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マーケット市況情報
2006年12月07日 13時39分
2006年11月の貴金属市況2006年12月07日 13時39分
価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:N.Y.F.M 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
11月の金相場は、610ドル台前半でスタートした後、中東・北朝鮮情勢を巡る潜在的リスクを反映して「地政学的リスク回避の買い」が相場を下支えする形となり底堅い値動きとなりました。 市場では10月初旬に560ドル近辺まで価格が下落した際、インド・中国を中心に旺盛な現物需要があり相場を下支えしたことから、下値に対する安心感が広がり、確固たる買い材料こそ見当たらないものの、心理的に買いを入れやすい環境となりました。結果2日に620ドル台を回復すると、10日に630ドル台を回復するまでジリジリとした上昇基調が継続しました。又7日に行われた米国の中間選挙で連邦議会は上院も下院も民主党が過半数議席を獲得。政治的不透明感が潜在的なドル安要因に結びつくとの認識から金が買われやすい状況となりました。加えて中国等の中央銀行が外貨準備の分散計画を表明した事も金買いを髣髴させるとして支援材料として作用しました。その後は一進一退を繰り返す原油相場に呼応する展開となり、23日の米国市場休場(感謝祭)まで620ドル~630ドル台のレンジで揉み合いを続けました。月末にかけては1バレル60ドル台を回復した原油相場が金価格を後押し。米国の景況感指数が下落したことから米ドル安を誘発した事も金相場には追い風となり640ドル台を回復して越月しました。
■為替相場
ドル円為替相場は117円近辺で寄付いた後3日に発表された米国雇用統計では10月分こそ非農業部門の雇用者数の増加が9.2万人と12.5万人増の市場予測を下回ったものの、8月・9月分が大幅に上方修正された事や、失業率が4.4%と約5年半ぶりの低水準となったことからドル高・円安が進行。6日の月曜日には118円台を回復しました。その後7日に行われた米国中間選挙では民主党の躍進に終わり、米国に対する潜在的不透明感が増し、将来的なドル安懸念が囁かれたものの短期的な市場への影響は限定的となり若干のドル安・円高(117円台)に留まりました。その後、月中にかけてはFOMC議事録公表・日銀の政策決定会合があったもののドル円相場の流れを決定付けるには何れも新鮮味に欠ける内容となった事から117円台後半から118円台前半での極めて狭いレンジでの揉み合い相場に終始しました。 しかし 22日の円安を牽制するユンケル・ルクセンブルグ首相兼財務相発言や10月の失業保険申請件数・11月の消費者信頼感指数と言った米国経済指標が弱含みとなった事からドル売り・円買いに転換。 117円台を割り込むと日米両国が休場であった23日には116円台までドル安・円高が進行しました。その後もユーロ等欧州通貨主導で短期利益目的のドル売り仕掛けが入ると、円は115円台中盤まで買い進まれました。月末にかけては116円台中盤が米ドルの上値抵抗線となる一方、他通貨に対しては円売りが旺盛であったことから下値も限定的となり116円を挟んでの小動きで越月しました。
■国内金相場
国内金円建て相場は、10月の月報でも指摘した通り、金ドル建て価格上昇=為替相場における円高、金ドル建て価格下落=為替相場における円安、の図式が強まり円建てでの値動きは比較的限られる展開となりました。月初2,309円で寄付いた後、ドル建て金相場の上昇に伴い10日に月間の最高値となる2,426円まで上昇。しかしその後は、金ドル建て価格が底堅い展開を示す一方で、為替市場がドル安・円高基調での推移となった事から2,380円~2,420円程度での狭いレンジでの往来相場となりました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
