マーケット市況情報

2023年04月07日 15時00分

2023年3月の貴金属市況2023年04月07日 15時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,833.50ドルでスタートした3月のドル建て金相場は月初、米製造業関連の経済指標が市場予想を下回る結果だったことで1,850ドル近辺まで小幅に上昇するも、8日にFRB議長が利上げの加速と長期化の可能性を示唆したことで、ドル全面高となり8日には月間最安値の1,813.35ドルまで値を下げる展開となった。その後10日に発表された米雇用統計は比較的強含んだ内容となるも、ほぼ同時のタイミングで米銀の破綻報道が流れると、雇用統計の内容よりも金融的な危機に備えるべく資金逃避的な金の購入が加速することとなり、1,900ドル台へと乗せた。その後も、スイス大手銀行も経営危機に陥ったことで金融不安の様相を呈し、金相場は堅調地合いを継続した。月後半にかけては、米国、スイスともに当局の迅速な対応から金融不安は一服した。FOMCでは予想通りの利上げが実施されるも、これらの状況を受け将来の利上げ停止の可能性が示唆されたことから再び2,000ドルを試し、24日には月間最高値の1,996.15ドルまで反発した。四半期末ということもあり、2,000ドルを意識した水準では利食い売りなどから一時1,950ドル近辺まで下落する場面もみられたが、経済指標を材料に欧州圏の金利先高感が強まると対ユーロでドルが弱含み、月末31日には1,979.70ドルまで回復して終了した。

■円建て金相場
8,048円でスタートした3月の円建て金相場は、ドル建て金相場が軟調な展開となったことに加え、為替相場が上値重く推移したことで9日には月間最安値の8,042円まで下落した。その後は、ドル建て相場が反発したことで下値を切り上げると、月末にかけて為替相場が円安方向に進んだことで月末31日には月間最高値の8,532円で終了した。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
965ドルでスタートした3月のドル建てプラチナ相場は月初、上昇する米株価を好感した買いから980ドル近辺まで値を伸ばした。しかし、FRB議長が金利を従来の想定以上に引き上げる可能性を示唆したことで、利上げによる景気停滞懸念を嫌気した売りから、10日には月間最安値の939ドルまで下落した。その後、米2月雇用統計の結果を受けドル安が進むと、米銀破綻を背景に利上げ観測が大幅に後退したこともあいまって、米国時間には一時1,000ドルを超える水準まで急騰した。しかし、同水準では利食い売りが強まり960ドル近辺まで急落するも、上値の重いドルを材料に再び上昇に転じ、21日には月間最高値の991ドルまで上昇した。22日に開催されたFOMCでは、市場予想通り利上げが実施されたものの、近く利上げ停止の可能性が示唆されたことで、同値近辺で売り買いが交錯する展開となった。しかし、節目の1,000ドルを前に相場を支えるほどの材料も乏しく、月末にかけて徐々に上値を削る展開となり、月末31日には981ドルまで下落して終了した。

■円建てプラチナ相場
4,253円でスタートした3月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ相場の上昇を受け7日には月間最高値の4,354円まで値を伸ばした。その後は、ドル建て相場が軟調な展開となり、為替相場も円高方向に進んだことで徐々に値を下げると、29日には月間最安値の4,166円まで下落した。月末にかけて、ドル建て相場が反発し、為替相場も円安に進んだことで月末31日には
4,319円で終了した。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
20.995ドルでスタートした3月のドル建て銀相場は月初、21.000ドル近辺で売り買いが交錯し、方向感に乏しい展開となったあとは、FRB議長が利上げペース加速の可能性を示唆したことでドル高が進むと、10日には月間最安値の20.090ドルまで下落した。その後は、弱い米経済指標や米銀破綻などの報道を材料に上昇する金相場との対比が意識されることとなった。金相場が上げ足を強める中、出遅れ感が強かったことで月半ばにかけて下値を切り上げると、22.500ドル近辺まで上昇した。この展開は月後半から月末にかけても継続し、FOMCで利上げ停止の可能性が示唆されたことでドルが弱含んだことや、利上げによる景気後退懸念が和らいだこともあり、産業用メタルとしての側面も意識され、月末31日には月間最高値の23.885ドルで終了した。

■円建て銀相場
93.80円でスタートした3月の円建て銀相場は、ドル建て銀相場が急落すると10日には月間最安値の90.60円まで値を下げた。月半ばから月末にかけて、ドル建て相場が堅調に推移したことで値を伸ばし、月末31日には月間最高値の104.80円で終了した。

■為替
136.41円でスタートした3月の為替相場は月初、強弱入り混じる米経済指標を材料に136.00円近辺で売り買いが交錯したあとは、FRB議長が議会証言にて利上げペース加速の可能性を示唆したことでドル買いが進み、8日には月間最高値の137.35円まで円安が進行した。しかしその後は、米2月雇用統計で賃金の伸び率が鈍化したことや、相次ぐ米銀の破綻を材料にドル売りが強まり、月半ばには132.00円近辺まで上値を削る展開となった。月後半にかけて、一時金融不安が和らいだことで133.00円近辺まで反発したが、FOMCで近く利上げ停止の可能性が示唆されるとドルが急落し、24日と27日には月間最安値の130.65円まで下落した。月末にかけては、破綻した米銀の買収報道から過度な金融不安が一服し、ドル買い優勢となると、月末31日には133.53円まで回復して終了した。                                          


略語注釈
FRB:米連邦準備制度理事会
FOMC:米連邦公開市場委員会
  • 「地金・コイン・RE:TANAKA」の
    店舗での取引に関するお問い合わせ

    0120-76-4143
    9:00~17:00(土日・祝日も受付)
  • 「田中貴金属 総合口座」、
    「純金積立」に関するお問い合わせ

    0120-43-5610
    9:00~17:00(土日祝・年末年始除く)

ご注意ください!田中貴金属の社名を利用した投資などの勧誘にご注意ください。