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マーケット市況情報
2025年04月08日 11時00分
2025年3月の貴金属市況2025年04月08日 11時00分
価格ベース
金 プラチナ 銀 US$建:市価 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
月間最安値の水準となる2,870ドル近辺でスタートした3月のドル建て金相場は、米国・ウクライナ間の首脳会談が不調に終わったことや、カナダ・メキシコへの関税発動、中国への追加関税の話題などを受けて2,900ドル台へと値を戻す展開となった。そのような中、7日に発表された米雇用統計は非農業部門雇用者数・失業率ともに市場予想を下回る結果となったが、大きくは材料視されることはなかった。11日には米大統領の景気減速に対して肯定的な報道が流れると米株式が大きく値を下げ、これに伴う換金売りが金相場にも波及する場面が見られたが、関税政策を背景とした景気減速の中での物価上昇、いわゆるスタグフレーションが懸念される状況で、2,900ドルを割れた水準で買いが入る展開が続き、中旬にかけて下値の堅い値動きとなった。12日には米2月消費者物価指数が前月から鈍化し、13日には米2月生産者物価指数が発表されたが前月を下回り物価上昇の鈍化が見えたことで、米関税政策後のFRBによる利下げの連想が膨らんだことなどから、14日には一時3,000ドルに乗せる場面が見られた。17日にはイスラエルがガザ地区でイスラム組織ハマスに対する大規模軍事作戦を実施し、1月の停戦発効以降最も激しい攻撃を行うなどの報道から地政学的リスクの話題も上昇材料として上乗せされるような様相となると、月後半にかけて金相場は3,000ドルを抜ける展開となった。とはいえ、目新しい材料に欠ける中で26日まではもみ合いの相場が形成されたが、再び米大統領が海外産の自動車に25%の関税をかけると発表するなど、関税がらみの緊張が月末にかけて大きく高まるにつれて、金相場は大きく値を上げる展開を見せ、月末に月間最高値となる3,120ドル近辺を付けての越月となった。
■円建て金相場
13,944円でスタートした3月の円建て金相場は、米株価の急落を受けて損失補填の売りが広がり、11日には月間最安値となる13,683円を付けた。その後は米関税政策をめぐる不透明感から安全資産としての買いが活発化する中、上昇基調を維持し28日には月間最高値となる14,908円を付けた。月末はドル建て相場が3,100ドル超の水準まで上昇したものの、為替が円高方向に振れたことで上値を抑えられ、14,848円で月を終えた。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
月間最安値水準となる950ドル台半ばでスタートした3月のドル建てプラチナ相場は、4日のカナダやメキシコへの追加関税実施に伴うインフレを警戒する動きから騰勢を強める金相場に追随する形で上昇する展開となった。ただ、近年継続している節目としての1,000ドルの上値が近づくにつれて買い控えられる一方で、短期的な利益確定の売りも散見され960~1,000ドルという非常に狭いレンジを形成した。中旬に発表された米物価関連指標が軒並み市場予想を下回ると、将来の利下げに対する意識が強まったことで、17日、18日に月間最高値となる1,000ドルを超えた水準へと上昇する場面も見られたものの、月後半にかけては再び米大統領の関税をめぐる発言が意識され、980ドル近辺へと下押しされていくこととなった。26日に米大統領が海外産の自動車に25%の関税をかけるとの発言が伝わると、金相場の騰勢に追随して上昇する動きを見せたが、中心である自動車需要の減退も意識されることとなり、これまで通り1,000ドルで頭打ちとなり、月を終えた。
■円建てプラチナ相場
4,679円でスタートした3月の円建てプラチナ相場は、米関税政策による景気減速懸念などを背景とした売りに押され、11日には月間最安値となる4,606円まで下落した。売り一巡後は金相場の上昇を眺めて反発し、18日には月間最高値となる4,878円を付けた。その後は利益確定の売りに押され上値が重くなり、4,793円で月を終えた。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
