マーケット市況情報

2020年12月08日 14時00分

2020年11月の貴金属市況2020年12月08日 14時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,886.75ドルでスタートした11月のドル建て金相場は月初、大接戦となった米大統領選を受け下値を切り上げると、米FRBをはじめ各国の中央銀行が金融緩和政策の維持や強化の姿勢を示したことで資金流入が強まり9日に月間最高値の1,957.45ドルまで上昇した。月半ばにかけて、米製薬会社大手が新型コロナウイルスワクチンの治験において大きく有効性を示したと発表したことで景気回復の速度が加速するとの見方が強まり、追加経済対策への期待が剥落したことで1,860ドル近辺まで急落した。その後は、安値を拾う動きから一時的に反発する局面もみられたものの、1,900ドル近辺では上値の重い展開が続いた。月後半にかけても、新型コロナウイルスのワクチン開発を巡る報道に上値は抑えられる中、バイデン次期大統領が財務長官にイエレン元FRB議長を指名する計画との報道や米製造業PMIが高い伸びを示したことで経済活動正常化への期待感が高まり1,800ドルを割り込む水準まで値を落とすと、月末30日には月間最安値の1,762.55ドルまで続落して終了した。

■円建て金相場
6,369円でスタートした11月の円建て金相場は月初、ドル建て金相場が底堅く推移したことで値を伸ばし9日には月間最高値の6,520円まで上昇した。その後、ドル建て相場の下落と共に上値を削ると、月末には円高も相俟って30日には月間最安値の6,020円まで下げ幅を拡大して終了した。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
858ドルでスタートした11月のドル建てプラチナ相場は前月末の軟調地合いを継続し、同日ロンドン時間午後に月間最安値の855ドルまで下落した。月初、混戦の米大統領選を受け、貴金属全般に資金流入が続く中で下値を切り上げると、900ドルを回復した。その後、米製薬大手企業が新型コロナワクチンの治験において有効な成果を挙げることに成功した旨の発表を受け、ドルが強含んだことで一時860ドル近辺まで下落した。しかし、主要生産国である南アフリカの大手鉱山会社が年内の生産量を下方修正すると、他白金族に比して割安だったことから買い進められ再び900ドルを回復すると、その後の英プラチナ市場調査機関が発表した2020年の需給見通しで大幅な供給不足が示され、買い意欲が再び強まり、960ドル近辺まで続伸した。月末にかけて、米政権移行プロセス開始との報道から、米次期政権に対する先行き不透明感が払拭され米ダウ平均株価が史上初となる3万ドルの大台を突破し、新型コロナウイルスの世界的な拡大が収束するであろうとの楽観的な見方が広がる中で下値を切り上げると、月末30日には月間最高値の979ドルまで続伸して終了した。

■円建てプラチナ相場
月間最安値の2,934円でスタートした11月の円建てプラチナ相場は、堅調なドル建てプラチナ相場を受け、月を通して下値を切り上げる展開が続くと26日には月間最高値の3,294円まで上昇した。その後は、為替相場が円高に進んだことでやや値を下げると月末30日には3,278円で終了した。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
23.98ドルでスタートした11月のドル建て銀相場は月初、混戦となった米大統領選挙を材料に上昇する金相場に連れ高となると、好調な中国経済指標も価格を押し上げる材料となり6日には月間最高値の25.78ドルまで上昇した。しかし、米製薬大手会社が新型コロナウイルスの治験で有効な結果を得られたとの報道を受け、経済活動正常化に対する期待感が高まる中、金相場の下落につられる形で24ドル近辺まで急落した。月半ばにかけて、弱い米経済指標を受けドルが軟調に推移したことで一時25ドル近辺まで回復した場面も見られたが、同価格水準では上値は抑えられ軟調地合いが継続する展開が続いた。月後半にかけては、米経済指標で米企業活動の拡大がみられたことやバイデン次期大統領が前FRB議長を財務長官に起用するとの報道を材料に米経済の早期回復期待から米国株へ資金が向かう中で23.50ドル近辺まで下落した。その後も、新型コロナウイルスワクチンや経済活動正常化への期待感が上値を抑えると、月末30日には月間最安値の22.15ドルまで下落して終了した。

■円建て銀相場
81.40円でスタートした11月の円建て銀相場は、上昇するドル建て銀相場を受けて9日には月間最高値の88.00円まで値を伸ばした。月末にかけてドル建て相場が下落に転じ、為替相場も円高方向に進んだことで値を下げると、30日には月間最安値の78.80円で終了した。

■為替
104.76円でスタートした11月のドル円為替相場は月初、大接戦となった米大統領選では序盤こそ民主党バイデン氏優勢とされながらも、トランプ氏優勢なのではとの見方が強まったことに加えトランプ陣営が郵便投票を不当とする訴訟を提出したとの報道を受け、徐々に上値を削る展開となり9日には月間最安値の103.35円まで下げ幅を拡大した。しかし、米製薬会社大手が新型コロナウイルスワクチンの治験において大きな効果を得られたと発表したことで、景気回復への期待感が高まり、米株価が大幅に上昇する中でドル買いが急速に進み105円近辺を突破すると、12日には月間最高値の105.42円まで上昇した。月後半にかけて、市場予想を下回る米経済指標やFRB議長による金融緩和の更なる拡大の可能性示唆などを材料に上値を削る展開が継続すると103.70円近辺まで下落した。その後、バイデン次期政権でイエレン前FRB議長を財務長官に起用するとの報道が市場に好感され104.50円近辺まで回復するも、月末にかけて再び上値を削り30日には103.89円で終了した。

略語注釈
FRB:米連邦準備理事会
PMI:購買担当者景気指数
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