マーケット市況情報

2024年02月07日 17時00分

2024年1月の貴金属市況2024年02月07日 17時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
年末からの米利下げ期待ムードの中、2,074.90ドルでスタートした1月のドル建て金相場は、月初早々の3日に12月のFOMC議事要旨が発表され、経済状況次第では利上げの可能性もある不確実な経済見通しが示されたことで、前述の期待感が急激に消失し、ドル高へと急速に巻き戻される展開となり金相場は2,050ドルを割り込む軟調な地合いとなった。また、5日に発表された米雇用統計は市場予想を上回ったことなどもこの流れに拍車をかけた。その後11日に発表された米CPIは市場予想を上回る結果となり、インフレは想像よりも収束していないとの見方から、FRBへの利下げ期待はより後退し、17日には月間最安値となる2,011.75ドルへと下落する結果となった。一方で下落により値ごろ感がある中で、中東情勢がイランによるタンカー拿捕などで緊張感を増し、地政学的リスクの高まりなどから買いが見られ、また中華圏を中心とした投機的な買いも相場を支え、その後は2,010ドル近辺から2,030ドル近辺へと緩やかに値を戻していく展開となった。月初に雰囲気が変わった米金融政策の方向性であったが、その後月末にかけても米経済指標は軒並み好調を示す結果が続き、25日に発表された米第4四半期GDPなども市場予想を大きく上回ったことで、金相場の上値は抑えられる展開となった。しかし、月末には米地銀の経営不安なども手掛かりとして買いが見られ2,053.25ドルで月を終えた。

■円建て金相場
9,552円でスタートした1月の円建て金相場は、ドル建て金相場が本邦年末年始の休日の中で軟調な地合いとなったことを受けて、9日には月間最安値となる9,472円に下落した。その後はドル建て金価格が2,000ドルを意識して徐々に下げ幅を縮小していく中で、米経済指標の好調な結果を受けて円安が進んだことから、円建て金相場は緩やかに値を戻す展開となり、24日には月間最高値となる9,708円まで上昇した。その後月末にかけては円相場もドル建て金価格がもみ合う展開となった事から、円建て金相場は方向感のない小動きに終始し9,695円で月を終えた。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
月間最高値である995ドルでスタートした1月のドル建てプラチナ相場は月初、それまでの利下げを意識したドル安の流れがFOMC議事要旨やFRB高官発言などから反転したことを受けて、中旬にかけて軟調な地合いとなった。米小売売上高が発表され市場予想を上回った17日にはプラチナ相場はドル高を背景に一時900ドルを割り込み月間最安値となる892ドルまで下落することとなったが、投機的な買いの意欲も根強く、しばらくは900ドルを挟んでもみ合う展開が継続することとなった。この動きは結果として下値を固めることとなり、投機家の安心感を得ようとするもう一段の買いにつながり、月初の下げから小幅に値を戻しての924ドルで月を終えた。

■円建てプラチナ相場
5日に月間最高値の4,527円でスタートした1月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ相場の軟調な地合いを映して下落基調となると、為替市場が円安に推移したことでやや価格は支えられたものの、円建て相場を押し上げるほどとはならず、18日には月間最安値となる4,326円へと下落した。しかし、その後はドル建てプラチナ相場が900ドル近辺へと持ち直しを見せたことから、円建て相場も反発に転じることとなると、4,400円台を回復し、4,444円にて月を終えた。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
月間最高値となる23.945ドルでスタートした1月の銀相場は、月初発表されたFOMC議事録で昨年末から市場の思惑の中心となっていた利下げに対し、経済状況次第では利上げの可能性も示されたことや、FRB高官が会見で追加利上げに関しては依然として選択枠として持っているとの発言をしたことで、それまでのドル安からドル高へと流れが転換し23ドルを割り込むと、8日には22.845ドルまで下落した。その後も米経済指標は強い数字が続き、銀相場は金融的側面から下げ幅を拡大し22日には月間最安値となる22.20ドルへ下落した。同価格帯では値ごろ感の買いもみられて買い戻される展開となると、29日には再び23ドル台を回復したが、その後の買いは続かずに23.09ドルで月を終えた。

■円建て銀相場
本邦の休日期間に急落した銀相場は、1月を110.30円でスタートすると、その後は上値の重い展開の続くドル建て相場と、円安基調の続く為替市場の間で109円台後半~111円台中盤でもみ合う展開となった。しかし、その後22日にドル建て銀相場が一段安となると、円建て銀相場も下げ幅を拡大し23日には月間最安値となる108.40円へと急落した。ただ、この価格帯は長く続かずドル建て相場もすぐに切り返したことで円建て銀価格も反発する流れとなると30日には月間最高値となる113.00円を付け、112.90円で月を終えた。


■為替
年始円相場は3日のFOMC議事録の内容が市場の期待するほど利下げを織り込んだ内容ではなかったことから、ドル高の巻き戻しの流れの中で4日に月間最低値143.44円でスタートした。加えて年始の本邦地震の影響などによる経済的な影響への警戒感もあいまって日米の金利差が再び拡大したことで、145円近辺へと早々にドルが上昇すると、その後は好調な米経済指標を背景にじり高の展開となり、18日には月間最高値となる148.26円まで値を伸ばした。その後23日に日銀金融政策決定会合を控えて148円台での小動きとなるも、同会合で市場予想通りの現状維持が示されると、市場の注目は再び米金融政策へと視点が戻り、好調な結果が相次ぐ米経済指標を睨みながら、金融政策の利下げ方向への期待感を強め147円台へと戻りを見せた。月末には米地銀の経営状況に対する不安感などからドルはやや下げ幅を大きくし、147.55円で月を終えた。


略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
CPI: 消費者物価指数
FRB:米連邦準備制度理事会
GDP: 国内総生産 
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