31.00ドル台半ばでスタートした3月の銀相場は、金相場の上昇にけん引される形で、32ドル台半ばまで上昇した。11日に米大統領が景気減速を容認する発言をし、米株価の大幅な下落が見られた場面では金相場同様に換金売りが散見される場面もあったが、その動きも長くは続かず、月を通して騰勢を強める金相場や、銅などの非鉄相場も関税政策の適用範囲が懸念される中で金相場同様に強含む展開となったことから、月の中旬には34ドル近辺まで値を上げた。ただ、米大統領が4月2日に導入予定の相互関税について「柔軟性がある」と含みを持たせる発言をしてドルが買い戻される動きの中で下押しされる場面も見られたが、同氏の発言への不信感も根強く、月末にかけては金相場が騰勢を強める中で銀相場も後追いする形で上昇し、28日には月間最高値となる34ドル台半ばまで値を上げ越月した。
■円建て銀相場
月間最安値となる154.70円でスタートした3月の円建て銀相場は、方向感が定まらず売り買いが交錯した後、金相場の上昇に追随して上値を伸ばし、28日には月間最高値となる170.60円を付けた。月末は利益確定の売りが優勢となり、167.60円で月を終えた。
■為替
JPY
150.58円でスタートした3月の為替相場は、米大統領がカナダやメキシコに対しての関税賦課実施したことが材料視されたことや、同氏が本邦に対して円安姿勢を非難したことで149.00円を割り込むまでドルが下落した。加えて本邦の春闘の賃上げ報道などもインフレと将来の利上げを連想させたことから、円高地合いが継続することとなった。その後も米政権による関税政策の報道に左右される展開は続いたが、同氏の景気減速容認の発言などから株式市場が急落すると、リスク回避の円買いなども巻き込んで月間最安値となる146.68円を付けた。ただ、中旬に発表された米CPIやPPIといった物価指標が軒並みインフレの鈍化を示したことで、関税政策の影響から鈍化が懸念される米経済に対して利下げの選択肢が意識され、ドル安円高の地合いは緩やかに解消されていくこととなった。月後半にかけては、米大統領の相互関税に対して規模縮小と取れるような発言なども聞かれたことから、リスク回避の姿勢が緩み150円台へと再び値を戻すこととなった。28日には月間最高値となる151.20円を付けたが、月末には相互関税の発表を4月2日に控えてポジション調整の動きも見られ、149.53円まで円高が進み月を終えた。
略語注釈
FRB:米連邦準備制度理事会
CPI:消費者物価指数
PPI:生産者物価指数
金 プラチナ 銀 US$建:市価 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
月間最安値の水準となる2,870ドル近辺でスタートした3月のドル建て金相場は、米国・ウクライナ間の首脳会談が不調に終わったことや、カナダ・メキシコへの関税発動、中国への追加関税の話題などを受けて2,900ドル台へと値を戻す展開となった。そのような中、7日に発表された米雇用統計は非農業部門雇用者数・失業率ともに市場予想を下回る結果となったが、大きくは材料視されることはなかった。11日には米大統領の景気減速に対して肯定的な報道が流れると米株式が大きく値を下げ、これに伴う換金売りが金相場にも波及する場面が見られたが、関税政策を背景とした景気減速の中での物価上昇、いわゆるスタグフレーションが懸念される状況で、2,900ドルを割れた水準で買いが入る展開が続き、中旬にかけて下値の堅い値動きとなった。12日には米2月消費者物価指数が前月から鈍化し、13日には米2月生産者物価指数が発表されたが前月を下回り物価上昇の鈍化が見えたことで、米関税政策後のFRBによる利下げの連想が膨らんだことなどから、14日には一時3,000ドルに乗せる場面が見られた。17日にはイスラエルがガザ地区でイスラム組織ハマスに対する大規模軍事作戦を実施し、1月の停戦発効以降最も激しい攻撃を行うなどの報道から地政学的リスクの話題も上昇材料として上乗せされるような様相となると、月後半にかけて金相場は3,000ドルを抜ける展開となった。とはいえ、目新しい材料に欠ける中で26日まではもみ合いの相場が形成されたが、再び米大統領が海外産の自動車に25%の関税をかけると発表するなど、関税がらみの緊張が月末にかけて大きく高まるにつれて、金相場は大きく値を上げる展開を見せ、月末に月間最高値となる3,120ドル近辺を付けての越月となった。
■円建て金相場
