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マーケット市況情報
2025年07月07日 18時00分
2025年6月の貴金属市況2025年07月07日 18時00分
価格ベース
金 プラチナ 銀 US$建:市価 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
3,310ドル近辺でスタートした6月のドル建て金相場は、2日に米大統領が中国に対し不満を表明し、報復合戦の再開懸念が台頭したことでドル安が進み3,350ドル近辺まで上昇した。更に同日の米国時間で発表された経済指標が軒並み市場予想を下回ると、金相場は一時3,400ドル目前まで続伸する動きを見せた。この水準は長続きせず3,350ドル近辺へと下落。6日の米雇用統計の前後で一時3,400ドル近辺へ急騰するも、発表された米雇用統計が市場の予想に反して好調となり、米国経済への下振れリスクが後退しドル買いが進むと金相場は一時3,300ドルを割り込むまで反落する展開となった。安値圏を好感する動きからサポートされたが、12日に中東情勢の緊張感が高まった内容の報道が流れると金相場は大きく値を上げる展開となり、翌13日にはイランへの空爆の実施と、イラン側も報復行動を表明したことで対立激化を意識した買いが相場を押し上げる展開となり、月間最高値となる3,450ドルまで値を上げることとなった。この水準は長続きせずに、中東情勢へのリスク回避の動きや、6月17日、18日に行われたFOMCで市場予想通りの金利据え置きながら会見で不確実性がやや低下したとの認識が示されたことで、高金利環境の継続が意識されドル高が進むと、金相場は利益確定の売りも巻き込んで3,350ドル近辺へと値を下げていく展開となった。23日には週末に米国がイランへの軍事攻撃を背景に緊張感が高まると、イラン側もカタール内の米軍事施設を報復、激化懸念が高まり3,400ドル目前へ再急騰した。しかし一転して収束に向けての交渉が再開されたことで24日には3,300ドル近辺まで急落した。月末にかけては中東情勢の鎮静化に向かう動きや27日に発表された米経済指標が市場予想を上回ったことで3,250ドル近辺まで値を下げた。一方でドル安も進んでいたことから安値拾いの買いが相場を押し上げ、月初の水準3,310ドル近辺を回復して越月した。
■円建て金相場
15,351円でスタートした6月の円建て金相場は、イスラエル・イランの軍事衝突による中東情勢の緊迫化を背景に安全資産としての買いが入り、16日には月間最高値となる16,071円を付けた。両国の停戦合意後はリスク回避の動きが後退したことで売り優勢の展開となり、月末にかけて下げ足を速め、月間最安値となる15,262円で月を終えた。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
6月のドル建てプラチナ相場は、月を通して右肩上がりの展開となった。1,060ドル近辺でスタートすると、6日には直近の価格レンジの上限の節目となっていた1,100ドルを突破。中華圏からの旺盛な需要に加えて、レンジを抜けたことで金相場と比した出遅れ感を意識した投機筋の買いが相場を押し上げ1,200ドルを超える水準まで上昇した。低い市場流動性から値動きの荒い市場環境が形成されると、中旬にかけては1,300ドル近辺まで上昇する展開となった。月末にかけてもドル安が意識される中で投機筋に選好される環境は続き、27日には月間最高値となる1,450ドル近辺まで上昇。その後は月末や半期末を控えたポジション調整の売りが見られたことからやや値を崩し1,370ドル近辺で越月した。
■円建てプラチナ相場
4,958円でスタートした6月の円建てプラチナ相場は、利益確定の売りが先行し3日には月間最安値の4,955円を付けたものの、その後は投機筋の買いが活発化したことでドル建て価格が急騰、13日に6,000円台を付けた。月半ばは上値を抑えられる場面も見られたが、下旬は再び騰勢を強め、27日には月間最高値となる6,682円まで上げ幅を拡大した。月末はこれまでの急激な上昇に対する反動で軟化し、6,361円で月を終えた。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
