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マーケット市況情報
2024年03月07日 17時00分
2024年2月の貴金属市況2024年03月07日 17時00分
価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
2,037.55ドルでスタートした2月のドル建て金相場は、1月末(日本時間2月1日朝)FOMCによる政策金利検討結果の発表があり、4会合連続で政策金利は5.25~5.50%の据え置きが発表された。また3月の利下げの開始も適切ではないとの見解が示された。これ自体は高金利環境の継続を意識させる内容ではあったものの、前月末に示された米地銀の信用不安が警戒されて米長期金利が低下しドルが下落したことで、2日には月間最高値となる2,054.20ドルに上昇した。しかし、その後の米雇用統計は市場予想を大きく超える好結果となったことで、長期金利が上昇しドルも買い戻され、金相場は月初水準を下回るレベルまで反落することとなった。その後米英がイエメンにある武装組織の軍事拠点への攻撃を行ったとの報道から地政学的リスクが意識され、2,000ドルを上回る水準で底堅い展開となったが、米地銀の信用不安や地政学的な報道から日が経つにつれて徐々に価格は軟化していく展開となった。また、同時期に中華圏が旧正月の長期休暇に入ったことも相まって、旺盛な現物投資需要が一時消失したことで支えを失った感もあった。13日には1月の米CPIが発表され、市場予想から上振れたことでインフレの鎮静化に時間がかかるとの見方が強くなり、高金利環境継続を嫌気した売りから月間最安値となる1,985.10ドルへと下落したが、中華圏の旧正月が終わると、2,000ドル割れの水準から徐々に価格は押し戻される展開となり、2,000ドル台前半へと値を戻した。月末にかけてはFRBが重要視する1月米PCE価格指数が市場予想を下回り、インフレ鈍化が意識された事から、利下げへの期待感が強まり2,048.05ドルへ上昇して月を終えた。
■円建て金相場
9,696円でスタートした2月の円建て金相場は、8日に日銀副総裁が緩和政策継続を意識させる発言をしたことで、月前半と月後半で為替水準が大きく異なる状況となり、円高水準の月前半、月間最高値水準から弱含んでいくドル建て金価格の動きを映して15日には月間最安値となる9,694円へと下落した。その後、ドル建て金価格が切り返していくと、その状況とは裏腹に為替水準は150円台の円安水準を継続したことで、円建て価格は一段切りあがる形となり、上昇基調を形成し月間最高値である9,896円に上昇して月を終えた。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
916ドルでスタートした2月のドル建てプラチナ相場は、2日に月間最高値となる919ドルへと小幅に上昇するも、 1月末のFOMCで現状の金利環境を継続する状況が示された事で上値が重い展開となった。加えて中華圏が旧正月で長期休暇シーズンに入り需要への期待感が低下したことで900ドルを割り込むと、12日には月間最高値となる875ドルへと下落したが、中華圏の市場参加者が戻るとともに900ドルを回復した。加えて米小売売上高が市場予想を大きく下回ったことで、当初はドル安を背景に買いが見られたものの、高金利環境下の継続により景況感に対する不透明感も意識されたことで産業用メタルの側面から買いが進みにくい展開となり、月末には再び900ドルを割り込んで887ドルで月を終えた。
■円建てプラチナ相場
4,442円でスタートした2月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ相場が900ドルを割り込んでいく軟調な地合いとなったことで、 下落基調になり8日に月間最安値となる4,317円を付けるも、その後は日銀副総裁発言などから為替市場が円安に推移したことや、ドル建て価格もやや切り返しを見せた事から、円建て相場は19日には月間最高値となる4,474円に上昇した。月末にかけてはドル建て価格が再度軟調となり、やや上値を削ったが、円安に支えられ4,346円で月を終えた。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
