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マーケット市況情報
2023年08月07日 16時00分
2023年7月の貴金属市況2023年08月07日 16時00分
価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
1,913.75ドルでスタートした7月のドル建て金相場は、月半ばの米消費者物価指数の発表前後で水準が大きく変わる展開となった。月初から月半ばにかけては、1,900ドルが下値として意識され、米経済指標などの結果を手掛かりに上下に推移する展開となり1,900ドル近辺から1,940ドル近辺でのレンジ相場を形成した。6日に発表された米民間雇用指標は市場予想を大きく上回り、米景気の過熱感が高まったことで月間最安値となる1,908.80ドルまで下落した。しかし、翌7日に発表された米6月雇用統計は、前述の民間雇用指標に反して弱い結果となったことで買い戻しが優勢となり1,930ドル近辺まで回復した。12日に発表された米6月消費者物価指数では、急激な鈍化が示され、米利上げ局面の終焉が意識されるとドル安が進行し、これまでの水準を切り上げると1,960ドル近辺まで上昇した。その後も、弱い米経済指標の結果を材料にドルが弱含む中で徐々に下値を切り上げ、20日には月間最高値の1,981.50ドル近辺まで続伸した。月後半にかけては、2,000ドルの大台が見えてきたことでやや上値が重くなると、市場予想通り利上げ実施が決定されたFOMCなどのイベントをこなしながら1,950ドル近辺から1,980ドル近辺でのレンジ推移となった。その後は、米四半期GDPなどの経済指標が予想を上回る伸びを示すと、一時1,940ドル近辺まで下落する場面もみられたが、下落局面では相応の買い意欲がみられ切り返すと、月末31日には1,970.65ドルまで回復して終了した。
■円建て金相場
8,942円でスタートした7月の円建て金相場は月初、ドル建て金相場の上昇を受け、5日には月間最高値の8,988円まで値を伸ばした。その後、ドル建て相場は底堅く推移したものの、為替相場が急速に円高方向に進み、14日には月間最安値の8,740円まで急落した。月後半以降は、ドル建て相場が上昇したことに加え、円高が一服したことで月末31日には8,919円まで回復して終了した。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
月間最安値の898ドルでスタートした7月のドル建てプラチナ相場は月初、安値を拾う動きから920ドル近辺まで回復したものの、強い米経済指標の結果を背景に追加利上げの可能性が意識されると、これを嫌気した売りから900ドル近辺まで反落した。しかし、同水準ではサポートされ上昇に転じると、月半ばに発表された米物価関連の経済指標が軒並み鈍化を示したことを材料に、利上げ観測が後退し980ドル近辺まで上昇した。月半ばにかけて1,000ドルを試す展開となり、19日には月間最高値の988ドルまで上昇したが、同水準では利食い売りが強まったことに加え、弱い米経済指標を材料に値を下げると960ドル近辺まで下落した。月後半から月末にかけては、FOMCを前に底堅い推移となると、同会合では市場予想通り利上げは実施されたものの、FRB議長の発言を受け長期金融引き締め観測が後退し、980ドル近辺まで回復した。その後、ECB理事会後の声明発表で次回以降の追加利上げについて明確な発言がなされなかったことを材料に対ユーロでドルが強含み、一時930ドル近辺まで急落するも、月末にかけては買い戻しの動きが優勢となり31日には949ドルまで反発して終了した。
■円建てプラチナ相場
4,303円でスタートした7月の円建てプラチナ相場は、上値の重いドル建てプラチナ相場に加え、為替相場が円高方向に進んだことで、10日には月間最安値の4,256円まで下落した。月後半にかけては、ドル建て相場の反発を受けて値を伸ばすと、19日には月間最高値の4,489円まで上昇した。その後は、ドル建て相場が軟調な展開となったことで値を下げ、月末31日には4,326円で終了した。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
