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マーケット市況情報
2006年04月10日 18時30分
2006年3月の貴金属市況2006年04月10日 18時30分
価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:N.Y.F.M 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
3月の金相場は560ドル台中盤でスタートした後、銀相場の上昇や、中東情勢の更なる悪化懸念、加えて米国を中心として根強く残るインフレ懸念等を背景として、ジリジリと値を伸ばす展開が続き6日にかけて570ドル近辺まで上昇しました。しかしその後原油相場が軟調に転じた事を引き金にして、投機筋が先物市場において利益確定の為の手仕舞い売りを行なった事から10日には535ドルと月間の最安値レベルまで下落しました。しかし540ドル以下では中東を中心に現物需要が回復したこと等から底打ち感が台頭。 徐々に価格を切上げ、15日には550ドル台を回復しました。その後は「日・米・欧の金利先高感を背景に金市場から債権等の他の資産への世界的資金流出が増加する。」との金市場にとって弱気な観測がある一方で、「中東情勢などの地政学的要因や原油価格が高値圏の推移を継続するとの見解から資金逃避先としての金需要は引き続き旺盛である。」とする金市場にとって強気の観測が交錯する形となり、23日にかけて550ドルを中心値として上下5ドル程度と極めて狭いレンジでの揉み合い相場を形成しました。しかしイランの核開発問題の深刻化と共に原油価格が再度1バレル60ドルに達した事や、銀価格が22年振りの高値まで上昇した事から、金市場にも投機的資金が流入。27日に560ドル台を回復すると、月末には一気に580ドル台まで値を伸ばして越月しました。直近の価格動向を占う上での一つの指標となるNY COMEXにおける投機家の買持ち玉数は、月初400トン程度でしたが、上旬の価格下落時に相当量が手仕舞いされ一時300トンを割り込むレベルまで減少しました。しかし、月末にかけて投機筋の買が旺盛となると再度400トン程度まで増加して引けました。
■為替相場
ドル円為替相場は、日米の金融政策が焦点となる展開となりました。月初115円台後半と円高圏でのスタートとなりましたが、これは日銀が量的金融緩和政策を近々に解除するとの思惑が働き、市場がそれを先取りした結果と見られます。事実、日銀は9日の政策委員会・金融政策決定会合で、消費者物価指数が安定的に前年比ゼロ%以上になるなどの解除条件が整ったとの判断から量的金融緩和政策の解除を決定。この時点では市場は既に織り込み済みであり、逆に「量的緩和政策の解除であり、金利引き上げ政策に移行するにはまだ時間を有する。」との判断から、再度日米の金利格差に注目が集まる展開となり、ドルが強含む展開となりました。結果10日には月間の円最安値レベルとなる一時119円近辺までドル高・円安が進行。そのまま中旬にかけて118円台後半での往来相場を繰広げました。しかし14日に米国05年第4四半期の国際収支統計が発表され赤字額は2,248億7,600万ドル(前四半期比21.3%増)と過去最大まで拡大、加えて同じく14日に発表された米国2月の小売売上高では前月比1.3%減と昨年8月以来下落に転じた事から、ドル金利引上げ政策早期打ち止め観測が台頭。ドル円為替相場は一転ドル安・円高歩調に転換すると17日NYの引け時間帯には一時115円台に達しました。その後ややドル安・円高に行き過ぎ感が出た為ドル買戻しが入り22日に117円台を回復。月末にかけては結果的に米国連邦公開市場委員会(FOMC)にて米国政策金利フェデラル・ファンド・レートの引き上げが決定された事(4.5%→4.75%)から一時的にドルが強含む場面も見受けられましたが概ね116円台後半から117円台でのレンジ取引に終始しました。
■国内金相場
国内金円建て相場は、月初2,115円でスタートした後、為替相場が円安・ドル高方向に振れたにも係わらず、ドル建て金相場の下落がより大幅であった事から、9日には月間の最安値となる2,084円まで下落。その後は2,110円近辺での取引が継続しましたが、月末にはドル建て金相場の急伸を受けて2,239円まで値を伸ばして越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
