マーケット市況情報

2024年04月08日 18時00分

2024年3月の貴金属市況2024年04月08日 18時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
2,050.30ドルで始まった3月のドル建て金相場は、同日に月間最安値となる2,049.80ドルをつけた。その後も市場予想よりも弱い米経済指標が続出したことで、早期利下げの見込みが高まり、ドル安が進行した。この流れが引き金となり、金相場は上昇基調を示した。6日のFRB議長の議会証言も市場の利下げ観測を後退させる内容ではなく、上昇基調は変わらず続き、その後発表された2月の雇用統計も非農業雇用者数が市場予想を上回ったが、前月前々月の増加幅を下方修正するなど、判断が難しい内容であった。その結果、流れは変わらず、11日には2,180ドルまで上昇した。その後発表された米2月CPIは市場予想をやや上回り、インフレ抑制に時間がかかるとの見方から、早期利下げの見込みが後退した。この結果金相場は反落し、その後14日の米2月PPIも市場予想を上回り、インフレ鎮静化に時間がかかるとの見方から、金相場は下落基調を続けた。20日のFOMCでは、FRBは5回連続で政策金利を据え置き、利下げへの転換に慎重な姿勢を示した。これは総じて市場予想通りであり、相場に大きな影響はなかったが、21日にスイス中銀が利下げを実施したことで、米国のみならず他の欧州圏でも利下げの時期が近づいているとの見方が強まり、金相場は上昇を強めた。加えて月末にかけて欧米圏がイースター休暇シーズンに入り、流動性が低下していたことも価格上昇を後押しし、月間最高値となる2,214.35ドルを記録して月を終えた。

■円建て金相場
月間最安値となる9,914円でスタートした3月の円建て金相場は、騰勢を強めるドル建て金価格に押し上げられる形で10,000円台に乗せると、中旬にかけて円高が小幅にドル建て金価格の上昇を相殺する動きとなり、10,300円~10,500円近辺でもみ合う展開となったが、日銀によるゼロ金利政策の解除発表後は、円安の進行とドル建て価格の上昇が相乗的に価格を押し上げ月間最高値となる10,911円で月を終えた。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
875ドル近辺でスタートした3月のドル建てプラチナ相場は、同日に月間最安値となる872ドルを付けた。中旬にかけては弱い経済指標が散見されたことでドル安が進み、プラチナ相場は上昇基調を形成した。7日には900ドルに乗せ、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数が発表されると15日には市場予想以上の悪化を受けて、プラチナ相場は月間最高値となる945ドルを付ける結果となった。このレベルは直近のレンジ相場の中での高値でもあり、投機筋の利益確定の売りを誘う結果となり、すぐに下落に転じ900ドルを割り込んだ。月末にかけてはイースター休暇を前にめぼしい材料が見当たらないものの、金相場が上昇基調を続けていたことで、出遅れ感からの将来的な上昇を期待する買いがみられ、900ドル近辺ないし割り込んだ水準での下支え要因となり907ドルで月を終えた。

■円建てプラチナ相場
月間最安値となる4,336円でスタートした3月の円建てプラチナ相場は、中旬にかけては円高の進行とドル建て価格の上昇が相殺する形でレンジ相場を形成。18日に月間最高値となる4,552円を付けた後、下旬にかけて、円相場は円安基調に、ドル建て価格は下落基調に巻き戻され、それらは相殺し円建てプラチナ相場としてはレンジを抜けない展開が続き4,508円で月を終えた。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
月間最安値となる22.720ドルでスタートした3月のドル建て銀相場は金相場が上げ足を強める中で出遅れ感が意識される展開となり、中旬にかけて上昇基調を形成した。この間弱い経済指標が続き早期利下げの期待感からドル安が進んだことも相場を後押しし、15日には銀相場は25ドル台へと乗せた。その後スイス中銀が利下げを決めた21日には、米国のみならず欧州地域での利下げへの転換が意識されて月間最高値となる25.430ドルを付けたが、2023年から都合3回の上値が抑えられた26ドルの節目が意識される水準へと近づくと、投機筋の利益確定の売りが優勢となり下落基調へと転じることとなった。加えて、FRBが利下げへの政策転換に対して慎重な姿勢を示したことで、月末にかけ高金利環境の継続が意識されドル高基調となり上値が抑えられた。一方、ドル高関係なく騰勢を強める金相場により再び値差が意識される展開から、下値では買いが入り月末にかけては狭い範囲でのレンジ相場を形成し24.540ドルで月を終えた。

■円建て銀相場
3月の円建て銀相場は月間最安値となる112.60円でスタートすると、ドル建て価格の大幅な上昇を受けて、14日には120円台を超えた。その後も円安に加えてドル建て価格が金相場を追いかけて上昇基調を強めたことから、21日に月間最高値となる126.40円を付けると、125.30円で月を終えた。


■為替
150.32円でスタートした3月の円相場は月初、弱い米経済指標の結果などから米国の早期利下げに対する期待感が強まり、ドル安基調となったことで円高が進行した。7日には150円を割り込むとその後も円高基調は継続した。11日は米雇用統計の発表を受け、当初は2月の非農業部門雇用者数が予想を上回ったことからドル高となる場面も見られたが、その後他の数字の悪化と前月分の下方修正により反転下落し月間円最高値となる146.74円まで円高ドル安が進行した。
その後、14日に日銀が18〜19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除する方向で調整に入ったとの報道が流れたことも、円相場の高止まりを支える結果となった。ただ、この報道の前後に発表された米物価指標は市場の期待する早期利下げに反してインフレ鎮静化を示す内容ではなかったことから、米長期金利は上昇基調となり、それに呼応してドル高が進行する展開となった。強弱の材料が入り混じる中147円後半での推移が続いていた円相場であったが、19日の金融政策決定会合でマイナス金利が解除されるも、長期国債の購入継続など緩和的な政策の方向性は維持されるとの内容から、急速に円安ドル高基調へと流れを戻していく展開となり、21日には150円台を回復した。その後は152円を目前にして本邦当局の介入を意識した動きから上値が重くなり、151円台中盤で張り付く相場となり、151.40円で月を終えた。


略語注釈
FRB:米連邦準備制度理事会
CPI:消費者物価指数 
PPI:生産者物価指数
FOMC:米連邦公開市場委員会
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