マーケット市況情報

2026年01月09日 18時00分

2025年12月の貴金属市況2026年01月09日 18時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$建:市価 円建:参考小売価格(税抜・月内の営業日における全価格) 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
4,220ドル近辺でスタートした12月のドル建て金相場は、米雇用関連指標の強弱が入り混じる結果となる中で売り買いが交錯したものの、総じては12月9日から10日にかけて開催予定のFOMCを控え、利下げへの期待とそれに伴うドル安観測を背景に、4,200ドルを下値とする底堅い展開となった。10日のFOMCでは市場予想通り0.25%の利下げが決定された。加えて、短期国債の400億ドル規模の買い入れが決定されたことから、想定以上に緩和的な政策姿勢に受け止められた。市場では今後も緩和的な金融環境が継続するとの見方が広がり、ドル安が一段と進行。金相場は4,200ドル台から4,300ドル台へと水準を切り上げた。16日には、米政府機関閉鎖の影響により発表が遅れていた11月の米雇用統計において失業率の悪化が示された。また、18日に発表されたCPIが市場予想を下回ったことで、インフレに対する警戒感が後退し、FRBが利下げを選択しやすくなるとの見方が強まった。これを背景に、金相場は4,350ドル近辺までじり高の推移となった。こうした金融政策を巡る材料を市場が十分に咀嚼しきる前に、クリスマス休暇を控えた市場参加者の減少と流動性低下の局面へと移行した。加えて、ベネズエラやウクライナ情勢を巡る地政学的リスクが報じられる中、金相場は銀相場やプラチナ相場に追随する形で急騰し、クリスマス前には4,500ドル台に乗せる展開となった。このような急激な価格変動を受け、米先物市場を運営するCMEグループは26日、金先物取引に必要な証拠金の引き上げを発表した。これを受けて金相場は月中高値となる4,550ドル近辺を天井に反落へと転じた。さらに同グループは30日にも追加の証拠金引き上げを発表し、異例となる月内2度の証拠金引き上げを受けて、金相場は下げ幅を急速に拡大。一時4,300ドル近辺まで急落し、最終的には4,330ドルで2025年の取引を終えた。

■円建て金相場
21,203円でスタートした12月の円建て金相場は、軟調に推移し4日には月間最安値となる21,053円を付けた。しかし、その後はFOMC後の利下げ継続観測やベネズエラでの地政学的緊張の高まりから月後半にかけて旺盛な買いが持続し、24日に月間最高値となる22,741円を付けた。月末にかけては一時売りが膨らんだものの、22,737円で月を終えた。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
1,670ドル近辺でスタートした12月のドル建てプラチナ相場は、目立った材料に乏しい中で方向感の定まらない展開となり、1,600ドル近辺から1,700ドル近辺のレンジ内での推移が続いた。この状況は12月9日から10日にかけて開催されたFOMCを挟んだ後も大きく変わらず、利下げ決定後も引き続きレンジ相場が継続した。こうした中、16日にEUが、ガソリンなどを燃料とする内燃機関を動力とした自動車の販売を2035年に禁止するとしていた従来方針を見直すと発表したことを受け、自動車触媒向け需要が全体の約半数を占めるプラチナ需要の将来的な需要減少に対する懸念が後退し、投機筋の買いが活発化した。一方で、クリスマス休暇を控え欧米市場では市場参加者が減少し流動性が低下していく中、上昇相場に対する調整圧力がかかりにくい環境となり、プラチナ相場はほぼ調整を挟むことなく上昇を続け、26日には2,450ドル近辺まで急伸した。このような急激な相場変動を受け、米先物市場を運営するCMEグループは、プラチナ先物取引に必要な証拠金の引き上げを実施した。これにより一時2,350ドル近辺まで小幅に下落する場面が見られたものの、市場では想定内の対応と受け止められ、相場は速やかに持ち直し、29日には月間高値となる2,500ドル近辺まで上値を伸ばした。しかし、その後CMEグループは異例とも言える短期間で2度目となる証拠金引き上げを実施。想定外の対応に対する市場の反応は大きく、12月29日から31日までの3日間で、2,500ドル近辺から2,300ドル近辺へ下落した後、さらに2,050ドル近辺まで急落した。その後一時2,250ドル近辺まで持ち直す場面も見られたが、戻りは限定的となり、最終的には1,930ドルまで急落。月末にかけては小幅に切り返し、2,045ドル近辺で2025年の取引を終えた。