33.00ドル近辺でスタートした6月の銀相場は、米中貿易交渉の難航などから騰勢を強める金相場にけん引される形で、3月の上値であった34.50ドルを試す展開となると、5日にこの上値を抜けると買いが買いを呼ぶ展開となり36.00ドル台半ばまで上昇した。その後は目立った手掛かりもなく、方向感に乏しい展開が見られたが、18日のFOMCの結果発表前には投機的な買いから月間最高値となる37.20ドル近辺へと上昇した。ただ、FOMC後の会見で高金利環境の継続が示唆されると、緩やかに値を下げていく展開となり36.00ドル近辺へと下落。月末にかけて36.00ドルを挟んでのレンジ相場で推移し36.05ドル近辺で越月した。
■円建て銀相場
月間最安値の156.30円でスタートした6月の円建て銀相場は、金に対する割安感から投機筋の買いが入り、18日には月間最高値となる176.40円を付けた。その後は手掛かり材料に乏しく、170円台前半で小幅な値動きとなり、月末は為替が円高方向に振れたことで値を下げ、169.80円で月を終えた。
■為替
143.90円近辺でスタートした6月の為替相場は、米中間での貿易交渉が難航していることを材料に円が買い進まれ、米経済指標も軒並み市場予想を下回ったことが嫌気されてドルは142.40円近辺まで下落した。6日発表の米雇用統計では予想に反して高水準だった為に145.00円を回復すると、11日には米中閣僚級協議において一定の進捗が示されたことが材料視され145.50円近辺まで続伸した。しかし、米消費者物価指数が市場予想を下回ったことに加え、イスラエルのイランに対する軍事的攻撃によりドルは142.90円近辺まで下落した。18日に行われたFOMCでは市場の予想通り、金利が維持されたものの、会合後の会見では米大統領による関税政策が将来的に影響を及ぼすと示したほか、利下げに対しても消極的姿勢が示されたことがドル高を強め145.00円に乗せる展開となった。23日には週末に米国がイランに対して軍事的攻撃を実施、イラン側も報復を示唆したことで全面戦争への警戒感が高まり一時148.00円近辺まで急騰した。しかし、イラン側の報復が限定的だったことに加え、休戦合意に対しても前向きな姿勢が示されたことが材料視され144.70円近辺まで巻き戻された。月末にかけても米新規失業保険申請件数が2021年以来の高水準となったほか、米大統領の次期FRB議長早期指名検討報道、米国経済の先行き懸念の台頭、ドル安の圧力など、月末まで軟調に推移し144.10円近辺まで下落し越月した。
略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
FRB:米連邦準備制度理事会
金 プラチナ 銀 US$建:市価 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
3,310ドル近辺でスタートした6月のドル建て金相場は、2日に米大統領が中国に対し不満を表明し、報復合戦の再開懸念が台頭したことでドル安が進み3,350ドル近辺まで上昇した。更に同日の米国時間で発表された経済指標が軒並み市場予想を下回ると、金相場は一時3,400ドル目前まで続伸する動きを見せた。この水準は長続きせず3,350ドル近辺へと下落。6日の米雇用統計の前後で一時3,400ドル近辺へ急騰するも、発表された米雇用統計が市場の予想に反して好調となり、米国経済への下振れリスクが後退しドル買いが進むと金相場は一時3,300ドルを割り込むまで反落する展開となった。安値圏を好感する動きからサポートされたが、12日に中東情勢の緊張感が高まった内容の報道が流れると金相場は大きく値を上げる展開となり、翌13日にはイランへの空爆の実施と、イラン側も報復行動を表明したことで対立激化を意識した買いが相場を押し上げる展開となり、月間最高値となる3,450ドルまで値を上げることとなった。この水準は長続きせずに、中東情勢へのリスク回避の動きや、6月17日、18日に行われたFOMCで市場予想通りの金利据え置きながら会見で不確実性がやや低下したとの認識が示されたことで、高金利環境の継続が意識されドル高が進むと、金相場は利益確定の売りも巻き込んで3,350ドル近辺へと値を下げていく展開となった。23日には週末に米国がイランへの軍事攻撃を背景に緊張感が高まると、イラン側もカタール内の米軍事施設を報復、激化懸念が高まり3,400ドル目前へ再急騰した。しかし一転して収束に向けての交渉が再開されたことで24日には3,300ドル近辺まで急落した。月末にかけては中東情勢の鎮静化に向かう動きや27日に発表された米経済指標が市場予想を上回ったことで3,250ドル近辺まで値を下げた。一方でドル安も進んでいたことから安値拾いの買いが相場を押し上げ、月初の水準3,310ドル近辺を回復して越月した。
■円建て金相場
