1,580ドル近辺でスタートした先週のプラチナ相場は、欧州時間まで上昇したものの、米国時間にFRB当局者が12月の追加利下げに対して慎重姿勢を示したことから軟調に推移すると、週央まで米国株価の下落を嫌気して1,520ドル近辺まで続落した。その後、金相場と同様に安値拾いの買いが相場を押し上げ週初スタート水準の1,580ドルを回復するも、6日の米国時間には投機筋の売りが相場を押し下げ再び1,520ドル近辺まで下落した。週末は安値拾いの買いから反発するも、週末により上げ幅は限定的となり1,550ドル台半ばで越週した。

3,990ドル台半ばでスタートした先週の金相場は、週初に中国財政省が自国内で購入した金の販売・加工等の際に実施していた税控除を撤廃すると発表したことが購入を嫌気する材料となり3,970ドルを割り込んだ。加えて、米国株価の大幅下落に対する損失補填売りが連日米国時間に活発化したことで、3,930ドル台半ばまで続落した。しかし、急激な下落に対してアジア時間での買いが下値を支えたことで5日には3,980ドルに反発し、加えて米国内での関税政策に対する政治的混乱が相場を押し上げ週後半には4,000ドルを回復した。週末にかけては相場を動かす材料に乏しく売り買いが交錯し、4,000ドル近辺で越週した。

48.60ドル近辺でスタートした先週の銀相場は、週初のアジア時間に49.00ドルを突破したものの、大きく超えるための材料には乏しく頭打ちの展開となり反落すると、金相場の下落に追随する展開となり46.80ドル台後半まで下落した。5日のアジア時間には金相場と同様に買い戻しが進み、ドル安が相場上昇への追い風となって48.70ドル台半ばまで上昇した。その後は週末まで売り買いが交錯し48.30ドル台半ばで越週した。

154.20円近辺でスタートした先週の為替相場は、週初から本邦祝日休場に伴い取引が限定的となる中、4日には財務相による円安けん制発言が材料視され153.50円近辺まで円が買い戻された。5日も割高感の漂う本邦株価下落を背景とした円の買戻しにより153円を割り込んだものの、すぐに153.70円近辺まで値を戻した。その後、10月のADP雇用統計等の各経済指標が市場予想を上回ったことで154.30円近辺までドルが上昇するも、米国内の関税政策を取り巻く政治的混乱や米国株価の下落からリスク回避として円が買い進められると、週末までレンジ相場が形成され153.40円近辺で越週した。


略語注釈
FRB:米連邦準備制度理事会
ADP:オートマティック・データ・プロセッシング社