マーケット市況情報

2021年10月06日 12時00分

2021年9月の貴金属市況2021年10月06日 12時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,813.90ドルでスタートした9月のドル建て金相場は月初、米8月雇用統計の悪化を受け実体経済への回復期待が後退すると、6日には月間最高値の1,823.85ドルまで上昇した。その後は、弱い欧州経済指標を材料にユーロに対してドルが強含んだことで値を下げ1,800ドル近辺まで下落した。月半ばにかけて、同水準で揉み合ったあとは、力強い米経済指標を背景に金融政策の早期正常化への期待が高まり、米長期金利が上昇する中で売りが強まったため1,750ドル近辺まで急落した。その後は、中国大手不動産開発会社の債務問題が市場心理を悪化させ、金が選好されると1,780ドル近辺まで回復した。しかし、同問題が一服したことに加え、 米FOMCでの量的緩和の段階的縮小やその後に想定される利上げへのステップが示されたことで再び下落に転じると、上値の重い展開が続き、月末30日のロンドン時間午前には月間最安値の1,730.95ドルまで下落した。同日ロンドン時間午後には、安値を拾う動きもみられ1,742.80ドルまで回復して終了した。

■円建て金相場
6,469円でスタートした9月の円建て金相場は月初、ドル建て金相場の上昇を受け、6日に月間最高値の6,493円まで上昇した。月半ばにかけて、ドル建て相場が下落したことに加え、為替相場が円高方向に進んだことで、17日には月間最安値の6,249円まで値を下げた。その後、為替相場は急速に円安が進行したものの、ドル建て相場が軟調な展開だったことで上値は抑えられ、月末30日には6,269円で終了した。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
1,014ドルでスタートした9月のドル建てプラチナ相場は月初、弱い米経済指標を材料に徐々に上値を削り1,000ドルを割り込むと、安値を拾う動きが活発化し6日には月間最高値の1,029ドルまで反発した。しかし、同水準を維持するほどのサポート材料も無く再び下落に転じると、市場予想を下回る欧州経済指標を背景に、対ユーロでドル高が進み980ドル近辺まで値を下げた。月後半にかけても、需要の緩みが意識される中で上値は重く、米国における量的緩和縮小への期待感からドル高が進行したことで、21日には月間最安値の925ドルまで続落した。その後、中国大手不動産開発会社の債務不履行の可能性が示唆され金が選好されると、これに追随して再び1,000ドルを試す場面も見られた。しかし、プラチナの代表的な需要の一つである自動車産業における部品供給の停滞による生産減が重荷となっており、軟調な米株式市場も相まってドル全面高となる中で弱含むと、月末30日には963ドルまで下落して終了した。

■円建てプラチナ相場
3,697円でスタートした9月の円建てプラチナ相場は月初、ドル建てプラチナ相場の上昇を受け、6日と7日に月間最高値の3,703円まで値を伸ばした。その後は、ドル建て相場が下落し為替相場が円高方向に進んだことで、21日には月間最安値の3,344円まで値を下げた。月末にかけては、ドル建て相場の回復と円安が相俟って、月末30日には3,522円まで上昇して終了した。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
23.92ドルでスタートした9月のドル建て銀相場は月初、弱い米8月雇用統計を受け景気回復への失望感からドルが売られると、6日には月間最高値の24.71ドルまで上昇した。月半ばにかけては、米長期金利の上昇や強い米経済指標を材料とした早期利上げ観測の高まりなどを受けて上値を削り、22.50ドル近辺まで値を下げた。その後、中国大手不動産開発会社の問題を受け上昇する金相場などのサポート材料はあったものの追随しきれず、同値近辺での揉み合いが続くと、米長期金利の上昇を眺めたドル高から、月末30日には月間最安値の21.53ドルまで下げ幅を拡大して終了した。

■円建て銀相場
88.00円でスタートした9月の円建て銀相場は月初、ドル建て銀相場が上昇したことで、6日には月間最高値の90.70円まで値を伸ばした。その後、月末にかけてドル建て相場が上値重く推移したことで徐々に上値を削り、月末30日には月間最安値の80.60円まで下落して終了した。

■為替
110.19円でスタートした9月の為替相場は、月初発表された米8月雇用統計の結果が市場予想を下回ったことで、ドル売りが強まると109.60円近辺まで下落した。その後は、米長期金利の上昇を眺め110.40円近辺まで回復したものの、強い欧州経済指標を材料に対ユーロでドル安が進行すると、ドル円相場にも波及。加えて、米8月消費者物価指数が弱い内容だったことから早期利上げ観測が後退し、109.30円近辺まで下落した。月後半にかけては、力強い米経済指標を材料に再び110円を目指すも、中国大手不動産開発会社が債務不履行に陥る可能性が示唆されると、主要通貨に対してドルも円も買われる中で徐々に円買いが強まり、22日には月間最安値の109.22円まで下落した。月末にかけて、同問題が一服したことに加え、米FOMCで量的緩和の段階的縮小が示唆されたことで、米長期金利が上昇しドル買いが強まると110.50円近辺まで上昇した。その後も米長期金利の上昇にサポートされ、ドル全面高となる中で月末30日には月間最高値の111.92円まで上昇して終了した。

以上

略語注釈
米FOMC:米連邦公開市場委員会
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