マーケット市況情報

2021年06月07日 12時00分

2021年5月の貴金属市況2021年06月07日 12時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,784.95ドルでスタートした5月のドル建て金相場は、月を通して堅調な展開となった。月初、米4月ISM製造業景況指数が予想外の悪化となったことで1,800ドルを試すも、同水準では売りが優勢となり5日には月間最安値の1,778.05ドルまで下落した。その後、欧州経済指標が良好な結果を示し、対ドルでユーロが強含んだことに加え、米長期債利回りが低下したことで1,840ドル近辺まで上昇した。月半ばにかけて同値近辺で揉み合ったあとは、米4月小売売上高が市場予想を下回ったことや、英国が都市封鎖解除を発表し欧州の経済活動正常化に対する期待感などを材料にドル売りが加速すると1,880ドル近辺まで上値を伸ばした。月末にかけても底堅く推移すると、米金融当局者が物価上昇圧力は一時的なものと発言したことで、金融緩和縮小観測後退の見方が強まり、米長期債利回り低下を材料に26日には月間最高値の1,904.30ドルまで続伸した。その後は1,900ドルを挟んで売り買いが交錯すると、月末28日には1,899.95ドルで終了した。

■円建て金相場
月間最安値の6,301円でスタートした5月の円建て金相場は、月を通して堅調なドル建て金相場を受けて徐々に下値を切り上げる展開となった。月末にかけて、為替相場も円安方向に進んだことで値を伸ばし、月末31日には月間最高値の6,756円まで上昇して終了した。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
1,238ドルでスタートした5月のドル建てプラチナ相場は月初、前月から続くドル安の流れを受けた投機筋の買いから徐々に下値を切り上げる展開となった。7日発表の米4月雇用統計は市場予想を大きく裏切り、非農業部門雇用者数や失業率が悪化。緩和的な金融政策継続の見方が強まるとドルの下落が顕著となり、10日には月間最高値の1,267ドルまで上昇した。その後、インフレによる経済への悪影響や雇用統計発表後の金融市場の混乱を材料に米株価が軟調になる中で、産業用メタルとしての側面が意識され需要減退懸念が燻ると軟調地合いへと転換し1,200ドル近辺まで下落した。月後半にかけては、中国政府がコモディティ市場安定化に向けて介入を示唆する発言が報道されると、直接プラチナ市場に言及するような報道ではなかったものの、急速に投機家心理が冷え込み24日には月間最安値の1,164ドルまで下げ幅を拡大した。月末にかけて一時1,200ドルを試す場面もみられたが、買い一巡後は再び下落に転じると月末28日には1,170ドルで終了した。

■円建てプラチナ相場
4,340円でスタートした5月の円建てプラチナ相場は月初、堅調に推移するドル建てプラチナ相場を受けて値を伸ばすと、10日には月間最高値の4,448円まで上昇した。その後、月末にかけてドル建て相場が下げ幅を拡大する中で値を下げると、25日には月間最安値の4,188円まで下落した。その後、為替相場が円安方向に進んだことでやや値を戻し、月末31日には4,262円で終了した。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
26.83ドルでスタートした5月のドル建て銀相場は月初、弱い米経済指標を受けたドル安から27ドルを試すも、同水準では利食い売りから値を下げ、5日には月間最安値の26.30ドルまで下落した。その後は、米長期債利回りが低下する中で上昇する金相場に連れ高となると27.50ドル近辺まで急騰した。月半ばにかけて上値の重い展開が続き、27ドル近辺まで値を下げたものの、英国が都市封鎖を解除し、欧州経済の回復期待が高まったことで反発すると、18日には月間最高値の28.48ドルまで値を伸ばした。その後は、低調な米経済指標を材料に27.50ドル近辺まで下落すると、月末にかけて新規材料に欠ける中、27.50ドル近辺から28.00ドル近辺のレンジ推移となると、月末28日には27.63ドルで終了した。

■円建て銀相場
月間最安値の96.10円でスタートした5月の円建て銀相場は、月半ばにかけてドル建て相場が堅調に推移すると18日には月間最高値の102.60円まで上昇した。その後、ドル建て相場が下落したことで100円を割る水準まで下落したものの、月末にかけて為替相場が円安方向に進んだことで、月末31日には102.10円まで回復して終了した。

■為替
109.33円でスタートした5月の為替相場は月初、米4月ISM製造業景況指数や米4月雇用統計が予想に反し悪化していたことで景気回復期待が剥落するとドル売りが強まり、米国時間に一時108.50円近辺まで下落した。その後、109円近辺で上値は抑えられていたものの、米4月消費者物価指数が市場予想を大幅に上回り米長期債利回りが急騰すると、ドル買い戻しの動きも強まり109.60円近辺まで値を伸ばした。月後半にかけて弱い米経済指標が続き、米長期債利回りが低下していく中で、徐々に上値を削ると26日には月間最安値の108.75円まで値を下げた。その後は、米新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、他米経済指標も好調な結果となったことから順調な経済回復が確認され109円を上抜けると、米大統領が6兆ドル規模の予算案を提案する予定と報道されたことも相俟って28日には月間最高値の109.97円まで急騰した。110円近辺では利食い売りも見られ上値は抑えられると、月末31日には109.76円まで下落して終了した。
略語注釈
ISM:全米供給管理協会
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