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マーケット市況情報
2024年12月06日 18時00分
2024年11月の貴金属市況2024年12月06日 18時00分
価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:市価 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
11月のドル建て金相場は1日に発表された米雇用統計が市場予想を大幅に下回る内容であったことから、月間最高値水準である2,750ドル近辺に上昇するも、その後は米大統領選を控えポジション調整が優勢となりやや軟調な地合いとなった。5日には米大統領選挙が実施されると、トランプ氏が圧勝したことでドル高が一層進行し、金相場は下げ足を強め2,600ドル台半ばまで下落した。7日に開かれたFOMCでは当初の予想通り利下げが決定され、これに伴いドルが一時弱含む場面も見られたことから2,700ドル台に戻そうという動きも見られた。しかし、大台回復に至らなかった失望感や、トランプ次期大統領の掲げる政策に対しての期待感と警戒感からドル高が一層進行したことを受けて金相場は軟調に転じることとなった。13日の米10月CPIも物価の高止まりを示す内容となったことから、金利の先安観も後退し、金相場は月間最安値水準となる2,550ドル近辺まで下落した。この水準では値ごろ感からの買戻しなども見られたことで、サポートされたが、戻りは弱く2,600ドル近辺で頭を押さえられる値動きが続いた。その後、米国現政権によるウクライナへの武器供与支援強化が報じられると、それに対抗するかのようにロシア側も中距離弾道ミサイルの使用や核使用条件を緩和するなど、ウクライナとロシアの戦局が激化するにつれて、不透明感から金にも資金が流入する展開となり2,600ドルを回復し、再び2,700ドル目前に迫る水準まで上昇した。中東情勢の緊張は引き続き高いものの、イスラエルとヒズボラの間で停戦協定が結ばれるなどやや緩和に向かった報道が月後半に流れたことで金相場は再び軟化することとなり、2,600ドル半ばで越月した。
■円建て金相場
13,485円でスタートした11月の円建て金相場は、米大統領選がトランプ氏勝利で早期に決着し6日に月間最高値を付けると、ドル高・株高が進む中、投資妙味の低下により下落基調が続き18日には月間最安値となる12,801円を付けた。中旬以降はウクライナ情勢が緊迫化したことで安全資産としての買いが入り、25日には13,508円まで反発したが、月末にかけては利益確定の売りに押され12,859円で月を終えた。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
1,000ドル近辺でスタートした11月のプラチナ相場は、5日に行われた米大統領選挙においてトランプ氏が圧勝したことを受けて、米国経済の立て直し期待感から米株式市場が高騰したものの、選挙公約として掲げられていた対中国への強硬姿勢を警戒した中国経済の後退加速懸念に伴う実需の低下が意識されたことで下値を探る展開となり、11日には971ドル近辺まで下落した。その後も国内外自動車メーカーの業績不振報道などから需要後退への懸念の広がりが売りを膨らませ続落すると、月央にかけても、実需の伸び悩みが懸念される中でドル高が相場を押し下げる展開となり14日には943ドル近辺まで下落した。この水準では安値拾いの買いが散見され950ドルを回復すると、ウクライナとロシアの戦争激化が意識され971ドル近辺まで上昇した。月後半には、相場も下支えする独自材料に乏しいことから、米株価が最高値を更新したことに対するドル高が意識されたために26日には再び930ドル近辺まで下落した。月末には安値拾いの買いが相場を押し上げ950ドル近辺にて越月した。
■円建てプラチナ相場
4,931円でスタートした11月の円建てプラチナ相場は、前月末からの売りが一巡したことで切り返し、8日に月間最高値となる4,994円を付けたものの、金相場が下落基調となったことに追随し14日には4,756円まで下落した。月後半は一時4,900円台に値を戻す場面も見られたが、月末にかけてはドル建て相場の下落と為替が円高方向に振れたことで下げ足を速め、月間最安値となる4,624円で月を終えた。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
