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マーケット市況情報
2023年12月07日 16時00分
2023年11月の貴金属市況2023年12月07日 16時00分
価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
1,982.50ドルでスタートした11月のドル建て金相場は、月初早々に開催されたFOMCでの政策金利の誘導目標据え置きの決定、追加利上げの必要性の低下と引き締め局面の終了の可能性に言及されたこと、またその間に発表された米景況指数も弱い結果となったことから下値の堅い展開となった。その後3日発表の米雇用統計も市場予想を下回る結果となったことで、月前半は再び2,000ドルを試す場面も見られた。しかし、これらの状況にFRB高官が利上げの可能性も残っていると念押ししたことで長期金利が下げ止まりをみせるとドル高が呼び込まれ、13日には月間最安値となる1931.15ドルまで下落した。中東情勢に目立った進展が見られず、構築されたポジションの解消に動いたことも下落を後押ししたとみられる。その後、14日に発表された米10月消費者物価指数は市場予想を下回り、前月からも大きく下回る結果となると、ドル金利先高観が後退し、金相場は急速に価格を戻していく展開となった。17日には月初の水準へと価格を戻すと、2,000ドルの節目を意識した展開となった。何度か弾かれた水準だっただけに超えるまでに時間を要したものの、27日に2,000ドルを大きく上抜けると、FRB理事の利上げ局面終了を示唆する発言などを受け29日には月間最高値となる2,046.95ドルまで上昇し、月末30日には2,035.45ドルで月を終えた。
■円建て金相場
9,683円でスタートした11月の円建て金相場は月初、ドル建て金相場が軟化した事に加え、為替相場も円高方向に進んだことで9,500円台へと下落した。その後、中旬から下旬にかけては為替相場がドル安方向に動いたことで更に値を下げ、21日には月間最安値となる9,506円まで続落した。しかし、月末にかけてはドル建て相場が上昇基調を強めたことで、29日には月間最高値の9,711円まで上げ幅を拡大した。月末30日には、やや値を下げ9,709円で月を終えた。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
925ドルでスタートした11月のプラチナ相場は月初、FOMCの結果を受けたドル安局面の中で930ドル近辺で底堅く推移するも、上げ幅が限定されたことで投機家の失望感が強まった。この状況下でドル安局面も一巡し、7日には900ドルを割り込むこととなった。1,000ドル近辺で売られ、900ドル割れで買われる展開が続いていた中で930ドルの水準での価格の切り返しは、投機筋の売りを呼びやすい状況を作ることとなり13日には月間最安値となる850ドルまで下落した。しかし、14日に発表された米10月消費者物価指数の結果からドルが再び下落基調へと転じると、900ドル割れの水準で値ごろ感から投機筋が買いを強めたことから、金相場の上昇に追随するように月末にかけて上昇する展開となり、29日に月間最高値となる938ドルを付け、月末30日には937ドルで月を終えた。
■円建てプラチナ相場
月間最高値の4,625円でスタートした11月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ相場が下落したことを受け軟調に推移し、13日には月間最安値となる4,260円まで下落した。その後ドル建て相場が戻りを見せたことから反発に転じると4,500円近辺へと値を戻し、その後は揉み合う展開となり、4,486円で月を終えた。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
22.670ドルでスタートした11月のドル建て銀相場は、月初のFOMCの結果を受けて23ドルを試す展開となり、米雇用統計の悪い結果を受けたドル安のタイミングで、一時23ドルを抜けて上昇した。しかし、その後FRB高官がドル安をけん制するような発言をしたことで、再び22ドル台へと値を戻すこととなった。米10月消費者物価指数の発表を翌日に控えた13日には月間最安値となる22.075ドルまで軟化した。しかし、10月に同水準を割り込んだ際に急激な価格の回復を見ているだけに、投機筋の買いが入りやすく、すぐに価格は切り返し15日には月初に揉み合った23ドルも大きく抜けて上昇することとなった。月末にかけても、米金融政策の転換点が近い中、2020年に金相場が高値を付けて以降、金相場の下げ幅に比して、銀相場は下げ幅が大きかったことで、出遅れ感から買われる状況が続き、30日に月間最高値となる25.020ドルで月を終えた。
■円建て銀相場
114.00円でスタートした11月の円建て銀相場は、軟調な金相場に追随する形で下落基調となり、米10月消費者物価指数発表前の13日と14日には月間最安値となる111.90円まで下落した。しかし、その後は金相場が切り返す展開となったことに加え、ドル建て銀相場に総じて出遅れ感が出ていたことで買いが強くなることとなり、上昇幅を拡大すると、29日には月間最高値となる121.70円まで上昇した。月末30日には121.10円まで値を下げて月を終えた。
■為替
151.47円でスタートした11月の為替相場は月初、FOMCで政策金利の維持と追加利上げの可能性の低下が示されると149.30円近辺までドルが下落した。しかし、その後はFRB高官が利上げ余地に言及したことや、前月末に財務省が為替介入の実績なしと公表したことなどが意識されると、投機家を中心として為替介入の水準を探る展開となり、早々に150円台を回復すると、14日には月間最高値となる151.77円までドルが上昇した。その後、米10月消費者物価指数が市場予想を下回り、前月からも大きく下回ると、これまで米国が利上げ余地を残そうとした要因の一つに高止まりする物価があったことから、この状況に対する不透明感が晴れてドルの下落に転じ、再び150円台を割り込むこととなった。月末にかけてもドル安の流れは継続し、29日には月間最安値となる146.94円まで下落すると、月末30日には147.07円で月を終えた。