11月のプラチナ相場は1,086ドルでスタートした後、信憑性にはいささか疑問が残るものの、プラチナ版ETF(上場投資信託)上場の可能性を示唆する報が出た事から3日には一気に1,200ドルを上回るレベルまで急騰しました。その後14日に英国ジョンソンマッセイ社のプラチナ中間年次報告の発表を控え、思惑の売りに一時的に値を下げましたが1,170ドル近辺で底入れ、薄商いの中、値動きは荒いものの1,150ドル~1,200ドル台前半でのレンジ取引となりました。しかし 20日のニューヨーク時間では再度プラチナ版ETF上場の可能性が材料視された事に加え、11月末期日のコール・オプション(ある一定価格で購入できる権利)の購入者が権利の行使を行った事から、手当ての済んでいなかったコール・オプション販売者は一斉に現物を購入。価格は1日にして1,390ドル台まで上昇すると共に、一挙に品薄状態となり一時的に短期リースレートは200%程度まで上昇しました。しかし、翌22日には高値感から売り物が出て急激に沈静化し、1,200ドルを割り込むレベルまで下落しました。一両日の間に200ドルを上回る値動きとなり、日柄の値動き幅としては前例のない状況となりました。その後月末にかけては1,150ドル~1,200ドルでの往来相場に終始して越月しました。
尚、14日に発表された英国ジョンソンマッセイ社のプラチナ中間年次報告の要旨は以下の通り。
① 06年プラチナ需要は欧州を中心とする自動車触媒用需要の増大が宝飾用需要の落ち込みを上回り前年比4.90%増の218.3トンと過去最大になる見込み。
② 06年プラチナ供給は世界最大の供給国である南アフリカの増産により、前年比5.3%
増の217.7トンとほぼ需要増に見合った供給増を予測。
③ 価格に関しては向う6ヶ月間980ドル~1,200ドルのレンジを見通し。
■国内プラチナ相場
国内円建て価格は、ドル建て相場が値動きの荒い展開となった事から、為替相場の値動きを吸収し、ドル建て価格の値動きをそのまま踏襲する形となりました。ドル建て相場が、1400ドル近くまで急騰した21日には、一時、月間の最高値となる5,310円まで上昇。月初の月間最安値4,138円との値差は1,172円に達し極めて値動きの荒い展開となりました。
以上
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:N.Y.F.M 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
11月の金相場は、610ドル台前半でスタートした後、中東・北朝鮮情勢を巡る潜在的リスクを反映して「地政学的リスク回避の買い」が相場を下支えする形となり底堅い値動きとなりました。 市場では10月初旬に560ドル近辺まで価格が下落した際、インド・中国を中心に旺盛な現物需要があり相場を下支えしたことから、下値に対する安心感が広がり、確固たる買い材料こそ見当たらないものの、心理的に買いを入れやすい環境となりました。結果2日に620ドル台を回復すると、10日に630ドル台を回復するまでジリジリとした上昇基調が継続しました。又7日に行われた米国の中間選挙で連邦議会は上院も下院も民主党が過半数議席を獲得。政治的不透明感が潜在的なドル安要因に結びつくとの認識から金が買われやすい状況となりました。加えて中国等の中央銀行が外貨準備の分散計画を表明した事も金買いを髣髴させるとして支援材料として作用しました。その後は一進一退を繰り返す原油相場に呼応する展開となり、23日の米国市場休場(感謝祭)まで620ドル~630ドル台のレンジで揉み合いを続けました。月末にかけては1バレル60ドル台を回復した原油相場が金価格を後押し。米国の景況感指数が下落したことから米ドル安を誘発した事も金相場には追い風となり640ドル台を回復して越月しました。
■為替相場
