マーケット市況情報

2023年06月07日 16時00分

2023年5月の貴金属市況2023年06月07日 16時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,980.90ドルでスタートした5月のドル建て金相場は月初、市場予想を下回る米経済指標を材料に節目の2,000ドルを突破すると、FOMCで近く利上げ停止の可能性が示唆されたことで更に買いが強まり、4日には月間最高値の2,044.70ドルまで急騰した。しかしその後発表された、米4月雇用統計で市場予想を上回る結果だったことから、早期利下げ観測が後退し2,010ドル近辺まで急落した。月半ばにかけて、米債務上限問題の先行き不透明感などを材料に再び2,040ドル近辺まで上昇する場面もみられたが、市場予想を上回る米経済指標が相次ぎ、米FRB高官による利上げへの積極的な発言もあいまって1,960ドル近辺まで下落した。月後半にかけても、米経済指標の結果が景気の底堅さを示したことで、26日には月間最安値の1,947.90ドルまで続落した。その後は安値を拾う動きから反発すると、月末31日には1,964.40ドルで終了した。

■円建て金相場
8,772円でスタートした5月の円建て金相場は、底堅く推移するドル建て金相場を受け、10日には月間最高値の8,904円まで上昇した。月後半にかけてドル建て相場が下落したことで、19日には月間最安値の8,766円まで値を下げた。その後は、為替相場が円安方向に進むと、月末31日には8,854円まで回復して終了した。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
1,051ドルでスタートした5月のドル建てプラチナ相場は月初、市場予想を下回る米経済指標を材料に軟調な展開となると、1,040ドル近辺まで下落した。しかし、その後発表された米4月雇用統計が市場予想を上回る結果だったことで切り返すと、主要生産国の南アフリカで慢性化している電力不足による供給不安などもあいまって節目の1,100ドル近辺まで買い進められ、10日には月間最高値の1,123ドルまで続伸した。その後は、利食い売りや米債務上限問題に対する不透明感を嫌気した売りから1,070ドル近辺まで下落すると、月後半にかけて同値近辺で揉み合う展開が続いた。月末にかけては、米利上げ観測が強まったことでドル高が進むと1,030ドル近辺まで下落。その後も中国・欧州の経済指標が市場予想を下回ったことで景気後退が強まり下げ幅を拡大し月末31日には月間最安値の1,003ドルで終了した。

■円建てプラチナ相場
4,755円でスタートした5月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ相場が値を伸ばすと、10日には月間最高値の4,884円まで上昇した。月後半にかけては、ドル建て相場が軟調な展開となったことで下落すると、25日には月間最安値の4,676円まで下げ足を強めた。その後、ドル建て相場は続落するも、円安が進む為替相場に支えられ月末31日には4,686円で終了した。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
24.770ドルでスタートした5月のドル建て銀相場は月初、弱い米経済指標や米利上げ停止観測の台頭により底堅い展開となると、5日には月間最高値の25.840ドルまで上昇した。その後は、米4月雇用統計が市場予想を大幅に上回ったことで25.50ドル近辺まで反落した。月半ばにかけて同値近辺で揉み合ったあとは、米FRB高官が相次いで利上げに積極的な姿勢を示したことで24.00ドル近辺まで下落した。その後も、堅調な米経済指標を材料に利上げ観測が強まり、ドル買いが旺盛となる中、これまで投機的な買いが強かった反動などから大きく値を崩し、25日には月間最安値の23.005ドルまで下落した。月末にかけては、安値を拾う動きから反発し、月末31日には23.255ドルで終了した。

■円建て銀相場
111.80円でスタートした5月の円建て銀相場は月初、ドル建て銀相場が上昇したことで10日には月間最高値の114.00円まで値を伸ばした。月後半にかけて、ドル建て相場が下落に転じたことで急速に値を下げると、26日には月間最安値の105.00円まで下げ幅を拡大した。その後は、ドル建て相場が反発すると、月末31日には106.80円で終了した。

■為替
136.84円でスタートした5月の為替相場は月初、市場予想を下回る米経済指標や米FRB議長が利上げ停止を示唆したことなどを材料に135.00円近辺までドル安が進むと、米4月消費者物価指数が前年同月比で鈍化したことを材料に年内利下げ観測が強まり、11日には月間最安値の134.18円まで続落した。しかし、その後発表された米5月ミシガン大学消費者態度指数でインフレ期待が高水準となったことから、米利上げ観測が再燃し切り返す展開となると、136.00円近辺まで上昇した。月後半から月末にかけても、市場予想を上回る米経済指標や米FRB高官が相次いで利上げに対して積極的な姿勢を示したことなどを材料に徐々に下値を切り上げる展開となると、29日には月間最高値の140.77円まで続伸した。月末にかけては、政府・日銀で意見交換会を開催し、過度な為替変動は好ましくなく、適切に対応していくとしたことから円買いが強まり、月末31日には139.77円まで下落して終了した。

略語注釈
FRB:米連邦準備制度理事会
FOMC:米連邦公開市場委員会
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