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マーケット市況情報
2025年08月08日 18時00分
2025年7月の貴金属市況2025年08月08日 18時00分
価格ベース
金 プラチナ 銀 US$建:市価 円建:参考小売価格(税抜・月内の営業日における全価格) 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
3,300ドル台半ばでスタートした7月のドル建て金相場は、米国経済指標が概ね市場予想を上回る結果が出されたほか、米6月雇用統計が比較的堅調であったことから早期利下げ観測が後退しドル買いが進行した。雇用統計発表後に3,300ドル割れを窺う雰囲気となると、ドル安の流れは継続し金相場は9日に月間最安値となる3,280ドル台後半まで下落した。その後、米大統領は米国内に輸入される銅に関しても関税を賦課するとの報道を材料に銅相場が急騰すると、商品市場全般で買いが強まり金相場も急反発し3,300ドル台を回復した。また、米国による対EU・メキシコへの関税措置発表を受けてリスク回避の買いが相場を押し上げ3,370ドル台半ばまで上昇した。その後も米大統領がFRB議長に対しての解任を示唆する発言をし、これを受けてドル安が進むと投機的な買いも巻き込んで、23日には月間最高値となる3,430ドル台後半まで上昇した。しかし同日に日米貿易協議が合意したことを受け、交渉中の各国も合意に達するとの楽観的な見方が広がると、足元の不透明感の解消との印象から金相場は売られる展開となり、月初水準の3,300ドル近辺まで底値を切り下げた。月末にかけては懸念されていた銅への追加関税に関して、原材料は対象外としたことが相場に安心化を与え、銅相場が急落する動きが波及する形で3,290ドル近辺まで下落し越月した。
■円建て金相場
月間最安値となる15,369円でスタートした7月の円建て金相場は、米関税政策に対する警戒感から安全資産としての買いが入ったことで月下旬まで堅調な地合いを維持し、23日には月間最高値となる16,250円を付けた。その後は日米関税合意を皮切りに他国との関税交渉が進展するとの期待が広がったほか、米利下げ観測の後退などを背景に軟化し、15,864円で月を終えた。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
1,360ドル近辺でスタートした7月のドル建てプラチナ相場は月初から月中旬にかけては目立った材料のない中で1,350ドル近辺から1,400ドル近辺のレンジ相場が形成された。8日には米大統領が米国への銅の輸入に高関税を賦課するとの発言をしたことで銅相場が急騰。当初、プラチナ相場は反応の薄い展開となるも、あまりに急激な変動が意識されて、銅以外の貴金属への波及懸念が広がったことで現物確保の動きが台頭した。この動きから14日以降はレンジを一段切り上げる形となった。この買いの流れは米先物市場を中心に一方的に進行し、18日は月内最高値となる1,470ドル台後半まで続伸した。さすがにこの水準では急激な上昇に対して利食い売りが散見され始めたことや、流動性低下から上昇していたリースレートを受けてロンドン・スイスに地金が集まる動きも加速したことで、流動性がやや回復した。リースレートも小幅に落ち着きを見せると、プラチナ相場にも手じまい売りが強まる事となった。30日には懸念されていた銅への高輸入関税も原材料を対象外としたことが市場に安心感を与え、1,300ドル近辺まで急落し越月した。
■円建てプラチナ相場
7月の円建てプラチナ相場は、前月末からの軟調な流れを引き継ぎ、1日に月間最安値の6,357円を付けたものの、米関税政策をめぐる不透明感から投機筋の買いが活発化し、18日には月間最高値となる7,106円台まで上昇した。買い一巡後は売り優勢の展開となり、月末にかけてはドル建て相場の急落に伴って下げ足を速め、6,547円で月を終えた。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
