マーケット市況情報

2025年01月14日 09時00分

2024年12月の貴金属市況2025年01月14日 09時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:市価 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
2,630ドル半ばでスタートした12月のドル建て金相場は、3日に韓国大統領が突如非常戒厳宣布を発令し、韓国を中心とした周辺国の緊張感が高まり小幅に上昇したが、即座に無効にされ一過性で終わると、2,650ドル近辺で上値が抑えられたのちに反落へと転じ一時2,620ドル近辺まで下落した。6日の米雇用統計は強弱感の入り混じる結果となり、方向感を付ける内容とはならなかったが、中国政府によるおよそ7カ月ぶりの金購入再開の報道などから、上昇基調を形成し始めることとなった。中東情勢の警戒感の高まりも相場を押し上げる材料となり11日には2,730ドル近辺まで上昇した。12日にECBが追加利下げを実施し、声明で今後も追加利下げを示唆するとドルが強含み、加えて米国で発表された11月の米生産者物価指数が市場予想に反し上昇したことでドル高が一層強まると、金相場は下落に転じ、16日には2,650ドル近辺まで下落した。18日にはFOMCが実施され市場の予想通りの0.25%の利下げが実施されるも、今後の利下げに関しては慎重姿勢が示されたことで、金相場は一段安となり一時2,580ドル近辺まで下落した。このレベルでは安値拾いから2,600ドルを回復したが、欧米がクリスマス休暇へと入り始めたことで市場参加者も減少し、その後は2,620ドル近辺を推移した。クリスマス休暇明けも値動きは方向感に欠け2,620ドル近辺で越月した。

■円建て金相場
12,825円でスタートした12月の円建て金相場は、ドル高を嫌気した売りに押され9日に月間最安値となる12,757円を付けたが、売り一巡後は中国の景気刺激策や同国中銀による金購入再開の報道を好感した買いが入り、13,300円台まで上昇した。月後半は米利下げペース鈍化の思惑から一時軟化するも押し目買いにより反発し、円安基調もあいまって27日に月間最高値となる13,406円を付け、13,373円で月を終えた。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
940ドル近辺でスタートした12月のドル建てプラチナ相場は、月初は前月末からの上昇基調を引き継ぐ形で月間最高値となる960ドル近辺まで上昇したが、その後は買いが続かずに上値が重くなり月初の水準へと値を戻した。加えてFRB議長が会見で米国経済について良好な状態にある旨を示すと、米国株の上昇に伴いドル高が進行し、米長期債利回りが上昇したことも材料視され、目立った材料が乏しいプラチナ相場は上値が重くなっていく展開となった。900ドルの節目が近づくと、値ごろ感からの買いもみられることから下値も限られたものの、中旬、月末にかけても上値の重い展開が続くこととなった。月後半にかけてはクリスマス休暇で市場参加者が少なくなる中でも、積極的な値動きにかける状況は続き、クリスマス明けには年末を前に目先のポジションを調整する動きが強まる展開となり、それまでのサポートラインとなっていた920ドルを割り込むと、月間最安値水準となる910ドル近辺で越月した。

■円建てプラチナ相場
4,653円でスタートした12月の円建てプラチナ相場は、ドル高を受けて軟調に推移し9日には月間最安値となる4,577円を付けた。月半ばにかけては金相場の上昇に追随する場面も見られたが、方向感が定まらずレンジ相場を形成した。その後は円安が進んだことで25日に月間最高値となる4,860円まで値を伸ばしたものの、月末はポジション調整の売りにより上値を抑えられ4,778円で月を終えた。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
30.50ドル近辺でスタートした12月の銀相場は、6日の雇用統計の発表以降に金相場が上昇基調を強めたことで、銀相場もその動きを追いかける形で32ドル台へと上昇した。しかし、12日にECBが追加利下げを実施したことや米PPIの市場予想を上回る結果を受けてドル高が進行し、金相場が下落へと転じると銀相場も月初の水準となる30.50ドル近辺へと下落した。その後、18日に米国で行われたFOMCでは予想通りの利下げが実施されたものの、将来的な利下げに関しては慎重姿勢を示した為にドル高となり、銀相場は下落基調を強め、19日には月間最安値の水準となる28ドル台後半まで続落した。しかし、急落に対しての買戻しもこの水準では見られて、29.50ドル近辺まで値を戻すと、金相場と同様にクリスマス休暇前の薄商いにより目立った動きがなくなっていくこととなった。年末には再び月間最安値の水準まで値を崩し29.00ドルの節目を意識した水準で越月した。

■円建て銀相場
150.60円でスタートした12月の円建て銀相場は、売りに押されながらも底堅く推移し、12日には月間最高値となる159.80円まで上昇した。月後半は米利下げペース鈍化の見通しを受けて値を下げ、19日には月間最安値となる150.20円を付けた。その後はクリスマス休暇を控えて薄商いとなる中、ドル建て相場は動意に乏しい展開となったが、為替が円安方向に振れたことで値を戻し152.90円で月を終えた。


■為替
150.22円でスタートした12月の為替相場は、3日に発生した韓国での非常戒厳宣布を受けたリスク回避の円買いから148.60円近辺まで円高が進むも、パウエルFRB議長のタカ派発言から150円台へと値を戻した。9日には中国政府が景気支援を発表したことを背景とした中国経済の回復期待感からリスク選好の円売りが加速した。その後も米国の物価指標が高止まりする中でドル円の広い金利差が継続するとの見方から、152円台での値動きが続くこととなり、16日には154.00円台に乗せるまでドルが上昇した。その後、18日のFOMCで市場予想通りの0.25%利下げが実施され、会見で議長が今後の利下げに対しては慎重姿勢を示したことから、ドルは155円台目前まで上昇した。19日には日銀金融政策決定会合で金利据え置きが決定され、今後の利上げに慎重な報道が流れると、157.80円近辺までドルが上昇した。このレベルでは円安をけん制する政府筋の発言も見られたが、クリスマスで市場参加者が減少した中で投機家のポジションに左右され値動きの大きい展開となり、クリスマス休暇後は総じて円安基調が継続し、158.17円での越月となった。


略語注釈
ECB:欧州中央銀行
FOMC:米連邦公開市場委員会
FRB:米連邦準備制度理事会
PPI: 生産者物価指数
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