マーケット市況情報

2025年10月21日 17時00分

週報(10/13~10/17)2025年10月21日 17時00分

1,600ドル近辺でスタートした先週のプラチナ相場は、前週末の米大統領の対中関税発言から株式市場が急落する中、週初から軟調な雰囲気での推移となったが、その後は大統領から態度を翻す発言が見られたことで、悲観的な見方から売られた動きに対する買い戻しが優勢となり1,680ドル近辺へと上昇した。その後は金相場が騰勢を強める中、米国の対ロ制裁強化の動きが報じられると、PGM生産国への制裁強化への警戒感なども材料となり上げ幅を拡大。16日には1,700ドルを超えて一時1,730ドル近辺まで上昇した。しかし、プラチナ相場の上昇に対し中心的な要因であった金相場が週末の市場で大きく売り込まれたことで、投機家の売りが波及する形でプラチナ相場も売られ、週内の上げ幅をほぼ吐き出す形となり1,620ドル近辺で越週した。

4,000ドル近辺でスタートした先週の金相場は本邦休日の中、前週の米大統領による対中関税引き上げ示唆によってドルや株式市場が急落する中で、中国政府が強硬姿勢を示し大統領が態度を軟化させたことを背景に、不透明感を囃す形でリスク回避・分散の買いが買いを呼ぶ結果を引き起こし、金相場は目立った押し目を構築することなく上昇基調を継続する展開となった。15日に4,200ドルまで上昇すると、その後は破綻した米自動車部品メーカーへの資金融資に関して米地銀への信用不安が材料視されたことで上げ幅を加速。17日には4,300ドルを超え、一時4,380ドル近辺まで上昇することとなった。その後は買いが一巡し、1週間で400ドル近く上昇したことに対する利益確定から売りが殺到する形となり、下げ幅を拡大して一時4,200ドル割れまで下落した。その後は引けにかけて買い戻され、4,250ドル近辺で越週した。

50ドル近辺でスタートした先週の銀相場は、現物在庫の中心的な市場であるロンドン市場でリースレートが上昇する中、現物流動性の低下によるヘッジリスク拡大への警戒感から、週初より騰勢を強める展開となった。14日には一時53.50ドル近辺まで上昇すると、世界各国から集められる現物による流動性回復への期待感からリースレートが低下へと向かい、50.50ドルまで下落する展開となった。しかし、市場が期待するほどにはリースレートは低下せず、現物の確保を意識した取引を市場が行う展開の中で金相場が上昇を続けたことで、結果として14日の下落が16日にはほぼ取り戻されると17日には54.50ドル近辺まで上昇することとなった。その後不透明な世界環境を警戒して週末を控えた売りが出ると、下げ幅を急拡大し再び50.50ドル近辺まで下落する場面が見られた。その後は、下値を確認した形となったことで切り返すと52ドル近辺で週を終えた。

152.10円近辺でスタートした先週の円相場は、前週末の米大統領による対中関税に関する動向からリスク警戒感が広がっていたものの、それらを楽観視する発言内容に転換する動きとなり、本邦休場で薄商いの中、151円台後半を中心にもみ合う展開が見られた。米中関係悪化の懸念が後退すると安心感から一時152円半ばまで円安が進行したが、その後はFRB議長による緩和的な講演内容が伝わると、ドル安が進む中151円台へとじり安の展開となった。中旬以降は、米自動社部品メーカーの破綻に端を発した、米地銀に対する信用不安報道などが意識されて米株安や米金利低下が進み、円相場は一時150円を割り込む場面も見られた。その後も確定的な材料に欠ける中で、引けにかけてはドルの買い戻しも見られて150.50円近辺で週を終えた。


略語注釈
PGM:白金族
FRB:米連邦準備制度理事会
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