36.10ドル台半ばでスタートした7月のドル建て銀相場は、月中旬にかけては37ドルの大台を意識した動きが見られたが、8日に米大統領が銅の輸入に高関税率を賦課する旨を発表すると、銅相場が急騰。この動きが徐々に貴金属等にも波及する流れとなると、14日には投機筋の損失確定の買いも巻き込んで急騰し、39ドル台へと値を上げた。この水準ではさらなる大台である40ドルを意識して投機家の売りが集まることとなり、やや値を下げる場面も見られたが、その後、米大統領が対EU・メキシコへの関税措置を発表したことや、FRB議長の解任報道によりドル安が進んだことで24日には再び39.50ドル近辺まで上昇した。しかし、月末にかけては日米貿易交渉が妥結したことを背景に諸外国の関税交渉も早期解決に向かうとの楽観的見方の広がりを受け軟調となると、30日には銅地金が米追加関税の対象外との報道から今月の上昇分をすべて打ち消す展開となり、月初と同レベルの最安値水準である36ドル台前半で越月した。
■円建て銀相場
170.00円でスタートした7月の円建て銀相場は、2日に月間最安値となる169.70円を付けた後、金相場に追随する形で上昇基調となり、23日には月間最高値となる188.30円まで上昇した。月末にかけては、ドル建て相場の急落を受けて値を下げ、181.60円で月を終えた。
■為替
143.90円近辺でスタートした7月の為替相場は、米6月ISM製造業景気指数等の各経済指標が市場予想を上回ったことに加え米6月雇用統計も底堅い内容が示されたことでドル買いが加速し、3日には145.00円を突破した。4日は米国市場が祝日休場に伴い市場参加者が限定される中で一時値を下げたものの、米国がBRICS同調国に対して関税措置実施を発表し、加えて米金利が上昇したことでドル買いへの追い風となり9日には147.00円まで続伸した。その後ややもみ合うものの15日には米6月CPIが市場予想を上回ったことで149.00円台まで上昇した。しかし、急激な円安に対しての調整局面や米大統領によるFRB議長の解任を示唆する報道を受けてドル安が先行し147.00円を割り込むまで下落。24日には日銀の利上げ姿勢の見方の強まりが円買いを促進し146.00円を割り込んだ。月末にかけては、米経済指標が市場予想を上回ったことによる米国経済の底堅さが意識されたほか、FRB議長がFOMC後の会見で利下げに否定的な発言が意識されたことで一時149円台半ばまで上昇して越月した。
略語注釈
EU:欧州連合
FRB:米連邦準備制度理事会
ISM:全米供給管理協会
BRICS:ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの五か国
CPI: 消費者物価指数
FOMC:米連邦公開市場委員会
金 プラチナ 銀 US$建:市価 円建:参考小売価格(税抜・月内の営業日における全価格) 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
3,300ドル台半ばでスタートした7月のドル建て金相場は、米国経済指標が概ね市場予想を上回る結果が出されたほか、米6月雇用統計が比較的堅調であったことから早期利下げ観測が後退しドル買いが進行した。雇用統計発表後に3,300ドル割れを窺う雰囲気となると、ドル安の流れは継続し金相場は9日に月間最安値となる3,280ドル台後半まで下落した。その後、米大統領は米国内に輸入される銅に関しても関税を賦課するとの報道を材料に銅相場が急騰すると、商品市場全般で買いが強まり金相場も急反発し3,300ドル台を回復した。また、米国による対EU・メキシコへの関税措置発表を受けてリスク回避の買いが相場を押し上げ3,370ドル台半ばまで上昇した。その後も米大統領がFRB議長に対しての解任を示唆する発言をし、これを受けてドル安が進むと投機的な買いも巻き込んで、23日には月間最高値となる3,430ドル台後半まで上昇した。しかし同日に日米貿易協議が合意したことを受け、交渉中の各国も合意に達するとの楽観的な見方が広がると、足元の不透明感の解消との印象から金相場は売られる展開となり、月初水準の3,300ドル近辺まで底値を切り下げた。月末にかけては懸念されていた銅への追加関税に関して、原材料は対象外としたことが相場に安心化を与え、銅相場が急落する動きが波及する形で3,290ドル近辺まで下落し越月した。
■円建て金相場
月間最安値となる15,369円でスタートした7月の円建て金相場は、米関税政策に対する警戒感から安全資産としての買いが入ったことで月下旬まで堅調な地合いを維持し、23日には月間最高値となる16,250円を付けた。その後は日米関税合意を皮切りに他国との関税交渉が進展するとの期待が広がったほか、米利下げ観測の後退などを背景に軟化し、15,864円で月を終えた。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