3月のプラチナ相場は1,040ドル台後半でスタートしましたが、当初投機筋の思惑買を背景として1,040ドルから1,060ドル近辺での持合い相場を形成しました。しかし、8日には軟調に転じた金相場を受けて投機筋の手仕舞い売りを誘発し下落。元来金市場に比して投機色の強いプラチナ市場では、一度弾みが付くと急激な値動きとなる事が常であり、同日一気に1,040ドル近辺から1,010ドルまで約30ドルの下落を記録しました。その後も軟調な地合の下に10日に月間の最安値となる1,006ドルまで下落しましたが、この価格帯ではさすがに値頃感が台頭。今まで買いそびれていた実需家が手当てに走った事から底打ち感が台頭し1,000ドルの大台を堅持しました。その後、13日に1,010ドル台を回復すると、再度TOCOMを中心とした先物市場で思惑買いが活発化。徐々に底値を切上げる形で22日には月初とほぼ同等のレベルである1,040ドルを回復しました。1,000ドル近辺では現物を伴った需要が旺盛である事が確認されている事が、更なる買に安心感を与える結果となりました。月末にかけては金・銀市場における投機資金の流入が顕著となり、プラチナ市場にも波及。独歩高の展開となり1,080ドルを超える場面も見受けられるなど高値圏での越月となりました。
■国内プラチナ相場
一方国内円建て相場は、金の円建て価格同様、基本的には月初から月中にかけてはドル建てプラチナ相場が急落する場面が見受けられた事から、為替相場の動向にはあまり関係なく軟調な地合となりました。その後ドル建てプラチナ相場が上げ基調に転換すると円建て価格も追随。特にドル建て価格の上昇が顕著となった月末には円建て価格でも月間の際高値圏を記録するに至りました。結果、月初3,963円でスタートすると、9日に月間の最安値となる3,884円まで下落。その後値を戻し月末に月間の最高値となる4,187円に到達するまで総じて上昇相場を維持。9日の最安値から月末31日の最高値まで、約20日間に300円強上昇した事となり、値動きの激しいプラチナ相場である事を考慮しても、かなりの上げ幅であったという事ができます。
以上
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:N.Y.F.M 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
3月の金相場は560ドル台中盤でスタートした後、銀相場の上昇や、中東情勢の更なる悪化懸念、加えて米国を中心として根強く残るインフレ懸念等を背景として、ジリジリと値を伸ばす展開が続き6日にかけて570ドル近辺まで上昇しました。しかしその後原油相場が軟調に転じた事を引き金にして、投機筋が先物市場において利益確定の為の手仕舞い売りを行なった事から10日には535ドルと月間の最安値レベルまで下落しました。しかし540ドル以下では中東を中心に現物需要が回復したこと等から底打ち感が台頭。 徐々に価格を切上げ、15日には550ドル台を回復しました。その後は「日・米・欧の金利先高感を背景に金市場から債権等の他の資産への世界的資金流出が増加する。」との金市場にとって弱気な観測がある一方で、「中東情勢などの地政学的要因や原油価格が高値圏の推移を継続するとの見解から資金逃避先としての金需要は引き続き旺盛である。」とする金市場にとって強気の観測が交錯する形となり、23日にかけて550ドルを中心値として上下5ドル程度と極めて狭いレンジでの揉み合い相場を形成しました。しかしイランの核開発問題の深刻化と共に原油価格が再度1バレル60ドルに達した事や、銀価格が22年振りの高値まで上昇した事から、金市場にも投機的資金が流入。27日に560ドル台を回復すると、月末には一気に580ドル台まで値を伸ばして越月しました。直近の価格動向を占う上での一つの指標となるNY COMEXにおける投機家の買持ち玉数は、月初400トン程度でしたが、上旬の価格下落時に相当量が手仕舞いされ一時300トンを割り込むレベルまで減少しました。しかし、月末にかけて投機筋の買が旺盛となると再度400トン程度まで増加して引けました。
■為替相場
