マーケット市況情報

2025年10月08日 16時00分

2025年9月の貴金属市況2025年10月08日 16時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$建:市価 円建:参考小売価格(税抜・月内の営業日における全価格) 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
9月のドル建て金相場は月を通して右肩上がりの展開となった。3,450ドル近辺でスタートすると、前月末の米大統領によるFRB人事に介入する動きを受けてFRBの独立性に対する疑義からドルの上値が重く、ここに米雇用統計が市場予想を下回る結果を見せると3,600ドルを目指す動きとなった。その後は不安定な中東情勢が意識されたことや、9日の米労働省統計局が発表した雇用統計の改定値で過去の雇用者数が大きく下方修正されたことでドル安が加速すると、金相場は3,700ドルを目指す展開となった。17日にFOMCの結果の発表を控え物価の動向が意識される中で、発表された米物価指数は市場予想から大きく乖離せず、結果として雇用環境の悪化だけが目立つ中で、米国時間17日のFOMC後に発表された政策金利は市場予想通りの0.25%の利下げであった。FOMC後の材料出尽くし感からドルが切り返したことで、金相場は3,700ドル目前でやや足踏みしたが、FOMC後のFRB議長の会見は雇用環境の悪化への意識と、追加利下げへの含みを持たせる発言であったことが徐々に市場で咀嚼されるにつれて、金利先安観などが背景となり金相場は22日に3,700ドルを抜けると、投機筋の動きを中心とした買いが買いを呼ぶ展開となり月間最高値水準となる3,820ドル近辺まで上昇して越月した。

■円建て金相場
月間最安値となる16,365円でスタートした9月の円建て金相場は、米利下げ期待が高まる中で買いが先行し、5日には17,000円台を突破した。その後も上昇基調を維持し、17日に開催された会合でFRBが昨年12月以来の利下げを決定したことを受けて上げ幅を拡大し、買いが買いを呼ぶ展開が続き、月間最高値となる18,542円を付けて月を終えた。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
9月のドル建てプラチナ相場は1,350ドルを意識したレンジ取引が続いた8月の動きに対し、月初米国休日で流動性が低下する中、1,400ドルを超える水準まで上昇したことで、取引水準を一段切り上げた形となると、その後は1,400ドルを挟んでもみ合う展開が続いた。この間、金相場などは弱含むドルに対して買いが入り上昇基調となっていたことで、徐々に市場では相場の出遅れ感が意識されることとなった。17日FOMCで市場の予想通り0.25%の利下げが実施され、今後の利下げに対しても比較的含みを持たせる発言となったことで、追加利下げへの期待感などから株式市場が上昇。金相場も3,700ドルを超える水準まで上昇すると、プラチナ相場にも投機資金の流入がみられて、23日には1,400ドルを大きく超える水準へと上昇。ひとたび大きく抜けると買いが買いを呼ぶ展開へと市場の雰囲気は変貌し月末には一時月間最高値となる1,600ドル台へと乗せ、1,500ドル台後半で越月した。

■円建てプラチナ相場
月間最安値となる6,616円でスタートした9月の円建てプラチナ相場は、先月末からの買いが一服したことで月初から方向感に欠ける展開が続いたものの、月後半は米利下げ決定や金相場の上昇などを背景に急騰商状となり、29日には月間最高値の7,920円を付けた。月末は短期間での上昇による反動からやや下押しされ、7,763円で月を終えた。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
9月のドル建て銀相場は総じて金相場につられる展開となった。39.80ドル台前半スタートすると、早々に40ドル台を抜け41.00ドルを挟んでのレンジ相場を月初から月中にかけて形成。ドル安を材料に13日に42.00ドルを突破すると、米大統領がSNS上でFRBへの利下げ圧力ともとれる発言をしたことで、FRBの中立性に対する不安感が強まったことや、大幅利下げへの期待感などから43.50ドル近辺まで上げ幅を拡大した。FRBによる利下げは市場予想通りであったものの、今後の利下げに対する期待感から株式市場が騰勢を強めると、月末にかけては、買いが買いを呼ぶ展開となり46.90ドル近辺で越月した。

■円建て銀相場
月間最安値となる191.80円でスタートした9月の円建て銀相場は、金相場の上昇に追随して月を通して上昇基調となり、200円の大台を超えた後もさらに上値を追う展開となった。月後半の米利下げ決定も相場を押し上げ、29日に月間最高値となる227.90円を付け、翌日227.60円で月を終えた。


■為替
147.05円近辺でスタートした9月の為替相場は、2日に自民党幹事長の辞意表明により首相退陣への思惑の広がったことで円売りが優勢となり149.00円を突破、しかし5日に発表された米雇用統計が市場予想を下回ったことに加え、失業率も大きく上昇したことで月内のFOMCで利下げがほぼ確実との見方が広がったために146.90円近辺まで円が買い戻された。ドルは8日には一時148.50円を回復したものの、翌日には米労働省統計局の年次ベンチマーク改定により過去の雇用者数が大きく下方修正されたことで再び146.30円近辺まで下落した。その後、17日の政策金利発表を前に様子見ムードが漂うも、発表後は市場予想通り0.25%の下げに留まったことで失望感が見られたが、年内2回の利下げを示唆する発言がサプライズとなり、米国株価が上昇したためにドルは148.00円を回復した。月末にかけても上げ幅を拡大すると、25日には米4-6月期GDP(確報)や米新規失業保険申請件数などが良好な結果になったことによる米金利の上昇が円安を加速させ、ドルは150円目前まで上昇した。しかし、月末には急伸に対する調整から反落して147.90円近辺で越月した。


略語注釈
FRB:米連邦準備制度理事会
FOMC:米連邦公開市場委員会
GDP: 国内総生産
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