22.670ドルでスタートした2月のドル建て銀相場は金相場が最高値を付けた2日に、米長期金利の低下を背景に月間最高値となる23.230ドルを付けた。しかし、その後発表された米雇用統計が市場予想を大幅に上回る好結果となるとドル高となり、一転して急落し翌日には22ドル台中盤へと下落した。需要のけん引役である中華圏が不動産などの状況が芳しくなく景況感に不安があることに加えて、旧正月入りで買いが入りにくい状況にもなったことで、その後は23ドルを上値とした値動きが続いたが、13日に発表された米1月CPIが上振れしインフレの鎮静化に時間がかかることが意識されると、ドルの上昇から銀相場は下落し、14日には月間最安値となる22.085ドルを付けた。ただ、この状況も長くは続かずに翌日には米小売売上高が市場予想よりも大きく下振れると、長期金利が下落に転じ23ドルをわずかに超える水準へと一気に値を戻す展開となった。その後、月末にかけては先の下落での下値である22.000ドル近辺から、月初の高値である23ドル台前半という水準での往来相場を形成し、方向感のない相場展開が続き22.340ドルで月を終えた。
■円建て銀相場
2月の円建て銀相場は111.50円でスタートすると、ドル建て価格の軟調を受けて下げ幅を拡大し、8日には月間最安値となる108.80円まで下落した。その後は円安に加えてドル建て価格も持ち直しを見せたことから、19日に月間最高値となる116.10円を付けた後は軟調の中でも月初の水準を意識した相場が続き、111.90円で月を終えた。
■為替
米地銀の財務問題などから信用不安を意識した形で、ドル安円高の地合いでスタートした2月の為替相場は2日に月間最安値となる146.48円まで下落したものの、その後FOMCで3月利下げの方針が否定され、データを重視し高金利環境を継続する姿勢を見せたFRBの姿勢を受けて徐々にドル高円安が進んでいく展開となった。このような中で8日に日銀副総裁がマイナス金利解除後も「どんどん利上げをしていくようなパスは考えにくい」との発言をしたことで、緩和的な政策が続くとの見方が広がると円安方向へ一気に相場が傾き、13日の米CPIが市場予想を上回る物価高を示したことも追い風となり、米国の金融政策も高金利環境継続が意識されて日米の金利差縮小への期待感が後退し、ドルは150円台へと上昇する展開となった。その後も月末にかけて前述の日銀の姿勢が円安相場を下支えする展開が続き、また好調な米経済指標も多かったことから、150円台を継続したままでの小幅な値動きとなり、月末に月間最高値となる150.73円を付けて月を終えた。
略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
FRB:米連邦準備制度理事会
PCE:個人消費支出
CPI: 消費者物価指数
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
2,037.55ドルでスタートした2月のドル建て金相場は、1月末(日本時間2月1日朝)FOMCによる政策金利検討結果の発表があり、4会合連続で政策金利は5.25~5.50%の据え置きが発表された。また3月の利下げの開始も適切ではないとの見解が示された。これ自体は高金利環境の継続を意識させる内容ではあったものの、前月末に示された米地銀の信用不安が警戒されて米長期金利が低下しドルが下落したことで、2日には月間最高値となる2,054.20ドルに上昇した。しかし、その後の米雇用統計は市場予想を大きく超える好結果となったことで、長期金利が上昇しドルも買い戻され、金相場は月初水準を下回るレベルまで反落することとなった。その後米英がイエメンにある武装組織の軍事拠点への攻撃を行ったとの報道から地政学的リスクが意識され、2,000ドルを上回る水準で底堅い展開となったが、米地銀の信用不安や地政学的な報道から日が経つにつれて徐々に価格は軟化していく展開となった。また、同時期に中華圏が旧正月の長期休暇に入ったことも相まって、旺盛な現物投資需要が一時消失したことで支えを失った感もあった。13日には1月の米CPIが発表され、市場予想から上振れたことでインフレの鎮静化に時間がかかるとの見方が強くなり、高金利環境継続を嫌気した売りから月間最安値となる1,985.10ドルへと下落したが、中華圏の旧正月が終わると、2,000ドル割れの水準から徐々に価格は押し戻される展開となり、2,000ドル台前半へと値を戻した。月末にかけてはFRBが重要視する1月米PCE価格指数が市場予想を下回り、インフレ鈍化が意識された事から、利下げへの期待感が強まり2,048.05ドルへ上昇して月を終えた。
■円建て金相場
9,696円でスタートした2月の円建て金相場は、8日に日銀副総裁が緩和政策継続を意識させる発言をしたことで、月前半と月後半で為替水準が大きく異なる状況となり、円高水準の月前半、月間最高値水準から弱含んでいくドル建て金価格の動きを映して15日には月間最安値となる9,694円へと下落した。その後、ドル建て金価格が切り返していくと、その状況とは裏腹に為替水準は150円台の円安水準を継続したことで、円建て価格は一段切りあがる形となり、上昇基調を形成し月間最高値である9,896円に上昇して月を終えた。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
