マーケット市況情報

2025年11月11日 14時00分

2025年10月の貴金属市況2025年11月11日 14時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$建:市価 円建:参考小売価格(税抜・月内の営業日における全価格) 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
3,860ドル近辺でスタートした10月のドル建て金相場は、非常に荒い値動きとなった。米政府機関の一部閉鎖が確定的となる中、米民間雇用統計が市場予想を下回ったことで利下げ期待が高まり、金相場は3,900ドル台へ上昇した。その後も金市場に投機資金が集まり、8日には4,000ドル台に乗せる展開となった。しかし、FOMC議事要旨で大幅利下げに慎重な姿勢が示されると一時押し戻される場面も見られ、さらに10日、米大統領の中国に対して100%の追加関税を課すとの発言から、株式市場の急落を受けて換金売りが広がり、金相場は4,000ドルを下回る水準へ下落した。その後、米大統領の方針転換により米中貿易摩擦解消への期待感が見られたが、先行き不透明感の払しょくとまでは至らず、投機資金が再び流入。急速に上げ幅を拡大し、米地銀の不正融資問題を背景としたドル安も追い風となって、17日には一時4,380ドル近辺まで上昇した。
その後、この急騰に対する反動から売り圧力が強まり、米企業決算の好調も要因となって4,180ドル近辺まで下落。29日のFOMCで0.25%の利下げが決定されるまで下落基調は続き、一時3,900ドルを割り込んだ。会合後の会見では将来的な利下げに慎重姿勢が示されたため上値は重くなったが、米ロ関での緊張感の高まりなどを背景に買い戻しが優勢となり、4,000ドル近辺で月を終えた。

■円建て金相場
18,477円でスタートした10月の円建て金相場は、3日に月間最安値となる18,348円を付けて以降は米の政府機関閉鎖や各国の政局不安から買いを集めたことで上昇し、14日には20,000円の大台に乗った。その後も月半ばは米中貿易摩擦再燃などが材料視されて堅調な推移となり、21日に月間最高値21,246円を付けた。高値からの売りが優勢となり下落に転じるも、月末にかけて為替が円安方向に進んだことや、安値拾いの買いから下げ幅を縮小し、19,883円で月を終えた。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
1,570ドル近辺でスタートした10月のドル建てプラチナ相場は、米政府機関の閉鎖により主要統計の発表が見送られる中、金相場の上昇に対する出遅れ感を材料視した投機的買いから上昇基調となり、9日には1,680ドル近辺まで上昇したものの、米大統領による対中追加関税の報道を受け一転して売りが膨らみ、月初の水準まで急落。その後、大統領の強硬姿勢が長続きしないと見られる中、金相場が再び騰勢を強めると後追い的な買いが入り、17日にはドル安も手伝って一時1,740ドル近辺まで上昇した。しかし、米地銀の信用不安などから米株式が下落すると投機家の心理が冷やされ、22日には1,500ドル近辺まで急落した。この水準では値ごろ感からの買いが活発化し、1,650ドル近辺まで急速に値を戻した。その後は29日のFOMCを控え、軟調な金相場を意識して上値の重い展開が続き、1,600ドル近辺まで下落。1,580ドル近辺で月を終えた。

■円建てプラチナ相場
7,666円でスタートした10月の円建てプラチナ相場は、前月末からの売りが継続して2日に月間最安値となる7,516円を付けた。その後は金相場の上昇に追随して反発し、月半ばにかけては8,100円前後で横ばいとなるも、17日には月間最高値となる8,452円を付けた。その後は対ロシア制裁強化による政情不安を懸念した買いと利益確定売りが交錯する展開となり、8,119円で月を終えた。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
46.60ドル近辺でスタートした10月のドル建て銀相場は、米政府機関閉鎖を受けた金相場の上昇に追随し、6日には48.50ドルまで上昇した。投機的資金が金相場に流入する中で銀にも資金流入が見られ、先物・ETFでの買いが膨らんだ。これに伴い、現物需要の逼迫から投資・投機需要の買いが買いを呼ぶ展開となり、14日には53ドル台に、17日には一時54.50ドル近辺まで急騰した。その後、現物需要の逼迫が落ち着きを見せ、売りが出始めると、急激な上昇の反動から売られる展開となり、22日には48ドルを割り込むまで下落した。月末にかけても29日のFOMCを控えて底値を探る展開が続き、一時45.70ドル台半ばまで下落したが、この水準では買い戻しも見られ、最終的に49ドル近辺で月を終えた。

■円建て銀相場
225.20円でスタートした10月の円建て銀相場は、3日には月間最安値225.00円を付けたものの、金相場の上昇や需給の逼迫から買われ、17日に付けた265.30円が月間最高値となった。その後は貴金属相場全体の軟化から230円近辺まで値を落とす場面も見られたが、月末にかけて買戻しが進み246.00円で月を終えた。


■為替
147.90円近辺でスタートした10月の為替相場は、米政府機関の閉鎖報道を受けてドル売りが優勢となり、ドルは146.90円近辺まで下落した。しかし、3日には調整局面でドルの買い戻しが入り、149.20円近辺まで上昇。6日には自民党総裁選の結果を受けて円売りが強まり、150円を上回る展開となった。国内では新体制への期待と不安が交錯する中、新総裁が掲げる金融緩和路線を背景に早期利上げ観測が後退。円安基調が加速し、8日には一時152.90円台後半までドルが上昇した。その後、急速な円安に対する調整売りが入り、ドルはいったん149.70円台半ばまで下落したものの、再び円売りが強まった。日銀関係者が利上げに対して前向きな発言を行う一方、21日に実施された首相指名選挙で高市氏が選出されると、財政拡張路線への期待が広がり、円相場は一時153.00円近辺まで円安に推移した。月末にかけては、29日のFOMCを控えたポジション調整によりドルは一時152円を割り込んだ。会合では市場予想通り0.25%の利下げが決定されたが、会合後の会見では12月の追加利下げに慎重な姿勢が示されたことからドル買いが再び強まり、153円を回復した。その後はドル買いの流れが継続し、154.05円近辺で月を終えた。


略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
ETF:上場投資信託
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