略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
FRB:米連邦準備制度理事会
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
1,982.50ドルでスタートした11月のドル建て金相場は、月初早々に開催されたFOMCでの政策金利の誘導目標据え置きの決定、追加利上げの必要性の低下と引き締め局面の終了の可能性に言及されたこと、またその間に発表された米景況指数も弱い結果となったことから下値の堅い展開となった。その後3日発表の米雇用統計も市場予想を下回る結果となったことで、月前半は再び2,000ドルを試す場面も見られた。しかし、これらの状況にFRB高官が利上げの可能性も残っていると念押ししたことで長期金利が下げ止まりをみせるとドル高が呼び込まれ、13日には月間最安値となる1931.15ドルまで下落した。中東情勢に目立った進展が見られず、構築されたポジションの解消に動いたことも下落を後押ししたとみられる。その後、14日に発表された米10月消費者物価指数は市場予想を下回り、前月からも大きく下回る結果となると、ドル金利先高観が後退し、金相場は急速に価格を戻していく展開となった。17日には月初の水準へと価格を戻すと、2,000ドルの節目を意識した展開となった。何度か弾かれた水準だっただけに超えるまでに時間を要したものの、27日に2,000ドルを大きく上抜けると、FRB理事の利上げ局面終了を示唆する発言などを受け29日には月間最高値となる2,046.95ドルまで上昇し、月末30日には2,035.45ドルで月を終えた。
■円建て金相場
9,683円でスタートした11月の円建て金相場は月初、ドル建て金相場が軟化した事に加え、為替相場も円高方向に進んだことで9,500円台へと下落した。その後、中旬から下旬にかけては為替相場がドル安方向に動いたことで更に値を下げ、21日には月間最安値となる9,506円まで続落した。しかし、月末にかけてはドル建て相場が上昇基調を強めたことで、29日には月間最高値の9,711円まで上げ幅を拡大した。月末30日には、やや値を下げ9,709円で月を終えた。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
925ドルでスタートした11月のプラチナ相場は月初、FOMCの結果を受けたドル安局面の中で930ドル近辺で底堅く推移するも、上げ幅が限定されたことで投機家の失望感が強まった。この状況下でドル安局面も一巡し、7日には900ドルを割り込むこととなった。1,000ドル近辺で売られ、900ドル割れで買われる展開が続いていた中で930ドルの水準での価格の切り返しは、投機筋の売りを呼びやすい状況を作ることとなり13日には月間最安値となる850ドルまで下落した。しかし、14日に発表された米10月消費者物価指数の結果からドルが再び下落基調へと転じると、900ドル割れの水準で値ごろ感から投機筋が買いを強めたことから、金相場の上昇に追随するように月末にかけて上昇する展開となり、29日に月間最高値となる938ドルを付け、月末30日には937ドルで月を終えた。
■円建てプラチナ相場
月間最高値の4,625円でスタートした11月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ相場が下落したことを受け軟調に推移し、13日には月間最安値となる4,260円まで下落した。その後ドル建て相場が戻りを見せたことから反発に転じると4,500円近辺へと値を戻し、その後は揉み合う展開となり、4,486円で月を終えた。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
22.670ドルでスタートした11月のドル建て銀相場は、月初のFOMCの結果を受けて23ドルを試す展開となり、米雇用統計の悪い結果を受けたドル安のタイミングで、一時23ドルを抜けて上昇した。しかし、その後FRB高官がドル安をけん制するような発言をしたことで、再び22ドル台へと値を戻すこととなった。米10月消費者物価指数の発表を翌日に控えた13日には月間最安値となる22.075ドルまで軟化した。しかし、10月に同水準を割り込んだ際に急激な価格の回復を見ているだけに、投機筋の買いが入りやすく、すぐに価格は切り返し15日には月初に揉み合った23ドルも大きく抜けて上昇することとなった。月末にかけても、米金融政策の転換点が近い中、2020年に金相場が高値を付けて以降、金相場の下げ幅に比して、銀相場は下げ幅が大きかったことで、出遅れ感から買われる状況が続き、30日に月間最高値となる25.020ドルで月を終えた。
■円建て銀相場
114.00円でスタートした11月の円建て銀相場は、軟調な金相場に追随する形で下落基調となり、米10月消費者物価指数発表前の13日と14日には月間最安値となる111.90円まで下落した。しかし、その後は金相場が切り返す展開となったことに加え、ドル建て銀相場に総じて出遅れ感が出ていたことで買いが強くなることとなり、上昇幅を拡大すると、29日には月間最高値となる121.70円まで上昇した。月末30日には121.10円まで値を下げて月を終えた。
■為替
151.47円でスタートした11月の為替相場は月初、FOMCで政策金利の維持と追加利上げの可能性の低下が示されると149.30円近辺までドルが下落した。しかし、その後はFRB高官が利上げ余地に言及したことや、前月末に財務省が為替介入の実績なしと公表したことなどが意識されると、投機家を中心として為替介入の水準を探る展開となり、早々に150円台を回復すると、14日には月間最高値となる151.77円までドルが上昇した。その後、米10月消費者物価指数が市場予想を下回り、前月からも大きく下回ると、これまで米国が利上げ余地を残そうとした要因の一つに高止まりする物価があったことから、この状況に対する不透明感が晴れてドルの下落に転じ、再び150円台を割り込むこととなった。月末にかけてもドル安の流れは継続し、29日には月間最安値となる146.94円まで下落すると、月末30日には147.07円で月を終えた。
略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
FRB:米連邦準備制度理事会