11月のドル建て銀相場は月間最高値水準である32.80ドル近辺でスタートすると、トランプ氏の勝利した米大統領選挙の結果やそれを受けた経済対策への期待感からのドル高などを受けて上値が重くなり月中旬にかけて軟調な地合いとなった。13日には米10月CPIが発表され、物価の高止まりを示す内容であったことから、14日には30ドルを割り込んだ月間最安値の水準へと下落した。その後も銀相場は独自材料に欠ける中、トランプ次期大統領の状況下で進むと思われる貿易摩擦を意識しながら金相場との相関をにらみ、下落には機敏に反応する展開となり上値を重くすると、30.50ドルから31.50ドル近辺でのレンジ相場を形成し、月初の水準を回復することなく30.70ドル近辺で越した。
■円建て銀相場
月間最高値となる162.90円でスタートした11月の円建て銀相場は、月初から金相場の下落に連れ安となり18日には153.70円まで値を下げたが、その後はウクライナ情勢をめぐる不透明感から金相場が上昇に転じたことを受けて158.90円まで反発した。買い一巡後は再び軟調に推移し、28日には月間最安値となる150.10円を付けた。月末は小幅に回復し150.30円で月を終えた。
■為替
152.00円近辺でスタートした11月の為替相場は、1日に米雇用統計が発表され市場予想を下回るも、5日控える米大統領選挙の結果を見定めたいとの思惑から様子見ムードが漂ったことで往来相場が形成された。注目されていた選挙ではトランプが圧勝したことを受けて米国経済への復調期待感が高まり米株価が急騰し、為替相場も一気にドル高が進むこととなり、円相場は154.70円近辺まで円安が進む動きを見せたが、本邦財務官が円安けん制発言を行ったことで冷や水がかけられドルは再び152.00円近辺まで値を下げた。下院でも共和党が過半数を収めたとの報道から懸念されていた政治的なねじれも起きなかったことに加え、FRB議長が会見で利下げに対して慎重姿勢を示したことが材料視され14日には155.80円近辺まで円安が進んだ。その後、急激なドルの上昇に対する調整から反落すると、ロシア・ウクライナ間での地政学的リスクの高まりを受けて19日には153.00円を割り込むまで続落した。月末にかけてトランプ氏の次期財務長官選出において市場が懸念していたよりも手堅い人選となったことで経済立て直しへの期待が見られドル高が進んだが、26日にはトランプ氏が中国以外にカナダやメキシコにも追加関税措置を実施するとの発表がされたためにリスク回避として円買いが進み、ドルは150.00円を割り込むまで急落し、149.74円近辺にて月を終えた。
略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
CPI:消費者物価指数
FRB:米連邦準備制度理事会
金 プラチナ 銀 US$:市価 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
11月のドル建て金相場は1日に発表された米雇用統計が市場予想を大幅に下回る内容であったことから、月間最高値水準である2,750ドル近辺に上昇するも、その後は米大統領選を控えポジション調整が優勢となりやや軟調な地合いとなった。5日には米大統領選挙が実施されると、トランプ氏が圧勝したことでドル高が一層進行し、金相場は下げ足を強め2,600ドル台半ばまで下落した。7日に開かれたFOMCでは当初の予想通り利下げが決定され、これに伴いドルが一時弱含む場面も見られたことから2,700ドル台に戻そうという動きも見られた。しかし、大台回復に至らなかった失望感や、トランプ次期大統領の掲げる政策に対しての期待感と警戒感からドル高が一層進行したことを受けて金相場は軟調に転じることとなった。13日の米10月CPIも物価の高止まりを示す内容となったことから、金利の先安観も後退し、金相場は月間最安値水準となる2,550ドル近辺まで下落した。この水準では値ごろ感からの買戻しなども見られたことで、サポートされたが、戻りは弱く2,600ドル近辺で頭を押さえられる値動きが続いた。その後、米国現政権によるウクライナへの武器供与支援強化が報じられると、それに対抗するかのようにロシア側も中距離弾道ミサイルの使用や核使用条件を緩和するなど、ウクライナとロシアの戦局が激化するにつれて、不透明感から金にも資金が流入する展開となり2,600ドルを回復し、再び2,700ドル目前に迫る水準まで上昇した。中東情勢の緊張は引き続き高いものの、イスラエルとヒズボラの間で停戦協定が結ばれるなどやや緩和に向かった報道が月後半に流れたことで金相場は再び軟化することとなり、2,600ドル半ばで越月した。
■円建て金相場
13,485円でスタートした11月の円建て金相場は、米大統領選がトランプ氏勝利で早期に決着し6日に月間最高値を付けると、ドル高・株高が進む中、投資妙味の低下により下落基調が続き18日には月間最安値となる12,801円を付けた。中旬以降はウクライナ情勢が緊迫化したことで安全資産としての買いが入り、25日には13,508円まで反発したが、月末にかけては利益確定の売りに押され12,859円で月を終えた。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
