マーケット市況情報

2022年10月07日 16時00分

2022年9月の貴金属市況2022年10月07日 16時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,706.00ドルでスタートした9月のドル建て金相場は月初、市場予想を上回る米経済指標を材料にドル高が進行したことで1,700ドル近辺まで下落した。しかし、同水準ではアジア圏の実需を中心に買い支えられ、月半ばにかけて徐々に下値を切り上げると13日には月間最高値の1,727.05ドルまで上昇した。その後発表された、米8月消費者物価指数は高水準を維持し、FRBによる金融引き締めが長期化するとの見方が強まると、ドル全面高となる中で節目となっていた1,680ドルを割り込み1,660ドル近辺まで下げ幅を拡大。月後半にかけて、ロシアがウクライナ侵攻へ強硬姿勢を維持したことで緊張が高まり、一時1,680ドル近辺まで反発したものの、それ以上押し上げる材料にはならず、上値の重い展開となった。その後は、FOMCで市場予想通り大幅利上げが実施されたことや、欧州経済指標の悪化を受けたドル高や米長期金利の上昇を材料に1,640ドル近辺まで下落した。月末にかけても、米金融当局者の利上げへの積極的な発言が相次ぐ中、ドル高が進み28日には月間最安値の1,618.20ドルまで続落した。そのような中で、英新政権が打ち出した大型減税策に伴う混乱や、それを解消すべく実施された英中央銀行の長期国債の買い入れが発表されると、これが米長期金利にも波及し下落。金相場は1,660ドル近辺まで急速に回復した。その後も資金流入が続き、月末30日には1,671.75ドルまで上昇して終了した。

■円建て金相場
7,706円でスタートした9月の円建て金相場は、底堅く推移するドル建て金相場と円安に進む為替相場が相俟って、8日には月間最高値の8,007円まで上昇した。その後は、ドル建て相場が軟調な展開となったことで下落に転じると、27日には月間最安値の7,627円まで下げ幅を拡大した。月末にかけてドル建て相場が反発すると、月末30日には7,775円まで回復して終了した。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
840ドルでスタートした9月のドル建てプラチナ相場は月初、良好な米経済指標を材料にドル高が進んだことで2日には月間最安値の836ドルまで下落した。その後は、堅調に推移する米株価を好感し上昇に転じると、南アフリカ大手鉱山会社が年内の供給見通しを下方修正したことで節目の900ドルを突破し920ドル近辺まで回復した。しかし、米8月消費者物価指数が市場予想を上回る高水準となったことで、FRBによる金融引き締めの長期化が意識されるとドル全面高となり一時880ドル近辺まで急落した。同水準では安値拾いの買いから反発し、900ドルを突破すると、20日と21日には月間最高値の931ドルまで買い進められた。その後開催されたFOMCでは利上げが決定され、ドル全面高となる中で下落に転じると900ドル近辺まで下落した。月末にかけては、英新政権が大規模な減税政策を打ち出したことで同国の財政悪化懸念が強まり、更にドルへの資金流入が加速すると840ドル近辺まで下げ幅を拡大した。その後は買い戻から上昇すると、月末30日には864ドルで終了した。

■円建てプラチナ相場
3,849円でスタートした9月の円建てプラチナ相場は月初、ドル建てプラチナ相場の下落を受け、
2日に月間最安値の3,833円まで値を下げた。月半ばにかけて、ドル建て相場が下値を切り上げ、為替相場も円安方向に進んだことで21日には月間最高値の4,334円まで上昇した。その後は、ドル建て相場が下落に転じたことで、月末30日には4,106円にて終了した。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
月間最安値の17.770ドルでスタートした9月のドル建て銀相場は月初、欧米を中心に投機筋の安値を拾う動きから徐々に下値を切り上げ、18.50ドル近辺まで上昇した。その後は、米8月消費者物価指数の発表を前に、他貴金属に比し割安感が強かったことで買い戻しの動きが旺盛となると、13日には月間最高値の19.925ドルまで急騰した。その後発表された同指標は、市場予想を上回る高水準を維持したことで、FRBによる金融引き締めの長期化観測が高まり、景気後退への警戒感が上値を重くすると19.00ドル近辺まで急落した。月後半にかけては、買い戻される場面もみられたものの、FOMCでの利上げ決定や英新政権の減税政策の報などを材料にドル高が進み、18.00ドル近辺まで下げ幅を拡大した。その後は上昇する金相場に連れ高となり、月末30日には19.020ドルまで回復して終了した。

■円建て銀相場
月間最安値の83.10円でスタートした9月の円建て銀相場は、月半ばにかけてドル建て銀相場が急騰し、為替相場も円安が進行したことで13日には月間最高値の94.40円まで上昇した。その後、月末にかけてドル建て相場が軟調な展開となり、月末30日には90.60円まで下落して終了した。


■為替
月間最安値の139.53円でスタートした9月の為替相場は月初、米新規失業保険申請件数が改善されたことや、米製造業関連の経済指標が経済の底堅さを示す結果だったことでドルが強含むと140円を突破した。その後発表された米経済指標も良好な結果を示し、景気後退懸念が和らぐと共に、FRBによる利上げ継続との見方が強まると急速に上げ幅を拡大し、144円を突破する水準まで急騰した。その後は、急速な上昇に対する調整売りから142円近辺まで値を下げる場面もみられたが、米8月消費者物価指数が高水準を維持したことで、FRBによるインフレ抑制を目的とした金融引き締めの長期化が意識され、再び144円を超える水準までドル高が進行した。その後は一時143円近辺まで下落したものの、ドル買いの流れは続き、徐々に下値を切り上げる展開となった。22日に開催された日銀金融政策決定会合では、金融緩和策の維持が示されると一時146円近辺まで急騰。これを背景に政府・本邦中央銀行が1998年6月以来となる円買い介入を実施すると141円近辺まで急落。しかし、大幅な利上げを進める米FRBと金融緩和継続の姿勢を維持する本邦中央銀行の金融政策の方向性の違いから、月末にかけてもドル買いの勢いは継続し、月末30日には月間最高値の144.81円で終了した。


略語注釈
FRB:米連邦準備制度理事会
FOMC:米連邦公開市場委員会
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