マーケット市況情報

2023年05月10日 15時00分

2023年4月の貴金属市況2023年05月10日 15時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
月間最安値の1,963.10ドルでスタートした4月の金相場は月初、欧米の製造業関連の経済指標が市場予想を下回る結果だったことからドル安が進み、また米金融機関への不安感なども買い材料となり2,020ドル近辺まで上昇した。その後発表された米3月雇用統計は、市場予想通りとなり利上げ継続観測を材料に、一時2,000ドルを割る水準まで下落した。しかし、米物価指標でインフレ鈍化が示されたことや、米新規失業保険申請件数の悪化などが報じられると、市場の意識が利上げ停止観測へと向かい、13日には月間最高値の2,048.45ドルまで反発した。同水準では利食い売りが強まったほか、FRB当局者が金融引き締め政策継続の必要性に言及したことで、利上げ停止観測が後退しドルが強含む中で値を下げ、2,000ドル近辺まで下落した。月末にかけても、5月のFOMC以降の利上げ方針の思惑に左右される中、2000ドルの節目を意識した上値の重い展開が続くと、米景況関連の経済指標が市場予想を上回る結果となったことで、景気後退懸念が和らぎ1,980ドル近辺まで続落した。その後は大きく方向感が出るような材料は無く、1,980ドル近辺から2,000ドル近辺で揉み合いとなると、月末28日には1,982.55ドルで終了した。

■円建て金相場
月間最安値の8,438円でスタートした4月の円建て金相場は、月半ばにかけてドル建て金相場が上昇したことで、14日には月間最高値の8,736円まで値を伸ばした。その後、ドル建て相場が軟調な展開となったことで値を下げると、月末28日には8,605円まで下落して終了した。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
月間最安値の987ドルでスタートした4月のプラチナ相場は月初、弱い米経済指標を受けドル安が進み一時1,030ドル近辺まで上昇したものの、景気後退懸念の強まりや利食い売りなどを材料に上げ幅を打ち消す展開となった。一方、産業用需要の用途拡大に対する期待感から下値も堅く、月半ばにかけては1,000ドル近辺で揉み合いが続いた。その後は、米3月消費者物価指数が市場予想を上回ったことで、米利上げ停止観測が強まり、利上げによる景気悪化懸念がやや後退したことで1,060ドル近辺まで上昇した。主要生産国である南アフリカの電力供給が2023年に入り悪化していることなども将来の供給に対する不安感としてサポート材料となると、その後は、市場予想を上回る中国経済指標を材料に、需要回復期待が高まったことや、米景気関連の指標が強い結果だったことを好感した買いから、21日には月間最高値の1,128ドルまで続伸した。月末にかけては、利食い売りから1,100ドルを割る水準まで値を下げると、弱い米経済指標などもあいまって、月末28日には1,074ドルまで下落して終了した。

■円建てプラチナ相場
4,304円でスタートした4月の円建てプラチナ相場は月初、為替相場が円高方向に進んだことで値を下げると、6日には月間最安値の4,289円まで下落した。月後半にかけては、ドル建てプラチナ相場が堅調に推移し、為替も円安が進むと24日には月間最高値の4,864円まで上昇した。その後は、ドル建て相場が下落し、円安も一服したことで値を下げ、月末28日には4,728円で終了した。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
月間最安値の23.925ドルでスタートした4月のドル建て銀相場は月初、市場予想を下回る欧米経済指標を材料に上昇する金相場に連れ高となり、節目となっていた24.00ドルを抜けると一段高となり25.00ドル近辺まで急騰した。その後、同水準で揉み合ったあとは、弱い米経済指標を材料に利上げ停止観測が台頭する中で買い進められ、14日には月間最高値の26.025ドルまで上昇した。月初からの価格上昇が著しかったことで利食い売りが強まったことに加え、FRB当局者が利上げ継続の必要性を示唆したことから25.00ドル近辺まで下落した。月後半から月末にかけては、大きく方向感が出るような材料は無く25.00ドルを挟んで売り買いが交錯する展開となると、月末28日には24.765ドルで終了した。

■円建て銀相場
104.60円でスタートした4月の円建て銀相場は月初、ドル建て銀相場が揉み合う中、為替相場が円高に進んだことで、4日に月間最安値の104.40円まで下落した。その後はドル建て相場が急騰し、為替も円安方向に進んだことで、14日には月間最高値の112.10円まで上昇した。月後半から月末にかけては、ドル建て相場が下落したことで値を下げ、月末28日には109.20円で終了した。


■為替
133.15円でスタートした4月の為替相場は月初、市場予想を下回る米経済指標などを材料に景気後退懸念が強まる中、ドル売りが強まると6日には月間最安値の131.19円まで下落した。しかし、同水準では安値を拾う動きが強まったほか、本邦中央銀行新総裁がこれまでの大規模な金融緩和策の継続が適当としたことで円売りが進みやすい土壌が形成されると、134.00円近辺まで反発した。その後は、米3月小売売上高が市場予想を下回ったものの、さほど弱くないと受け止められたことや、FRB当局者の利上げ継続発言などを材料にドル買いが旺盛となると、20日には月間最高値の134.92円まで続伸した。その後月末にかけては、強弱入り混じる米経済指標を材料に売り買いが交錯する展開となり、大きな方向感は出ないまま月末28日には134.13円で終了した。


略語注釈
FRB:米連邦準備制度理事会
FOMC:米連邦公開市場委員会

                                    
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