■円建てプラチナ相場
8,485円でスタートした12月の円建てプラチナ相場は、3日に月間最安値となる8,260円を付けた。FOMC後にドル安となると、EUでの自動車規制見直しを受けた需要増加観測や中国での市場参加者増加に伴い、投機筋の買いが主導する形で月後半にかけて急騰し、26日には月間最高値となる12,094円まで上昇し月を終えた。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
57.00ドル近辺でスタートした12月のドル建て銀相場は、12月9日から10日にかけて開催されたFOMCでの利下げ決定および今後のFRBの金融政策方針を見極めたいとの思惑から、56.50ドル近辺を下値とする小動きの展開となった。10日のFOMCでは市場予想通り0.25%の利下げが決定し、FRBが想定以上に緩和的な姿勢を示したと受け止められたことでドル安が進行。これを契機に、銀相場には投機的な買いが入り、金と比較して価格水準が低い銀への資金流入が過熱する状況となった。
こうした環境下、銀相場はほぼ一方的な上昇基調をたどり、クリスマス前の24日には72.00ドル近辺まで急伸した。クリスマス明けの26日には、欧米市場参加者の多くが休暇に入り市場流動性が極端に低下する中、米先物市場を運営するCMEグループが銀先物取引に必要な証拠金の引き上げを通知した。歴史的に見ても異例のペースで上昇する相場環境の中、投機筋による損失確定の買い戻しが入り、29日の早朝には一時84.00ドルまで急騰する展開となった。しかし、その約1時間後には買い持ち筋によるポジション調整の売りが入り始め、売りが売りを呼ぶ形で相場は反転。75.00ドル近辺まで急落することとなった。この急激な値動きを受けて市場の不安定感は一段と高まり、31日にはCMEグループによる2度目の証拠金引き上げが実施された。これを受け、銀相場は71.30ドル近辺で2025年の取引を終えた。

■円建て銀相場
月間最安値となる286.80円でスタートした12月の円建て銀相場は、方向感の出にくい展開となったが、10日に300.00円台を超えて以降は、貴金属相場全体が上昇する中で割安感から買いが集中し、月を通して上げ調子での推移となった。月末は欧米圏がクリスマス休暇に入る中でも続伸し、26日に月間最高値380.00円で月を終えた。

■為替
155.87円近辺でスタートした12月のドル/円相場は、9日から10日にかけて開催予定のFOMCにおいて利下げが見込まれる中、主要通貨に対してドル安が進行したことを背景に円高が進み、5日には155.14円を付けた。しかし、その後は本邦政府による積極財政を背景とした財政悪化への懸念が意識されると円は反落し、FOMC前日には156円台まで円安が進行した。FOMCでは、市場予想通り0.25%の利下げが決定されたものの、FRBが想定以上に緩和的な姿勢を示したと受け止められたことで、市場ではドル金利低下方向への意識が継続する展開となった。一方、19日に開催された本邦の金融政策決定会合では、日本銀行が政策金利を0.50%から0.75%へ利上げを決定した。しかし、市場では今後の利上げペース加速に対する明確な示唆がなかったことから、結果的に円売りで反応し、22日には157.67円まで円安が進行した。この水準では、本邦政府による口先介入が繰り返されたことから円安の勢いは一服し、円相場は156.00円近辺まで円高方向に押し戻された。その後年末にかけては再びじりじりと円安方向へ推移した。


略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
CPI;消費者物価指数
FRB:米連邦準備制度理事会
CME:シカゴ・マーカンタイル取引所
EU:欧州連合
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