22.775ドルでスタートした7月のドル建て銀相場は月初、一時23.20ドル近辺まで上昇したものの、力強い米経済指標を材料にドル高が進むと7日には月間最安値の22.715ドルまで下落した。しかしその後は、米6月雇用統計が市場予想を下回ったことで上昇する金相場に連れ高となり、23.00ドルを回復した。月半ばにかけては、米物価関連指標が軒並み軟化を示し、米追加利上げ観測が後退する中でドルが弱含むと、24.50ドル近辺まで急騰した。その後も、弱い米経済指標などを材料に底堅い展開が継続し徐々に下値を切り上げると、20日には月間最高値の25.175ドルまで続伸した。月後半にかけては、米新規失業保険申請件数が良化したことで、米利上げ継続観測が高まりドルが強含むと24.50ドル近辺まで下落した。その後、再び25.00ドルを試す場面も見られたが、市場予想を上回る米四半期GDPなどを材料にドル高が進むと急速に値を下げ、月末31日には24.355ドルで終了した。
■円建て銀相場
108.00円でスタートした7月の円建て銀相場は、ドル建て銀相場が動意薄となる中、為替相場が円高方向に進んだことで、12日には月間最安値の106.60円まで下落した。その後、ドル建て相場が上昇に転じ、為替相場も切り返したことで、20日には月間最高値の115.30円まで反発した。月末にかけては、ドル建て相場が弱含んだことで値を下げ、月末31日には112.80円で終了した。
■為替
144.51円でスタートした7月の為替相場は月初、6月ISM製造業景況指数が市場予想を下回ったものの、米国祝日を前に大きな値動きはみられず同値近辺で揉み合うと、4日と5日にはドルが月間最高値の144.56円をつけた。その後は、米新規失業保険申請件数が悪化したことや米6月雇用統計が弱い内容だったことで急速に下げ幅を拡大し142.00円近辺までドルが下落した。月半ばにかけては、米物価関連の経済指標が軒並み市場予想を下回ったことで米追加利上げ観測が大きく後退し、ドルは続落すると、14日には月間最安値の138.04円まで値を下げた。その後は、安値を拾う動きや市場予想を上回る米経済指標を材料にドル買いが強まると、本邦中央銀行総裁が金融緩和継続の姿勢を示したこともあいまって、142.00円近辺まで上昇した。月末にかけては、日銀が金融政策決定会合で長短金利操作の運用見直しを決定したことで一時139.00円近辺までドルが急速に下落したものの、その後はドル買い戻しの動きが強まり下げ幅を打ち消すと、月末31日には140.97円で終了した。
略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
GDP: 国内総生産
FRB:米連邦準備制度理事会
ECB:欧州中央銀行
ISM:全米供給管理協会
以上
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM
金(Gold)
■ドル建て金相場
1,913.75ドルでスタートした7月のドル建て金相場は、月半ばの米消費者物価指数の発表前後で水準が大きく変わる展開となった。月初から月半ばにかけては、1,900ドルが下値として意識され、米経済指標などの結果を手掛かりに上下に推移する展開となり1,900ドル近辺から1,940ドル近辺でのレンジ相場を形成した。6日に発表された米民間雇用指標は市場予想を大きく上回り、米景気の過熱感が高まったことで月間最安値となる1,908.80ドルまで下落した。しかし、翌7日に発表された米6月雇用統計は、前述の民間雇用指標に反して弱い結果となったことで買い戻しが優勢となり1,930ドル近辺まで回復した。12日に発表された米6月消費者物価指数では、急激な鈍化が示され、米利上げ局面の終焉が意識されるとドル安が進行し、これまでの水準を切り上げると1,960ドル近辺まで上昇した。その後も、弱い米経済指標の結果を材料にドルが弱含む中で徐々に下値を切り上げ、20日には月間最高値の1,981.50ドル近辺まで続伸した。月後半にかけては、2,000ドルの大台が見えてきたことでやや上値が重くなると、市場予想通り利上げ実施が決定されたFOMCなどのイベントをこなしながら1,950ドル近辺から1,980ドル近辺でのレンジ推移となった。その後は、米四半期GDPなどの経済指標が予想を上回る伸びを示すと、一時1,940ドル近辺まで下落する場面もみられたが、下落局面では相応の買い意欲がみられ切り返すと、月末31日には1,970.65ドルまで回復して終了した。
■円建て金相場
8,942円でスタートした7月の円建て金相場は月初、ドル建て金相場の上昇を受け、5日には月間最高値の8,988円まで値を伸ばした。その後、ドル建て相場は底堅く推移したものの、為替相場が急速に円高方向に進み、14日には月間最安値の8,740円まで急落した。月後半以降は、ドル建て相場が上昇したことに加え、円高が一服したことで月末31日には8,919円まで回復して終了した。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
