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マーケット市況情報
2006年06月09日 19時22分
2006年5月の貴金属市況2006年06月09日 19時22分
価格ベース
金 US$ London Fixing 円建 税抜参考小売価格
プラチナ US$ N.Y.F.M 円建 〃
金(Gold)
■海外金相場
5月の金相場は650ドル台後半で寄付いた後も、イランの核開発問題、米ドル安、原油高等を背景として上昇基調を維持しました。その後もトリシェ欧州中央銀行総裁がユーロ金利引上げを匂わせる発言をを行なった事や、米国の4月の雇用統計で景気浮沈の指標となる非農業部門での就業者数の伸びが市場予測を大きく下回った事(予測20万人増: 発表値13.8万人増)等を材料として、10日に700ドルを突破すると12日には月間の最高値となる725ドルまで上昇しました。この間の上昇はまさに買が買いを呼ぶ展開であり、ファンド筋を中心とした投機色の濃い思惑相場となりました。この時点では市場最高値となる840ドルも間近との見通しも台頭しましたが、為替相場におけるドル相場の反発や、原油相場が目先の調整を向えた事( 1バレル70ドル割れ)等が嫌気され15日には690ドル台まで急落。その後「700ドルを割り込んだ」をいう心理的下値感から一時的に700ドル台を回復しましたが、結局は手仕舞いの売りに押されて26日に月間の最安値となる642.25ドルを付けるまでほぼ一方的に売り込まれました。しかし、この下げを 価格トレンドの変更(上昇基調→下落基調)と受取る向きは限定的で、急激な上昇を受けた健全な調整と受取る向きが多数派となりました。 その後は650ドル近辺での昨今の金相場としては比較的値動きの乏しい状況で越月しましたが、引き続き市場では「目先の調整、中長期的には上昇基調」という認識が支配的です。尚、COMEXにおける投機家の買持ち玉数はこれだけの値動きがあったにも関わらず350トン~400トンに終始。直近の相場動向を占う上での指標として折に触れてこの数字をお伝えしてきましたが、最近は値動きとの相関関係が余りない状況となっています。総じて市場の流動性は低下しており、厚みのない市場に大口のオーダーが断続的に入った為に、高い価格変動率がもたらされたと言う見方も出来ます。
■ 為替相場
ドル円為替相場は114円近辺で始まりましたが、4月21日の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、米中の貿易摩擦から米国の経常赤字の拡大→世界的貿易不均衡と言う構造的問題に再び焦点の集まる展開となり、不均衡解消の為には為替レートの調整が必要との認識がG7参加国の間で構築されたと見られるとの観測から断続的なドル安・円高基調での推移となりました。 結果5日のNY時間に113円台を割り込むと15日に110円を割れるまでほぼ調整局面なくドル安・円高の傾向が続きました。しかし10日に行なわれたFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文で米ドル金利引上げ打ち止めが示唆されなかった事、ドル安の主要因であった米国の貿易赤字(特に対中国)において前月からの赤字幅縮小(2月656億ドル→3月620億ドル)、又 人民元が7元台まで上昇したこと等から貿易不均衡に改善が見られた事、加えてアダムス米財務長官が「競争力強化の為に為替を操作する事はない」旨の発言を行なった事などが徐々に評価される形となり、一方的なドル安トレンドは終焉。 16日に110円台を回復すると、株式相場安・金などのコモディティーも全般的に調整局面を向えた事から米ドルに買い戻しが入りやすい環境となり、月後半は緩やかなドル高・円高基調を形成。112円台中盤での越月となりました。
■国内金相場
国内の金円建て相場は、ドル円為替相場の値動きに比して、ドル建て金相場の値動きが余りにも大きく、ほぼドル建て金相場の値動きをそのまま踏襲する形となりました。月初2,413円でスタートした後、12日には月間の最高値となる2,562円まで上昇。その後は軟調な地合に終始し月末2,300円台後半まで下落しました。
プラチナ(Platinum)
■ 海外プラチナ相場
5月のプラチナ相場は1,160ドル台でスタートした後、他の貴金属の上昇を後追いする形で上昇し9日には1,200ドルを突破しました。更には15日に発表される英国ジョンソン・マッセイ社の白金族年次報告書「プラチナ2006」でプラチナ相場に関して強気な見通しが示されるのではないかとの思惑も働き、投機家の買いを煽るとプラチナ価格は一時1,300ドルを上回るレベルまで買い進まれました。 注目のジョンソンマッセイ社の「プラチナ2006」では、「05年 プラチナ需要は208トンで前年比約5トンの増加。特にディーゼルエンジン車用の触媒用需要が旺盛であった。一方南アの増産を主要因として供給側も増加。前年比約4トン増の206トンに達する。従って市場は前年同様需要超過の状況でその数量は2トンと見られる。尚、向こう半年間の価格に関しては$1,025-$1,250と予測。」と発表されました。
同時点で既に1,300ドル以上の高値圏での推移となっていた事に加え、同発表に所謂 「サプライズ」は含まれていなかった事もあり、市場は手仕舞い時と判断。翌16日には1,270ドル台まで下落しました。その後は投機色の濃い相場展開の中1,290ドル~1,330ドル程度で揉み合う形となりました。しかし月末には他の品種の下落や原油相場の下落もあり、手仕舞いの売りが優勢となり1,280ドル台で越月しました。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は、金の円建て価格同様、月初から中旬にかけてはドル建てプラチナ価格の急騰を反映して上昇基調を維持。月初の4,284円から18日に4,700円を越えるまで押しなべて上昇相場を形成しました。その後はドル建てプラチナ価格が頭打ちとなった事から、24日には最高値の4,790円をつけたものの、ほぼ4,700円台前半での揉み合い相場となり越月しました。