13,944円でスタートした3月の円建て金相場は、米株価の急落を受けて損失補填の売りが広がり、11日には月間最安値となる13,683円を付けた。その後は米関税政策をめぐる不透明感から安全資産としての買いが活発化する中、上昇基調を維持し28日には月間最高値となる14,908円を付けた。月末はドル建て相場が3,100ドル超の水準まで上昇したものの、為替が円高方向に振れたことで上値を抑えられ、14,848円で月を終えた。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
月間最安値水準となる950ドル台半ばでスタートした3月のドル建てプラチナ相場は、4日のカナダやメキシコへの追加関税実施に伴うインフレを警戒する動きから騰勢を強める金相場に追随する形で上昇する展開となった。ただ、近年継続している節目としての1,000ドルの上値が近づくにつれて買い控えられる一方で、短期的な利益確定の売りも散見され960~1,000ドルという非常に狭いレンジを形成した。中旬に発表された米物価関連指標が軒並み市場予想を下回ると、将来の利下げに対する意識が強まったことで、17日、18日に月間最高値となる1,000ドルを超えた水準へと上昇する場面も見られたものの、月後半にかけては再び米大統領の関税をめぐる発言が意識され、980ドル近辺へと下押しされていくこととなった。26日に米大統領が海外産の自動車に25%の関税をかけるとの発言が伝わると、金相場の騰勢に追随して上昇する動きを見せたが、中心である自動車需要の減退も意識されることとなり、これまで通り1,000ドルで頭打ちとなり、月を終えた。
■円建てプラチナ相場
4,679円でスタートした3月の円建てプラチナ相場は、米関税政策による景気減速懸念などを背景とした売りに押され、11日には月間最安値となる4,606円まで下落した。売り一巡後は金相場の上昇を眺めて反発し、18日には月間最高値となる4,878円を付けた。その後は利益確定の売りに押され上値が重くなり、4,793円で月を終えた。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
31.00ドル台半ばでスタートした3月の銀相場は、金相場の上昇にけん引される形で、32ドル台半ばまで上昇した。11日に米大統領が景気減速を容認する発言をし、米株価の大幅な下落が見られた場面では金相場同様に換金売りが散見される場面もあったが、その動きも長くは続かず、月を通して騰勢を強める金相場や、銅などの非鉄相場も関税政策の適用範囲が懸念される中で金相場同様に強含む展開となったことから、月の中旬には34ドル近辺まで値を上げた。ただ、米大統領が4月2日に導入予定の相互関税について「柔軟性がある」と含みを持たせる発言をしてドルが買い戻される動きの中で下押しされる場面も見られたが、同氏の発言への不信感も根強く、月末にかけては金相場が騰勢を強める中で銀相場も後追いする形で上昇し、28日には月間最高値となる34ドル台半ばまで値を上げ越月した。
■円建て銀相場
月間最安値となる154.70円でスタートした3月の円建て銀相場は、方向感が定まらず売り買いが交錯した後、金相場の上昇に追随して上値を伸ばし、28日には月間最高値となる170.60円を付けた。月末は利益確定の売りが優勢となり、167.60円で月を終えた。
■為替
JPY
150.58円でスタートした3月の為替相場は、米大統領がカナダやメキシコに対しての関税賦課実施したことが材料視されたことや、同氏が本邦に対して円安姿勢を非難したことで149.00円を割り込むまでドルが下落した。加えて本邦の春闘の賃上げ報道などもインフレと将来の利上げを連想させたことから、円高地合いが継続することとなった。その後も米政権による関税政策の報道に左右される展開は続いたが、同氏の景気減速容認の発言などから株式市場が急落すると、リスク回避の円買いなども巻き込んで月間最安値となる146.68円を付けた。ただ、中旬に発表された米CPIやPPIといった物価指標が軒並みインフレの鈍化を示したことで、関税政策の影響から鈍化が懸念される米経済に対して利下げの選択肢が意識され、ドル安円高の地合いは緩やかに解消されていくこととなった。月後半にかけては、米大統領の相互関税に対して規模縮小と取れるような発言なども聞かれたことから、リスク回避の姿勢が緩み150円台へと再び値を戻すこととなった。28日には月間最高値となる151.20円を付けたが、月末には相互関税の発表を4月2日に控えてポジション調整の動きも見られ、149.53円まで円高が進み月を終えた。
略語注釈
FRB:米連邦準備制度理事会
CPI:消費者物価指数
PPI:生産者物価指数