1,000ドル近辺でスタートした11月のプラチナ相場は、5日に行われた米大統領選挙においてトランプ氏が圧勝したことを受けて、米国経済の立て直し期待感から米株式市場が高騰したものの、選挙公約として掲げられていた対中国への強硬姿勢を警戒した中国経済の後退加速懸念に伴う実需の低下が意識されたことで下値を探る展開となり、11日には971ドル近辺まで下落した。その後も国内外自動車メーカーの業績不振報道などから需要後退への懸念の広がりが売りを膨らませ続落すると、月央にかけても、実需の伸び悩みが懸念される中でドル高が相場を押し下げる展開となり14日には943ドル近辺まで下落した。この水準では安値拾いの買いが散見され950ドルを回復すると、ウクライナとロシアの戦争激化が意識され971ドル近辺まで上昇した。月後半には、相場も下支えする独自材料に乏しいことから、米株価が最高値を更新したことに対するドル高が意識されたために26日には再び930ドル近辺まで下落した。月末には安値拾いの買いが相場を押し上げ950ドル近辺にて越月した。
■円建てプラチナ相場
4,931円でスタートした11月の円建てプラチナ相場は、前月末からの売りが一巡したことで切り返し、8日に月間最高値となる4,994円を付けたものの、金相場が下落基調となったことに追随し14日には4,756円まで下落した。月後半は一時4,900円台に値を戻す場面も見られたが、月末にかけてはドル建て相場の下落と為替が円高方向に振れたことで下げ足を速め、月間最安値となる4,624円で月を終えた。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
11月のドル建て銀相場は月間最高値水準である32.80ドル近辺でスタートすると、トランプ氏の勝利した米大統領選挙の結果やそれを受けた経済対策への期待感からのドル高などを受けて上値が重くなり月中旬にかけて軟調な地合いとなった。13日には米10月CPIが発表され、物価の高止まりを示す内容であったことから、14日には30ドルを割り込んだ月間最安値の水準へと下落した。その後も銀相場は独自材料に欠ける中、トランプ次期大統領の状況下で進むと思われる貿易摩擦を意識しながら金相場との相関をにらみ、下落には機敏に反応する展開となり上値を重くすると、30.50ドルから31.50ドル近辺でのレンジ相場を形成し、月初の水準を回復することなく30.70ドル近辺で越した。
■円建て銀相場
月間最高値となる162.90円でスタートした11月の円建て銀相場は、月初から金相場の下落に連れ安となり18日には153.70円まで値を下げたが、その後はウクライナ情勢をめぐる不透明感から金相場が上昇に転じたことを受けて158.90円まで反発した。買い一巡後は再び軟調に推移し、28日には月間最安値となる150.10円を付けた。月末は小幅に回復し150.30円で月を終えた。
■為替
152.00円近辺でスタートした11月の為替相場は、1日に米雇用統計が発表され市場予想を下回るも、5日控える米大統領選挙の結果を見定めたいとの思惑から様子見ムードが漂ったことで往来相場が形成された。注目されていた選挙ではトランプが圧勝したことを受けて米国経済への復調期待感が高まり米株価が急騰し、為替相場も一気にドル高が進むこととなり、円相場は154.70円近辺まで円安が進む動きを見せたが、本邦財務官が円安けん制発言を行ったことで冷や水がかけられドルは再び152.00円近辺まで値を下げた。下院でも共和党が過半数を収めたとの報道から懸念されていた政治的なねじれも起きなかったことに加え、FRB議長が会見で利下げに対して慎重姿勢を示したことが材料視され14日には155.80円近辺まで円安が進んだ。その後、急激なドルの上昇に対する調整から反落すると、ロシア・ウクライナ間での地政学的リスクの高まりを受けて19日には153.00円を割り込むまで続落した。月末にかけてトランプ氏の次期財務長官選出において市場が懸念していたよりも手堅い人選となったことで経済立て直しへの期待が見られドル高が進んだが、26日にはトランプ氏が中国以外にカナダやメキシコにも追加関税措置を実施するとの発表がされたためにリスク回避として円買いが進み、ドルは150.00円を割り込むまで急落し、149.74円近辺にて月を終えた。
略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
CPI:消費者物価指数
FRB:米連邦準備制度理事会