以上
金 US$ London Fixing 円建 税抜参考小売価格
プラチナ US$ N.Y.F.M 円建 〃
金(Gold)
■海外金相場
5月の金相場は650ドル台後半で寄付いた後も、イランの核開発問題、米ドル安、原油高等を背景として上昇基調を維持しました。その後もトリシェ欧州中央銀行総裁がユーロ金利引上げを匂わせる発言をを行なった事や、米国の4月の雇用統計で景気浮沈の指標となる非農業部門での就業者数の伸びが市場予測を大きく下回った事(予測20万人増: 発表値13.8万人増)等を材料として、10日に700ドルを突破すると12日には月間の最高値となる725ドルまで上昇しました。この間の上昇はまさに買が買いを呼ぶ展開であり、ファンド筋を中心とした投機色の濃い思惑相場となりました。この時点では市場最高値となる840ドルも間近との見通しも台頭しましたが、為替相場におけるドル相場の反発や、原油相場が目先の調整を向えた事( 1バレル70ドル割れ)等が嫌気され15日には690ドル台まで急落。その後「700ドルを割り込んだ」をいう心理的下値感から一時的に700ドル台を回復しましたが、結局は手仕舞いの売りに押されて26日に月間の最安値となる642.25ドルを付けるまでほぼ一方的に売り込まれました。しかし、この下げを 価格トレンドの変更(上昇基調→下落基調)と受取る向きは限定的で、急激な上昇を受けた健全な調整と受取る向きが多数派となりました。 その後は650ドル近辺での昨今の金相場としては比較的値動きの乏しい状況で越月しましたが、引き続き市場では「目先の調整、中長期的には上昇基調」という認識が支配的です。尚、COMEXにおける投機家の買持ち玉数はこれだけの値動きがあったにも関わらず350トン~400トンに終始。直近の相場動向を占う上での指標として折に触れてこの数字をお伝えしてきましたが、最近は値動きとの相関関係が余りない状況となっています。総じて市場の流動性は低下しており、厚みのない市場に大口のオーダーが断続的に入った為に、高い価格変動率がもたらされたと言う見方も出来ます。
■ 為替相場
ドル円為替相場は114円近辺で始まりましたが、4月21日の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、米中の貿易摩擦から米国の経常赤字の拡大→世界的貿易不均衡と言う構造的問題に再び焦点の集まる展開となり、不均衡解消の為には為替レートの調整が必要との認識がG7参加国の間で構築されたと見られるとの観測から断続的なドル安・円高基調での推移となりました。 結果5日のNY時間に113円台を割り込むと15日に110円を割れるまでほぼ調整局面なくドル安・円高の傾向が続きました。しかし10日に行なわれたFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文で米ドル金利引上げ打ち止めが示唆されなかった事、ドル安の主要因であった米国の貿易赤字(特に対中国)において前月からの赤字幅縮小(2月656億ドル→3月620億ドル)、又 人民元が7元台まで上昇したこと等から貿易不均衡に改善が見られた事、加えてアダムス米財務長官が「競争力強化の為に為替を操作する事はない」旨の発言を行なった事などが徐々に評価される形となり、一方的なドル安トレンドは終焉。 16日に110円台を回復すると、株式相場安・金などのコモディティーも全般的に調整局面を向えた事から米ドルに買い戻しが入りやすい環境となり、月後半は緩やかなドル高・円高基調を形成。112円台中盤での越月となりました。
■国内金相場
国内の金円建て相場は、ドル円為替相場の値動きに比して、ドル建て金相場の値動きが余りにも大きく、ほぼドル建て金相場の値動きをそのまま踏襲する形となりました。月初2,413円でスタートした後、12日には月間の最高値となる2,562円まで上昇。その後は軟調な地合に終始し月末2,300円台後半まで下落しました。
プラチナ(Platinum)
■ 海外プラチナ相場
5月のプラチナ相場は1,160ドル台でスタートした後、他の貴金属の上昇を後追いする形で上昇し9日には1,200ドルを突破しました。更には15日に発表される英国ジョンソン・マッセイ社の白金族年次報告書「プラチナ2006」でプラチナ相場に関して強気な見通しが示されるのではないかとの思惑も働き、投機家の買いを煽るとプラチナ価格は一時1,300ドルを上回るレベルまで買い進まれました。 注目のジョンソンマッセイ社の「プラチナ2006」では、「05年 プラチナ需要は208トンで前年比約5トンの増加。特にディーゼルエンジン車用の触媒用需要が旺盛であった。一方南アの増産を主要因として供給側も増加。前年比約4トン増の206トンに達する。従って市場は前年同様需要超過の状況でその数量は2トンと見られる。尚、向こう半年間の価格に関しては$1,025-$1,250と予測。」と発表されました。
同時点で既に1,300ドル以上の高値圏での推移となっていた事に加え、同発表に所謂 「サプライズ」は含まれていなかった事もあり、市場は手仕舞い時と判断。翌16日には1,270ドル台まで下落しました。その後は投機色の濃い相場展開の中1,290ドル~1,330ドル程度で揉み合う形となりました。しかし月末には他の品種の下落や原油相場の下落もあり、手仕舞いの売りが優勢となり1,280ドル台で越月しました。
■国内プラチナ相場
国内円建て相場は、金の円建て価格同様、月初から中旬にかけてはドル建てプラチナ価格の急騰を反映して上昇基調を維持。月初の4,284円から18日に4,700円を越えるまで押しなべて上昇相場を形成しました。その後はドル建てプラチナ価格が頭打ちとなった事から、24日には最高値の4,790円をつけたものの、ほぼ4,700円台前半での揉み合い相場となり越月しました。
以上