15,351円でスタートした6月の円建て金相場は、イスラエル・イランの軍事衝突による中東情勢の緊迫化を背景に安全資産としての買いが入り、16日には月間最高値となる16,071円を付けた。両国の停戦合意後はリスク回避の動きが後退したことで売り優勢の展開となり、月末にかけて下げ足を速め、月間最安値となる15,262円で月を終えた。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
6月のドル建てプラチナ相場は、月を通して右肩上がりの展開となった。1,060ドル近辺でスタートすると、6日には直近の価格レンジの上限の節目となっていた1,100ドルを突破。中華圏からの旺盛な需要に加えて、レンジを抜けたことで金相場と比した出遅れ感を意識した投機筋の買いが相場を押し上げ1,200ドルを超える水準まで上昇した。低い市場流動性から値動きの荒い市場環境が形成されると、中旬にかけては1,300ドル近辺まで上昇する展開となった。月末にかけてもドル安が意識される中で投機筋に選好される環境は続き、27日には月間最高値となる1,450ドル近辺まで上昇。その後は月末や半期末を控えたポジション調整の売りが見られたことからやや値を崩し1,370ドル近辺で越月した。
■円建てプラチナ相場
4,958円でスタートした6月の円建てプラチナ相場は、利益確定の売りが先行し3日には月間最安値の4,955円を付けたものの、その後は投機筋の買いが活発化したことでドル建て価格が急騰、13日に6,000円台を付けた。月半ばは上値を抑えられる場面も見られたが、下旬は再び騰勢を強め、27日には月間最高値となる6,682円まで上げ幅を拡大した。月末はこれまでの急激な上昇に対する反動で軟化し、6,361円で月を終えた。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
33.00ドル近辺でスタートした6月の銀相場は、米中貿易交渉の難航などから騰勢を強める金相場にけん引される形で、3月の上値であった34.50ドルを試す展開となると、5日にこの上値を抜けると買いが買いを呼ぶ展開となり36.00ドル台半ばまで上昇した。その後は目立った手掛かりもなく、方向感に乏しい展開が見られたが、18日のFOMCの結果発表前には投機的な買いから月間最高値となる37.20ドル近辺へと上昇した。ただ、FOMC後の会見で高金利環境の継続が示唆されると、緩やかに値を下げていく展開となり36.00ドル近辺へと下落。月末にかけて36.00ドルを挟んでのレンジ相場で推移し36.05ドル近辺で越月した。
■円建て銀相場
月間最安値の156.30円でスタートした6月の円建て銀相場は、金に対する割安感から投機筋の買いが入り、18日には月間最高値となる176.40円を付けた。その後は手掛かり材料に乏しく、170円台前半で小幅な値動きとなり、月末は為替が円高方向に振れたことで値を下げ、169.80円で月を終えた。
■為替
143.90円近辺でスタートした6月の為替相場は、米中間での貿易交渉が難航していることを材料に円が買い進まれ、米経済指標も軒並み市場予想を下回ったことが嫌気されてドルは142.40円近辺まで下落した。6日発表の米雇用統計では予想に反して高水準だった為に145.00円を回復すると、11日には米中閣僚級協議において一定の進捗が示されたことが材料視され145.50円近辺まで続伸した。しかし、米消費者物価指数が市場予想を下回ったことに加え、イスラエルのイランに対する軍事的攻撃によりドルは142.90円近辺まで下落した。18日に行われたFOMCでは市場の予想通り、金利が維持されたものの、会合後の会見では米大統領による関税政策が将来的に影響を及ぼすと示したほか、利下げに対しても消極的姿勢が示されたことがドル高を強め145.00円に乗せる展開となった。23日には週末に米国がイランに対して軍事的攻撃を実施、イラン側も報復を示唆したことで全面戦争への警戒感が高まり一時148.00円近辺まで急騰した。しかし、イラン側の報復が限定的だったことに加え、休戦合意に対しても前向きな姿勢が示されたことが材料視され144.70円近辺まで巻き戻された。月末にかけても米新規失業保険申請件数が2021年以来の高水準となったほか、米大統領の次期FRB議長早期指名検討報道、米国経済の先行き懸念の台頭、ドル安の圧力など、月末まで軟調に推移し144.10円近辺まで下落し越月した。
略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
FRB:米連邦準備制度理事会