ドル円為替相場は、日米の金融政策が焦点となる展開となりました。月初115円台後半と円高圏でのスタートとなりましたが、これは日銀が量的金融緩和政策を近々に解除するとの思惑が働き、市場がそれを先取りした結果と見られます。事実、日銀は9日の政策委員会・金融政策決定会合で、消費者物価指数が安定的に前年比ゼロ%以上になるなどの解除条件が整ったとの判断から量的金融緩和政策の解除を決定。この時点では市場は既に織り込み済みであり、逆に「量的緩和政策の解除であり、金利引き上げ政策に移行するにはまだ時間を有する。」との判断から、再度日米の金利格差に注目が集まる展開となり、ドルが強含む展開となりました。結果10日には月間の円最安値レベルとなる一時119円近辺までドル高・円安が進行。そのまま中旬にかけて118円台後半での往来相場を繰広げました。しかし14日に米国05年第4四半期の国際収支統計が発表され赤字額は2,248億7,600万ドル(前四半期比21.3%増)と過去最大まで拡大、加えて同じく14日に発表された米国2月の小売売上高では前月比1.3%減と昨年8月以来下落に転じた事から、ドル金利引上げ政策早期打ち止め観測が台頭。ドル円為替相場は一転ドル安・円高歩調に転換すると17日NYの引け時間帯には一時115円台に達しました。その後ややドル安・円高に行き過ぎ感が出た為ドル買戻しが入り22日に117円台を回復。月末にかけては結果的に米国連邦公開市場委員会(FOMC)にて米国政策金利フェデラル・ファンド・レートの引き上げが決定された事(4.5%→4.75%)から一時的にドルが強含む場面も見受けられましたが概ね116円台後半から117円台でのレンジ取引に終始しました。
■国内金相場
国内金円建て相場は、月初2,115円でスタートした後、為替相場が円安・ドル高方向に振れたにも係わらず、ドル建て金相場の下落がより大幅であった事から、9日には月間の最安値となる2,084円まで下落。その後は2,110円近辺での取引が継続しましたが、月末にはドル建て金相場の急伸を受けて2,239円まで値を伸ばして越月しました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
3月のプラチナ相場は1,040ドル台後半でスタートしましたが、当初投機筋の思惑買を背景として1,040ドルから1,060ドル近辺での持合い相場を形成しました。しかし、8日には軟調に転じた金相場を受けて投機筋の手仕舞い売りを誘発し下落。元来金市場に比して投機色の強いプラチナ市場では、一度弾みが付くと急激な値動きとなる事が常であり、同日一気に1,040ドル近辺から1,010ドルまで約30ドルの下落を記録しました。その後も軟調な地合の下に10日に月間の最安値となる1,006ドルまで下落しましたが、この価格帯ではさすがに値頃感が台頭。今まで買いそびれていた実需家が手当てに走った事から底打ち感が台頭し1,000ドルの大台を堅持しました。その後、13日に1,010ドル台を回復すると、再度TOCOMを中心とした先物市場で思惑買いが活発化。徐々に底値を切上げる形で22日には月初とほぼ同等のレベルである1,040ドルを回復しました。1,000ドル近辺では現物を伴った需要が旺盛である事が確認されている事が、更なる買に安心感を与える結果となりました。月末にかけては金・銀市場における投機資金の流入が顕著となり、プラチナ市場にも波及。独歩高の展開となり1,080ドルを超える場面も見受けられるなど高値圏での越月となりました。
■国内プラチナ相場
一方国内円建て相場は、金の円建て価格同様、基本的には月初から月中にかけてはドル建てプラチナ相場が急落する場面が見受けられた事から、為替相場の動向にはあまり関係なく軟調な地合となりました。その後ドル建てプラチナ相場が上げ基調に転換すると円建て価格も追随。特にドル建て価格の上昇が顕著となった月末には円建て価格でも月間の際高値圏を記録するに至りました。結果、月初3,963円でスタートすると、9日に月間の最安値となる3,884円まで下落。その後値を戻し月末に月間の最高値となる4,187円に到達するまで総じて上昇相場を維持。9日の最安値から月末31日の最高値まで、約20日間に300円強上昇した事となり、値動きの激しいプラチナ相場である事を考慮しても、かなりの上げ幅であったという事ができます。
以上