マーケット市況情報

2021年03月08日 14時00分

2021年2月の貴金属市況2021年03月08日 14時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,857.80ドルでスタートした2月のドル建て金相場は月初、同水準で揉み合う展開が続くと、同日ロンドン時間午後に月間最高値の1,862.95ドルまで上昇した。その後は、欧州10月-12月期GDPが弱い結果となったことや米新規失業保険申請件数が予想以上に改善したことでドル高となると1,800ドル割れの水準まで下落した。その後発表された、米1月雇用統計では雇用の伸びが市場予想を下回ったことで上昇に転じ、1,840ドル近辺まで回復。月半ばにかけて、1,820ドル近辺から1,840ドル近辺で揉み合う展開が続くと、米国内で新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向となり、ワクチン普及による経済活動正常化への期待感からドル高となると1,780ドル近辺まで下落した。月末にかけて、再び1,800ドルをうかがう場面もみられたが、米長期金利急騰を背景にドルが強含むと、月末26日には月間最安値の1.742.85ドルまで下落して終了した。

■円建て金相場
6,292円でスタートした2月の円建て金相場は月初、ドル建て金相場の上昇を受け2日には月間最高値の6,311円まで値を伸ばした。その後、ドル建て相場が軟調地合いとなったことで徐々に上値を削ると19日には月間最安値の6,078円まで下落した。月末にかけても、ドル建て相場は軟調地合いを維持したものの、円安が進んだことで上昇に転じると、月末26日には6,103円で終了した。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
1,116ドルでスタートした2月のドル建てプラチナ相場は月初、欧州経済指標が弱い結果を示す一方で、米経済指標は力強い内容を示すと対ユーロでドルが強含み、4日には月間最安値の1,084ドルまで下落。その後は、安値を拾う動きが強まったことに加え、新型コロナワクチンの普及やバイデン米政権の追加経済対策案の成立期待などを材料に16日には月間最高値の1,306ドルまで急騰。しかし、この水準では利益確定の売りも強まり1,250ドル近辺まで下落すると、月末26日には米長期金利の上昇を材料にドル高が進行したことで1,204ドルまで急落して終了した。

■円建てプラチナ相場
月間最安値の3,744円でスタートした2月の円建てプラチナ相場は、月半ばにかけてドル建てプラチナ相場が上昇したことに加え、為替相場が円安方向へ進むと16日には月間最高値の4,481円まで値を伸ばした。その後、ドル建て相場の下落を受け上値を削ると、月末26日には4,213円で終了した。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
月間最高値の29.59ドルでスタートした2月のドル建て銀相場は月初、利食い売りが強まったことに加え、軟調な欧州経済指標を材料に対ユーロでドル高が進行すると急落し4日には月間最安値の26.40ドルまで値を下げた。同水準では安値を拾う動きが活発になったことや、米1月雇用統計で雇用者数の伸びが低調な結果だったことからドル売りから徐々に下値を切り上げる展開となった。その後は、バイデン米政権による追加経済対策成立への期待感や、銅をはじめ堅調に推移する非鉄金属を好感した買いから値を伸ばすと28ドル近辺まで上昇した。しかし、月末にかけて米長期金利の上昇を材料にドル高が進む中で下落に転じると、月末26日には26.69ドルで終了した。

■円建て銀相場
99.30円でスタートした2月の円建て銀相場は、ドル建て銀相場の上昇から2日には月間最高値の99.40円まで値を伸ばした。その後、ドル建て相場の急落を受け5日には月間最安値の92.90円まで下落した。月末にかけてドル建て相場が徐々に下値を切り上げ、月末26日には96.90円で終了した。

■為替
104.69円でスタートした2月の為替相場は月初、米新規失業保険申請件数はじめ、米経済指標が市場予想を上回る改善をみせたことでドル高が進行し105.70円近辺まで上昇した。その後は、弱い米1月消費者物価指数や米長期金利の上昇が一服したことを受け下落に転じると、10日には月間最安値の104.62円まで値を下げた。月半ばから後半にかけて、本邦株式市場が約30年半ぶりとなる3万円台を回復したことや、米国内における新型コロナウイルス新規感染者数の減少が円売りドル買いを促進し106円を突破した。月末にかけて、欧州経済指標が市場予想を上回ったことや英国において都市封鎖の段階的な解除計画が発表されたことで、ユーロやポンドに対しドルが弱含むと、これがドル円相場にも波及し、一時105円近辺まで下落した。しかし、米FRB議長の発言や、米国内で新たな新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を近く許可する可能性が高まったことなどを受け、景気回復への期待感が一層強まると、米長期金利が急騰。これを材料にドル買いが旺盛となると、月末26日には月間最高値の106.25円で終了した。

略語注釈
FRB:米連邦準備理事会

以上
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