916ドルでスタートした2月のドル建てプラチナ相場は、2日に月間最高値となる919ドルへと小幅に上昇するも、 1月末のFOMCで現状の金利環境を継続する状況が示された事で上値が重い展開となった。加えて中華圏が旧正月で長期休暇シーズンに入り需要への期待感が低下したことで900ドルを割り込むと、12日には月間最高値となる875ドルへと下落したが、中華圏の市場参加者が戻るとともに900ドルを回復した。加えて米小売売上高が市場予想を大きく下回ったことで、当初はドル安を背景に買いが見られたものの、高金利環境下の継続により景況感に対する不透明感も意識されたことで産業用メタルの側面から買いが進みにくい展開となり、月末には再び900ドルを割り込んで887ドルで月を終えた。
■円建てプラチナ相場
4,442円でスタートした2月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ相場が900ドルを割り込んでいく軟調な地合いとなったことで、 下落基調になり8日に月間最安値となる4,317円を付けるも、その後は日銀副総裁発言などから為替市場が円安に推移したことや、ドル建て価格もやや切り返しを見せた事から、円建て相場は19日には月間最高値となる4,474円に上昇した。月末にかけてはドル建て価格が再度軟調となり、やや上値を削ったが、円安に支えられ4,346円で月を終えた。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
22.670ドルでスタートした2月のドル建て銀相場は金相場が最高値を付けた2日に、米長期金利の低下を背景に月間最高値となる23.230ドルを付けた。しかし、その後発表された米雇用統計が市場予想を大幅に上回る好結果となるとドル高となり、一転して急落し翌日には22ドル台中盤へと下落した。需要のけん引役である中華圏が不動産などの状況が芳しくなく景況感に不安があることに加えて、旧正月入りで買いが入りにくい状況にもなったことで、その後は23ドルを上値とした値動きが続いたが、13日に発表された米1月CPIが上振れしインフレの鎮静化に時間がかかることが意識されると、ドルの上昇から銀相場は下落し、14日には月間最安値となる22.085ドルを付けた。ただ、この状況も長くは続かずに翌日には米小売売上高が市場予想よりも大きく下振れると、長期金利が下落に転じ23ドルをわずかに超える水準へと一気に値を戻す展開となった。その後、月末にかけては先の下落での下値である22.000ドル近辺から、月初の高値である23ドル台前半という水準での往来相場を形成し、方向感のない相場展開が続き22.340ドルで月を終えた。
■円建て銀相場
2月の円建て銀相場は111.50円でスタートすると、ドル建て価格の軟調を受けて下げ幅を拡大し、8日には月間最安値となる108.80円まで下落した。その後は円安に加えてドル建て価格も持ち直しを見せたことから、19日に月間最高値となる116.10円を付けた後は軟調の中でも月初の水準を意識した相場が続き、111.90円で月を終えた。
■為替
米地銀の財務問題などから信用不安を意識した形で、ドル安円高の地合いでスタートした2月の為替相場は2日に月間最安値となる146.48円まで下落したものの、その後FOMCで3月利下げの方針が否定され、データを重視し高金利環境を継続する姿勢を見せたFRBの姿勢を受けて徐々にドル高円安が進んでいく展開となった。このような中で8日に日銀副総裁がマイナス金利解除後も「どんどん利上げをしていくようなパスは考えにくい」との発言をしたことで、緩和的な政策が続くとの見方が広がると円安方向へ一気に相場が傾き、13日の米CPIが市場予想を上回る物価高を示したことも追い風となり、米国の金融政策も高金利環境継続が意識されて日米の金利差縮小への期待感が後退し、ドルは150円台へと上昇する展開となった。その後も月末にかけて前述の日銀の姿勢が円安相場を下支えする展開が続き、また好調な米経済指標も多かったことから、150円台を継続したままでの小幅な値動きとなり、月末に月間最高値となる150.73円を付けて月を終えた。
略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
FRB:米連邦準備制度理事会
PCE:個人消費支出
CPI: 消費者物価指数