マーケット市況情報

2020年11月06日 10時00分

2020年10月の貴金属市況2020年11月06日 10時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,895.55ドルでスタートした10月のドル建て金相場は、月を通して1,900ドルを挟み売り買い交錯する相場展開が続いた。月初、米大統領が新型コロナウイルス陽性反応との報道を受けた米国株式の下落など市場の不安心理を反映して下値を切り上げると、米9月雇用統計では失業率が改善された一方、雇用者数は減少に転じていたことから1,915ドル近辺まで続伸した。その後、早期退院した米大統領が追加経済対策案について、大統領選前の与野党協議停止を指示したことで同対策への期待が剥落し米国株が急落すると、一時1,880ドル近辺まで売り浴びせられた。しかし、修正された同対策案を大統領が承認したとの報道が伝わると、実現へ向けて楽観的な見方が広がったことで米国株全面高となり買い戻しの動きが強まると、12日には月間最高値の1,925.50ドルまで急騰した。その後も、米追加経済対策協議を巡る報道を材料に乱高下する相場展開が続いた。月末にかけて、欧州で新型コロナウイルスが感染再拡大していることや、ECBが年内に金融緩和を拡大することを示唆したことでユーロ売りドル買いが強まると28日には月間最安値の1,869.95ドルまで下落した。月末30日にはやや値を戻し1,881.85ドルで終了した。

■円建て金相場
6,456円でスタートした10月の円建て金相場は、ドル建て金相場の上昇と円安が相俟って12日には月間最高値の6,592円まで上昇した。月半ばから月末にかけて、ドル建て相場が上値重く推移したことに加え、為替相場も円高が進んだことで上値を削ると、月末30日には月間最安値の6,332円で終了した。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
899ドルでスタートした10月のドル建てプラチナ相場は、弱い米9月雇用統計の結果や軟調な米株式市場を材料に経済に対する先行き懸念から上値を削ると、米大統領が追加経済対策案の与野党協議停止を指示したことで経済の先行き不透明感が強まり850ドル台中盤まで下落した。その後、米追加経済対策実現へ楽観的な見方が広まったことによる米株式市場の上昇を好感し890ドル近辺まで値を戻す場面もみられたが、米議会高官の発言から同対策案成立への不透明感が強まり、景気回復への期待感が剥落すると15日には月間最安値の846ドルまで下落した。その後も、米追加経済対策協議が意識される相場展開が続く中、成立への期待感からドル売り先行となり下値を切り上げると、欧州経済指標で着実な景気回復が示唆されたことで23日には月間最高値の917ドルまで上昇した。900ドルを超える水準では利食い売りが強まったことに加え、月末にかけて欧州での新型コロナウイルス感染再拡大からフランスやドイツで再び都市封鎖が実施され、経済活動停止に対する懸念が広がったことで下落に転じ、月末30日には852ドルで終了した。

■円建てプラチナ相場
3,116円でスタートした10月の円建てプラチナ相場は、底堅いドル建てプラチナ相場と円安を受けて6日に月間最高値の3,140円まで上昇した。その後は、ドル建て相場が軟調になったことに加え、為替相場も円高に進んだことで徐々に上値を削り、月末30日には月間最安値の2,982円で終了した。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
23.62ドルでスタートした10月のドル建て銀相場は、弱い米経済指標や米大統領の新型コロナウイルス陽性反応の報道を受けたドル安から底堅く推移していたが、米追加経済対策の両党協議停止を米大統領が指示したことで米株価が急落すると、手元のドル資金確保の動きが強まり23ドル台前半まで下落した。その後は、米大統領が増額修正された追加経済対策案を承認したとの報道から両党合意へ向け楽観的な見方が広がり、米株価が上昇すると買い戻しの動きが強まり12日には月間最高値の25.06ドルまで急騰した。月半ばから下旬にかけても、米追加経済対策に関する報道を材料とした値動きとなり24ドル近辺から25ドル近辺での往来相場を形成した。月末にかけては、欧州における新型コロナウイルス感染拡大を受けた各国の都市封鎖発表を背景に経済活動の停滞懸念が強まったことで、欧米株価が急落すると換金売りが強まり、29日には月間最安値の23.02ドルまで急落した。月末30日には安値を拾う動きなどから23.63ドルまで回復して終了した。

■円建て銀相場
81.60円でスタートした10月の円建て銀相場は、徐々に下値を切り上げるドル建て銀相場を受けて、12日には月間最高値の87.40円まで上昇した。その後、為替相場が円高に進んだことやドル建て相場が下落に転じたことで、月末30日には月間最安値の80.80円まで値を下げて終了した。


■為替
105.55円でスタートした10月の為替相場は、米大統領が新型コロナウイルス陽性反応との報道を受けて米国株が急落する中で105.10円近辺までドルは下落するも、早期に公務復帰がなされ市場に安心感が広がり、市場予想を上回る良好な米経済指標も追い風となって8日には月間最高値の106.07円まで上値を伸ばした。月の半ばに入り、売り買い交錯する中で動意に欠ける展開が続いた後は、米議会における大統領選前の追加経済対策合意に不透明感が漂う中、欧州での新型コロナウイルス感染再拡大を受けたフランスやドイツの都市封鎖発表の報道に対ユーロで主要通貨が買われる中で、29日にはドル月間最安値の104.40円まで下落する展開となった。月末30日には良好な米経済指標を材料に104.60円まで値を戻して終了した。


略語注釈
ECB:欧州中央銀行
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