マーケット市況情報

2022年11月08日 17時00分

2022年10月の貴金属市況2022年11月08日 17時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,660.80ドルでスタートした10月のドル建て金相場は月初、欧米の製造業関連の経済指標が軒並み低調な結果となったことで、経済減速への不安感からこれまでのドル高に対する調整が加速、金相場は買いが旺盛となり、6日には月間最高値の1,716.00ドルまで上昇した。しかしその後は、それまでの展開を打ち消すようなFRB当局者の発言や米9月雇用統計が市場予想を上回ったことで急落し、月初と同水準まで値を下げることとなった。この雇用統計を起点に方向感が転じた金相場は、月半ばにかけて同値近辺で揉み合ったあと、米9月消費者物価指数が高水準を維持し、FRBによる積極的な金融引き締めが継続するであろうとの見方が広がって値を下げ、その後も米金融当局者の利上げに対する積極的な発言などを材料にドル高が進むと、21日には月間最安値の1,624.55ドルまで続落した。月末にかけて、安値を拾う動きなどから一時1,670ドル近辺まで回復する場面も見られたが、米経済指標で物価高継続が示されると、大幅な利上げ継続が改めて意識され、月末31日には1,639.00ドルまで下落して終了した。

■円建て金相場
月間最安値の7,803円でスタートした10月の円建て金相場は月初、ドル建て金相場の上昇を受け6日には月間最高値の8,042円まで値を伸ばした。その後は、ドル建て相場が下落に転じたことで軟調な展開となったものの、為替相場が円安方向に進んだことで下げ幅は限定的となり、月末31日には7,862円で終了した。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
月間最安値の865ドルでスタートした10月のドル建てプラチナ相場は月初、米9月ISM製造業景況指数が市場予想を下回ったことに加え、米労働省が発表した8月雇用動態調査で求人件数が大幅に減少し労働市場の軟化が示されたことでドル全面安となると、940ドル近辺まで急騰した。その後発表された、米9月雇用統計では市場予想を上回る結果となったことで、米国の金融引き締め継続が意識され軟調な展開となると、月半ばにかけても、高水準を維持する米物価指数を背景にドル買いが強まり870ドル近辺まで下げ幅を拡大した。しかし、これまでに下値を確認してきた安心感などから、その後は安値を拾う動きから反発すると、米新規失業保険申請件数の良化や米株価の急反発を受け、940ドル近辺まで回復した。その後は、市場予想を下回る米経済指標を材料に、金融引き締めペースの減速観測が強まりドル安となると、27日には月間最高値の952ドルまで続伸した。しかし、月末にかけては、米経済指標で依然として高いインフレ圧力が示され、再び大幅利上げ継続の見方が強まると、月末31日には935ドルまで値を下げて終了した。

■円建てプラチナ相場
月間最安値の4,110円でスタートした10月の円建てプラチナ相場は、月を通して底堅く推移したドル建てプラチナ相場にサポートされると、為替相場も円安方向に進んだことで28日には月間最高値の4,584円まで上昇した。その後、ドル建て相場が反落すると月末31日には4,576円まで下落して終了した。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
19.415ドルでスタートした10月のドル建て銀相場は月初、市場予想を下回る米9月ISM製造業景況指数を受けて、ドル全面安となる中で値を伸ばすと、4日には月間最高値の20.925ドルまで上昇した。その後は、米9月雇用統計が強い結果となったことで、大幅な利上げが継続するだろうとの見方が強まり、月半ばにかけて軟調な展開となると、21日には月間最安値の18.385ドルまで下落した。同水準では安値を拾う動きが強まったことに加え、米利上げペースの鈍化観測が台頭してきたことでドル安が進み19.50ドル近辺まで反発した。月末にかけては、やや上値の重い展開となると、月末31日には19.165ドルまで値を下げて終了した。

■円建て銀相場
91.70円でスタートした10月の円建て銀相場は月初、ドル建て銀相場の急騰を受け5日には月間最高値の99.20円まで上昇した。月半ばにかけて、ドル建て相場が月初からの上げ幅を打ち消すと、17日には月間最安値の89.80円まで下落した。月末にかけて、ドル建て相場が反発し、為替相場が円安方向に進むと月末31日には93.20円まで回復して終了した。

■為替
144.89円でスタートした10月の為替相場は月初、弱い米製造業関連の経済指標や米労働省が発表した調査で労働市場の軟化が示されたことで、利上げペースの鈍化を期待したドル売りが強まり5日には月間最安値の143.95円まで下落した。しかし、予想よりしっかりした米9月雇用統計の結果などから、市場の基本認識となっている日米金融政策の方向性の違いによる円売り・ドル買いの流れは変わらず、為替介入への警戒を持ちつつも徐々に下値を切り上げる展開となり、21日には月間最高値の150.26円まで値を伸ばした。その後のNY時間にもドル買いの流れは継続、一時152.00円近辺まで上昇するも、政府・日銀が円買い介入に踏み切ったとみられ、146.50円近辺まで急落した。その後は、149.00円近辺で落ち着くと、月末にかけてFRBが利上げペースを減速させるとの見方が強まる中で、145.50円近辺までドル売りが強まった。しかし、日銀が引き続き大規模金融緩和策の維持と金利の据え置きを発表したことや、米経済指標でインフレ率の高止まりが示されたことで基本的な環境に変化は生まれず、月末31日には148.26円まで上昇して終了した。


略語注釈
FRB:米連邦準備制度理事会
ISM:全米供給管理協会
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