マーケット市況情報

2024年05月08日 16時00分

2024年4月の貴金属市況2024年05月08日 16時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
2,264.55ドルでスタートした4月のドル建て金相場は、欧米がイースター休暇となる中でイスラエル国防軍によるイラン総領事館別館攻撃の報を受けて、地政学的リスクを意識した買いが入り上昇する展開で始まった。その後も、12日に2,401.50ドルを付けるまで、ほぼ一本調子で上昇した。この間、米3月雇用統計は市場予想に対して大きく上回ったほか、米3月CPIも市場予想を上回る結果となった。また、3月19〜20日に開かれたFOMCの議事要旨ではインフレが収束しないことで金利をより長期間現行水準で維持する可能性が懸念された。これにより長期金利の上昇やドル高が進行したために下げ材料となったが、中華圏や本邦の需要が相場を押し上げる展開となった。14日にイランがイスラエルへ報復攻撃を行ったものの、その内容が比較的抑制的なものと評価され、月初からの一連の緊張が和らぐと、翌日には金相場は2,340ドル近辺まで大きく下落した。加えて、米小売売上高が市場予想を上回ったことも、金相場の上値を抑える材料となった。このような状況下で19日にイスラエルがイランを攻撃との報道で一時2,400ドル超えまで急騰したものの、基本的にはイラン、イスラエル双方がエスカレートすることを抑制する動きを見せていることで売りが先行する展開となった。中国の貴金属を取り扱う取引所での証拠金の引き上げなどの報道もその売りを加速させる結果となり、23日には一時2,300ドルを割り込んだ。月末にかけては2,300ドルから2,350ドルのレンジでもみ合う展開となり、2,307ドルで月を終えた。

■円建て金相場
月間最安値となる10,992円でスタートした4月の円建て金相場は、騰勢を強めるドル建て金価格に押し上げられる形で11,000円台後半へと上昇した。中旬以降はドル建て金価格が地政学的リスクの後退を受けて上昇のピッチがやや緩んだことで、円建て価格の上げ幅はやや鈍化したものの、月後半は円安が進行し円建て価格の上昇を後押しする形となった。その後、月末には為替介入と思われる動きが入り円高が急速に進むと、11,788円で月を終えた。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
912ドルでスタートした4月のドル建てプラチナ相場は月初、騰勢を強める金相場の出遅れ感が意識されて買われる展開となった。米経済指標が軒並み好調な結果となったほか、4月前半までは原油価格上昇なども商品市場全般での上昇を連想させ、投機家の買い要因となった。12日には月間最高値となる999ドルまで上昇したが、この水準では下値で購入していた投機家の利益確定売りが旺盛となり上値を重くし、反落する展開となった。月の後半にかけても米長期金利の上昇が続き、ドル高が進んだことや、金相場も月初から中旬の上昇基調ほどの勢いを失ったために、24日に月間最安値となる905ドルまで下落した。月末にかけてはドル高も一服したことから、小幅に値を戻し939ドルで月を終えた。


■円建てプラチナ相場
4,536円でスタートした4月の円建てプラチナ相場は、2日に月間最安値となる4,491円を付けると、その後中旬にかけてはドル建て価格の上昇に押し上げられる形となり月間最高値となる4,907円まで上昇した。月末にかけてはドル建て価格が軟調に転じたことを受けて、円建て価格も下落基調となった。また、同時に進行する日米金利差を意識した円安基調に相殺され、4,600~4,900円近辺での小高い水準で往来相場を形成し4,852円で月を終えた。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
月間最安値となる25.650ドルでスタートした4月のドル建て銀相場は、中東情勢の緊迫化などから金相場が上げ足を強める中で出遅れ感が意識される展開となった。これまで強い抵抗線となっていた26ドルの節目を抜けるとこれまでの遅れを取り戻すような展開となり、12日には月間最高値となる29.025ドルまで上昇した。その間、米雇用統計やCPIなどで強い数字が続き、米長期金利が上昇し、ドル高も進んでいる中で、やや過熱感のある状況であった。14日以降は地政学的リスクが和らぐ中で金相場は高止まりし、上昇基調から転換が見られたことで、銀相場での投機家の買いも一巡するし、28ドル台へ下落した。月末にかけてはインフレ環境から進むドル高を背景に上値を切り崩す展開となり、26.655ドルで月を終えた。

■円建て銀相場
4月の円建て銀相場は月初から上昇するドル建て価格に押し上げられる形で、月間最安値となる125.00円でスタートすると、16日に月間最高値となる145.70円を付けるまでほぼ一本調子に上昇した。ただ、その後は中東情勢の緊張緩和に合わせる形で月初からの上げ幅を縮小していく展開となり138.60円で月を終えた。


■為替
151.43円でスタートした4月の円相場は米3月ISM製造業指数や米3月ADP雇用統計の上振れを受けて円安基調となると、中東情勢の緊迫化により5日には月間最安値となる151.03円まで円高が進むも、その後の米雇用統計が予想結果を大きく上回り151円台後半まで上昇した。この水準で当局の口先介入が散見されたものの、10日の米3月CPIが市場予想を上回ると、米利下げに対する期待感が大きく後退した。また3月のFOMC議事録ではインフレ鈍化への確証が持てない懸念が示され、結果としてドル高が加速し、円相場はそれまで節目として意識されていた152円台を抜け、154円台後半へと大きく円安が進むこととなった。25日の米第1四半期GDPは米国の需要の堅調さとインフレ状況が確認されると、155円台まで円安ドル高が進行した。26日に本邦が日銀金融政策決定会合で現状維持を決定し、植田総裁の会見でも為替水準を意識した発言がなかったことでさらに円安が加速する場面もあった。しかし、この水準で為替介入とみられる動きが入り、154円台半ばへと大きく押し下げられると、30日に月間最高値となる156.92円で月を終えた。


略語注釈
CPI:消費者物価指数
FOMC:米連邦公開市場委員会
ISM:全米供給管理協会
ADP:オートマティック・データ・プロセッシング社
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