺でスタートした1月のドル建て銀相場は、金と比較した場合の絶対値としての割安感を背景に、国内のみならず世界的に投機家の注目を集める展開となった。年始には、ベネズエラを巡る地政学的リスクの高まりをきっかけに投機筋の買いが入り始め、相場は早々に80ドル台へと上昇した。その後も、米ISM製造業景況指数が市場予想を下回る弱い内容となったことを受けたドル安などを追い風に上昇基調が続き、8日には83ドル近辺まで値を伸ばした。9日の米雇用統計発表を前に一時的な利益確定売りが見られたものの、発表内容が米景気の先行きに大きな影響を与えるものではないとの見方が広がると、投機家の買い戻しが早々に入った。下値の堅さが意識される中で買いが買いを呼ぶ展開となり、さらにグリーンランドを巡る米国の強硬姿勢が意識されたことも相まって、14日には90ドル台まで上昇する展開となった。その後、スイスで開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)の会期中は、90ドルから95ドル近辺での下値の堅い推移が続いた。しかし、会期中にグリーンランドを巡る米大統領の強硬姿勢に関する発言と、その後の撤回という一連の動きが見られると、米国に対する信認低下とドル安が進行し、銀相場は騰勢を一段と強める展開となった。24日に100ドルを突破すると、目立った売り手が見当たらない中で投機筋の買いが集中し急騰。その後は利益確定売りによる急落と買い戻しを、1日の中で10ドル以上の値幅で何度も繰り返しながらも、下値を切り上げていく荒い相場展開となった。この急騰と急落を伴う不安定な推移は30日まで続き、一時は120ドルを超える高値を付けた。しかし、30日に米先物市場で証拠金引き上げの実施が決定していたことに加え、次期FRB議長の指名内容が市場予想ほど緩和的ではないとの受け止めが広がると、投機家による手じまい売りが急速に進行。銀相場は急落し、年初からの上昇分をほぼ打ち消す形で78ドル近辺まで下落して月をまたぐ展開となった。

■円建て銀相場
月間最安値となる382.70円でスタートした1月の円建て銀相場は、金相場同様月初から堅調に推移した。月半ばにかけて一段高となるとその後も急騰し、29日に月間最高値となる591.00円を付けた。その後月末はドル建て相場の急落から540.10円まで反落して月を終えた。


■為替
156.50円近辺でスタートした1月の円相場は、年初の本邦祝日に伴う薄商いの中で取引が始まった。休場明けの5日には、本邦株式市場の上昇を好感して157.20円台後半まで上昇したものの、上値は追えず、その後は156.10円台後半まで反落した。しかし、米12月ISM非製造業景気指数が市場予想を上回る内容となったことを受け、ドル買いが誘発され、7日には156.80円台後半まで反発。さらに9日には、高市首相が衆議院解散を検討しているとの報道が伝わると、積極財政への警戒感や政治空白への懸念から円売りが加速し、158.00円を突破した。その後も円安基調は続き、14日には159.20円近辺まで上げ幅を拡大した。円売りが一巡すると、本邦政府高官による円安を牽制する発言が相次いだことで介入警戒感が高まり、相場は一転して買い戻しの動きとなった。財務相による過度な円安を警戒する発言も材料視され、円相場は158.00円近辺まで値を戻した。その後は158.00円から159.00円のレンジ内での推移が続いたものの、23日に為替介入を意識させるレートチェックを実施したとの報道を受け、協調介入への警戒感が一気に高まった。日米協調介入を意識したポジションの巻き戻しが進行し、円相場は153.50円台半ばまで急落した。折しも、米大統領によるグリーンランドを巡る発言からいわゆる“TACOトレード"( 「Trump Always Chickens Out、トランプはいつも尻込みする」)の動きが見られ、対主要通貨でドルが売り込まれる展開となったことも、この円高の動きを後押しした。月末にかけては一時152.00円近辺まで下落したものの、30日にトランプ米大統領がケビン・ウォーシュ氏を次期FRB議長に指名するとしたことで、市場が想定していた緩和的な選択ではなく、現実路線に沿った判断との受け止めが広がった。これを受けてドルが買い戻され、円相場は154.60円台半ばで月をまたぐ展開となった。


略語注釈
ISM:全米供給管理協会
FRB:米連邦準備制度理事会
FOMC:米連邦公開市場委員会
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