1,360ドル近辺でスタートした7月のドル建てプラチナ相場は月初から月中旬にかけては目立った材料のない中で1,350ドル近辺から1,400ドル近辺のレンジ相場が形成された。8日には米大統領が米国への銅の輸入に高関税を賦課するとの発言をしたことで銅相場が急騰。当初、プラチナ相場は反応の薄い展開となるも、あまりに急激な変動が意識されて、銅以外の貴金属への波及懸念が広がったことで現物確保の動きが台頭した。この動きから14日以降はレンジを一段切り上げる形となった。この買いの流れは米先物市場を中心に一方的に進行し、18日は月内最高値となる1,470ドル台後半まで続伸した。さすがにこの水準では急激な上昇に対して利食い売りが散見され始めたことや、流動性低下から上昇していたリースレートを受けてロンドン・スイスに地金が集まる動きも加速したことで、流動性がやや回復した。リースレートも小幅に落ち着きを見せると、プラチナ相場にも手じまい売りが強まる事となった。30日には懸念されていた銅への高輸入関税も原材料を対象外としたことが市場に安心感を与え、1,300ドル近辺まで急落し越月した。
■円建てプラチナ相場
7月の円建てプラチナ相場は、前月末からの軟調な流れを引き継ぎ、1日に月間最安値の6,357円を付けたものの、米関税政策をめぐる不透明感から投機筋の買いが活発化し、18日には月間最高値となる7,106円台まで上昇した。買い一巡後は売り優勢の展開となり、月末にかけてはドル建て相場の急落に伴って下げ足を速め、6,547円で月を終えた。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
36.10ドル台半ばでスタートした7月のドル建て銀相場は、月中旬にかけては37ドルの大台を意識した動きが見られたが、8日に米大統領が銅の輸入に高関税率を賦課する旨を発表すると、銅相場が急騰。この動きが徐々に貴金属等にも波及する流れとなると、14日には投機筋の損失確定の買いも巻き込んで急騰し、39ドル台へと値を上げた。この水準ではさらなる大台である40ドルを意識して投機家の売りが集まることとなり、やや値を下げる場面も見られたが、その後、米大統領が対EU・メキシコへの関税措置を発表したことや、FRB議長の解任報道によりドル安が進んだことで24日には再び39.50ドル近辺まで上昇した。しかし、月末にかけては日米貿易交渉が妥結したことを背景に諸外国の関税交渉も早期解決に向かうとの楽観的見方の広がりを受け軟調となると、30日には銅地金が米追加関税の対象外との報道から今月の上昇分をすべて打ち消す展開となり、月初と同レベルの最安値水準である36ドル台前半で越月した。
■円建て銀相場
170.00円でスタートした7月の円建て銀相場は、2日に月間最安値となる169.70円を付けた後、金相場に追随する形で上昇基調となり、23日には月間最高値となる188.30円まで上昇した。月末にかけては、ドル建て相場の急落を受けて値を下げ、181.60円で月を終えた。
■為替
143.90円近辺でスタートした7月の為替相場は、米6月ISM製造業景気指数等の各経済指標が市場予想を上回ったことに加え米6月雇用統計も底堅い内容が示されたことでドル買いが加速し、3日には145.00円を突破した。4日は米国市場が祝日休場に伴い市場参加者が限定される中で一時値を下げたものの、米国がBRICS同調国に対して関税措置実施を発表し、加えて米金利が上昇したことでドル買いへの追い風となり9日には147.00円まで続伸した。その後ややもみ合うものの15日には米6月CPIが市場予想を上回ったことで149.00円台まで上昇した。しかし、急激な円安に対しての調整局面や米大統領によるFRB議長の解任を示唆する報道を受けてドル安が先行し147.00円を割り込むまで下落。24日には日銀の利上げ姿勢の見方の強まりが円買いを促進し146.00円を割り込んだ。月末にかけては、米経済指標が市場予想を上回ったことによる米国経済の底堅さが意識されたほか、FRB議長がFOMC後の会見で利下げに否定的な発言が意識されたことで一時149円台半ばまで上昇して越月した。
略語注釈
EU:欧州連合
FRB:米連邦準備制度理事会
ISM:全米供給管理協会
BRICS:ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの五か国
CPI: 消費者物価指数
FOMC:米連邦公開市場委員会