905ドル近辺でスタートした先週のプラチナ相場は、英トラス政権が打ち出した減税策の大半を撤回すると表明したことによる英金融市場の混乱収束への期待感を背景とした欧米株価の上昇に牽引され堅調に推移すると一時920ドル台中盤まで上昇した。しかし、週央には対主要通貨でドル買いが優勢となったことや、軟調推移となった欧米株式市場を受けて900ドルを割り込むまで下落した。週後半にかけても英国経済の先行き懸念の高まりを背景としたドル買いから底値を探る展開となり一時880ドルを割り込んだ。しかし、週末にかけて安値拾いから買い戻され反発を始めると週末にはドル安や米国株価の上昇を背景に急伸し940ドル近辺で越週した。

1,645ドル近辺でスタートした先週の金相場は、週初英国でこれまで発表されていた大幅な減税策が市場への混乱を招くとの結果から撤回が表明されたことで、英国経済への先行き懸念が落ち着きを見せた一方で、米国で発表された経済指標が市場予想を下回ったことによる米国経済の先行き懸念の台頭を背景としたドル安から一時1,670ドル近辺まで上昇した。その後は動意に乏しく、ほぼ横ばいで推移したものの、週後半に入ると英国で発表された経済指標が低調だった事や、世界的なリセッションへの見方の高まりを背景としたリスク回避としてのドル買いから底値を探る展開となり、1,630ドル近辺まで値を下げた。しかし、週末にはFRB当局者が追加利上げに関して慎重姿勢にあるとも取れる発言がされたことを材料に1,650ドル台中盤まで急騰し越週した。

18.40ドル近辺でスタートした先週の銀相場は、週初金相場の上昇に牽引される形となり18.80ドルをつけると週後半まで値動きに乏しく同値を推移した。しかし、後半に入ると世界的なインフレ懸念に伴う世界経済の後退への警戒を背景としたドルへの逃避買いから18.20ドル近辺まで値を下げた。その後、ドル高が重石となり一時値を下げたものの週末には金相場の上昇に追随し19.10ドル台中盤で越週した。

148.50円近辺でスタートした先週の為替相場は、引き続きFRBが強気な利上げ姿勢を維持する一方、本邦中央銀行の金融緩和政策継続が両国における金融政策の方向性の違いを反映する展開となり、週を通して円安の流れが進む展開となった。それによりおよそ32年ぶりとなる150円まで上昇し、週末にかけても上昇を続け一時152円近辺まで上昇した。しかし、週末日本時間深夜に為替介入による円買いから急落し、147.70円近辺で越週した。


略語注釈
FRB:米連邦準備制度理事会