マーケット市況情報

2023年07月06日 15時00分

2023年6月の貴金属市況2023年07月06日 15時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,958.75ドルでスタートした6月のドル建て金相場は月初、米5月ISM製造業景況指数が市場予想を下回ったことに加え、FRB高官が6月のFOMCで利上げ見送りの可能性を示唆したことで、2日には月間最高値の1,981.00ドルまで値を伸ばした。しかしその後発表された、米5月雇用統計が市場予想を上回ったことで1,940ドル近辺まで値を下げるも、月半ばにかけて強弱入り混じる米経済指標を材料に1,940ドル近辺から1,960ドル近辺でのレンジ相場を形成した。注目されていたFOMCでは政策金利こそ据え置かれたものの、年末までに2回の追加利上げが示唆されたことで金利の先高観が強まった。このような状況下で月末にかけて欧州主要国の追加利上げ観測が強まる中、欧米の金利先高観が金相場にとっては向かい風となり上値の重い展開となると、市場予想を上回る米経済指標もあいまって、29日には月間最安値の1,899.60ドルまで下落した。同水準では安値を拾う動きが強まり、月末30日には1,912.25ドルまで反発して終了した。

■円建て金相場
8,853円でスタートした6月の円建て金相場は、月半ばにかけて上値重く推移するドル建て金相場を受け軟調な展開となると、15日には月間最安値の8,803円まで下落した。その後、ドル建て相場が反発し、円安が進んだことで値を伸ばすと19日には月間最高値の8,979円まで上昇した。月末にかけては、ドル建て相場が下落したことで値を下げ月末30日には8,924円で終了した。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
1,005ドルでスタートした6月のドル建てプラチナ相場は月初、米5月雇用統計が良好な結果だったことから景気回復への期待感が高まり買い支えられると、7日には月間最高値の1,042ドルまで値を伸ばした。その後は、利食い売りや弱い欧州経済指標などを材料に値を下げると、節目の1,000ドルを割り込み、買い支える程の材料もない中で980ドル近辺まで下落した。14日に開催されたFOMCで政策金利は据え置かれたものの、年内追加利上げの可能性が示唆されたことで960ドル近辺まで値を下げた。月後半にかけても、欧州主要国の追加利上げ観測やFRB議長が追加利上げの必要性を示したことで、経済の先行き不透明感が強くなり上値を削る展開が継続すると、月末30日ロンドン時間午前には月間最安値の895ドルまで下げ幅を拡大し、同日午後には897ドルにて終了した。

■円建てプラチナ相場
4,571円でスタートした6月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ相場の上昇を受け7日には月間最高値の4,742円まで値を伸ばした。しかし月末にかけては、為替相場が円安方向に進んだものの、ドル建て相場の下げが強く上値を削ると、月末30日には月間最安値の4,305円まで下落して終了した。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
23.490ドルでスタートした6月のドル建て銀相場は月初、強弱入り混じる米経済指標を材料に23.500ドルから24.000ドルでレンジ相場を形成すると、悪化した米新規失業保険申請件数を材料に利上げ一時停止との観測が強まり、米長期金利が低下する中で上昇する金相場に追随し、9日には月間最高値の24.315ドルまで上昇した。その後は利食い売りが強まったほか、FRBが年内追加利上げを示唆したことから値を下げ、23.000ドル近辺まで下落すると、中国人民銀行が事実上の政策金利引き下げに踏み切り、中国経済の弱さが露呈する中で、工業用メタルとしての側面が意識され23日には月間最安値の22.340ドルまで続落した。月末にかけて安値を拾う動きから一時23.00ドルを回復する場面もみられたものの、引き続き上値は重く、月末30日には22.470ドルで終了した。

■円建て銀相場
107.80円でスタートした6月の円建て銀相場は、月半ばにかけてドル建て銀相場が底堅く推移する中、為替相場も円安が進んだことで19日には月間最高値の112.30円まで上昇した。しかしその後、ドル建て相場が急落したことで23日には月間最安値の104.90円まで下落した。月末にかけては、ドル建て相場が反発し、更に円安が進んだことで月末30日には107.60円で終了した。


■為替
139.19円でスタートした6月の為替相場は月を通して底堅い展開となった。月初、市場予想を下回る米製造業関連の経済指標が材料視され、2日には月間最安値の138.99円までドルが下落した。その後は、米5月雇用統計が市場予想を上回り、米追加利上げ観測が強まる中で140.00円近辺まで上昇するも、悪化した米新規失業保険申請件数などを材料に一時、139.00円近辺まで弱含む場面もみられた。月半ばにかけては、米物価関連の指数が軒並み鈍化したことでやや上値の重い展開となったが、FOMCで年内2回の利上げが示唆されたことから買い進められ141.00円近辺まで上昇した。その後は、日銀金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定し、利上げ姿勢を強める欧米と現状維持を続ける日本との金利差拡大が意識される中で円は主要通貨で売られる展開となり、ドルは142.00円近辺まで続伸した。月後半にかけては、FRB議長が議会証言で追加利上げの必要性を示したことでドルは144.00円近辺まで値を伸ばすと、月末にかけてもこの流れは変わらず、月末30日には月間最高値の144.99円まで上昇して終了した。


略語注釈
FRB:米連邦準備制度理事会
FOMC:米連邦公開市場委員会

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