月間最安値の898ドルでスタートした7月のドル建てプラチナ相場は月初、安値を拾う動きから920ドル近辺まで回復したものの、強い米経済指標の結果を背景に追加利上げの可能性が意識されると、これを嫌気した売りから900ドル近辺まで反落した。しかし、同水準ではサポートされ上昇に転じると、月半ばに発表された米物価関連の経済指標が軒並み鈍化を示したことを材料に、利上げ観測が後退し980ドル近辺まで上昇した。月半ばにかけて1,000ドルを試す展開となり、19日には月間最高値の988ドルまで上昇したが、同水準では利食い売りが強まったことに加え、弱い米経済指標を材料に値を下げると960ドル近辺まで下落した。月後半から月末にかけては、FOMCを前に底堅い推移となると、同会合では市場予想通り利上げは実施されたものの、FRB議長の発言を受け長期金融引き締め観測が後退し、980ドル近辺まで回復した。その後、ECB理事会後の声明発表で次回以降の追加利上げについて明確な発言がなされなかったことを材料に対ユーロでドルが強含み、一時930ドル近辺まで急落するも、月末にかけては買い戻しの動きが優勢となり31日には949ドルまで反発して終了した。
■円建てプラチナ相場
4,303円でスタートした7月の円建てプラチナ相場は、上値の重いドル建てプラチナ相場に加え、為替相場が円高方向に進んだことで、10日には月間最安値の4,256円まで下落した。月後半にかけては、ドル建て相場の反発を受けて値を伸ばすと、19日には月間最高値の4,489円まで上昇した。その後は、ドル建て相場が軟調な展開となったことで値を下げ、月末31日には4,326円で終了した。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
22.775ドルでスタートした7月のドル建て銀相場は月初、一時23.20ドル近辺まで上昇したものの、力強い米経済指標を材料にドル高が進むと7日には月間最安値の22.715ドルまで下落した。しかしその後は、米6月雇用統計が市場予想を下回ったことで上昇する金相場に連れ高となり、23.00ドルを回復した。月半ばにかけては、米物価関連指標が軒並み軟化を示し、米追加利上げ観測が後退する中でドルが弱含むと、24.50ドル近辺まで急騰した。その後も、弱い米経済指標などを材料に底堅い展開が継続し徐々に下値を切り上げると、20日には月間最高値の25.175ドルまで続伸した。月後半にかけては、米新規失業保険申請件数が良化したことで、米利上げ継続観測が高まりドルが強含むと24.50ドル近辺まで下落した。その後、再び25.00ドルを試す場面も見られたが、市場予想を上回る米四半期GDPなどを材料にドル高が進むと急速に値を下げ、月末31日には24.355ドルで終了した。
■円建て銀相場
108.00円でスタートした7月の円建て銀相場は、ドル建て銀相場が動意薄となる中、為替相場が円高方向に進んだことで、12日には月間最安値の106.60円まで下落した。その後、ドル建て相場が上昇に転じ、為替相場も切り返したことで、20日には月間最高値の115.30円まで反発した。月末にかけては、ドル建て相場が弱含んだことで値を下げ、月末31日には112.80円で終了した。
■為替
144.51円でスタートした7月の為替相場は月初、6月ISM製造業景況指数が市場予想を下回ったものの、米国祝日を前に大きな値動きはみられず同値近辺で揉み合うと、4日と5日にはドルが月間最高値の144.56円をつけた。その後は、米新規失業保険申請件数が悪化したことや米6月雇用統計が弱い内容だったことで急速に下げ幅を拡大し142.00円近辺までドルが下落した。月半ばにかけては、米物価関連の経済指標が軒並み市場予想を下回ったことで米追加利上げ観測が大きく後退し、ドルは続落すると、14日には月間最安値の138.04円まで値を下げた。その後は、安値を拾う動きや市場予想を上回る米経済指標を材料にドル買いが強まると、本邦中央銀行総裁が金融緩和継続の姿勢を示したこともあいまって、142.00円近辺まで上昇した。月末にかけては、日銀が金融政策決定会合で長短金利操作の運用見直しを決定したことで一時139.00円近辺までドルが急速に下落したものの、その後はドル買い戻しの動きが強まり下げ幅を打ち消すと、月末31日には140.97円で終了した。
略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会
GDP: 国内総生産
FRB:米連邦準備制度理事会
ECB:欧州中央銀行
ISM:全米供給管理協会
以上