ドル円為替相場は117円近辺で寄付いた後3日に発表された米国雇用統計では10月分こそ非農業部門の雇用者数の増加が9.2万人と12.5万人増の市場予測を下回ったものの、8月・9月分が大幅に上方修正された事や、失業率が4.4%と約5年半ぶりの低水準となったことからドル高・円安が進行。6日の月曜日には118円台を回復しました。その後7日に行われた米国中間選挙では民主党の躍進に終わり、米国に対する潜在的不透明感が増し、将来的なドル安懸念が囁かれたものの短期的な市場への影響は限定的となり若干のドル安・円高(117円台)に留まりました。その後、月中にかけてはFOMC議事録公表・日銀の政策決定会合があったもののドル円相場の流れを決定付けるには何れも新鮮味に欠ける内容となった事から117円台後半から118円台前半での極めて狭いレンジでの揉み合い相場に終始しました。 しかし 22日の円安を牽制するユンケル・ルクセンブルグ首相兼財務相発言や10月の失業保険申請件数・11月の消費者信頼感指数と言った米国経済指標が弱含みとなった事からドル売り・円買いに転換。 117円台を割り込むと日米両国が休場であった23日には116円台までドル安・円高が進行しました。その後もユーロ等欧州通貨主導で短期利益目的のドル売り仕掛けが入ると、円は115円台中盤まで買い進まれました。月末にかけては116円台中盤が米ドルの上値抵抗線となる一方、他通貨に対しては円売りが旺盛であったことから下値も限定的となり116円を挟んでの小動きで越月しました。
■国内金相場
国内金円建て相場は、10月の月報でも指摘した通り、金ドル建て価格上昇=為替相場における円高、金ドル建て価格下落=為替相場における円安、の図式が強まり円建てでの値動きは比較的限られる展開となりました。月初2,309円で寄付いた後、ドル建て金相場の上昇に伴い10日に月間の最高値となる2,426円まで上昇。しかしその後は、金ドル建て価格が底堅い展開を示す一方で、為替市場がドル安・円高基調での推移となった事から2,380円~2,420円程度での狭いレンジでの往来相場となりました。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
11月のプラチナ相場は1,086ドルでスタートした後、信憑性にはいささか疑問が残るものの、プラチナ版ETF(上場投資信託)上場の可能性を示唆する報が出た事から3日には一気に1,200ドルを上回るレベルまで急騰しました。その後14日に英国ジョンソンマッセイ社のプラチナ中間年次報告の発表を控え、思惑の売りに一時的に値を下げましたが1,170ドル近辺で底入れ、薄商いの中、値動きは荒いものの1,150ドル~1,200ドル台前半でのレンジ取引となりました。しかし 20日のニューヨーク時間では再度プラチナ版ETF上場の可能性が材料視された事に加え、11月末期日のコール・オプション(ある一定価格で購入できる権利)の購入者が権利の行使を行った事から、手当ての済んでいなかったコール・オプション販売者は一斉に現物を購入。価格は1日にして1,390ドル台まで上昇すると共に、一挙に品薄状態となり一時的に短期リースレートは200%程度まで上昇しました。しかし、翌22日には高値感から売り物が出て急激に沈静化し、1,200ドルを割り込むレベルまで下落しました。一両日の間に200ドルを上回る値動きとなり、日柄の値動き幅としては前例のない状況となりました。その後月末にかけては1,150ドル~1,200ドルでの往来相場に終始して越月しました。
尚、14日に発表された英国ジョンソンマッセイ社のプラチナ中間年次報告の要旨は以下の通り。
① 06年プラチナ需要は欧州を中心とする自動車触媒用需要の増大が宝飾用需要の落ち込みを上回り前年比4.90%増の218.3トンと過去最大になる見込み。
② 06年プラチナ供給は世界最大の供給国である南アフリカの増産により、前年比5.3%
増の217.7トンとほぼ需要増に見合った供給増を予測。
③ 価格に関しては向う6ヶ月間980ドル~1,200ドルのレンジを見通し。
■国内プラチナ相場
国内円建て価格は、ドル建て相場が値動きの荒い展開となった事から、為替相場の値動きを吸収し、ドル建て価格の値動きをそのまま踏襲する形となりました。ドル建て相場が、1400ドル近くまで急騰した21日には、一時、月間の最高値となる5,310円まで上昇。月初の月間最安値4,138円との値差は1,172円に達し極めて値動きの荒い展開となりました。
以上